太平洋側を中心に広い範囲に津波注意報 フィリピンでM7・7の地震

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まるで古城、高台の「馬見所」 欧米諸国との社交場でもあった競馬場

 横浜・根岸森林公園の高台に、欧州の古城のような遺構がそびえ立つ。 黒ずんだコンクリート壁に枯れたツタがからまり、ガラスのない窓がベニヤ板でふさがれている。高さ約30メートルの三つの塔が、公園の芝生で弁当を広げる親子連れや犬の散歩をする近隣住民らを見守っている。 ここに、幕末の1866(慶応2)年から競馬場があった。横浜の外国人居留地で暮らす英国人らの要望で、江戸幕府が「根岸競馬場」を建設した。【撮影ワンポイント】旧根岸競馬場の一等馬見所歴史ある建造物はやはり、太陽が沈む間際で少し逆光がいいのではないか。記者とは午後3時に待ち合わせることにした。 到着すると、学校帰りの子どもたちがツタの絡まる建造物のふもとを元気に走り回っていた。カラフルな遊具との対比も面白い。今は立ち入り禁止の場所も、近いうちに見ることができそうだ。(相場郁朗) 「騎手と馬泣かせの難しいコースだったようです」と、公園に隣接する「馬の博物館」の伊丹徳行学芸員(45)。右回りの約1600メートルで、スタートしてすぐに曲がりながら坂を下る。幅も狭く、接触事故が相次いだという。 ほどなく日本人にも開放され…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

東海道新幹線でクマ撃退用スプレー誤噴射か 乗客5人が体調不良訴え

 2日午後7時25分ごろ、静岡県警から浜松市消防局に「東海道新幹線内でスプレーが噴射された。複数人がせきこんでいる」と連絡があった。市消防局によると、新幹線内にいた7~32歳の女性の乗客5人が目やのどの痛みを訴えているという。 JR浜松駅の関係者からは、市消防局に「クマ撃退用のスプレーが誤噴射した模様」という連絡があったという。 JR東海によると、騒ぎがあ…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

鹿児島県の養鶏場で鳥インフル発生の疑い 簡易検査で3羽陽性

 鹿児島県は2日、出水市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例が発生した、と発表した。PCR検査で陽性が確認されれば、県内では今季初の事例となり、この養鶏場で飼っている採卵鶏約2万3千羽の殺処分を始める。農林水産省によると、養鶏場での鳥インフルエンザは今季3例が発生している。 県は2日夜、対策本部会議を開き、対応を協議した。県によると、北薩家畜保健衛生所に2日午前、「死ぬ鶏が増えた」との通報が農協からあった。衛生所の簡易検査で、13羽のうち3羽の陽性を確認。いずれもこの日に死んだ鶏だった。 PCR検査の結果は3日早朝に判明する見込み。陽性と確定すれば殺処分を始めるとともに、この養鶏場から半径3キロ以内を移動制限区域、3~10キロを搬出制限区域とする。移動制限区域には17農場で約146万羽、搬出制限区域内には66農場で約339万羽が飼われている。 同県での発生は昨季、13件にのぼった。(宮田富士男)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

安倍氏の関係政治団体、昭恵氏が継いだ「晋和会」に2億円超寄付

 故・安倍晋三元首相の元の資金管理団体で、妻の昭恵氏が代表を引き継いだ政治団体「晋和会」に、自民党支部など安倍氏の五つの関係政治団体から計2億1470万円が寄付されていたことが、公表された政治資金収支報告書などから分かった。有識者からは、政治活動を支援するために集められた巨額の資金を政治家ではない親族が事実上引き継ぐことを問題視する指摘が出ている。 安倍氏の関係政治団体は六つあり、安倍氏はこのうち晋和会と「自由民主党山口県第四選挙区支部」の代表だった。昭恵氏は、安倍氏が銃撃事件で亡くなった昨年7月8日付で両団体の代表になった。 総務省と山口県選挙管理委員会が公表した2022年の政治資金収支報告書などによると、第四支部から晋和会への寄付は5回にわたり、計1億6434万円に上る。 7月27日に5674万円、28日の8千万円を寄付したうえで、支部が解散した今年1月31日には、残金の全額2703万円を移していた。 支部には税金が原資である政党交付金が交付されており、解散時に残額がある場合には総務相が返還命令を出せる。 だが、政党交付金使途等報告…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「管理職に休みないから」 パワハラ市長を全面謝罪に追い込んだのは

 今年9月20日、福岡県宮若市役所の市長室。市長の暴言が飛び出したのは、会議が始まって1時間以上がたった時だった。男性課長や男性課長補佐に対する「辞めろ!」などの厳しい言葉をいさめたのは、男性係長だった。「辞めろ」と市長、「言い方おかしい」と係長 市長室の攻防 市長「(自分に厳しく言われるのが)耐えきらんかったら辞めろ!」 係長「辞めろはダメですよ、発言として」 市長「なんで?」 係長「辞めろということは仕事辞めろっていう話なんでしょ」 市長「この役を勤まらんやつは辞めるしかなかろう」 係長「市長が任命されたんですから」 市長「そうよ」 係長「そこはかばってあげなくちゃいけないじゃないですか」 市長「かばいよるんよ、俺、一生懸命」 係長「それでも言い方おかしいでしょ」 市長「おかしくない。聞いてみ、どれだけかばって今までやってきたか」 係長「それは市長が思う気持ちと受けてる者の気持ちと違うじゃないですか」 市長「そんならお前、辞めればいいじゃないか!」 係長「辞めろって、そういう……」 市長「俺は(課長と課長補佐の)この2人を選んで決めたから何とか育てないかんと思うて。ほんとにつまらんこと、小学生みたいなことをずーっと言うてきた」 係長「小学生みたいなって、失礼じゃないですか」 市長「失礼でも何でもない!」「(2人が自分に)ついてくるかどうかって話たい」 (中略) 係長「つぶれますよ」 市長「つぶれますよってどういうことか」「大概にせえ!!」 係長「もういいですよ、(みんな)行こう」※市長室から職員が退室 (市職員が市長のパワハラを訴え、録音メモを起こした資料から) 市職員へのパワハラが指摘されていた福岡県宮若市の塩川秀敏市長(75)が1日、市議会(定数16)本会議で「市職員らに深くおわびする」と述べ、全面的に謝罪した。それまで、取材には「人間関係があればハラスメントにはならないのでは」「具体的な記憶はないが、期待し育てたいと思っている課長なので(厳しく)言ったことはある」などと話し、パワハラ行為を認めていなかった市長。急転直下の謝罪の背景には何があったのか。■市の課長26人中25人が反…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「ながらスマホ」の車が奪った9歳の命 一緒に下校していた兄の痛み

 スマートフォンを操作しながら車のハンドルを握るドライバーや、ながらスマホによる事故が後を絶たない。事故の遺族、則竹崇智さん(53)は「ながらスマホは故意の殺人行為に近い」と訴える。 「敬太はさ、なんでも一番乗りするのが好きだったでしょ。だから、天国まで一番乗りしちゃったね」 小学4年生だった次男の敬太さん(当時9)が亡くなった日の夜、2歳上の長男が発した言葉が、則竹さんは今も忘れられない。 2016年10月26日午後4時すぎ、敬太さんは愛知県一宮市の自宅近くの横断歩道で、トラックにはねられた。運転していた男は事故の直前まで、スマートフォンゲームの「ポケモンGO」をしていたことが、のちの裁判で認定された。スマホに目を向けた2,3秒後 敬太さんは当時、長男たちと下校中だった。そこへ、1台のトラックが近づいてきた。当時30代だった運転手の男は、歩道を歩く小学生の集団や、前方に横断歩道があることに気付いていた。走り慣れた道で、そこが通学路だということもわかっていた。 だが、「対向車がいるし、自…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

被爆証言は「無関心な人の心を揺らせる」 伝え続けて通算80冊目

 被爆体験の聞き取りを続ける市民団体「長崎の証言の会」が、証言集「証言2023 ナガサキ・ヒロシマの声」を出版した。今回で通算80冊目。原爆に遭った当事者の声を記録する目的で号を重ねてきたが、当時を知る人が少なくなる中、特集でも継承を意識して編集されている。 証言の会は1969年に発足した。 契機はその2年前の67年。厚生省(当時)が発表した原爆白書で「健康、生活の両面において、国民一般と被爆者との間にはいちじるしい格差はない」と結論づけたことに反発し、被爆者の実態を社会に伝えようと活動を開始。証言集を発行してきた。 今号では、原爆に遭った当事…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

病を抱えても…村でカボチャを育てたい 1千キロ先の「戦友」のため

 福岡県の中央部に位置し、深い山々に囲まれた東峰村。 その村内に広がる畑で、和田晴輝さん(50)は四つんばいになり、はうように移動していた。 持病で片方の肺は動かず、50メートル歩くと息切れして顔が真っ青になることもある。畑で歩けなくなると、少しでも楽に動けるよう四つんばいになる。 そんな状態でも、和田さんは農作業をやめなかった。 どうしても、育てたいカボチャがあったからだ。東北の村とのつながり、ぽくぽくとしたカボチャとの出会い 和田さんが暮らす東峰村は2017年、九州北部豪雨に襲われた。記録的な大雨によって各地で土石流が発生。福岡と大分の両県で死者・行方不明者は計42人にのぼり、村でも3人が犠牲になった。 和田さんの自宅も土石流にのまれ、建物の基礎部分まで流された。家の柱は約2キロ先で見つかったが、駐車していた車はいまだに見つかっていない。被災した東峰村でカボチャを育て始めたものの、持病を抱えた和田さんは「何度も諦めようと思った」と話します。それでも、ともに戦う東北の村への思いが、背中を押しました。 被災者向けの住宅が建設され…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「隔離の島」抜け出し球児が遠征、活動の原点に 惜別・藤崎陸安さん

 偏見や差別と闘い続けてきたハンセン病の回復者たち。9月14日、全国の療養所で暮らす入所者でつくる「全国ハンセン病療養所入所者協議会」の事務局長を務めた藤崎陸安さんが脳出血で亡くなった。80歳だった。 青春時代に仲間と「隔離の島」を抜け出す豪胆な人だった。青年期からは、当事者の名誉回復と福祉の増進をめざす運動に身を投じた。    ◇ ハンセン病に関する取材は、暗く重い話が多い。それでも時に、痛快な出来事に巡り合う。 瀬戸内海に浮かぶ岡山県の長島にかつて、全国で唯一、ハンセン病の若者が通える定時制高校「新良田(にいらだ)教室」があった。 ある年、野球部員が島を抜け出して遠征へ出かけた。その大胆不敵なメンバーの一人が藤崎さんだった。 秋田県出身で4人兄弟の末っ子。小学3年の時、ハンセン病と判明。1952年に青森県の療養所に強制隔離された。 59年、新良田教室に入学。軟式野球部に入り、治療を受けながら勉強と部活に励んだ。 戦後、ハンセン病は治療薬ができて「治る病気」になっていたが、島を出るには特別な理由が必要だった。 60年、部員10人が「家族…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル