森喜朗氏、謝罪会見へ 「女性の会議は長い」発言めぐり

 今夏に延期された東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が、3日の日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議委員会で「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」などと発言したことを巡り、森会長は4日午後に記者会見を開いて謝罪する方向で組織委が調整している。大会関係者によると、森会長は自ら組織委に連絡を入れ、謝罪の意向を示したという。  森会長は3日のJOC臨時評議員会のあいさつで、女性理事を増やすJOCの方針に対する私見として「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」と発言。「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わらないので困ると言っておられた。だれが言ったとは言わないが」とも述べた。  一方、加藤勝信官房長官は4日午前の記者会見で、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」と発言したことについて、組織委で対応を検討していることを明らかにした。一方で、発言内容については「コメントは控えたい」などと繰り返した。  加藤氏は政府の対応を問われ、… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

福島のすごいおっちゃん 桜9万9千本「千年かけても」

 原発事故で傷ついた故郷を癒やそうと、9万9千本を目指して、桜を里山に植え続ける。旧知の世界的な芸術家も共感し、中心となって活動するのは福島県いわき市の「すごいおっちゃん」、志賀忠重さん(70)だ。250年先という壮大なゴールに向け、1歩ずつ進んでいる。 しが・ただしげ 1950年2月、福島県いわき市生まれ。磐城高校を経て東北工業大学建築学科卒。ガソリンスタンド、ソーラーシステム販売会社などを経営した。88年、当時は駆け出しの蔡國強氏がいわき市のギャラリーで開いた個展で、絵を購入したことから交流が始まり、94年には同氏が、海の沖合で火薬を爆発させ、その炎によって地球の輪郭を描こうとした「地平線プロジェクト」実行会に参加。97年には北極海を単独徒歩で横断した大場満郎さんの前線基地マネジャーも務めた。  ――震災から2カ月後、いわき市の中心部から約4キロ離れた田園地帯の一角にある里山でサクラの植樹を始めました。  「世界に誇れる場所を故郷につくりたいと思った。4月になると、この辺りは山の桜がきれいで雰囲気が変わる。震災と事故から約1カ月たって少し気持ちも落ち着き、自分にできることはこれだと考えた」  ――東京電力福島第一原発事故への腹立たしさも影響したそうですね。  「事故は生まれ育った、いわきの良さを一瞬で失わせた。大学時代に離れ、卒業して戻った時、豊かな自然、四季の移り変わりなどバランスが良く、居心地の良い場所と感じた。誰もが訪れたい場所のはずが、行きたくない場所になり、腹立たしかった」 拡大するインタビューに答える志賀忠重さん=2020年12月17日午後3時14分、福島県いわき市平、長屋護撮影  ――当初のメンバーは20人ほどでした。  「身内のほかに、避難所で炊き出しを一緒にした仲間も参加してくれ、5、6回するうちに目標を決めることになった。やるなら世界一。(奈良県の)吉野山の桜は3万本。じゃあ10万本と考えたが、(中国・福建省生まれの世界的な現代芸術家)蔡國強(ツァイグオチャン)さんから中国では99に『無限』や『永遠』といった意味があると聞いていたので、千本引いて9万9千本にした」  ――「いわき万本桜プロジェクト」と名付け、当初の植樹のペースは年間1千本ほど。その後は減って、今のペースでは250年かかります。  「プルトニウムの半減期は2万… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 -…

がん専門病院にもコロナ病棟、両立めざす2院長の思いは

 新型コロナウイルス感染症の流行を受け、がんを専門とする特定機能病院でも、コロナ患者の受け入れに取り組んでいる。昨春から200人以上の患者が入院した国立がん研究センター中央病院の島田和明院長と、昨年末に専用病棟を新設したがん研有明病院の佐野武院長に、思いや現状を聞いた。(月舘彩子、辻外記子) 拡大するがん研有明病院の新型コロナ患者向けの病室=東京都江東区、病院提供 ■発熱患者、プレハブで  昨年4月、東京都からの要請を受け、1病棟を新型コロナウイルス感染症専用にし、25床の病床を設けました。  23床を中等症用に、その入院患者の重症化に備えて2床を重症用としています。これまで延べ2千人以上の患者を受け入れています。  5月下旬~7月下旬まで、いったん新型コロナ病床を閉じましたが、7月27日に再び開設しました。  波はありますが、1月中旬以降満床状態が続いています。  呼吸器内科の医師が中心となり、医師6人、看護師20~40人、薬剤師1人のチームを組んで対応しています。1カ月でチームは交代します。  4月は院内感染対策として2週… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

シャネル、ヴァレンティノ 明るさ咲くオートクチュール

 花を思わせる爽やかな明るさ。2021年春夏パリ・オートクチュールコレクションが1月下旬、デジタル映像で発表された。刺繡(ししゅう)など職人技を詰め込んだ夢のようなドレスと共に、スーツやニットなど軽やかな日常着も多かった。コロナ下だからか、見て、着て楽しくなるような提案が目立った。(編集委員・高橋牧子、神宮桃子)  シャネルの会場は、いつものパリのグラン・パレで、巨大な建物内に花のアーチや多くの椅子が置かれた。ただ、客席はまばらで、俳優のマリオン・コティヤールやペネロペ・クルスら数人がぽつんと座る。 拡大するシャネルの2021年春夏オートクチュールコレクション=ブランド提供  らせん階段をモデルたちが下りてくる姿を、コティヤールたちがうっとりと、それでいて物憂げな顔で見つめる。その表情からは、大勢では集まれないコロナ禍の切なさが伝わってくる。映像はオランダの映画監督アントン・コービンが担当した。 拡大するシャネルの2021年春夏オートクチュールコレクション=ブランド提供  作品はブランドの伝統に基づいた正統なデザインだが、色や素材に明るさが宿る。定番のツイードスーツには、輝くビーズ刺繡(ししゅう)を施したり、黄金色のボウタイブラウスを合わせたり。刺繍や羽根、花飾りが重ねられ、完成度の高い職人技をみせつける。  ヴァレンティノは、創業の地ローマにある美術館が舞台。展示品が並ぶ豪華な内装に溶け込むように、凝った手仕事を施した大胆なフォルムのドレスなどをそろえた。大きなタックを取ったロングスカートなど、ドラマチックな印象の服に、カジュアルなニットを合わせて現代的に見せる。 拡大するヴァレンティノの2021年春夏オートクチュールコレクション=ブランド提供  色はライラックや黄、淡いブル… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「甘い汁、吸わせたらいけん」辞職の案里議員に厳しい声

 疑惑発覚から1年3カ月余り。2019年7月の参院選をめぐり、公職選挙法違反(買収)罪で一審有罪となった参院議員の河井案里被告(47)=自民党を離党=が3日、議員辞職した。控訴断念も表明し、自身の事件はこれで区切りとなるが、夫で元法相の衆院議員・克行被告(57)=同=の公判を理由に説明はせず、書面を出しただけだった。  河井夫妻の地元・広島市安佐南区。カラオケ喫茶店主の女性(80)は、問題となった2019年7月の参院選で案里前議員に一票を投じた。その2カ月前、孫の運動会で案里前議員と会い、「頑張って」と声をかけた。そのやり取りの際、10年ほど前に店の前で会話したことを覚えていた案里前議員に好印象を持ったからだ。だが当選後3カ月で一連の疑惑が発覚。「どうして……」と言う一方で、この日に至るまで議員辞職しなかったことには、「『甘い汁』を吸わせたらいけん」と厳しい。  有権者からは「裏切られた」「… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

案里被告の有罪確定へ 検察側も控訴しない方針固める

 2019年の参院選広島選挙区をめぐり、公職選挙法違反(買収)の罪に問われた前参院議員・河井案里被告(47)=自民党を離党=の有罪判決が確定する見通しとなった。3日に辞職した案里前議員が控訴しないことを表明したほか、検察側もこの日までに控訴しない方針を固めた。控訴期限が切れる5日午前0時に、懲役1年4カ月執行猶予5年の判決と公民権停止5年が確定する。  関係者によると、検察側は現金を受け取った地方議員5人のうち1人への買収罪を無罪とした判決を不服としつつ、迅速な判決を目指す公選法の「百日裁判」の趣旨を重視。無罪部分も、案里前議員の共謀は否定されたが夫で元法相の衆院議員・克行被告(57)による買収は認められたため、控訴しないことにしたとみられる。  案里前議員は3日、山東昭子参院議長に議員辞職願を提出し、参院本会議で許可された。この日に出した書面では、有罪判決について「納得しかねる」とし、「金員で人の心を買うことはできないというのは私の信念であり、有権者を裏切ることは決してしていない」と改めて強調した。一方で、「たとえ一審でも信頼を回復できなかったことは政治家として情けなく、政治的責任を引き受けるべきだ。これ以上争いを長引かせ、混乱を生じせしめることも本意ではない」と控訴見送りを表明した。  有罪が確定することで案里前議員の当選は無効となり、同区では公選法の規定で再選挙となる。再選挙は、衆院北海道2区、参院長野選挙区の2補選とともに、4月25日投開票で行われる。  案里前議員は、克行議員と共謀し、参院選の票のとりまとめを依頼する趣旨で、広島県議4人に計160万円、江田島市議1人に10万円を渡したとして昨年7月に起訴された。東京地裁は1月21日の判決で、県議4人への現金提供は有罪とし、市議への買収罪は無罪とした。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

火の舞「トーチ」でやけどの生徒、ネット中傷受け心に傷

 火を付けた棒を回す演舞「トーチトワリング」の練習をしていた名古屋市の男子中学生がやけどを負った事故で、愛知県警は3日、指導にあたった男性教諭(53)を業務上過失致傷容疑で名古屋地検に書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。事故後、市教育委員会は火を使う演舞を中止したが、被害者は転校を余儀なくされ、心身の傷は癒えていない。  事故は2019年7月26日夕、市立守山東中(守山区)の校庭で、当時2年生の男子生徒が同級生約20人と練習中に発生。右腕の長袖に引火し、腕にやけどを負った。捜査関係者によると、男性教諭は棒の先に巻いたタオルの灯油を十分に絞らずに点火するなど、安全対策を怠った疑いがある。  現場には生徒のほか、教諭ら7人がいたが、練習の指導や安全管理は男性教諭が監督していた。  この演舞は「キャンプファイアを盛り上げる」などとして、長年、名古屋市を中心とした県内の小中学校の野外学習などで披露されていた。長さ50~60センチのステンレス棒の先端にタオルを巻き、灯油を染みこませて着火。手で回すなどして演じる。市教育委員会は事故後、火を使う演舞を禁止し、LEDライトなどで代用するよう指導している。 ネットで中傷受け、区外に引っ越し  やけどを負った男子生徒の母親… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

都構想代替の一元化条例案 維新と公明で修正協議へ

 大阪都構想の簡易版と言える広域行政の一元化条例案について、大阪維新の会と公明党大阪府本部は、修正協議に入る方針で一致した。両党の議席は大阪市議会で過半数を超えており、合意すれば条例案は2月市議会で成立する。  一元化条例案は、成長戦略と都市計画の一部の権限を市から府に移す内容。維新前代表の松井一郎市長は3日、記者団に対して、公明市議団の西崎照明幹事長らと協議したことを明らかにした上で「広域一元化条例について前向きに進めることで合意した」と述べた。  西崎氏も3日、記者団に「府と市のあり方を考える前向きな条例案だ」と語った。西崎氏は松井氏に対して、市から府に委託する具体的な事業範囲や、市が都市計画に引き続き関与することなどを条例案に明記するよう要望したと説明。松井氏は検討する考えを示したという。  一方、大阪市の24行政区を8… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

接触確認アプリの通知漏れ、5カ月も気づかれない理由は

 政府の新型コロナウイルス接触確認アプリで昨年9月以降の通知漏れが判明した。普及が進まぬところに重なるミス。国家による公衆衛生でのデジタル監視に、国民の不信感は高まる。 拡大するスマホに表示された接触確認アプリ「COCOA」 工藤郁子・大阪大学招へい教員(情報法政策)  5カ月にわたって、政府の接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の障害が見つけられなかったのは残念です。アプリで技術的な不具合はつきものとはいえ、今回、運用に問題があったことが露呈しました。  アプリを使う感染防止対策は当初、中国や韓国、シンガポールが先行事例として注目されました。行政が個人の移動履歴や健康情報をつぶさに把握して情報収集と分析を効率化するやり方で、感染封じ込めに貢献しました。 記事後半では、梶谷懐・神戸大教授と村井純・慶応大教授がCOCOA普及率を巡る日本人の価値観を分析します。  一方、COCOAは使っている… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

発見遅れたCOCOA不具合、厚労省「実機テストせず」

 情報技術(IT)を使って新型コロナの感染拡大を防ぐ「切り札」として導入された接触確認アプリ「COCOA」。利用者の約3割を占めるアンドロイド版が昨年9月末から4カ月以上、機能していないことが分かった。なぜこのような事態になり、発見が遅れたのか。厚生労働省が3日夜に開いた記者説明の主なやり取りは以下の通り。 ――どのような不具合が起きたのか。  「昨年9月28日にCOCOAのバージョンアップをした。それ以降の1月までは基本的な動作テストしかしていなかった。そのなかではちゃんと動いていると業者が判断した。年明けに拡張してテストしたら動いていないと判明した」  「9月28日は、(iPhone〈アイフォーン〉向け基本ソフト)iOSで濃厚でない接触でも(通知が)来てしまうことの不具合を直した。その時に、時間、距離とかのパラメーターに変更を加えた。iOSはそのときうまくいったが、アンドロイドは濃厚接触があっても低いリスクと判定されて通知がいかない、ということになってしまった」 ――問題発覚の経緯は。  「(業者からの)一報は(今年)1月25日。どうも不具合あるらしい、と。それで調査をお願いして最終的にきょうに至った」 ――どれくらいの規模の問題なのか。  「アンドロイドの割合は、ダウンロードされていることとアクティブかは別。ダウンロードでみると約31.4%。2月2日現在で、全体で約2450万ダウンロード。アンドロイドは約770万ダウンロードに該当する」 ――どれだけ(濃厚接触者だとい… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル