ダイハツ製にあらずんば… 公用車のEV化、工場地元の町議会がNO

 ダイハツ工業の京都工場がある京都府大山崎町が、新年度の一般会計当初予算案に公用車として電気自動車(EV)を購入する費用を計上したところ、議会がこれを削除した減額修正案を可決した。「買うなら地元企業のものを」というのが理由だが、そもそもダイハツ製のEVは存在していない。 町は環境に優しい公用車として、EV1台を約280万円で買おうとした。日産製の予定だったが、議会では「日産は地元企業ではない。どうせ買うなら、町に工場のあるダイハツ製を」との意見がついて削除された。 しかし、ダイハツはEVを生産していない。スズキやトヨタと共同開発中のEVの軽商用車も、ダイハツによる認証試験不正のあおりで、23年度内の予定だった生産開始が延期されている。 大山崎町は町長、議長、教育長用として、それぞれ1台ずつ計3台の公用車を所有しており、いずれもダイハツを傘下におくトヨタ製だ。町長用の車にETC車載器を取りつける費用2万7600円も「なぜ町長の車だけなのか」と削除された。 町長の前川光氏は現在2期目。2022年の町長選では共産党の支持を受け、自民、公明、国民民主が相乗りで推薦した候補を破った。予算の減額修正案は町長に批判的な議員らによる賛成多数で18日に可決された。(日比野容子)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「仕事気になり眠れない」「毎晩じんましん」新人教員に組合が調査

日比野容子2024年3月21日 10時15分 「仕事が気にかかり眠れない」「鬱(うつ)ではないかと言われた」――。京都教職員組合が実施したアンケートで、昨年4月に採用された新人教員の気になる実態が浮かび上がった。背景には教育現場の慢性的な人手不足があるとして、労働環境の改善を求めていく。 アンケートは昨年10月~今年3月、府内の公立小中高・特別支援学校に勤務する昨春採用の教職員712人を対象に実施。121人から回答を得た。 「休日出勤(土日、祝日)はよくありますか?」という問いに対して、「ある」と回答したのは33・1%で、3年連続で前年を下回った一方、1日の時間外労働時間が「3時間以上4時間未満」「4時間以上」と回答した人が合わせて67%に上った。休日出勤は減ったものの、平日の長時間労働が依然として減らない実態が浮かび上がった。 自由回答で健康状態について尋ねると、「朝スッと起きられない。寝る時も考え事をしてしまう」「毎晩ストレス性のじんましんが出る」といった健康不安を訴える声が多数集まった。 1年目の教職員には「初任者研修」が義務づけられている。コロナ期に研修の多くがオンデマンドやオンラインに移行したが、それらを受講する時間が勤務時間内に確保されておらず、負担の軽減を求める声も目立ったという。 ほかにも「勤務時間外の打ち合わせや会議がある」「有給休暇を取らせてもらえない」などという回答があった。 京教組の中野宏之・執行委員長は「慢性的な教員不足で、新任教員を迎える先輩教員にも全く余裕がない状況だ。抜本的な解決策は教員を増やすことしかない」と指摘する。対応策を検討し、4月に府教委などに申し入れを行う。(日比野容子)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

サイバー犯罪集団ロックビットに「外部協力者」 専門家らが語る内幕

 国際的なサイバー犯罪集団「ロックビット」が2月、日本や欧米の国際共同捜査で摘発された。対峙(たいじ)し続けてきたセキュリティーの専門家らが今回、摘発を機に集団の内幕を明らかにした。攻撃を「ビジネス」と表現し、外部協力者の存在を明かしたという。 サイバーセキュリティー企業に勤める20代の日本人男性は、有志の専門家が集まる国際的なボランティア組織に属する。この組織はロックビットに、病院や非営利団体への攻撃をやめるよう働きかけてきた。 日本では、徳島県つるぎ町立半田病院がロックビットの攻撃を受けた。攻撃の約3カ月後の2022年1月、男性がロックビットの運営メンバーに連絡すると、返信があった。「アフィリエイト」と呼ばれる報酬目当ての外部協力者がおり、勝手に病院を攻撃していたと書かれていたという。 ロックビットは22年12月、カナダにある世界有数の小児科病院を攻撃した。この時、日本人男性が所属するセキュリティーの専門家集団「vx―underground(VXUG)」がロックビットに連絡すると、攻撃の数日後に謝罪し、無償で復元プログラムを提供すると声明を出したという。 米セキュリティー企業の調査では、23年だけで67の医療機関が被害にあった。VXUGは、ロックビットの主要メンバーが組織を管理できておらず、アフィリエイトは野放し状態になっているとみている。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

来場1日26人…でも維持費は年7700万円 博物館の運営を問題視

 兵庫県の2022年度事業について外部の専門家がチェックした「包括外部監査」の結果が、19日に公表された。古代鏡などを所蔵する県立考古博物館加西分館(加西市)について、来場者数が1日平均約26人しかいないにもかかわらず、年間7700万円の維持費をかけている点を問題視。また同博物館を含む13施設について、運営評価の指標が不適切だったと指摘した。 考古博物館加西分館は「古代鏡展示館」と銘打ち、鏡を中心とした中国古代の青銅器などを公開している。分館によると収蔵数は約500点。県立フラワーセンター内に立地している。 公表された監査によると、22年度の分館の有料観覧者数は7928人で、年間開館日数で割った1日平均は約26人。フラワーセンターの入園者数23万4300人のうち、3%程度に低迷している。主な展示物は、「隋唐鏡」 監査はその一因として、「地…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「野鳥の島」のアカコッコ館、貴重な自然守って30年 東京・三宅島

 野鳥の島として知られる伊豆諸島の三宅島(東京都三宅村)に、バードウォッチャーが集まる季節がやってきた。貴重な野鳥を守ってきた「三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館」は開館30周年を迎え、今月は国の天然記念物のアカコッコや島の自然を紹介する記念イベントを開催したほか、1年を通じて観察会なども予定されている。 都心から約180キロ。太古から噴火を繰り返してきた三宅島の南部には、約2千年前の火山活動でできた「大路(たいろ)池」がある。周りには巨樹の森が広がり、アカコッコやモスケミソサザイ、タネコマドリなどの声が響く。3月末頃にイイジマムシクイも飛来すると、周辺の小道は「日本一のさえずりの小径(こみち)」と称されるほど、にぎやかになる。 同館は池のそばにあり、野鳥の飛来状況や島の自然を知ることができる。日本野鳥の会が、野鳥の生息密度が高い豊かな自然の保護を訴えてきたことを受け、1993年に村営施設として開館。伊豆諸島と鹿児島県のトカラ列島のみで繁殖するツグミの仲間で、村の鳥でもあるアカコッコの名がつけられた。 著名な海洋生物学者で、三宅…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

La propagation rapide d’une infection bactérienne grave inquiète le Japon

Des personnes portent des masques dans une rue commerçante du centre d’Osaka (Japon), le 15 mars…

国際園芸博、公式マスコット発表 芦田愛菜さん「考えるきっかけに」

 2027年に横浜市で開かれる国際園芸博覧会(GREEN×EXPO)まで3年となった19日、同博覧会協会は公式マスコットを発表した。地球をコンセプトにしたキャラクターで、協会は今後、名前を募集し、PRを進める。 マスコットは、地球に花や緑がちりばめられたようなデザインが特徴。正面中央に描かれたハート形の核は、喜びや悲しみによって表情を変え、自然からのメッセージを代弁するという。最終候補の3作品から、市民が寄せた約1万4千件の意見を踏まえ、選考委員会が最終決定した。 この日は都内で発表会が開かれ、デザインした映像ディレクターの牧野惇さんは「植物や自然の感情が人間にも伝わるようにした」と思いを語った。公式アンバサダーの芦田愛菜さんは「地球の未来を考えるきっかけになれば」と話した。 協会はマスコットの名前を募集する。1人2点までで、文字数制限はないが、平仮名かカタカナが条件。最優秀作品には賞金30万円が贈呈される。4月8日正午まで、応募は特設サイト(https://expo2027yokohama-name.jp/)から。(堅島敢太郎)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

少し長めに働いて週休3日実現へ 内定者辞退も相次いだ市役所の試み

 働き方を見直し、仕事と私生活を両立しやすい環境に整えようと、岩手県久慈市は5月から、週休3日制にする勤務を試行する。1日の勤務時間を増やして、その分、平日に休みを設ける形。その後、体験した職員らから聞き取りして課題などを洗い出し、ワーク・ライフ・バランスを実現する。 市によると、こうした試みは県内の自治体で初めて。 市の業務はこれまで、窓口や現場で市民と対面して話を聞くのが基本だった。 しかし、近年は電子マネーで公共料金を支払うことができ、コンビニエンスストアで住民票の写しなどの証明書も自動交付される。窓口業務や事務作業の負担は軽減され、行政サービスのあり方が変わってきている。 一方で、夜間に行われる住民説明会やイベントなどもあり、超過勤務を防ぐため、メリハリをつけた働き方が理想だった。 柔軟な働き方ができれば、育児や介護、スキルアップなど個々の事情に合わせた対応をとれるようになる。 また、背景には人材確保の難しさもある。若い世代の仕事に対する意識が変化しているとみられ、市の今年度の職員採用試験の応募者が前年度から激減したほか、内定者の辞退も相次いでいるという。 このため、職員が仕事にやりがいを持ち、生き生きと取り組めるように、その第一歩として週休3日制の導入を検討することにしたという。 管理職を含む正職員346人の勤務時間は午前8時半~午後5時15分の7時間45分。試行では、週3日は2時間、1日は1時間45分それぞれ長く働き、平日1日分の休日を確保する。同様に、勤務時間が短い任用職員は1日当たり1時間45分の追加勤務をし、週休日を設ける。 5月13日から8月末まで業務に支障がない各部の1~2課で実施する。選択は個人の判断に任せ、選択しても所得や手当などへの影響はない。 試行の結果を踏まえ、週休3日制の本格導入のほか、フレックス制やテレワークなど柔軟な働き方についても検討する。 遠藤譲一市長は「職員の応募が少なくなっている。住民サービスのレベルを下げることなく、職員自身が勤務のあり方を選択できるようにしていきたい」と話している。(小幡淳一)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ある日、空から舞い落ちた風船 100キロ離れた小学校、つながった

 昨年11月23日正午ごろ。滋賀県湖南市の阪口雅美さん(73)は、玄関から外へ出たところだった。 空から、割れた風船がひらひらと舞い、目の前に落ちた。 「ふうせんとばしさせてくれてありがとう」 子どもの字で書いた手紙が付いていた。 「明石市立錦が丘小学校・幼稚園 創立50周年記念事業」と印字してある。 どうやら、兵庫県明石市から飛んできたようだった。 日付もあった。「2023.11.23」。今日だ。 「何これ。ドラマチックやなあ」 阪口さんは心を動かされ、返事を書きたいと思った。どうせなら、子ども同士の交流につなげたい。 いつもあいさつをしてくれる…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

女性のつもりだった弥生人「第2弾」はこんな顔に 24日に公開へ

【動画】女性のつもりだった弥生人「第2弾」はこんな顔に 24日に一般公開へ=大久保直樹撮影 弥生時代の大規模集落遺跡・青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡(鳥取市)に整備中の鳥取県立青谷かみじち史跡公園で20日、遺跡から出土した約1800年前の頭蓋骨(ずがいこつ)やDNA情報をもとに作った「青谷弥生人」の復顔像の除幕式があった。県が2021年秋に復顔した青谷弥生人(のちに「青谷上寺朗(かみじろう)」と命名)に続く第2弾だ。24日にオープンする同公園で一般公開される。 この日、同公園のガイダンス展示室で地域住民らが見守る中、復顔像がお披露目された。遺伝的にやや縄文寄りの集団に入る中年男性の「上寺朗」とは異なり、渡来系の集団に含まれる10代前半とみられる男性だ。DNA情報から、髪が太く、肌の色調はやや濃いめ、二重まぶた、耳あかは「乾燥タイプ」、アルコール耐性が高かったといった特徴が推定されている。 実は第2弾の復顔は当初、女性となる予定だった。「上寺朗」は22年5月、全国から公募したそっくりさんグランプリが盛り上がるなど大きな話題を集めた。県はより遺跡を盛り上げようと、22年度から女性の復顔を進めることに。 比較的保存状態がよかった3個体の中から候補を絞り込み、若い女性とみられた1個体を選んだ。だが、22年9月にDNAの抽出に成功し、男性特有の「Y染色体」が含まれていることが判明。その後の解析でも男性であることが確認されたという。 除幕式で平井伸治知事は「女性だと思って研究していたら男の子だったと分かり、びっくりするぐらいかわいらしい子どもが出てきた」と感想を述べた。今後は展示施設で「上寺朗」と一緒に紹介するとし、「青谷上寺朗と似ている気もして、青谷だけに『ああ、おやこ(親子)』だなと。新しいシンボルとしてぜひ会いに来てかわいがってほしい」と得意のダジャレを交え、来場を呼びかけた。 地元の鳥取市立青谷中学校1年の山崎啓(ひらく)君(13)は「周囲に似た人はいないが、すごくイケメンだし、女性のアイドルにも見える。どんな暮らしをしていたのか興味がわいた」と笑顔で話した。 県は今後、「上寺朗」と同じように名前を公募するなどさまざまな活用策を検討している。同公園の西村芳将所長は「青谷上寺朗さんに大活躍して頂いているので、2体目の復顔像も人気ものになってくれるはず」と期待している。(大久保直樹)最大の謎は散乱した109体の人骨 青谷上寺地遺跡は弥生時代に…この記事は有料記事です。残り602文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル