宿題は「5割の力で」 わが子にこう教えるワケとは
親が思っている以上に、わが子が宿題に時間がかかっていることはありませんか。ポイントは上手な手の抜き方です。臨床心理士の中島美鈴さんが解説します。 書き取りに1時間? 宿題問題シリーズ、続いています。 ADHDの主婦リョウさんは、小学1年生の娘の宿題をみるのにてこずっています。これまで娘さんと対話しながら、なんとかやる気を引き出したり、宿題をするタイミングを忘れないようにしたり、テレビやゲームよりも先に宿題をする必要性について理解させました。しかし、今度は、娘が宿題を丁寧にしすぎて、長時間かかる問題に突き当たりました。 なんと、娘はひらがなの書き取りの宿題に1時間もかけるのです。 1年生にとって1時間は長い時間です。集中力も途切れがちですし、何しろ宿題にばかり追われて、平日親子ともに疲弊するのです。 時間がかかるワケは なぜこんなことになるのでしょうか? 小学生の宿題に時間がかかりすぎる背景 ①宿題の要点を把握できていない。 ②不安が強すぎる子どもは、手が抜けないことも。 それぞれ解説していきましょう。 ①宿題の要点を把握できていない。 小学生はまさに発達途中の段階で、宿題が何を狙いにしているのか、どれが大事かといった抽象的な思考が難しいのは当たり前です。しかし、ある程度要点がわからないと、手を抜く場所もわからず、時間が長くかかるだけでなく、精神的な緊張が長く続くため疲れてしまいます。 リョウさんの娘の例でいけば、ひらがなの書き取りは、「ひらがなを覚えること」「ある程度整った形をかくこと」が要点です。決して「書き方の授業のように美しい文字を書くこと」は目標ではありません。にもかかわらず、リョウさん娘さんは、1文字書いては消して、書いては消して、お手本通りになるまで書き直していたため時間がかかっていたようです。…