「ドロボー」裸足で走る女性の姿 配達員が証拠を捉えた

 新聞配達中に「ドロボー!」という叫び声に気付いてバイクで追いかけ、逃げる男が乗り込んだ車の写真を撮って捜査に貢献したとして、神奈川県警瀬谷署は、横浜市瀬谷区の新聞販売店「朝日新聞サービスアンカー(ASA)瀬谷中部」の配達員後藤甲一さん(42)に感謝状を贈った。  バイクに乗って夕刊を配達していた、12月8日午後2時すぎのことだ。  「ドロボーっ、捕まえてー!」  叫び声に気付くと、目の前を裸足の女性が全力で駆けていくのが見えた。その先をスーツ姿の男が逃げていく。後藤さんはバイクに乗り、男を追った。  約400メートル先で男は車に乗り込み、発進させた。男がなぜ追われていたのかは、後藤さんにはわからない。「下手に手を出してなにかされたら困る。証拠をおさえなきゃ」。後藤さんはスマートフォンで、ナンバーがわかるように車の写真を撮った。  声をあげていた女性は店のお客さんだ。女性宅に向かうと、女性はとても慌てた様子だった。「写真撮ったからね、捕まると思うよ。大丈夫」と女性に声をかけ、駆けつけた警察官に状況を説明した。  女性宅にはこの日の午後1時半ごろ、警察官を名乗る男から「詐欺グループを捜査している。あなたのキャッシュカードを警察で預かりたい」と電話がかかってきたのだという。  2時過ぎには、女性宅に警察官を名乗る若い男が訪れた。女性は指示されるままに封筒に入れたキャッシュカードを渡し、男に警察手帳を見せるよう要求。すると男は封筒を持って逃げ出したのだという。  後藤さんが追いかけたのは、その男だった。後藤さんが撮った写真を手がかりに、瀬谷署は男の行方を捜査。午後5時ごろ、男は静岡県内で見つかり、窃盗容疑で逮捕された。現金の被害はなかったという。  後藤さんは瀬谷区で新聞配達を… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

吉沢亮 若手きっての理論派が振り返った「美しい時間」

 2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の主演にばってきされて勢いに乗る吉沢亮。大河に先立ち、主演映画「AWAKE(アウェイク)」が12月25日から公開される。若手俳優きっての理論派が演じるのは、棋士になる夢を諦め、強力な将棋AI(人工知能)を開発したエンジニアだ。  「セリフの少ない映画なので、前半は表情とかしぐさとかで、割と分かりやすく説明的に演じました。そして後半は逆に、見ている観客によって、いろいろに取れるようにした方が面白いなと考えていました」 ■  清田英一はかつては棋士養成機関の奨励会に属していたが、20歳で退会した挫折経験を持つ。奨励会時代のライバルで、棋士になった浅川陸(若葉竜也)が「将棋電王戦」で、清田の開発したAI「AWAKE」と対戦することになる。  「この男から将棋を取ったら何も残らない。そんな雰囲気を出そうと思って、動作や表情を少しオーバーにしたり、体重を増やしたりしました。これがリアルな棋士か、というとちょっと違うかもしれないけど。清田の少年時代を演じた子役が素晴らしかったので、彼と一緒に作り上げたという面もありました」 ■監督から「そこは吉沢さんにお… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

雪に埋もれるなどして3人死亡、いずれも除雪中か 山形

 除雪作業をしていたとみられる人が死亡する事故が18、19日、山形県内で相次いだ。  県警によると、尾花沢市荻袋で19日午後0時35分ごろ、無職菅野キミノさん(88)が自宅の軒下で雪に埋もれているのが見つかり、その場で死亡が確認された。近くにスコップが落ちていたといい、県警は、除雪作業中に屋根から落ちてきた雪に巻き込まれたとみている。  また米沢市口田沢でも18日午後6時半ごろ、パート従業員早川由美子さん(65)が自宅車庫の軒下で雪に埋もれているのが見つかり、約2時間後に死亡が確認された。窒息死だった。車庫の雪下ろしをする早川さんが目撃されており、車庫にはしごが立てかけられ、雪の中から雪かき用シャベルが見つかった。屋根の上での雪下ろし中に転落したとみられる。  最上町志茂でも同日午後4時ごろ、無職小関己佐雄さん(87)が自宅敷地内の物置小屋そばで倒れているのが見つかり、死亡が確認された。屋根の雪が幅約20メートルにわたって落ちていたといい、県警は軒下での除雪作業中だったとみている。(西田理人) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「あれは何」「滑走路みたい」 名古屋駅に無数の青い光

 JR名古屋駅(名古屋市)の在来線ホームから、線路に沿って無数の青い光が見える。幻想的でSNSなどで「きれい」「クリスマスのイルミネーション?」などと話題になっている。  青い光はホーム端からや、駅周辺の建物からも見られる。ホームから約800メートルの範囲で線路に沿って設置されるLED表示灯で、東京方面に233個、大阪方面に159個の計392個ある。  JR東海によると、線路上で保守点検をする作業員に列車の接近を知らせるための装置で、列車が近づくとその線路の青い光が点滅する。こうした仕組みで列車の通過ルートを視覚的に知らせるのはJR各社では初といい、8月から本格運用が始まった。運転に影響が出ないよう信号(赤黄緑)とは異なる「青」を採用した。  駅ではリニア中央新幹線の地下駅建設関連工事を含め、昼夜問わず年約2千件の工事や保守点検がある。列車は在来線だけで1日約1500本が発着。ホームは1~13番まであり「非常に分かりづらい構内」との声もあった。この装置で安全性が向上し、見張り要員も減らせたという。  駅に隣接する名古屋マリオットアソシアホテルでは宿泊客から「あれは何?」「滑走路みたい」と数多く問い合わせが寄せられ、新たな名所になりつつある。(堀川勝元) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

関越道の通行止め、ようやく解除 除雪が難航

 日本海側を中心に19日も続いた降雪で、交通機関に影響が出た。  関越自動車道では、NEXCO東日本が19日朝の通行止め解除をめざしていたが、朝から雪の勢いが強まり、ずれこんだ。除雪車80台で作業しても、終わった場所にすぐ雪が積もる状態になり、通行止めとなっていた小出インターチェンジ(IC、新潟県魚沼市)―月夜野IC(群馬県みなかみ町)では、午後9時半にようやく上下線ともに解除された。  日本航空は、雪や強い風の影響で同日午後6時現在で36便が欠航し、約970人に影響が出た。三沢空港では、全便が欠航になった。秋田空港や函館空港の発着便でも欠航が相次いだ。全日空では、計6便が欠航、約190人に影響が出た。  JR東日本は、今後の降雪量によっては「列車の遅れや運休が発生する場合がある」として、注意を呼び掛けている。 着雪で東北新幹線1本に遅れ  19日午後5時15分ごろ、東北新幹線福島駅で、新庄発東京行き「やまびこ・つばさ150号」の車両に多くの雪が着いていることが確認された。雪が落下して信号設備などが損傷するのを避けるため、福島―大宮間で速度を落として運転することになり、27分の遅れが出た。約410人に影響が出た。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

仏像盗まれた対馬の寺、韓国政府から文書 裁判に参加へ

 長崎県対馬市の観音寺から韓国人窃盗団に盗まれ、現在は韓国政府が保管している仏像について、韓国の寺が所有権を主張して起こした訴訟で、被告の韓国政府から観音寺に、裁判への参加を促す文書が届いた。同寺は裁判に出向いて所有権を主張し、返還を求める方針だ。  観音寺の元住職田中節孝さん(74)が18日夜、対馬市内で記者会見して明らかにした。  仏像は県指定有形文化財の「観世音菩薩坐像(ぼさつざぞう)」。2012年に韓国人窃盗団により観音寺から盗まれた。窃盗団の検挙後、韓国政府が保管しているが、韓国の浮石(プソク)寺が「14世紀に日本の海賊である倭寇(わこう)に略奪された」と所有権を主張し、韓国政府に引き渡しを求めて16年に提訴。17年、韓国の大田(テジョン)地裁が寺の主張を認める判決を出し、韓国政府が控訴した。  外交ルートを通じて観音寺に届いたという文書は、「浮石寺が勝訴すれば、韓国政府は観音寺に仏像を還付することができなくなる」として、裁判への参加を促している。田中元住職は会見で「裁判が長引く状況になり、明確に所有権を訴えなければと思い、出ることにした」と話し、裁判に参加する意向を示した。(対馬通信員・佐藤雄二、米田悠一郎) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

介護で仕事の時間ない 足らぬ両立支援 離職ゼロ遠く

 介護を理由に仕事を辞める人は年間約10万人。政府が打ち出した「介護離職ゼロ」にはほど遠い状況です。介護を必要とする人が増える一方、未婚率の上昇や共働き世帯の増加など家族のあり方は変わり、家族が介護する力は下がっています。仕事と介護の両立を支援する動きはあるものの、働く介護者の視点に立ったサポートが十分とは言えません。 自分の負担減らす相談 「ケアマネにしていいのか分からなかった」  愛知県で広告会社を経営する男性(47)は、夕方に職場で携帯電話を見た。着信が何件も入っていた。アルツハイマー型認知症と診断された母(81)からだった。かけ直すと、昼夜の感覚が逆転して混乱していたのか、「まだ朝なのに何でいないの?」という訴えが続いた。  母が1人でいて不安になると何度も電話してくるのは、よくあることだった。  母は2017年に認知症と診断された。10年前に父が亡くなってから母と2人暮らしだった男性が介護を担うようになった。  母は当初、要介護1だった。宅配弁当を「まずい」と嫌がり、ヘルパーに週4、5回食事をつくってもらうようになった。加えてデイサービス、デイケアと訪問看護を週に何回か使うと、1割負担の利用限度額に達した。介護が長く続くことを考え、限度額を超えるサービス利用は控えた。  男性は自身を含めて社員7人の広告会社で営業や経理などを1人で担当。母が元気な頃は毎日ほぼ午後10時ごろまで働き、仕事を回していた。  だが、診断から数カ月後には母を長時間1人にできなくなった。週に3回は午後7時には帰り、家事や話し相手をするようになった。通院の付き添いで仕事を抜けることも増えた。取引先の不況を受けた会社の業績悪化も重なり、「仕事をしたくてもできず、もどかしく、社員に申し訳なかった。会社をたたもうと思ったこともあった」。夜中に起きて家の中を歩き回る母の見守りで疲れがたまり、精神的にも追い詰められた。  ケアマネジャーに相談して、要介護認定を再び申請した。要介護2になって限度額が上がり、デイサービスを増やした。だが、1年半ほどで在宅介護に限界を感じ、母は昨年10月にグループホームに入った。  コロナ禍で今年は母との面会も… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

普天間夜間飛行、差し止め求め提訴へ 約68億円を請求

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の周辺住民4182人が米軍機の騒音被害を訴え、国に夜間の飛行差し止めや損害賠償を求めて25日、那覇地裁沖縄支部に提訴する。普天間飛行場での飛行差し止めを求める爆音訴訟としては第3次の提訴となり、原告数は過去最多になる見込み。  19日、原告らでつくる訴訟団が記者会見し、発表した。米軍機の騒音による健康被害や墜落の危険性などを訴え、午後10時から午前6時までの飛行差し止めや1人当たり月額3万3千円の損害賠償を求める。訴訟団の弁護士の試算では、請求総額は過去や将来の分も含めて約68億円になる。  原告は宜野湾市、浦添市、北中城村のうち、「うるささ指数」(W値)と呼ばれる数値が75以上とされる区域の居住者。  2002年に始まった1次訴訟… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

雪に埋まって男女2人死亡、いずれも除雪作業中か 山形

 除雪作業をしていたとみられる人が死亡する事故が18、19日、山形県内で相次いだ。  県警によると、尾花沢市荻袋で19日午後0時35分ごろ、無職菅野キミノさん(88)が自宅の軒下で雪に埋もれているのが見つかり、その場で死亡が確認された。近くにスコップが落ちていたといい、県警は、除雪作業中に屋根から落ちてきた雪に巻き込まれたとみている。  また米沢市口田沢でも18日午後6時半ごろ、パート従業員早川由美子さん(65)が自宅車庫の軒下で雪に埋もれているのが見つかり、約2時間後に死亡が確認された。窒息死だった。車庫の雪下ろしをする早川さんが目撃されており、車庫にはしごが立てかけられ、雪の中から雪かき用シャベルが見つかった。屋根の上での雪下ろし中に転落したとみられる。  最上町志茂でも同日午後4時ごろ、無職小関己佐雄さん(87)が自宅敷地内の物置小屋そばで倒れているのが見つかり、死亡が確認された。屋根の雪が幅約20メートルにわたって落ちていたといい、県警は軒下での除雪作業中だったとみている。(西田理人) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

やめられぬ「こたつ記事」 スポーツ紙が陥ったジレンマ

 著名人のソーシャルメディアなどでの発言を引用し、ネットで報じたスポーツ新聞社が謝罪や訂正をする事態が相次いでいる。発言内容の検証なしに量産されるこうした記事は「こたつ記事」とも呼ばれ、配信するメディアの姿勢が問われている。(池上桃子、赤田康和)  中日新聞社が発行する中日スポーツのウェブサイトに5月19日、謝罪記事が掲載された。  「ツイートをそのまま記事にして知事の名誉を傷つけました。大村知事と関係者に深くお詫(わ)びします」  新型コロナウイルスの感染拡大防止策などをめぐり、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が今春、愛知県の大村秀章知事をツイッターで激しく批判した。中日スポーツは高須氏の投稿を引用し、約10本の記事を配信。「強烈ダメ出し!!」「終わりなき集中砲火!!」といった見出しもつけた。  中日スポーツ総局の弓削雅人編集委員(デジタル担当)によると、一連の記事はいずれも同総局の記者が書いた。攻撃的な言葉をそのまま引用したことや、大村知事側の反論を載せていないことを疑問視する声が局内から上がり、記事を削除して謝罪したという。  当時は、コロナ禍に伴う緊急事態宣言でスポーツの試合やイベントが中止になり、記者が現場で取材することが難しかった。「対面の取材が減る中、ネットを見て記事を書くことが増えていた」。弓削氏は「高須氏も大村知事もネット上で注目されている。高須氏の発言を紹介する記事は即座に多くの人に読まれた。だが、表現に問題がないか、一方的な批判になっていないか、立ち止まって考える必要があった」と話す。  問題を受け同社は6月末、ネットに記事を書く際のガイドラインをまとめた。SNSの発言は過剰に扇動的になるので注意する必要があることや、特定の個人の名誉を傷つける表現を避けること、誰かを批判する言葉を引用する際はできる限り反論を取材することなどを盛り込んだ。  弓削氏は「紙面での報道をめぐる綱領はあったが、ネットでの報道に着目したルールは未整備だった。今後も社内の議論は記録に残して蓄積していく」と話している。  11月にもデイリースポーツが、丸山穂高衆院議員(NHKから国民を守る党)のツイートを引用した記事の全文を削除した。  丸山氏は同月8日、NHK受信料について「全世帯徴収するなど国民の理解は得られない」などと投稿した。デイリーは9日に投稿を紹介する記事を配信。見出しは「丸山穂高氏 TV設置関係なく全世帯から受信料徴収案に『なめとるなNHKは』」とした。  だが、NHKによると、テレビの有無にかかわらず全世帯から受信料を徴収する仕組みが検討されたことは過去にない。NHKが誤りを指摘し、デイリーは「NHKがそれらを検討している事実はありませんでした」とした上で、「訂正して記事を削除いたします」と自社サイトに掲載した。デイリースポーツ社は朝日新聞の取材に「記事に関することには一切答えられない」と述べた。  日刊スポーツも昨年2月、タレントのフィフィさんによる「立憲民主党の蓮舫参院議員が児童虐待防止法改正に反対した」という趣旨の誤りを含むツイートを引用し、「フィフィ、蓮舫氏に児童虐待問題『真意を問いたい』」という見出しの記事を配信。約6時間後、「事実関係について十分に確認しないまま、掲載をしてしまいました」と謝罪して記事を削除した。フィフィさんも誤りを認めてツイートを削除し、蓮舫氏に謝罪した。 PVを求められる重圧  ツイッターなどでの著名人の発言に批評や検証を加えず、そのまま紹介する記事はネットメディアなどで10年ほど前から目立っていた。テレビのワイドショーや情報番組での論客やタレントらの発言を伝える記事も多い。手間をかけず、こたつに座ったまま書けるといった意味で「こたつ記事」とも呼ばれてきた。こうした記事の問題点はどこにあるのか。  元産経新聞記者で、ファクトチ……