教育実習中に「お前なんか教師になれない」 元実習生が千葉県を提訴

 教育実習先の千葉県立高校で担当教員から暴行やパワハラを受けたとして、当時大学4年生だった女性(25)が6日、県を相手に、慰謝料など約1千万円の損害賠償を求める訴訟を千葉地裁に起こした。 訴状などによると、女性は2020年11月、担当教員から教育実習中に「お前なんか教師になれない」などの罵声を浴びせられ、この教員が蹴ったゴミ箱が左の足首に当たり2週間のけがを負った。その後も暴言は続き、教育実習を途中で断念したという。 21年3月に一般企業に就職したが、パワハラの記憶がフラッシュバックして食欲不振や不眠に陥り、「抑うつ状態」と診断を受けて退職した。女性は県警に被害届を出し、千葉区検が同年11月に担当教員を傷害罪で略式起訴し、その後千葉簡裁が罰金20万円の略式命令を出した。女性は現在も外出や就労が困難な状態が続き、障害2級に認定されたという。会見した女性は「大きい声や怒鳴り声を聞くだけで当時の恐怖心がよみがえる。再発防止に努めてほしい」と訴えた。 県教育委員会の教育総務課は「訴状が届き次第、内容を確認し適切に対応していきたい」としている。(杉江隼)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

愛知・安城市の会社で「人を刺した」と通報、殺人容疑で男を逮捕

 6日午後9時半ごろ、愛知県安城市新田町の人材派遣会社「榊原システム」で「人を刺した」と110番通報があった。駆けつけた警察官が社内で倒れていた40代くらいの男性を発見。男性は救急搬送されたが、約2時間後に出血性ショックで死亡が確認された。 愛知県警安城署は7日、現場で身柄を確保した同市大岡町山伏の自称自営業、小林元容疑者(35)を殺人容疑で逮捕し、発表した。容疑を認めているという。同署によると、小林容疑者は男性の腹部を包丁で1回刺し、殺した疑いがある。 現場はJR安城駅から北へ約1・4キロの住宅街。同社では今年3月、元従業員の男が女性を人質にとって立てこもる事件があったが、同署は関連はないとみている。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「若ければ差別受けない」「妹欲しかった」 戸籍偽造事件、女が供述

 実在しない24歳年下の妹になりすまして戸籍を取得したとして、警備員の女(73)とその夫が警視庁に逮捕された事件で、女が容疑を認め、「若くなれば差別を受けなくてすむと思った」「一人っ子で幼い頃から妹がほしかった」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。 女と、女の夫で会社員の男(65)=いずれも東京都大田区=は共謀して、実在しない妹「岩田樹亜」に女がなりすまし、2021年11月に家庭裁判所に、22年9月には大田区役所に、それぞれ偽造した書類を提出するなどした疑いがある。今年10月、有印私文書偽造・同行使などの疑いで逮捕された。戸籍は実際に作成され、「岩田樹亜」は逮捕時で48歳とされた。 捜査関係者によると、女は70歳を超えて以降、以前働いていた警備会社で仕事内容が制限されたといい、「年齢による差別を受けているように感じ、ストレスを感じていた」と供述。「若くなれば差別を受けなくてすむと思った」と説明しているという。また、「戸籍上で自分も若い年齢になりかわることができると思った」とも話しているという。 女はこの戸籍をもとに得た住民票などを使って「岩田樹亜」として原付き免許を取ろうとし、運転免許試験場の職員に疑われて事件が発覚した。逮捕当初の調べに、男は「妻は若く見られたいと言っていた」などと容疑を認めた。女は容疑を否認し、「姉とは今、けんかをしていて連絡がとれません」と供述していたが、その後認めたという。(比嘉展玖、板倉大地)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

24歳年下になりすました女 架空の人物の戸籍は作れてしまうのか

 架空の人物の戸籍を作り、その24歳年下の人物になりすましたとして、73歳の女らが10月、警視庁に逮捕された。免許を取ろうとした際に見破られ、「若ければ差別を受けない」「若く見られたい」と供述した。架空の人物の戸籍は、作ることができてしまうのか。 2022年10月、東京都品川区。鮫洲運転免許試験場の窓口を一人の女が訪ねた。「岩田樹亜(じゅあ)」という名前の住民票とマイナンバーカードを手に、原付き免許を取りたいと申し出た。 原付き免許は、学科試験などで最短1日で取得できる。試験場の職員は手続きを始めようとしたが、違和感があった。 手元の書類だと女は48歳。だが、目の前の女はどうしてもそうは見えなかった。「あなた本人じゃないでしょ」。職員が質問を重ねていくと、女は目を泳がせた。 「岩田樹亜」が、この世に存在しない人物であることが判明するきっかけだった。 警視庁は今年10月、試験場窓口に現れた警備員の吉野千鶴(73)と、夫で会社員の幸彦(65)の両容疑者を有印私文書偽造・同行使などの疑いで逮捕した。住民票やマイナカードは正規の手続きで作られた本物だった。 なぜ、どのようにして架空の人物を生み出したのか。捜査関係者らへの取材で経緯をたどる。悪用された「就籍」の手続き 始まりは2年前の21年11…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

骨が浮いた鹿出られぬ柵「収容環境は不適切」 奈良知事「県も責任」

 畑を荒らすなどとして奈良公園(奈良市)の一角にある柵内に収容されている鹿をめぐり、奈良県は6日、「収容環境が不適切」と認めた。収容されている約240頭が「総じて痩せた傾向にある」と確認したという。 この柵は「特別柵」と呼ばれ、公園内に設置された屋外施設「鹿苑(ろくえん)」にある。管理する一般財団法人「奈良の鹿愛護会」の獣医師から8~9月、「えさが質量ともに不十分だ」とする「内部告発」があり、県と市が調査していた。 県は報告書で、衛生的な水が飲めない▽清掃が行き届いていないなど、動物福祉における国際的な五つの指標すべてに抵触していると認定した。えさの量は不足していないが、「質」「与え方」に問題があると指摘。栄養価の低い乾燥牧草が主体で、えさ場が1カ所しかなく、弱い個体がありつけないと判断した。また「適正に飼育できる頭数を超過している」とも言及した。 こうした状況について「放置した愛護会の責任は重い」としたうえで、山下真知事は、鹿苑を管理する立場である県も「主体的に状況を把握してこなかった責任がある。全国の鹿ファンに申し訳ない」と陳謝した。 愛護会の山崎伸幸事務局長は「厳しい指導を受けた。これまで縁の下の力持ちと思ってやって来たが、環境に問題がある、不適切だと断定されるのは悔しい思いがある」と述べた。 一方、県に内部告発した丸子…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

科博クラファンで批判、文科省の役割とは 「文部科学省」著者に聞く

 東京・上野の国立科学博物館(科博)が9億円超を集めたクラウドファンディング(CF)をめぐっては、所管する文部科学省・文化庁による支援のあり方に批判も広がった。青木栄一・東北大大学院教授に、CFが投げかけた文科行政の課題について聞いた。     ◇ 独立行政法人である科博は、国からの運営費交付金と自己収入を収入の2本柱としている。交付金は2022年度の25億4千万円から23年度には28億4千万円に増えており、それ以前の年度と比較しても大きな変動はない。 ではなぜ今回、ここまで波紋が広がったのか。丁寧に解きほぐしたい。 同じ独法の国立大と比べてみ…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

夜中の小学校の教室で火災 落雷か漏電が原因か

 大阪府寝屋川市寿町で6日午後11時44分ごろ、「学校の4階が燃えている」と近隣住民から119番通報があった。市立北小学校4階の5年生の教室1室から出火し、室内の一部約60平方メートルが焼けた。けが人はなかった。 枚方寝屋川消防組合(枚方市)によると、校内は施錠されていた一方で、当時は近くで雷を伴う雨が降っていたという。出火原因について同消防組合は、漏電や落雷の可能性もあるとみて調べる。(阿部峻介)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

東京の中3対象スピーキングテスト 反対の教授ら会見「改善不十分」

本多由佳2023年11月6日 20時00分 東京都教育委員会が中学3年生を対象に26日に実施する英語スピーキングテストをめぐり、テスト結果の都立高入試活用に反対する大学教授らが6日、記者会見を開いた。昨年初めて入試に活用された同テストで、受験生らから「端末に他の受験生の声が録音されていた」などの指摘があったことについて、「何も対策がなされていない」と訴えた。 テストは都内の公立中学3年生約8万人を対象に実施し、結果は都立高入試の合否判定に活用される。テストでは、防音用のイヤーマフを着用し、タブレット端末にマイクを通じて解答音声を吹き込む。 今回までは通信教育大手のベネッセコーポレーションが運営を担い、以降は英国の公的な国際文化交流機関「ブリティッシュ・カウンシル」が引き継ぐ。 会見した武蔵大の大内裕和教授らは、「私企業ではあるが、都立高入試という公共性の高い事業に関わってきた。(ベネッセの撤退理由について、ベネッセと都教委には)説明責任が求められる」と強調した。 また、昨年のテストで受験生らから寄せられた問題点の改善が不十分だ、と指摘した。昨年のテスト後に大内教授らが実施した調査には、イヤーマフ越しに他人の解答が聞こえたとの証言が寄せられていた。 都教委が今年9月、イヤーマフの装着方法を説明する文書を中3生に配布したことについても、「正しく装着しても他人の声が聞こえたという証言の真偽を確かめる、という我々が要望した確認作業をしていない」などとして、「対応が不十分」と指摘した。 都教委は取材に「イヤーマフの操作に慣れない生徒の不安を払拭(ふっしょく)するため、事前に使い方を周知した」と説明。また、仮に端末に他人の音声が録音されたとしても、受験生本人の音声は識別できるとしている。ベネッセの撤退理由の説明を求められていることについては、「企業の判断なので、申し上げる立場にない」と回答した。(本多由佳)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【紙面ビューアー機能も使える】プレミアムコースが2カ月間無料!お得なキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

JR山陽線の難所「セノハチ」で車輪空転、乗客150人を駅まで移送

 6日午後3時35分ごろ、JR山陽線の瀬野―八本松間を走行中の上り普通列車(大野浦発、白市行き)の車輪が空転し、動かなくなった。JR西日本中国統括本部によると、現場は広島市安芸区上瀬野町の山中。4両編成の列車には、乗客など約150人が乗っていたが、約4時間後に手配した下り列車へ乗り換えて瀬野駅まで移送したという。列車の移動と線路の確認のため瀬野―西条間の上下線で終日運転を取りやめ、7日の始発からの運転再開を目指している。 トラブルが起きた瀬野―八本松の区間は「セノハチ」と呼ばれる。国内屈指の急勾配・急カーブで知られ、2021年12月には貨物列車が脱線する事故が起きている。JR西によると、車輪の空転はレールに水滴や落ち葉がつくことで起こりやすくなるという。気象庁によると、広島市内では6日午後に雨が観測されていた。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

青葉被告の責任能力をめぐり分かれる主張 京アニ裁判で検察・弁護側

 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判が6日、京都地裁であり、検察側の中間論告と弁護側の中間弁論が行われた。最大の争点の刑事責任能力をめぐり、検察側は「完全責任能力があるとの結論は変わらない」と訴え、弁護側は「間違いなく責任を問えるとは言えない」と反論した。 検察側と弁護側は、事件当時の青葉被告に「京アニから小説のアイデアを盗用された」「闇の人物から監視されている」などの妄想があった点では一致している。だが、犯行への影響の程度で意見が分かれている。 検察側は「影響は大きくない」と主張。責任能力を判断する際、①善悪を区別できたか②犯行を思いとどまれたか――の2点が問題になるとし、①は、青葉被告が被告人質問で「放火殺人は重大犯罪。良心の呵責(かしゃく)があった」と語り、精神鑑定を行った医師2人が「犯罪と理解できていた」と証言したことも踏まえ、問題にならないとした。 ②について、青葉被告が事件直前、現場近くの路地に座り込み、十数分間考え事をしたとの証言から、「それだけためらいが大きかった。犯行を思いとどまることができたと評価すべきだ」と指摘。青葉被告が自身の半生を振り返り「あまりに暗い」と考えた点に着目し、「犯行前に逡巡(しゅんじゅん)した際の思考に、妄想の影響があったとは到底言えない」と強調した。 また、多くの人を巻き込む放…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル