繁華街に夜間営業の精神科 半身まひの医師が差し出す救いの手(産経新聞)

 大阪・ミナミのアメリカ村に、夜間だけ営業している精神科診療所がある。“若者の街”という特徴から来院者の大半は20代の若者が中心。診察するのは、半身まひなどの障害がある精神科の片上徹也医師(35)。自身が大きなハンディキャップを抱えながらも「苦しむ人の笑顔を取り戻したい」と、手を差し伸べてきた。そんな診療所は現在、「夜の守り神」として地域に欠かせない存在になりつつある。 ■夜の守り神 「人と顔を合わせるのが怖い…鏡越しでも苦痛で」 片上医師の元を訪れた20代の男性の仕事は、美容師だった。接客業が中心の美容師にとっては致命的な悩みだ。「もう仕事を続けられない」。夜9時から始まった約1時間のカウンセリングの間、発症の経緯と一緒に、男性は不安を吐露し続けた。 外傷や病原菌など、不調の原因をある程度想定して対処する内科・外科と異なり、精神科は原因が不明のケースも多い。男性も「ある日突然、接客するのが怖くなった」と予期せぬ不調に困惑していた。それでも笑顔を絶やさず、効果が期待できる薬や改善方法を提案していく。帰り際、少し希望が持てたのか男性は一言、安心した表情で「先生、ありがとう」。数カ月の定期通院後、男性は、無事職場に復帰したという。 ■夜限定のメリット 片上医師が、アメリカ村の雑居ビルの一角に、夜行性の動物フクロウにあやかり「アウル(フクロウ)クリニック」を開業したのは平成26年7月。 周囲は若者向けのアパレル店や飲食店、美容関連の店舗のほか、風俗店やラブホテルなどが立ち並ぶ。「人に安易に相談できない悩みを抱えた人が多い地域だと感じた」という。実際に、通院者の年齢は20代後半が中心。職種も会社員のほか、風俗店勤務の女性、シングルマザーの割合も高い。 夜間開業のメリットを「仕事上、昼間の通院が難しい人や、精神科にかかることに羞恥があり秘密にしたい人の双方が足を運びやすい」とする。開業から5年以上が経過し、早くもカルテ数は5千枚近い。「結果的に大勢の人を助けることにつながったと思う」と振り返る。 ■ハンディを覆す 一方、片上医師自身も体に大きなハンディキャップを抱えている。研修医時代の23年3月、くも膜下出血で倒れ、幸い一命をとりとめた。しかし、左半身のまひと左視界の注意障害という後遺症が残った。歩行は健常者と比較すると遅く、注意障害により視界の左側で見た書類などに見落としが生じやすく、カルテの読み込みにも時間を要する。 復帰直後、苦悩の時期が続いた。研修医期間を終え、非常勤の医師として勤務を始めたが、なかなか常勤医として採用してもらえなかった。「後遺症で常勤医になれないのでは」「自分は医師として必要とされているのか」。そうした不安は行動することで乗り越えるしかなかった。診療所開業もその一環だ。「自分が必要とされる環境を自分で生み出し、自分の居場所をつくる必要があった」 現在は兵庫県加古川市の精神科医療専門の病院で常勤医として勤務。診療所は病院での勤務を終えた午後7~11時の間営業する。激務だが、「自分を必要としてくれる人がいるのはうれしい。当時ほど不安感はなくなった」と笑う。原動力は、「最後に『もう、大丈夫』と笑顔で送り出す瞬間が一番の喜びだから」と胸を張った。 アウルクリニックは大阪市中央区西心斎橋1-9-28リーストラクチャー西心斎橋ビル319。火曜と土・日・祝、毎月第3月曜も休診。診察は午後7~11時まで。要予約。予約、問い合わせは06・6282・7987。Source : 国内 - Yahoo!ニュース

「何か残したい」亡き妻にささげる梅…献木続ける75歳の思い(西日本新聞)

 君が好きだった梅が今年もほころび始めたよ-。福岡県久留米市の古賀邦雄さん(75)は10年前、妻ななさん=享年(61)=を肺がんで亡くしたのをきっかけに、自宅から近い思い出の地の宮ノ陣神社(同市)に梅の献木を続けている。しだれ梅、紅梅、白梅…。早春を告げる約30本が今年も見学者を楽しませている。【写真】10年前に亡くなった妻・ななさん 古賀さんは水資源開発公団(現・水資源機構)の元職員で、退職後は約1万3千冊の河川、湖沼、水に関する蔵書を公開する私設図書館「古賀河川図書館」を主宰している。 現役時代は転勤族で、単身赴任は約10年に及び、妻には子育てなどで苦労を掛けた。それでも「愚痴は全く聞いたことがない」と古賀さん。書籍の収集も、自宅で図書館を開くと決めた時も「あなたが亡くなったら売るわよ」と冗談を言いながら、手伝ってくれた。「図書館を訪れる大学の先生から『大変でしょう』と声を掛けられてもニコニコと笑うだけでした」    □     □  定年後は梅の季節に2人で太宰府天満宮に参拝し、梅ケ枝餅とお茶を楽しんだ。亡くなる2カ月前、入退院を繰り返しながら「梅を見たい」というななさんと出掛けたのが、市指定天然記念物「将軍梅」などでも知られる梅の名所、宮ノ陣神社だった。晴天で体調もよかったななさんは、時間をかけて梅の花と香りを楽しんだ。 ななさんは約2年の闘病の末、2010年4月死去。古賀さんは「夫婦でゆっくりという矢先。私は自分のことばかりで、もっと早く病魔に気づいてあげられればよかった」と悔いた。 ななさんのために何か残したいとの思いで、神社側に相談。境内には100本以上の梅が植えられているが老木や弱った木もあり、13年1月、名前にちなみ初めて7本を植えた。以来数本から10本、総代に相談しながら献木を続ける。うち1本の紅梅には「ななの梅」と記された寄贈銘板が立てられた。神社のお祭りにも毎年、招待される。    □     □  転勤のたび、その土地を楽しみ、趣味の児童文学を通して交友関係も広かったななさん。古賀さんは高齢を理由に昨年、2人で切り盛りした私設図書館の蔵書を久留米大に寄贈することを決めた。知らせを聞いた妻の友人からもねぎらいの手紙が届いた。 3月までに全ての運び出しは終わり、これを機に広すぎる2階建ては引き払う。新居は宮ノ陣神社のすぐ裏だ。 「君偲(しの)び清楚な梅に語りかけ-」。歌にも詠んだななさんへの思いを胸に、古賀さんは「少しずつ増やして由緒ある神社の梅をもっと多くの人に知ってもらいたい。妻も喜んでくれるはず」と話す。(山口新太郎) 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

風邪との見分け困難 次の脅威は「軽症者の病院殺到」

 感染の封じ込めを目的にするよりは、医療体制の維持をめざすことが良い――。感染者の診療にあたる国立国際医療研究センターのグループはこう指摘する。  新型コロナウイルスの感染は、政府のチャーター便で中国から帰国した人のほか、中国からの旅行者でも見つかり、侵入ルートは複数ある。今後、中国以外の国で感染した人が、水際対策をすり抜けるケースも想定される。知らないうちに感染し、他の人にうつしている可能性は、国内でも否定できない状況だ。  一方、感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「今のところ、国内の新型ウイルスの発症者は軽症が多いようだ」と指摘する。「発熱やせきといった症状が4、5日続き、回復か悪化かに分かれている」  京都市内の店で観光客を接客していた20代の中国人男性は、発熱やせきの症状で医療機関を2度受診。しかし、新型ウイルスの感染だとわからないまま肺炎が起き、判明するまでに10日ほどかかった。  現状ではインフルエンザで用いられるような迅速診断キットがない。感染の確認には、時間やコストのかかるPCRというウイルス検査が必要で、希望する人すべてに行うのは現実的ではない。厚労省の基準では、湖北省への滞在歴や、訪問歴のある人と濃厚接触した人が対象だ。  東京医科歯科大の瀬戸口靖弘特任教授(呼吸器内科)は「普通のかぜは過去の感染で体に免疫があり、3日程度でピークを過ぎる点で違いがあるが、せきや熱といった初期症状は同じ。見分けることが難しい」と指摘する。  しかし、新型ウイルスを心配し… 980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

リスザル12匹連れ去られた? 助けて!謝礼100万円

 静岡県伊東市富戸の伊豆シャボテン動物公園で放し飼い展示していたリスザル12匹が先月から行方不明になっている。園では盗まれた可能性が高いとみて伊東署に届け出た。解決に直結する情報には最大100万円の謝礼金を出すとしており、情報提供を呼びかけている。  中村智昭園長によると、いなくなったのは、約20万平方メートルの園内で放し飼いにしていた25匹のうちの12匹。1月19日から23日にかけて、毎朝の餌やりの際に少しずつ減っているのがわかった。園の外周には電気柵があり、防犯カメラを設置している。サルが外に逃げ出したり、肉食動物に襲われたりした形跡はないことから、夜間に何者かに盗まれた疑いが強いという。園内にはほかに池の中の島に21匹のリスザルがいる。  同園は、放し飼いにした動物に入園者が間近で接することができる展示方法が特徴で、1匹ずつ名前がつき、人なれしたリスザルは人気の動物だった。リスザルは小型でペットとして取引もされ、1匹50万円以上するという。(石原幸宗) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

勤務時間減らす病院に加算を 診療報酬見直しを答申

 4月からの保険診療の範囲と料金が決まった。診療報酬の見直し方を7日、厚生労働省の中央社会保険医療協議会が答申した。医師の働き方改革のほか、病院の役割分担や再編・統合も後押しする。団塊世代が75歳以上になる2025年が迫るなか、医療の構造転換を進める狙いがある。 当直明けたら また当直  30代の男性医師は昨年まで3年間、関東地方の救命救急センターの救急医だった。24時間の受け入れ態勢を支え、勤務は月250~300時間。経験を積むため、当直明けのまま、人手を求めている別の病院の当直に入る「2泊3日」の勤務になることもあった。仮眠を挟みつつも、最長39時間の連続勤務。「私はまだ、代休が取りやすかったので恵まれていた」  24年度から、医師にも残業時間の上限規制が適用される。救急をはじめ勤務医のハードな働き方を見直し、医療現場の安全向上や人材確保につなげるため、2年に1度の今回の改定では、勤務医の時間外労働を減らす計画を作った病院に報酬が入る新たな加算を作る。救急搬送が年2千件以上の病院が対象で、入院1回につき患者に1560円(自己負担3割の場合)を求める。病院には1人につき5200円が入る計算で、増えた報酬を財源に、医師の増員などを進めてもらう狙いがある。 事務スタッフ増やせば変わる?  仕事の分担や効率化も進めるため、医師の事務作業を支えるスタッフを置いた場合の加算を引き上げる。対象病院などの入院患者には、入院1回につき150円(同)の負担増になる。  すでに現場では、こうした事務… 980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

【動画】日本海側は雪や雨 太平洋側は広く晴れるが 夜遅くにわか雪も(8日7時更新)(ウェザーマップ)

 8日(土)は、山陰から北の日本海側では雪や雨が降りやすいでしょう。太平洋側では日中は晴れる所が多いですが、夜遅くは関東など所々でにわか雪がありそうです。 日本付近は冬型の気圧配置になり、降れば平地で雪となる目安の寒気が夜にかけて、西・東日本の太平洋側まで南下してくる予想となっています。 このため日本海側では朝から雪や雨が降ったり止んだりで、岐阜や長野、関東の北部でも雪の降る所があるでしょう。北日本ではふぶく所もありそうです。 北陸から山陰にかけては、雪や雨の降り方が強まり、雷を伴う所もあるでしょう。山沿いを中心に降雪量が多くなる見込みです。◆9日朝までに予想されている降雪量(山沿いの多い所で)・北陸60センチ、北海道・関東甲信50センチ、 東北・近畿40センチ、中国30センチ、東海20センチ また、今夜遅くから日曜の明け方には、関東から四国にかけての太平洋側でも一時的に雪の降る所がありそうです。 最高気温は、関東から西の太平洋側を中心に金曜より高いでしょう。風がやや強いですが、日差しの温もりを感じられそうです。 一方、日曜日は土曜より低くなる所が多いですので、気温の変化にお気をつけください。(気象予報士・佐藤温子) 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

関東は深夜に雪? 東京でうっすら積もる可能性(ウェザーニュース)

ウェザーニュース  関東は昼間は冬晴れですが、夜遅くなると上空の寒気の最も強い部分が通過する見込みです。この影響で大気の状態が不安定になり、局地的に雲が発生、発達し、雪や雨の降る所が多くなります。 東京都心を含む関東南部の市街地でも雪になる可能性があります。このように雪の降る時間は短いものの、一時的に強まる所があり、土や芝生、屋根の上などがうっすらと積もって可能性があります。ウェザーニュース 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

新型肺炎の死者、中国で717人 感染拡大止まらず(共同通信)

2/8(土) 7:44配信  【北京共同】中国湖北省の当局は8日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスによる死者が同省で81人増えたと発表した。中国本土での死者は計717人となった。感染拡大が止まっていない。 ウイルスの感染者も湖北省で2841人増え、中国本土の合計が3万4千人を超えた。 特に状況が深刻な同省武漢市では死者が545人、感染者が1万3603人に達した。 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

突然、家に兵士が…北方領土元島民「島は日本のもの」(産経新聞)

 「北方領土の日」の7日に東京都内で開かれた「北方領土返還要求全国大会」では、北方四島の元島民も出席した。「島は日本のものだ」。高齢化が進む元島民は、望郷の念とともに道筋が見えない領土返還に焦りを募らせている。 「(歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)の)2島返還で手を打てば、日本は面積的に大部分を失う。全島返還は譲れない」。大会に出席した歯舞群島多楽(たらく)島出身の高岡唯一(ただいち)さん(84)は、一昨年に日露首脳が確認した昭和31年の日ソ共同宣言に基づく平和条約交渉に反対の立場だ。 コンブ漁を営む家庭で育った高岡さんは幼いころ、海沿いで鳥を追いかけて遊んだ。だが10歳だった20年。突然、隣家に2人のソ連兵士がやってきた。急いで自宅に戻ったが、2人の兵士は玄関から土足で入り込み、仏壇などを銃の先端で物色した。 「母の背中は震えていた。私もおっかなかったことしか覚えていない」。平穏な暮らしを続けられず、父の船で根室へ渡った。 高岡さんは定置網漁で生計を立て、引退した現在は羅臼町で四島の歴史を伝える語り部活動を行っている。「島は日本のもの。日本政府は、将来の世代に解決への確かな道筋を確約してほしい」と話した。 元島民の高齢化が進み、早期の自由な往来の実現を待ち望む声は根強い。 ビザなし交流制度で何度も古里を訪れたことがあるという国後(くなしり)島出身の広瀬多喜子さん(86)は、「最近は病気がちになりあまり行けなくなったが、孫の世代には『返還されればもっと自由に行けるよ』と伝えたい」と話した。 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

中国で新型ウイルスの死者717人に増加(共同通信)

2/8(土) 7:27配信  【北京共同】中国湖北省の当局は8日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスによる死者が同省で81人増えたと発表した。中国本土での死者は717人となった。 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース