パズル誌の懸賞企画、長く賞品送らず 出版社に措置命令

 パズル雑誌の懸賞企画で長期間賞品を発送していなかったとして、消費者庁は24日、出版社の晋遊舎(東京都千代田区)に景品表示法違反(優良誤認、有利誤認)で再発防止などを求める措置命令を出した。  発表によると、同社は2016年8月~20年1月に発行したパズル雑誌計115冊で懸賞や景品を提供する企画を実施。「液晶テレビ」「現金1万円」「1名様」などと表示したが、昨年社内調査で発覚するまで計7千~8千点の賞品類を発送していなかった。  誌面は「当選者は賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます」と発送時期を明記していなかったが、消費者庁は応募締め切りから8カ月弱~3年10カ月後まで発送されなかったことから、常識的な期間を超えていると判断した。  晋遊舎は昨年10月に未発送が判明したと公表。主な原因として、外部委託先との認識の齟齬(そご)や、編集部門の担当者が編集作業に忙殺され発送業務まで手が回らなかったことなどを挙げていた。措置命令を受けて同社は「送付専門の別部署を立ち上げ、万全を期した送付体制で取り組んでおり、引き続き、管理体制の強化に努めてまいります」とのコメントを出した。(兼田徳幸) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

総合職へ転換、女性に認めないのは差別 横浜地裁が認定

 一般職から総合職へ転じる制度があるのに女性2人に転換の機会を与えなかったのは男女差別にあたるとして、横浜地裁が神奈川県の企業に対し、それぞれ慰謝料100万円の支払いを命じたことがわかった。女性らが24日、東京都内で記者会見して明らかにした。  支払いを命じられたのは、巴機械サービス(神奈川県平塚市)。取材に対し、「判決を確認し、内容を精査のうえ対応を検討する」とコメントした。同社は東証1部上場の遠心分離機メーカー、巴工業の子会社だ。  判決によると、2人は2007年と08年に入社し、総合職への転換制度の利用を繰り返し希望した。だが、会社側は基準や方法を示さず、当時の社長は面談で「女性に総合職はない」と発言。新谷晋司裁判長はこれについて「女性であることを理由に総合職への転換の機会を与えていないものと強く推認される」と指摘。職種の変更について、性別を理由とした差別的な取り扱いを禁じる男女雇用機会均等法の趣旨に違反すると認定した。  同社は1999年に総合職と一般職を区別する人事制度を導入。それ以降に採用した総合職56人は全員男性で一般職9人は全員女性だった。判決は、女性に電話番やお茶くみをまかせるなど、同社にある男女差別的な風潮も精神的苦痛を増大させたと指摘した。  ただし、2人が会社側に求めた総合職との賃金格差分の支払いは認めなかった。女性を一般職として採用したことも「一応の合理的理由」があるとした。  原告の女性の1人は会見で、事務職の求人の選考を経て採用されたが、入社してはじめて男性が総合職、女性が一般職になっていることを知ったと説明。「同じ試験なのに、納得できなかった」と当時から違和感を感じていたと訴えた。  もう1人の女性は「業務は男性と変わりがないのに、なぜ総合職になれないのかと伝えても、社長に『女性はなれない』と言われ、怒りを覚えるしかなかった。このような結果が出てとてもうれしい」と話した。  原告側代理人の石渡豊正弁護士は会見で、「原告の女性が男女差別を長年、明確に訴え続けたのを重く見た判決だと思う。就業規則に転換の規定があるだけで具体的な手続きや基準が全く整備されていない。それを放置してきたのが厳しく指摘された」と語った。(岡林佐和、吉田貴司、藤えりか) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

常連客がボトル飲み切る前に閉店か…時短要請延長に嘆き

 首都圏の飲食店に対する営業時間の短縮要請が、4月21日まで続く見通しになった。東京都内では昨年11月末以降、約5カ月にわたって時短要請が続くことになる。我慢をしいられる繁華街では、嘆きや諦めの声が広がっている。  居酒屋やバーが軒を連ねる東京・新橋。「年末年始も会食を自粛してきたのに、これ以上我慢するなんて無理ですよ」。会社員の男性(41)は、緊急事態宣言の解除もあり、4月に職場の歓迎会を開く予定だったが、「これでは無理」とこぼした。  JR新橋駅近くの「BAR WESTERN」店主の佐藤潤二さん(71)は、「いつになったら日常が戻ってくるんだ」とため息をついた。  かつては午前0時ごろまで営業していたが、昨年11月末以降は、東京都の要請に応じて閉店時間を午後10時に繰り上げ、1月からは休業した。宣言が解除されたことから、22日から店を再開したばかりだ。  要請を守って午後8時で酒の提供をやめているが、店は2軒目以降に訪れる人が多く、閉店までに間に合う客は1日数人という。1日4万円の協力金が支払われるが、家賃などの固定費で消えていく。  「日本一の街でバーテンダーになりたい」と札幌市から上京。店のカウンターに立って50年近くになるが、この4カ月間、まともに営業できていない。1年の売り上げは、前年と比べて7~8割減に落ち込んだ。「ここを乗り切ればきっと良くなる」と耐えてきたところに、時短要請の延長が打ち出された。  店には、常連客がキープしたまま1年以上が経ったウイスキーのボトルが並ぶ。「この酒を飲み切る日がくるのだろうか。その前に、店を閉める日がきてしまうかもしれない」  一方、和食ダイニング「二貴(… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

呉座勇一氏の投稿「到底容認されない発言」 日文研謝罪

 国際日本文化研究センター(日文研)助教の呉座勇一氏が女性研究者らを中傷する投稿をしたとしてツイッター上で謝罪した問題で、日文研は24日、発言は「個人の表現の自由を逸脱した良識を欠く行為」であり、呉座氏に対し、井上章一所長らが厳重注意し、女性研究者らに謝罪するよう指導したと明らかにした。  日文研は井上所長名のコメントで、「(呉座氏が)他者を傷つけ、研究者として到底容認されない発言を繰り返していたことが判明しました。深くお詫(わ)び申し上げます」と謝罪。今後投稿内容を精査し、呉座氏に適切な対応をとるという。  呉座氏は、ベストセラー「応仁の乱」で知られる日本中世史が専門の歴史学者。NHKは23日、呉座氏が来年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代考証の担当を降板すると発表した。(河野通高) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

内閣の臨時国会召集の義務 東京地裁、憲法判断は示さず

 憲法53条に基づき野党が臨時国会の召集を求めたのに対し、2017年当時の安倍晋三内閣が約3カ月間応じなかったことが憲法違反にあたるかが問われた訴訟の判決が24日、東京地裁(鎌野真敬裁判長)であった。判決は違憲性を判断せず、原告側の訴えを退けた。原告側は判決を不服として控訴した。  原告の小西洋之・参院議員(立憲)は、①臨時国会の召集を要求する権利や臨時国会で質問する権利が侵害されたことへの国家賠償②内閣が20日以内に召集する義務を負うことの確認を求めていた。  判決は①について、原告が主張する権利は、国会議員として付与された「職務上の権限」で「公益を図ることが目的」と指摘。裁判で救済される個人の権利ではないとして棄却した。②については、国会議員と内閣はともに「国の機関」であるとして、機関同士の争いは法律に定めがない限り提起できないとして却下した。  内閣に憲法53条による法的義務があるかについては判断を示さなかった。  訴訟の発端は17年6月。野党が森友・加計学園問題を審議するため臨時国会の召集を要求したが、安倍内閣が召集したのは98日後で、冒頭に衆議院を解散した。憲法53条は、衆参いずれかの議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は召集を決定しなければならないと定めている。  同種訴訟は岡山など全国3地裁で提起された。昨年6月の那覇地裁判決は、安倍内閣の対応の違憲性は判断しなかったが、憲法53条の要求に基づく召集は「憲法上の法的義務だ」と明言。原告側は判決後の会見で「那覇地裁の判決より後退した。国会が開かれなければ説明責任を尽くす場がなくなる。内閣のやりたい放題だ」と批判した。(新屋絵理) ■江藤祥平・上智大准教授(憲法… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

医師20人にリベート4億3千万円 米系企業に厳重警告

 世界的な米系医療機器メーカー「グローバスメディカル」の日本法人(東京)が機器を購入した病院の医師側にリベートを提供していた問題で、業界団体でつくる医療機器業公正取引協議会(公取協)は24日、医師20人に5年間で約4億3千万円を支払っていたとして、同法人を厳重警告の処分とした。患者のための機器選択を、医師への資金提供によってゆがめようとしたと判断した。  この問題は、朝日新聞が昨年11月、関東や関西、九州の大規模な民間病院の約20人の医師側に、2019年の1年間で総額1億円超のリベート提供があったと報じて発覚。報道を受けて公取協が調査していた。その結果、景品表示法に基づく公正競争規約に違反すると認定し、最も重い処分とした。  公取協によると、リベートの提供先は20社。この20社は医師や親族が役員となっていたが、公取協はいずれも医師本人への提供だと判断した。また、同法人が不当な資金提供があったとしてコンプライアンス上問題だと判断した取引先が21社あった。これら計41社への不当な資金提供は5年間で約10億円にのぼる。同法人は41社との契約を解除したか、今後解除する方針だという。  この20社を通じ、少なくとも… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

渋谷6人死傷、タクシー運転手死亡 入院中意識回復せず

 東京都渋谷区笹塚1丁目の甲州街道で1月、横断歩道上にいた歩行者がタクシーにはねられ、1人が死亡し、5人が重軽傷を負った事故で、タクシーを運転していた相沢平次さん(73)=東京都世田谷区新町1丁目=が24日、死亡した。事故直後に意識を失い、くも膜下出血の疑いで入院していた。意識が回復することはなかったという。捜査関係者への取材でわかった。  警視庁によると、現場は京王線笹塚駅近くの片側4車線の直線道路。事故でアルバイトの女性(当時49)が亡くなったほか、小学3年の男児と母親を含む当時9歳~40代の男女5人が重軽傷を負った。  タクシー側の信号が赤だった疑いがあるほか、相沢さんが事故の前から意識を失っているような様子がドライブレコーダーに記録されていたことなどから、同庁は相沢さんが病気で意識を失っていた可能性があるとみて調べていた。さらに裏付け捜査を進め、相沢さんを自動車運転死傷処罰法違反の疑いで容疑者死亡のまま書類送検する方針だ。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

大阪府で新たに262人感染 200人超は2月5日以来

 大阪府は24日、府内で新たに262人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。23日発表分から79人増えた。1日の感染者が200人を超えるのは2月5日以来。また、70代の女性1人の死亡も確認された。府内の感染者は延べ4万9748人、死者は計1170人。  検査数は1万2038件で、過去最多だった。入院中の重症患者は前日から2人増えて61人。府が確保している病床(224床)の使用率は27・2%だった。軽症・中等症患者は38人増えて562人で、確保病床(1766床)の使用率は31・8%となった。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

復旧進む熊本城、桜もお祝い 800本が見ごろを迎える

 2016年4月の熊本地震から間もなく5年。被災からの復旧が進む熊本城で今年も桜が見ごろを迎え、新型コロナウイルス感染防止対策のマスクを着けた花見客らでにぎわっている。  熊本市の熊本城総合事務所によると、熊本地震で一部が倒壊した国指定重要文化財「長塀(ながべい)」は今年1月に復旧が完了。瓦が崩落するなど大きな被害を受けた天守閣内部の一般公開も来月26日から予定されている。  城域内は約800本が咲き誇る桜の名所で、28日まで天守閣周辺の公開時間を午後7時まで延長。午後5~8時は桜のトンネルが美しい行幸(みゆき)坂も一般開放している。同事務所の担当者は「飲酒を伴う花見は控え、マスクなど新型コロナ対策をして熊本城の桜を楽しんでほしい」と話している。(白石昌幸) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

東電に是正措置命令へ 規制委、柏崎刈羽テロ対策不備で

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロ対策の不備が相次いで発覚した問題で、原子力規制委員会は24日、東電が原子炉等規制法に違反したとして是正措置命令を出すことを決めた。東電が核物質防護の姿勢を自主的に改善できる状態になったと規制委が判断するまで、原子炉に核燃料を入れることなどを禁じる方針。命令が解除されるまで再稼働は事実上できない。  規制委は、書面などで東電の弁明を聞いた上で命令を出す。命令は1年以上続く見通し。規制委によると、同様の是正措置命令は、大量の機器の点検不備を受けて日本原子力研究開発機構に高速増殖原型炉もんじゅ(廃炉)の使用停止を命じた2013年5月に続いて2例目。  更田豊志委員長は24日の定例会で、東電の核物質防護の姿勢が「十全なものか確認しきれていない」と指摘。テロに狙われる可能性がある核燃料の移動を禁止する命令を提案し、ほかの委員4人から同意を得た。記者会見で「核物質防護をきちんとやるために、さらなる強化策を加える。規制委の発足以来、最も大きな判断だ」と語った。  柏崎刈羽では昨年3月以降、15カ所で不正侵入を検知する設備が故障し、うち10カ所で30日以上検知できない状態が継続。規制委は今月、安全確保への影響が4段階で最悪の「赤」と評価した。昨年9月に社員が他人のIDカードを使って中央制御室に不正入室したことも発覚していた。  規制委は23日までに、第三者… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル