【速報】忍者姿の渡辺三冠、優勢か △7四角が絶品の味
豊島将之名人(30)=竜王とあわせ二冠=に渡辺明三冠(36)が挑戦している第78期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第1局は11日午前9時に再開された。 1日目の10日に豊島名人が要所に角を据え、これに対して渡辺挑戦者が56手目を封じた。再開後は、午後0時30分から1時間の昼食休憩、午後6時から30分の休憩をはさんで夜までに終局する見込みだ。(村上耕司) 17:35流れ決定づける「名角」か 検討室で示されていた△7四角が盤上に放たれた。「角筋は止めにくい」という言葉の通り、先手陣に脅威を与えている。渡辺がリードしているようだ。 今回の対局場である「戸田家」での名人戦が6回目であることは1日目の記事で触れたが、中でもよく知られているのが森内俊之名人に羽生善治四冠が挑戦した2005年の第63期名人戦第3局。終盤の競り合いの中、森内が相手の攻めを遅らせる妙手「▲4八金」で勝利をつかんだ。本局の△7四角も、勝負の流れを決定づける名角となるかもしれない。 94手目△3五桂の局面の残り時間は、豊島名人が1時間16分、渡辺三冠が1時間38分。渡辺三冠が腰を落として考え、接近している。(村瀬信也) 16:10「有利になったんじゃ…」 16時10分すぎ。豊島名人が▲5五歩と歩を取り、85手目まで進んだ。ここ数手の展開をみていた杉本昌隆八段は「少し指しやすかった渡辺挑戦者が有利になったんじゃないかな」とつぶやいた。 次の候補手は△7五歩や△3三桂といった手が挙げられるという。△7五歩は先手の弱点の桂頭を攻める手だ。△7五歩と突いた形は、次に△7四角が絶品の味となる。△3三桂も手堅い手。仮に▲3四銀なら△5六角の金銀両取りがある。▲5五歩時点の消費時間は、豊島名人7時間38分、渡辺挑戦者6時間20分で、時間でも渡辺挑戦者が優勢だ。(丸山玄則) 15:50「やや渡辺三冠が指しやすい」 先手が▲4五銀打としたところで、渡辺挑戦者が長考した。駒割は金と桂の交換で先手の豊島名人の駒得だが、歩を2枚損しているので、微妙なところだ。杉本八段は「ちょっと豊島名人が苦労している感じ。少なくとも形勢がいいと思っていないでしょう。駒の働きは後手がいい。先手は6八角が働いていない。やや渡辺三冠が指しやすい」と話す。 ▲4五銀打については「攻め合いで勝つというよりは長期戦を意識した手にみえます。後手からは△7五歩の桂頭攻めがある。渡辺三冠はここはチャンスとみているはずです」。 この直後、渡辺挑戦者は△5五歩と指した。(村上耕司) 15:00フルーツVSアイスコーヒー 拡大する豊島将之名人は3時のおやつに、フルーツ盛り合わせとガムシロップ多めのアイスレモンティーを注文した=2020年6月11日午後2時34分、三重県鳥羽市の戸田家、河合真人撮影…