それでも怖い夜の1人歩き みかじめ断った業者たちの今

 福岡県久留米市に拠点を置く指定暴力団・道仁会の資金獲得活動について、県警が実態解明に本腰を入れている。これまで工藤会(北九州市)の捜査に注力してきたが、その間に道仁会の活動が活発化。地元業者から「みかじめ料」を徴収しているとの情報も得ており、資金源根絶をめざす。  県内には道仁会や工藤会を含め、五つの指定暴力団が拠点を置く。なかでも工藤会による市民襲撃事件が相次ぎ、県警はトップらを逮捕する「頂上作戦」を展開。組員と準構成員らはピーク時から半減した。  工藤会の弱体化が進む一方で、活発化の兆しを見せるのが道仁会だ。道仁会は2006年以降、離脱した一部勢力が立ち上げた九州誠道会(現・浪川会、同県大牟田市)と抗争を繰り返し、12年には両団体は県公安委員会などから全国初となる「特定抗争指定暴力団」の指定を受けた。  ただ抗争は沈静化し、14年に指定を解除。すると久留米市を中心とした県南部の筑後地区で暴力団が建設業者や飲食店を狙ったとみられる放火や器物損壊などの事件が20件近く相次いだ。みかじめ料の徴収をめぐり道仁会系組幹部が逮捕される事件も続いた。  県警は、特定抗争指定の解除に伴って道仁会が資金獲得活動を活発化させたとみて、18年10月、約200人態勢で「筑後地区暴力団集中取締本部」を設置。19年3月には組員らへの職務質問に取り組む「特別遊撃班」を発足させ、組織の実態解明を進めた。  そんななか明らかになったのが組織の金集めの実態だ。地元の建設業者や飲食店を対象に、みかじめ料を求めていることが明らかになった。業者などによると、みかじめ料の相場は工事の受注額に対し、建築が1%、土木が2%、解体が5%。主に公共工事が対象。飲食店の相場は月数万円という。  ある元組員は10年以上前、幹… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「地元の友達には知らせず」 帰省開始、東京駅ガラガラ

 年末年始の帰省シーズンが26日、始まった。新型コロナウイルスの影響で新幹線の利用が落ち込み、JR東京駅では例年のような混雑は見られなかった。  26日午前、東京駅の東海道新幹線ホームには帰省客らの姿があったが、列車を待つ人の列は短く、列車は空席が目立った。半年前に出産した息子と神戸に帰省する東京都杉並区の会社員の女性(34)は「ガラガラですね」と驚いていた。感染が拡大し、帰省するかどうか悩んだという。周囲の反応を恐れ、「地元の友達には帰ると知らせていない」と話す。  東京都足立区の会社員女性(27)は、1年ぶりに滋賀の実家に帰る。「ゴールデンウィークも帰りたかったが、医療従事者の親がOKしなかった」。帰省を決めた後に都内の感染者数が増え続け、国内では新型コロナの変異種も確認された。「タイミングが悪かったかなあ」と複雑な表情を浮かべた。  JR東海によると、感染拡大や政府の観光支援事業「Go To トラベル」一時停止の影響を受け、年末年始(12月25日~来年1月5日)の東海道新幹線指定席の予約は22日時点で前年比25%にとどまる。26日午前の東京駅発下り列車の自由席乗車率は「のぞみ」で20~60%、「こだま」で10%以下だった。  羽田空港第1ターミナルも26日午前、混み合う様子は見られなかった。航空各社によると、18日の発表時点で年末年始(12月25日~1月3日)の国内線の予約者数は前年比45%減の計約174万人、国際線は95%減の計約3万人だった。(一條優太) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

妻子とスノボ中、雪に埋もれて死亡 41歳の会社役員

 26日午後1時40分ごろ、新潟県湯沢町土樽の湯沢パークスキー場で、スノーボードをしていた男性が雪に埋もれる事故があったとスキー場関係者から119番通報があった。男性は病院に搬送されたが、死亡が確認された。  県警南魚沼署によると、男性は横浜市緑区竹山の会社役員、日吉健浩さん(41)。妻と子2人の家族4人で中上級コースを滑っていたところ、姿が見えなくなったため、家族からの連絡を受けたパトロール員が捜索。コース脇の雪が積もった場所で埋もれている日吉さんが見つかった。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ニトリ、バスマットなど355万個回収 基準超の石綿

 家具大手のニトリホールディングスは26日、法令基準を超えるアスベスト(石綿)が含まれていたとして自主回収する珪藻土(けいそうど)製品を、計約355万個と発表した。2016年以降に販売したバスマットやコースターの23種。すべて中国の同じ委託工場で製造されたもので、アスベストの検査をしていなかったという。  似鳥昭雄会長が東京都内で会見し「深くおわび申し上げます。すぐに対策を立てていきたい」と陳謝。自主点検で発覚し、珪藻土製品すべてを確認していた。再発防止のため、製品発注ごとにアスベストの検査を今後実施する方針。  対象品の見分け方などはホームページで紹介している。商品は2重にしたポリ袋に入れて封をし、近くの店舗へ持ち込めば交換・返金する。持ち込みが難しい場合の回収法は1月中旬から案内する予定で、それまで自宅保管を呼びかけている。問い合わせはお客様相談室(0120・209・993)へ。(佐藤亜季) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

年収偽りローン、幹部は雲隠れ 高級カーシェア投資の罠

 車を貸し出して運用に回せば利益を得られるとうたって消費者に高級車を買わせ、預かった車でカーシェア事業を展開していた会社が倒産した。オーナーの多くは「元手ゼロで始められる投資」と勧誘された若者で、多額のローンの支払いに窮する人が続出している。(兼田徳幸、市原研吾)  メルセデスベンツ、BMW、アウディ、レクサス……。10月半ば、埼玉県内の駐車場を訪ねると、出番を失った高級車がすし詰めの状態で放置されていた。  経営破綻(はたん)したのは、「スカイカーシェア」のサービス名でカーシェア事業を展開していたSERIAS(セリアス)(東京都豊島区)などのグループ会社。東京地裁に11~12月に破産手続きの開始を申し立て、開始決定を受けた。東京商工リサーチによると、負債は判明分だけで4億円を超えるが、グループの主な運営会社は申し立てした時点で負債額は不明としている。  破産申立書などによると、グループは2018年4月に東京で事業を始め、その後大阪に進出した。「高級車はシェアする時代」などと宣伝し、最安24時間6800円とレンタカーより安い料金設定でユーザーを集め、月単位の貸し出しもしていた。  車両はオーナーから預かったものを使った。グループは「家を買って賃貸に出す不動産投資のようなもの」「レンタカーの『わ』ナンバーではない高級車はシェアの需要がある」などと勧誘。グループや提携先の中古車販売会社から1台数百万円の7年ローンで買わせた。オーナーは関東、関西を中心に600人前後とみられ、複数台契約していた人もいる。 「実質負担ゼロ」を強調  投資のメリットとして強調して… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

都営大江戸線の運転士15人が感染 通常の7割に減便へ

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、東京都は26日、都営地下鉄大江戸線について、27日から通常の7割程度で運行すると発表した。15~25日までに大江戸線の運転士計15人の感染が確認され、濃厚接触者を含め運転士21人が出勤できなくなり、通常運行に必要な人員確保が難しいと判断して、減便を決めたという。  平日となる28日朝のラッシュ時間帯(午前7時半~8時半)は通常通りの運行を予定しているという。減便する期間は来年1月11日ごろまでをめどとしている。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

秋田・男鹿のホッキョクグマが出産 口にくわえて産室に

 男鹿水族館GAO(秋田県男鹿市)のホッキョクグマ、ユキ(21歳)が26日午前1時半ごろに出産したとGAOが発表した。子グマの性別や頭数は不明。GAOでホッキョクグマが出産したのは、2012年12月に次いで2回目という。  生まれた子グマの父親は豪太(17歳)。ユキと豪太は今年の春に交尾が確認されていた。ユキはセルビアのパリック動物園生まれで、GAOでの出産は初めて。豪太はロシアのモスクワ動物園生まれだ。  野生のホッキョクグマは通常、子グマが雪の巣穴の中で移動できるようになってから、親子で外に出てくる。このためGAOの飼育員は親子のいるスペースに立ち入らず、当面、モニター越しで観察するという。  ユキは、出産や子育てのために設けられた産室の外で出産した後、子グマを口にくわえて産室に入っていった。その動画をGAOの公式ツイッター(https://twitter.com/ogaaquariumgao)で見ることができる。自然界の雪の巣穴に似せて造られた産室は、軟らかい木片が敷き詰められており、薄暗くて静かだという。(増田洋一) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

若者よ、妄想力を抱け 未来の不安を越えるためには

 もしも、新型コロナウイルスが、世界を襲わなければ……。メディア恒例の一年を振り返る企画は、良くも悪くも「東京五輪開催」の話題が独占しただろう。  この連載も「東京2020」というオリンピック開催を機に、日本社会を改めて様々な角度から見つめ直す――という目的でスタートした。  初回の2019年4月から今年2月までは企画にのっとり、様々な方向に視線を投げて、日本という国を再認識する話題を取り上げた。  念頭に置いたのは、「東京五輪を我々はどうとらえるべきか」だった。ところが、3月にコロナ禍の問題を取り上げた頃から「五輪延期」が取り沙汰されて、同月30日に正式に1年延期となって、テーマは変化した。  社会の注目は未曽有の危機をもたらした新型ウイルスに集中した。世界規模では感染者数が7800万人を突破、死者も170万人を超え、終息のめどは立っていない。 秋葉原に立って見えたもの  19年4月にこの連載に取りかかる頃、日本という国が加速度的に変化し、「同じ時間を生きている感覚が希薄になりつつあるのではないか」という危惧を抱いていた。そして、連載初回で秋葉原に立ったのは、我々の価値観を激変させた“立役者”の一人である安倍晋三前首相にとって“聖地”ともいえる場所だったからだ。彼はここで時に国民の“英雄”となり、時に非難を浴びた。  同時代性喪失の危機は新型コロナウイルスという災厄によって一体感を取り戻すに至っている。ところが、コロナ後も変わらない、いやますます激しくなったものがある。「自分は常に正しい側にいたい」という自己防衛の意識だ。そして人々は我が正義を叫びながらも、不安と恐怖、終わりが見えない混沌(こんとん)の中で、途方に暮れている。  ついに疲れきってしまったのか、今やどこか開き直った弛緩(しかん)状態が社会にどんどん蔓延(まんえん)している気がしてならない。  ほんの1年前まで、私は近い将来、日本を襲うであろう様々な危機の可能性を指摘し、「このままの状況が続けば、日本は近い将来、大変な時代を迎える。だから、それに備えて、一歩先んじた対策を講じるべきだ」と訴えてきた。実際、発表する小説の多くも、「巨額な財政赤字」や「エネルギー危機」などを取り上げ、「未来への警鐘」をテーマにしてきた。その行為は、どこか「オオカミ少年的」に捉えられ、「危機をあおりすぎ」だという批判を受けたこともあった。 危機に弱かった日本社会後半では、真山さんが2011年から続ける私塾「真山ゼミ」に集まる大学生や社会人らとのやりとりが展開されます。日本の危機に対する意識が薄く、保守的で現状肯定が目立つ若者たち。真山さんが彼らに訴えたいものとは、何なのでしょうか。  だが、新型コロナウイルスが蔓延して、あまりにも危機に弱い日本社会が露呈してしまった。まさかの事態への備えを「無駄遣い」と切り捨て、危機対応の準備がおざなりだったことが顕在化してしまった。  だから言わんこっちゃない、と… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source…

予約客少ないのに? 料理長の「増員」指示、聖夜に実る

 洋食店「レストランKei」で、主任の熊谷郁美さん(25)は来店予約のファイルを見て、ため息をついた。神奈川県厚木市。12月だというのに、今年はクリスマス会や忘年会を開く客が少ない。  「今年はいかがですか」  「家族で集まるのは控えようという話になってね」  常連客とこんな話をしたのは11月下旬だった。クリスマスに歌手を招く恒例のイベントも、中止になった。  だから、料理長の指示を聞いた時は、不思議に思った。「24日と25日はスタッフを増員してほしい」  イブもクリスマスも予約は少ないんだけど……。熊谷さんは疑問に思いつつ、スタッフに電話をかけていった。  何日かたって、料理長から聞か… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

古刹の庭、切り取るハート 天井には花鳥風月の世界

 ハート形に、世界をかわいらしく切り取った窓。見上げれば、花鳥風月の天井画。癒やされたいと、今日もこの部屋を訪れる。 拡大する頭上を埋めつくす花や和の景色をテーマに描かれた160枚の天井画=京都府宇治田原町、筋野健太撮影  20畳の和室に入ると、縁側に面した、ふすまをくりぬいたような縦横1メートルほどの「猪目窓(いのめまど)」に目が釘付けになった。「きれい。本当にハート形してる」。居合わせた京都市内の20代の男女が、いそいそとスマホを取り出し、窓を背に自撮りをし始めた。 拡大する正寿院の本堂=2020年12月7日、京都府宇治田原町、筋野健太撮影  宇治茶の発祥の地とされる京都府宇治田原町の古刹(こさつ)、正寿院。仏像のない客殿の「則天の間」にあるこの窓が、参拝のハイライトとなっている。  ハート形は古来よりイノシシの目をあらわした厄よけの文様とされる。座ると、新緑に紅葉、雪景色と四季折々の自然がハート形に切り取られ、目を楽しませる。カワイイ眺めがインスタ映えを求める老若男女を引き寄せる。 拡大する正寿院の客殿の中にある天井画と猪目(いのめ)窓=2020年12月7日、京都府宇治田原町、筋野健太撮影  見どころは頭上にも。ツバキやこいのぼり、舞妓(まいこ)など花や鳥、風景などを題材にした160枚の天井画だ。「過疎が進んでいるからこそ多くの人が訪れる場所にしたかった」と副住職の久野村大寛(だいかん)さん(33)は語る。 記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員限定のプレゼントもあります。  約130世帯が暮らす奥山田地… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 -…