店内で「俺コロナ」、さいたま市 業務妨害容疑で男逮捕(共同通信)

 ドラッグストアで「俺コロナだけど」と発言し営業を妨げたとして、埼玉県警岩槻署は8日、威力業務妨害の疑いで、さいたま市岩槻区、無職橋本佳朋容疑者(54)を逮捕した。署によると、「マスクが売っていなかったので頭にきた」と容疑を認めている。新型コロナウイルスへの感染は確認されず、症状も出ていないという。 容疑は1日午前10時ごろ、岩槻区のドラッグストアで店員に、「俺コロナだけど、何で国はこういうやつに(マスクを)支給しないのか。おまえら全員うつったからな」と話し、消毒作業をさせた疑い。 そのまま自転車で立ち去ったが、防犯カメラの映像などから浮上した。 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

ふなばしアンデルセン公園が休園 「本当か」確認相次ぐ

 約38ヘクタールに大型遊具や動物とのふれあい広場などがあり、首都圏でも人気の千葉県船橋市の「ふなばしアンデルセン公園」は8日から全面休園した。市は「敷地が広く、感染リスクは低い」として7日までは開園していたが、緊急事態宣言を受け、同日夕に5月6日までの全面休園を決めた。  同園は船橋市が1996年に開設し、デンマーク風の風車や建物があり、四季折々の草花も楽しめ、毎月10万人前後が訪れる。入場料は大人900円、小中学生200円。同園によると、7日まで平日は屋内施設を除いて開園しており、例年並みか少し少ない程度でにぎわっていたという。  8日は、同園事務所の電話が朝から「本当に閉園したのか」という問い合わせで鳴りやまない状態。休園を知らずに訪れ、駐車場の警備員に説明を受けて引き返す家族連れもいた。  船橋市の会社員の男性(33)は、小学1年生になったばかりの長男(6)と幼稚園の長女(4)を連れて車で来た。小学校も幼稚園も休みで、子どもの運動不足解消に訪れたという。「広い施設なので感染の危険はないと思って。前日も来ていたので、開いていると思ったのに。こんなご時世なので休園は仕方ないとは思いますが、これから遊ばせる場所を探します」と話した。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

野球場の命名権、苦渋の半額セール 2カ月で応募ゼロ

 佐賀県唐津市は、市野球場のネーミングライツ(命名権)のスポンサーを再募集し始めた。3月末締め切りでいったん募集したが、応募がゼロだったため。料金は2023年末までの3年半で総額420万円以上(税別)としていたのを、半額の210万円以上にまで値下げした。30日締め切り。  同市和多田大土井にある野球場は両翼96メートル、中堅121メートルで、メインスタンド2376人、外野芝生席1325人。総工費約17億7200万円をかけ、7月に改装オープンする予定。23年の国民スポーツ大会で軟式野球の会場となる。市はネーミングライツ導入を「安定的な管理運営のための財源を確保し、市民サービス向上に資するため」などとしている。  市によると、1回目の募集は1月20日から始めたが、問い合わせが1件あっただけ。2月末にしていた締め切りを延ばしたが、応募はなかった。このため「同じ条件で再募集しても結果が期待できない」として、料金を見直した。  ネーミングライツで名付けた愛称は、球場の正面玄関上部の縦1・8メートル、横10メートルの区画内と、その他の外壁部分の2カ所に表示できる。今回の募集では、野球場がある体育の森公園の敷地内にも最大2カ所表示できるようにした。  5月下旬に選定委員会を開き、応募金額や愛称の親しみやすさなどを基準に審査する。結果は公表し、6月に契約を結ぶ予定。問い合わせは市スポーツ振興課(0955・72・9237)へ。(渡辺松雄) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「介護に疲れた」 82歳、妻刺殺した疑いで逮捕 東京

 自宅で妻(81)を刺殺したとして、警視庁は7日、東京都杉並区高円寺南1丁目の無職小島一路(いちろ)容疑者(82)を殺人容疑で逮捕し、発表した。小島容疑者は逮捕前の調べに対し、妻には認知症の症状があったとし、「介護に疲れた。将来を悲観して一緒に死のうと思ったが、死ねなかった」と説明したという。  杉並署によると、小島容疑者は7日正午ごろ、自宅1階の居間で、ベッドで就寝中の妻の展子(ひろこ)さんの胸と腹を包丁で刺して殺害した疑いがある。その後、埼玉県内に住む娘に「妻が亡くなった。後を追う」と電話。直後の同日午後1時50分ごろ、娘が110番通報した。  署員が駆けつけると、小島容疑者は自宅にいて、展子さんはベッドに横たわっていた。血の付いた包丁2本がそれぞれベッド横のテーブルの上と台所で見つかったという。小島容疑者にけがはなかった。小島容疑者は展子さんと2人暮らしで、警視庁は事件の経緯を詳しく調べている。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「緊急事態宣言」後の私たちの生活は? 東京や大阪が要請内容を公表(THE PAGE)

 新型コロナウイルスの感染拡大が全国各地で続く中、安倍晋三首相は7日に「緊急事態宣言」を出しました。【動画】「人との接触8割削減を」 緊急事態「1か月脱出の前提」―安倍首相 「緊急事態宣言」が出ると、感染のまん延を防止するためにどんな措置を取るか、都道府県知事が判断していくことになります。「宣言」を受け、東京都や大阪府など対象地域の知事は記者会見を開き、自治体としての対応を明らかにしました。 「緊急事態宣言」が出された場合、私たちの生活はどんな影響を受けることになるのでしょうか。 「宣言」で都道府県知事にさまざまな権限  7日に政府が出した「緊急事態宣言」は、今年3月に改正された新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法、2012年成立)に基づくものです。新型コロナウイルスにも対応できるように改正されました。 安倍首相は、対象区域を東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県、実施期間を5月6日までの1か月間とすることを発表しました。  「緊急事態宣言」によって、私たちの市民生活にはどんな制約が発生し得るのでしょうか。 首相から「宣言」が出ると、対象となった区域の都道府県知事には、感染のまん延を防止する対策を行うために、各種の権限が与えられます。知事は、住民や業者などに、特措法に基づいたさまざまな「要請」や「指示」をすることができます。 特措法では、知事は住民に対して、みだりに外出しないよう要請できます。ただ生活維持のために必要な外出は可能です。 また、学校や社会福祉施設などのほか、映画や音楽、スポーツ施設などの使用の制限や停止、またイベント開催の制限や停止などを、施設管理者や事業者らに要請できます。要請に従わない場合は、指示することができます。 ただし、これらの「要請」「指示」に強制力はなく、違反した場合の罰則規定もありません。 感染者の急増でベッド不足など医療現場のひっ迫が伝えられますが、こうした医療提供体制の確保をするための措置では、「強制性」や「罰則」を伴うケースがあります。 知事は、臨時の医療施設を開設する際、土地や建物などの所有者が正当な理由なく応じない場合や所在が不明な場合には、同意を得ず強制使用できます。また、医薬品や医療機器、マスクなどの物資や食品などの売り渡しを企業などに要請することができ、正当な理由なく応じない場合には、強制収用が可能です。 そのほか、これらの物資の生産や販売、輸送などを行う企業などに対し、保管を命令することができます。この命令に従わず、隠したり、廃棄したり、搬出したりした場合は6月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。 次ページは:東京・小池知事「特措法に基づき外出自粛を要請」 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

菅氏「現時点で混乱ない」緊急事態宣言で(産経新聞)

4/8(水) 13:25配信  菅義偉官房長官は8日午前の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言に関し、「現時点で混乱は承知していない」と述べた。菅氏は「国民の協力がなければ、拡大防止を実現することはできない」と重ねて強調した。 菅氏は、宣言の期間中も専門家の意見をもとに「状況を評価し、国民に発信していきたい」と語った。 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

治療偽りわいせつ行為 内科医の男再逮捕 「30年前から10数人にやった」(産経新聞)

 治療と称して患者の10代女性にわいせつな行為をしたとして、警視庁捜査1課は準強制わいせつ容疑で、東京都荒川区東尾久、内科医、守屋仁布(ひとのぶ)被告(67)=別の10代女性に対する強制わいせつ罪などで起訴=を再逮捕した。容疑を認めている。 守屋容疑者はこれまでに別の10代女性2人に対する強制わいせつ容疑などで逮捕、起訴されている。調べに「約30年前から10数人に同じようなことをした」などと供述しており、捜査1課が裏付けを進めている。 再逮捕容疑は昨年11月20日午後8時ごろ、妻が院長を務める同区内の斉藤医院の治療室で、治療の一環と偽って女性にわいせつな行為をしたとしている。同医院は3月末で閉院した。 捜査1課によると、守屋容疑者は婦人科系の病気と虚偽の診断をして診療時間外に女性を呼び出し、デジタルカメラで体を撮影するなどしていたという。 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

現金運搬役の男を逮捕 東京・東村山の民家強盗 警視庁(産経新聞)

 東京都東村山市の民家で昨年12月、高齢夫婦が2人組の男に現金を奪われた強盗致傷事件で、警視庁捜査1課は強盗致傷と住居侵入容疑で、川崎市幸区小倉、職業不詳、村上耕太容疑者(35)を逮捕した。村上容疑者は奪った現金の運搬役とみられ、調べに「運搬したが、強盗とは知らなかった」と容疑を一部否認している。この事件での逮捕者は3人目。 捜査1課によると、事件の6日後に実行役の男2人=強盗致傷罪などで起訴=が、神奈川県内にある村上容疑者の関係先に奪った現金を置いており、村上容疑者がさらに別の場所に数百万円を運んだとみられる。実行役と村上容疑者に面識はなく、捜査1課はそれぞれに指示した人物がいるとみている。 逮捕容疑は実行役の男らと共謀して昨年12月23日午前0時ごろ、東村山市秋津町の自営業の男性(84)宅に侵入し、カッターナイフを示して「カネを出せ」などと脅迫。現金約470万円を奪った上、男性と妻(84)を結束バンドで縛るなどしてけがを負わせたとしている。 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

失業者を大阪市が1年間雇用へ コロナ拡大で、内定取り消し者も(共同通信)

 大阪市の松井一郎市長は8日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、失業した人を来年3月末までの1年間雇用する方針を明らかにした。50人程度を想定しているという。内定が取り消された学生も対象とする考え。 松井氏は国の経済対策などへの対応で今後、業務が増えることが予想されるとし、「仕事を失った方の雇用を守りながらマンパワーを確保したい」と述べた。市によると、現在募集要項を作成中で、採用形態など詳細を検討している。 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

「LINEで住民票請求」めぐり、渋谷区と総務省がバトル どこが問題なのか?(弁護士ドットコム)

東京都渋谷区が4月からはじめた、「LINE」で住民票の写しの交付請求ができるサービスについて、大臣が苦言するなど、法律の解釈をめぐり国と自治体が対立している。【写真】ラピュタそっくりの島「見ろ、海岸がゴミだらけだ…」このサービスの利用者は「渋谷区LINE公式アカウント」とやりとりする形式で申請の入力を進め、本人の顔写真と顔写真入りの身分証明書をその場で撮影・送信し、本人確認する。住民票は後日郵送される。一方、高市早苗総務大臣は4月3日、「セキュリティ、法律の観点から問題がある」として、区に改善を促すことを明らかにした。このサービスでは、オンライン請求では原則として必要となる電子署名を用いていないからだ。高市大臣は「電子署名を用いない方法は、画像の改ざんやなりすましの防止といったセキュリティの観点、法律の観点から問題がある」と述べ、総務省は助言をまとめた通知(4月3日付)を発出した。●LINEで住民票請求できるサービスを初めて行ったのは「市川市」実は、LINEで住民票請求ができるサービスは渋谷区が初めてではない。千葉県市川市が2019年3月19日、実証実験として全国初のサービスをはじめている。市川市の担当者によると、サービスは今も実証実験中だ。市民であれば誰でも利用可能で、住民票請求の件数全体に占める割合は高くないものの、「おおよそ月90件くらい」の利用があるという。市川市も渋谷区と同様に、LINEでの申請には、電子署名を用いていない。この点について、担当者は「総務省とやりとりし、市としてはセキュリティ的に電子署名の重要性を認識している。電子署名をどのような形で導入するのかを検討している」 と述べた。●大臣のコメントに対し、渋谷区がすぐさま反論渋谷区は4月3日、「総務大臣コメントに対する渋谷区の見解」を公式ホームページで公開した。区は、LINE申請について、精度の高いAI顔認証を導入したり、顔の向きをランダムに指定した顔写真を求めており、顔写真で本人確認しない現行の郵送請求よりもなりすましリスクは低いと主張する。また、法律の観点からの指摘については、法令に基づき、本人確認の検証をした上で実施を決定し、その旨を運用開始前に総務省へ報告するなどしており、適法であると主張している。渋谷区住民戸籍課の担当者は取材に対し、「区民の利便性向上のため、窓口に来なくても住民票などを交付できる仕組みを模索する中ではじめたサービス。今のところ、サービス停止などの予定はない」と話した(4月3日)。渋谷区がはじめたLINEを用いたサービスは、本当に法的に問題ないのだろうか。板倉陽一郎弁護士に聞いた。●「渋谷区のLINE申請は、郵送請求よりもなりすましリスクが低い」ーー住民票の写しの送付請求する際、どのような身分証明書が必要ですか「住民基本台帳法上、どのような本人確認書類が必要となるかについては、12条7項および以下の規定があり、『適当と認める書類』は自治体の長が裁量をもって定めることができます。『個人番号カード等であって現に請求の任に当たっている者が本人であることを確認するため市町村長が適当と認める書類を提示する方法(住民基本台帳の一部の写しの閲覧並びに住民票の写し等及び除票の写し等の交付に関する省令5条1号)』これに関し、渋谷区では、運転免許証(戸籍法施行規則11条の2第1号)・パスポート(同1号)・健康保険証(同2号イ、ただし同規則では組み合わせることが必要)・在留カード(同1号)・特別永住者証明書(同1号)などが定められています。『・戸籍法10条の3第1項に規定する方法に準じて、本人であることを明らかにしなければならない(渋谷区戸籍事務及び住民基本台帳事務における本人確認等に関する条例3条1項) ・市町村長に対し、運転免許証を提示する方法その他の法務省令で定める方法により、当該請求の任に当たっている者を特定するために必要な氏名その他の法務省令で定める事項を明らかにしなければならない(戸籍法10条の3第1項) ・戸籍法10条の3第1項の法務省令で定める方法は、次の各号に掲げる方法とする(戸籍法施行規則11条の2)』このうち、健康保険証は、必ずしも顔写真がついているとは限りませんから、ここでの本人確認は、『これらの書類は本人以外が所持していることが稀である』というレベルでしかありません。なお、パスポートの住所欄は自分で書くようになっていて、本人確認としての意味はありません。ーー渋谷区が採用しているという仕組みは、顔写真で本人確認しない現行の郵送請求よりもなりすましリスクは低いといえるものなのでしょうか?渋谷区が採用しているいわゆる『eKYC(electronic Know Your Customer)』は、『「運転免許証」、「マイナンバーカードの表面」、「パスポート」等の顔写真入りの本人確認書類』を用意した上で、これらとスマホ利用者の顔画像を比較するステップが入りますので、上記書類を郵送するだけよりは、なりすましが困難になります。なお、この比較は渋谷区によると『AIによる顔認証と職員による照合確認とで二重に本人確認を審査できるようになっており』とされており、機械的なチェックと人間によるチェックがなされているようです」●「住基法の解釈をめぐる争いが表面化したのは、住基ネットの合憲性以来」ーー高市大臣は法律の観点から問題があると明言しました「高市総務大臣は会見で、『オンラインによる請求手続でありますが、電子署名を用いない方法でございます。したがって、画像の改ざんやなりすましの防止といったセキュリティの観点、法律の観点から問題があると思います。具体的には、住民基本台帳法でございます』と述べています。しかし、実際は、『情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律』が、オンライン申請については以下の規定で、個別法を上書きしています。『申請等のうち当該申請等に関する他の法令の規定において書面等により行うことその他のその方法が規定されているものについては、当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、主務省令で定める電子情報処理組織を使用する方法により行うことができる(6条1項)』そして、ここでいう『主務省令』であるところの『総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則(以下、主務省令)』は、以下のように定めています。『前項の規定により申請等を行う者は、入力する事項についての情報に電子署名を行い、当該電子署名を行った者を確認するために必要な事項を証する電子証明書と併せてこれを送信しなければならない。ただし、行政機関等の指定する方法により当該申請等を行った者を確認するための措置を講ずる場合は、この限りでない(4条2項)』これに関し、総務省は、『オンラインで住民票の写しの交付を請求する場合には、電子署名を付して本人確認を行う必要がある旨を助言する通知を全市区町村に対して発出する』としています。具体的には、『電子情報処理組織を使用して本人から住民票の写しの交付請求を受け付ける場合の取扱いに係る質疑応答について(通知)』(令和2年4月3日付)で、以下のように示しています。『窓口における本人等請求の場合には、請求時に厳格な本人確認を行うことを求めていること(住民基本台帳法12条3項)、書面による請求に当たっては、請求書に自署又は押印を求めていること(住民基本台帳の一部の写しの閲覧並びに住民票の写し等及び除票の写し等の交付に関する省令4条1項及び住民基本台帳事務処理要領)から、主務省令4条2項のただし書の規定は適用できません』つまり、電子署名がない方法は適法ではないと主張しているわけです。なお、電子署名がある方法としては、マイナンバーカードを用いてコンビニで住民票の写しを交付する方法があり、これは渋谷区もやっています。ーー渋谷区は法的に問題ないと主張しています渋谷区は、住民基本台帳事務においても、主務省令4条2項ただし書の適用はあり、『「行政機関等」(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律3条3号ハ)であるところの渋谷区が、「指定する方法」であるeKYCによって「当該申請等を行った者を確認するための措置を講」じているのだから問題がない』と主張していることになります。住民基本台帳法の解釈をめぐって、総務省と自治体の間で争いが生じるというのは、住基ネットそのものの利用や合憲性を巡る争い以外には表面化したものはないと思います。●「渋谷区の主張は、総務省より理があるようにみえる」ーー双方の主張がぶつかり合っています。どちらの見解が妥当なのでしょうか総務省が、主務省令4条2項ただし書を死文化してよいとするにあたっては、書面による請求の場合に、請求書に自署又は押印を求めていることを根拠としていますが、これは法令に定められているわけではありません。あくまで住民基本台帳事務処理要領において、『請求者の氏名については、請求の意思を明らかにさせるため、自署又は押印を求めることが適当である』としているのみです(第2・4(1)①ア(ア)A )。しかしながら、そもそも渋谷区は、『渋谷区戸籍事務及び住民基本台帳事務における本人確認等に関する条例』においても、郵送請求について自著又は押印を求めていません(ウェブサイトには『請求者の署名が必要です(この場合、ハンコは不要です)』とあります)。総務省も、『適当である』としているだけですから、渋谷区の郵送請求における条例の定めが、住民基本台帳法12条7項及び『住民基本台帳の一部の写しの閲覧並びに住民票の写し等及び除票の写し等の交付に関する省令』5条1号に違反するとまではいっていません。むしろ、条文に立ち返ると、主務省令4条2項ただし書は、法令レベルでの例外を定めていません。主務省令14条は『次に掲げる法令の規定に基づく申請等を情報通信技術活用法第六条第一項の規定に基づき電子情報処理組織を使用する方法により行う場合については、第四条第二項の規定は、適用しない』としていますが、ここに住民基本台帳法は入っていません。そうすると、住民基本台帳事務についても、『行政機関等の指定する方法』として、主務省令4条2項本文が認める電子署名を用いる方法以外の方法についても自治体の裁量を認めているように読めます。この点で、渋谷区の主張は、主務省令4条2項ただし書を自らが発した通知のみに基づいて死文化しようとする総務省より理があるようにみえます。総務省の態度は、住民基本台帳事務が伝統的に自治事務であるとされてきたこととも矛盾するのではないでしょうか。もっとも、『行政機関等の指定する方法により当該申請等を行った者を確認するための措置』(主務省令4条2項ただし書)が適切であるかどうかの判断権が総務省にあるのか、当該行政機関等(今回は渋谷区)にあるのかは、問題としては残っていると思います。●「法令で定められている事項についても、国は十分に地方自治体と議論すべき」ーー行政手続のオンライン化は、近年法整備も含めて進められてきました。今回のようなサービスはこれから広がることが予想されますが、国や地方自治体は今後どのように進めていくべきでしょうか「これまで述べたとおり、地方自治体における情報の取扱いは、住民基本台帳事務を含めて自治事務であるとされてきたのが基本であり、これによって情報公開制度や個人情報保護制度は各地方自治体で完全にバラバラになってきました(いわゆる個人情報保護法制2000個問題)。これに対し、今回のコロナ禍を含む防災、医療、教育などの分野で弊害が指摘されてきたことから、個人情報保護委員会には『地方公共団体の個人情報保護制度に関する懇談会』が設けられました。個人情報保護法制2000個問題の解消をも視野に入れた議論が始められていますが、国側が硬直的な解釈に固執するとなると、『ならば統一的な法制は適切ではない』と能力がある地方自治体が反発することも考えられます。今回のように国の法令で定められている事項についても、十分に地方自治体と議論をして進める態度が望まれます」【取材協力弁護士】板倉 陽一郎(いたくら・よういちろう)弁護士2007年慶應義塾大学法務研究科(法科大学院)修了。2008年弁護士(ひかり総合法律事務所)。2016年4月よりパートナー弁護士。2010年4月より2012年12月まで消費者庁に出向。2017年6月より日本弁護士連合会消費者問題対策委員会副委員長(電子商取引・通信ネットワーク部会長)。事務所名:ひかり総合法律事務所事務所URL:http://www.hikari-law.com/Source : 国内 - Yahoo!ニュース