マリーゴールドは「強い花」 だからずっとタネを植え続ける
「どう育つかな、楽しみ」 小学校の校庭で、赤白帽子に体操服姿の子供たちが、小さな体を丸めてプランターをのぞき込む。人さし指を土の中にズボッ。一つずつ穴をあけて種を埋めていく。ここは群馬県上野村。長野県境にある山間のこの村も、5月中旬のこの日は気温が上がっていた。子供たちの頰は赤く、おでこには汗がにじむ。 植えているのは、マリーゴールドの種。夏に花を咲かせる暑さに負けない「強い花」、マリーゴールド。花には、村の山の尾根で命を落とした520人の命への慰霊と、その遺族たちへ「強く生きてほしい」という子どもたちの思いが込められている。 清流が流れ、渓流釣りが人気の人口1千人ほどの村は今から37年前の夏、航空機事故史に残る大事故の現場となった。 1985年8月12日、村の…この記事は有料会員記事です。残り1025文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル