小池都知事もアピールした除菌液のミストシャワー 「健康に害も」「エビデンスない」WHOや厚労省が指摘(BuzzFeed Japan)
11月8日に国立代々木競技場で開催された体操の国際大会。会場の入り口で除菌液を噴霧していたことに対して、専門家から指摘が相次いでいる。世界保健機関(WHO)や厚生労働省は、除菌液などを空間噴霧することを、眼や皮膚への付着や吸入による健康への影響を考慮し、推奨していない。【BuzzFeed Japan/千葉 雄登】 一方でこの大会は、海外から訪れる選手の対策など様々な感染対策を入念に行うことで開催にこぎ着け、新型コロナウイルス問題で2021年に延期された東京五輪での対策の試金石としても、注目を集めていた。 そんな状況で、なぜ「噴霧」という方法が取られたのだろうか。推奨されていない空間噴霧、なぜ?批判を集めたのは、11月8日に国立代々木競技場で開催された体操国際競技会「Friendship and Solidarity Competition (友情と絆の大会)」での感染対策だ。 この大会は中国、ロシア、アメリカ、日本から選手が集まって開かれた。チケットが市販され、一般の観客が来場。さらに小池百合子・東京都知事も会場を訪れ、現場の感染対策をSNSで発信。感染対策を万全にして国際大会が開催されていることをアピールした。 しかし、ツイートに記されていた「除菌のミストシャワー」という部分に対し、医療関係者から疑問視するコメントが相次いだ。除菌液がミストシャワーとして噴射されている様子は産経新聞も報じた。 これに対し、WHOは「室内空間で日常的に物品等の表面に対する消毒剤の(空間)噴霧や燻蒸をすることは推奨されない」「路上や市場と言った屋外においてもCOVID19やその他の病原体を殺菌するために空間噴霧や燻蒸することは推奨せず」「屋外であっても、人の健康に有害となり得る」としている。 また、「消毒剤を(トンネル内、小部屋、個室などで)人体に対して空間噴霧することはいかなる状況であっても推奨されない」としている。 アメリカの疾病予防管理センター(CDC)も「消毒剤の(空間)噴霧は、空気や環境表面(物の表面)の除染方法としては不十分であり、日常的な患者ケア区域における一般的な感染管理として推奨しない」と明示している。 厚生労働省も、こうしたガイドラインと足並みを揃えている。…