聖火リレー観覧中、男性が心肺停止 小学生ら5人の「お手柄」で救命

仙道洸2021年9月1日 13時00分 路上に倒れた高齢男性の人命救助に貢献したとして、狭山署は8月17日、看護師の長田晃昌さん(39)と後藤文哉さん(26)、小学生の落合璃子さん(11)、小林祐理さん(10)と弟の祐爾さん(7)の5人に感謝状を贈った。 署などによると、狭山市の70代男性は7月6日、市内で行われていた東京五輪の聖火リレーを観覧中に倒れて意識不明になった。道路を挟んで反対側にいた長田さんらは、聖火リレーの一団が通り過ぎてから道路を横切り、駆けつけた。 「周りにちらほら人はいたが、そんな騒ぎになっていなくて『なんか倒れているな』という感じだった」というが、男性は心停止の状態だった。すぐにAED(自動体外式除細動器)を持ってくるよう周囲に呼びかけ、胸骨圧迫を開始した。 AEDを運んできたのは「付近のマンションにあることを知っていた」という落合さんら3人の小学生。「早く持ってこないと」と走って取りに行き、すぐに現場に戻って手渡した。受け取った長田さんらがすぐにAEDで蘇生を施すと男性は意識を取り戻し、救急車で搬送された。 真野益夫署長は「子どもと大人のすばらしい連係プレーで尊い命が救われた」と感謝した。(仙道洸)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ソフトコンタクト、簡単付け外しグッズ開発の「舞台裏」

 視力を矯正したり、瞳の色を変えてオシャレを楽しんだりするソフトコンタクトレンズ。それを、指で直接触らずにつけ外しできる器具があります。 「meruru(メルル)」 ピンセットに似た形の器具です。 横浜市に本社がある「メディトレック」という会社が開発したのですが、2013年に発売されてから8年で出荷数が30万個を超えました。国内だけでなく、ドイツや中国、韓国、そして台湾などにも出荷されています。 「こんなもの売れないよ」 「だれも買わないよ」 そんな酷評も浴びてきました。でも、57歳で起業した社長の斉藤和子さん(66)は、あきらめませんでした。その原動力は、コンタクトの検査員の仕事をしていたときに感じていた悔しさ、です。悔しくてたまらない 斉藤は商業高校を卒業後、しばらくメガネの販売チェーンなどで働く。そして10年間、専業主婦をした。 子育てが一段落し、コンタクトの検査員として東京の眼科で働き始めた。その人にあったコンタクトを探し、つけ外しの指導をする仕事である。 コンタクトを目につける練習にも付き添った。練習は、たとえばこんな感じである。 ――斉藤が、コンタクトをつけたいとやってきた人に言う。 「手でコンタクトを入れてみましょう」 やってきた人は、人さし指ですくったレンズを、おそるおそる自分の目に近づける。 「そう、その調子」と斉藤。 だが、手が止まる。 「がんばれ」と斉藤。 無事にコンタクトを目に入れることができると、その人は笑顔になって言う。 「わっ、こんなに見えるんだ」―― ほとんどの人は、すんなり入…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

清洲橋や永代橋…強くて美しい関東大震災後の橋や公園

 首都圏をマグニチュード8クラスの地震が襲い、約10万5千人の死者・行方不明者が出た1923(大正12)年9月1日の関東大震災からあと2年で100年を迎える。震災後は防災を重視した街づくりが進み、堅牢な橋や避難場所を兼ねる公園が造られたが、近年は都心回帰もあって再び人口が集中している。専門家は、次の首都直下地震に備え、復興の歴史をいま一度知るべきだと指摘する。 関東大震災は、近代化した首都圏を襲った初の巨大地震だった。江戸時代の街並みが残っていた木造住宅の密集地が炎に包まれ、橋も焼け落ち、多くの人が逃げ場を失って焼死した。 壊滅的な被害から復興するため、政府が作ったのが「帝都復興計画」だ。名古屋大減災連携研究センターの武村雅之特任教授(地震学・地震工学)は「この計画に基づく事業が今の東京の基盤になった」と話す。 隅田川や神田川に架かる橋は、耐震と耐火が重視され、鋼鉄をふんだんに使って設計された。永代橋や清洲橋などは太平洋戦争の空襲にも耐え、今も現役だ。 延焼を避けるため、区画整理と道路の整備が進み、東京都千代田区から江東区に延びる永代通りなど主な幹線道路が整備された。避難場所になる公園も造られ、今も多くの人が集う隅田、錦糸(きんし)、浜町の3公園はこの時できた。小学校に隣接する52の「復興小公園」は、普段は校庭の延長として使われるように設計されていた。 この時の街づくりでは、首都としての美観や品格が重視されたのも特徴だ。 清洲橋は当時、世界で最も美…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:288文字/全文:928文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

大雨で車が冠水、中には高齢男性 妻子といた夫は救助に向かった

杉山匡史2021年9月1日 10時08分 台風9号に伴う大雨で8月9日、冠水した島根県出雲市大社町のアンダーパスに90代の男性が運転する軽自動車が進入し、動けなくなる事故があった。目撃した後続の運転手2人が警察官と一緒に救助し、出雲署は31日、同市白枝町の会社員中野剛さん(38)に人命救助で感謝状を贈った。 署によると、中野さんは午前10時35分ごろ、同市内の建設現場に向かう途中、一畑電車の線路下を通る道路で事故を目撃。すぐに110番通報し、通りかかった男性と別の現場から駆けつけた署員との3人で、腰付近まで水につかりながら、運転席の男性を抱えるように助け出した。大雨が降りしきる中、水かさはどんどん増して男性の胸あたりまで上がり、水圧でドアが開けにくかったが力を合わせたという。 中野さんの車には妻真子(まこ)さん(28)、長男陽(ひなた)ちゃん(1)が同乗。無事に救助された男性が暖を取れるよう、車内にあった真子さんのブランケットを渡すと、お礼を言われたという。 署であった感謝状の贈呈式で、中野さんは「自分の家族も助けられることがあるかもしれないと思って夢中だった。無事でよかった」、真子さんは「かっこよかった」と話した。 松本好尚署長は「複数での対応や機転を利かした迅速な通報は立派で感謝している」とねぎらった。救助に協力したもう1人の男性も探しているという。(杉山匡史)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

コメントプラス、小熊英二さん・パックンら参加 総勢100人に

2021年9月1日 7時00分 朝日新聞デジタルのコメント閲覧機能「コメントプラス」は1日、政治、スポーツ、デジタル各分野に精通するコメンテーター12人を新たに迎えました。コメンテーターは総勢100人に拡大。最新のニュースや話題を伝える記事に続けて、わかりやすい解説や記事とは異なる視点、問題解決につながる提案を“プラス”していきます。 コメントプラスは、朝日新聞デジタルが創刊10周年のテーマに掲げた「多様性と未来」に沿い、ダイバーシティー、SDGs(持続可能な開発目標)、教育、子育て、働き方、国際の各分野で活躍する識者ら57人で6月スタートしました。 新たに加わったのは、慶応大教授で歴史社会学者の小熊英二さん、オリンピアンで国連職員の井本直歩子(なおこ)さん、若者の政治参加を促す一般社団法人「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さん、米国出身のお笑い芸人パックンことパトリック・ハーランさん、さらに朝日新聞社の経験豊かな記者ら計43人です。 見出しの下の吹き出しマークが、コメントが投稿されている記事の目印。コメントは、コメントプラスのページ(https://asahi.com/comment/)で新着順にチェックできます。 有料会員に登録(最初の1カ月無料)いただくとコメント全文をお読みいただけます。コメンテーターを入り口にした新たな記事との出会い、コメント閲覧で知見が広がるニュース体験をぜひお楽しみください。 社外から加わるほかのコメンテーターは次の皆さん(50音順)。プロフィルはコメンテーター一覧ページ(https://www.asahi.com/comment/commentator/)でご紹介しています。 社会活動家の石山アンジュさん▽エンジニアの遠藤謙さん▽情報学研究者のドミニク・チェンさん▽スポーツ教育学者で元ラグビー日本代表の平尾剛さん▽CNet Japan編集長の藤井涼さん▽東京大先端科学技術研究センター教授で行政学者の牧原出(いづる)さん▽九州大法学部教授で憲法学者の南野森(しげる)さん▽JX通信社代表取締役の米重克洋さんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「僕はたまたま生きている」 がん患者支援に声あげる訳

 今年度の朝日がん大賞に、悪性リンパ腫の患者会「グループ・ネクサス・ジャパン」理事長の天野慎介さん(47)が選ばれた。長年のがん患者支援活動と、患者代表としての意見発信が受賞理由という。活動にこめた思いを聞いた。 27歳の頃、血液がんの一種「悪性リンパ腫」と診断され、2度再発した。患者会活動を続け、「グループ・ネクサス・ジャパン」や全国の50団体を束ねる「全国がん患者団体連合会」の理事長を務める。 「周囲の患者はお年寄りばかり。とにかく孤独だった」。仲間とつながることの重要さを痛感したことが、活動の原点だ。 最初の治療で7カ月間入院。その間に会社を退職し、不妊になる可能性が高い化学療法を受ける前に、精子の凍結はできなかった。 「仕事は辞めなくてよかったし、少し治療が遅れてでも精子を凍結しておけばよかった」と今でも思う。 さまざまな非常勤の仕事をしながら、患者活動の幅が広がっていく。■がんになっても安心できる社…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:801文字/全文:1217文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

眞子さま、小室圭さんと年内結婚へ 儀式行わず生活拠点は米国の方向

 秋篠宮家の長女眞子さまが、婚約が内定している小室圭さんと年内に結婚する方向で調整していることが、関係者への取材でわかった。結婚式をはじめ、結婚に関する行事は行わない方針。眞子さまは今後米国へ移り、小室さんと同国を拠点に生活するという。 通例では女性皇族が結婚する際、一般の結納にあたる「納采の儀」などの儀式を経るが、眞子さまが儀式をせずに結婚すれば戦後初めて。関係者によると、結婚への賛否の声があることや、新型コロナの感染状況などを踏まえ、儀式を行わない見通しとなったという。 米ニューヨーク州で生活している小室さんは7月に司法試験を受験。12月に結果発表を控えているが、同州の法律事務所で就職する方針で、生活する基盤の見通しがたったことなどから眞子さまとの生活が始められると判断したという。 皇室典範では、結婚する女性皇族は皇籍離脱することと、「一時金」が支給されることが定められている。一時金については、今後開かれる皇室経済会議で支給額が決められ、「内親王」の眞子さまには、1億5250万円以内で一時金が支払われることになる。眞子さまと小室圭さんの結婚をめぐる動き2010年9月 小室さんの母親と男性が婚約12年9月 男性が婚約解消を申し入れ17年9月 眞子さまと小室さんの婚約内定17年12月 週刊誌が金銭トラブルを報道。その後、同様の報道が現在まで続く18年2月 宮内庁が結婚延期を発表18年11月 秋篠宮さまが記者会見で「多くの人が納得し喜んでくれる状況にならなければ、納采の儀を行うことはできない」と発言19年1月 小室さんが経緯説明の文書公開19年11月 秋篠宮さまが記者会見で、延期から2年を迎えることに対し「何らかのことは発表する必要がある」と言及20年11月 眞子さまが「結婚に向けて進みたい」と文書でお気持ち表明同月 秋篠宮さまが記者会見で「結婚を認める」と言及する一方、トラブルへの対応を「見える形に」と発言21年4月8日 小室さんが金銭トラブルを説明する文書公表Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

新幹線500系13年ぶり「こだま」脱出 ツアーで実現

朝倉義統2021年8月31日 20時00分 かつて最高時速300キロで走ったJR西日本の新幹線500系が、山陽新幹線(新大阪―博多間)を「ノンストップ」で走る特別企画が進む。 旅行会社クラブツーリズムによる18、19日の貸し切りツアー。18日の往路は、車両基地のある博多南駅まで行けるとあって特に人気で、すでに完売した。 数駅で短時間の停車はするものの、乗り降りはできない。同社の担当者は「13年ぶりに各駅停車の『こだま』を脱出します。往年の走りを楽しんで」。(朝倉義統)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

性犯罪、赤ずきんがRPG風に解決 高校生が防犯動画

古畑航希2021年8月31日 20時00分 「あやしいひとがあらわれた! あかずきんはどうする?」。童話の「赤ずきん」をモチーフに、不審者に遭遇した時の正しい行動をロールプレイングゲーム風に紹介する動画を、福岡市の福岡工大付属城東高校の生徒が制作した。性犯罪の防止を目指している。 同校の城東映像クリエーター部の部員8人が手がけた。赤ずきんが、オオカミに見立てた不審者に遭遇する1分余りのストーリー。「たたかう」「ぼうぎょ」「にげる」の三つの選択肢が現れ、正しい「にげる」が選ばれると、「あかずきんは、2mいじょうきょりをとった」と具体的な行動も示される。 その後登場する「きこり」は、赤ずきんがオオカミと遭遇している場面を目撃。「アイテム」を選ぶと、きこりは四つのアイテムの中から「でんしょばと」を選び、助けを呼ぶ。110番通報を例えた表現で、緊急時には電話で助けを求めることの重要性を訴えている。 部員たちは福岡県警東署からの依頼を受け、4月から制作を開始。「若い世代にも分かりやすく親しみがもてるように」と、童話をモチーフにゲーム風の動画にすることにした。 週末には部員の家に集まり、2週間かけて紙粘土で人形をつくった。動画はコマ撮りで約150枚の画像を使用。人形は手と胴体をつまようじでつないで可動式にし、場面ごとに登場キャラクターの表情を変えられるよう取り外しのできるシールをつけた。 「2メートル以上の距離を取る」といった知識は、東署で学んだ護身術から採り入れた。撮り直しを何度も重ね、7月末に完成させた。 動画は福岡県警のYouTube(ユーチューブ)チャンネル(https://youtu.be/CF0Ic_vSFSk)で公開中。 3年の冷川静流(しずる)さんは「若い世代にたくさんみてもらって、実際に不審者に遭遇したときも正しい選択をしてもらえたら」と話した。(古畑航希)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ヒグマ対策策定、出没相次ぎ1年延期 札幌市、見直しへ

佐藤亜季2021年8月31日 20時24分 札幌市はヒグマ対策の基本計画を見直すため、「第1回さっぽろヒグマ基本計画改定検討委員会」を開いた。6月に東区で4人が襲われるなど市街地にヒグマが相次いで出没していることを受け、現行の基本計画を大幅に見直すため、今年度末に策定する予定を1年延期することにした。来年度末に新たな計画を完成させる。 現行の「さっぽろヒグマ基本計画」は2017年3月に策定。ヒグマの出没を想定して森林に接する6区を対策の重点地域にしていたが、東区の事例などを受け、重点地域を市内全域に広げる。8月27日の会合では、市街地へのヒグマの侵入を阻止するため、緑地管理のあり方などについて話し合われた。 委員会は、道立総合研究機構エネルギー・環境・地質研究所の釣賀一二三・研究主幹ら4人の有識者で構成し、来年度末まで5回程度の会を開催する予定。(佐藤亜季)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル