サルもつらいよ花粉症 目鼻こすり、くしゃみも…でも例年よりマシ説

森直由2024年3月17日 19時00分 花粉が飛散するこのシーズン、淡路島モンキーセンター(兵庫県洲本市)では、野生のニホンザルにも花粉症とみられる症状が広がっている。ただ今年は例年よりも症状の出ているサルは少なめで、センターは「例年よりも花粉の飛散量が少ないのかもしれない」と分析している。 センターによると、野生のニホンザル約350頭が朝に山から下りてきて、夕方に山へ帰っていく。 2月上旬から涙を浮かべたり、目や鼻をこすったり、くしゃみをしたりするサルの姿が確認されるようになった。 ただし近年では2021年と22年が約30頭、23年は約50頭がこの時期に症状が見られたのに対し、今年は20頭ほどにとどまる。例年は特に重症になるメス序列1位のプリコ(23)も、軽い症状のままだという。 センター長の延原利和さん(70)は「サルにとってもつらい日々は4月上旬ごろまで続きます。人間と違って何も対策はなく、見守ることしかできない」と話している。(森直由)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

お金渡すだけでは解決しない 貧困の現場から見たベーシックインカム

 進化するAI(人工知能)に職が奪われてしまう不安が高まっています。そんななか、すべての人に最低限の生活費を給付するベーシックインカム(BI)の議論が再び注目されています。貧困の現場からはどう見えるのか。宇都宮市で子ども食堂を運営する荻野友香里さんに聞きました。おぎの・ゆかり  1990年生まれ。 栃木県若年者支援機構子どもの貧困対策事業部長。2016年から宇都宮市で子ども食堂を運営する。 2016年に宇都宮市では初めてとなる子ども食堂を開きました。今は25人超が通ってきます。栃木県内の子ども食堂は100ケ所ほどあり、必要とされています。 貧困など苦しい状況に直面している子どもたちもいます。最貧国などとは違い、日本という豊かな社会で育っているのに、他の家にあるものが自分の家庭にはない人もいるのです。 では、お金さえ渡せば解決するのか。確かに、金銭的支援があれば立ち直れる家庭も少なくありません。生活保護制度はあっても、必要な家庭に必ずしも届いてはいない。必死に働いても生活費が足りず、結果的に子が放置されている状況もある。「ベーシックインカム(BI)さえあれば」と思う時もあります。 一方、お金を渡すだけでは解決しないとも感じます。子どもたちに見せるべき姿とは よく「普通の暮らし」と言わ…この記事は有料記事です。残り727文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

卒業しない私から旅立つみんなへ 映画館貸し切り、はなむけの上映会

 香川大学の卒業式がある3月24日、交通事故で休学し、今年卒業できなかった一人の学生が、同級生へはなむけの映画上映会を開く。 教育学部4年の河村奏音(かのん)さん(22)。高松市亀井町の映画館「ソレイユ・2」を貸し切りにして、アニメ映画「千年女優」(今敏監督、2002年公開)を上映する。 河村さんは高校生の時、今監督の「パプリカ」(06年公開)の関連動画を目にし、その映像にひかれた。他の作品も見ようと、レンタルビデオ店に足を運び、そこで「千年女優」に出会ったという。 「初めは映像に驚いたんですけど、ストーリーにもめちゃくちゃひかれて。どこまでも考察できる深みのある作品なんです」 大学2年の時、友人に「千年女優」が好きだと話したところ、意気投合。「いつか映画館でこの作品を見てみたい」と、上映会をやろうと決めた。映画館に問い合わせ、場所代や映像の使用料などを含め十数万円で借りられると知ったものの、タイミングが合わず、開催できずにいた。休学して芽生えた、挑戦する気持ち 夏休みだった昨年9月、自転…この記事は有料記事です。残り577文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

出産と出版、同じ日になるはずが… 産んでわかった双子のような関係

 「置かれた場所であばれたい」 1月19日に発売された、潮井エムコさん(30)のエッセー集のタイトルだ。 「学生結婚と子育て」「4歳の家出」「うんちソムリエ」……。 刺激的なタイトルの全26編を収録。 笑いをこらえきれない描写や、思わずホロッとくるエピソードの数々。 一筋縄ではいかない人間模様が描かれている。 そんな初の著書が発売される6日前、エムコさんは産婦人科にいた。 まもなく37週でパンパンに張ったおなか。 逆子になっている我が子の頭蓋骨(ずがいこつ)が横隔膜を押し上げてくる感覚があって、常に息苦しい。 そんな息子が、帝王切開でこの世に誕生する日を決めるための検診だった。 事前に候補日として挙がっていたのが、1月18日と19日。 19日は「置かあば」が出版される日だ。 「出産と出版が同じ日だったら、ある意味おいしいかも」 エッセイストとしての期待と、母として早く息子に会いたい気持ち。 合格発表を見に行くような思いで「18、19日のどちらになりましたか?」と尋ねた。 「それがねぇ潮井さん、申し…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「君ソム」舞台のお好み焼き店が被災 届いたメッセージに涙堪えた

 能登半島地震で被災した石川県七尾市のお好み焼き屋「平野屋」は、地元を励まそうと、約2週間後に断水が続く中で営業を再開した。被災地で奮闘する店に届いたのは、七尾市を舞台にしたある作品の関係者たちからのエールだった。 市中心部から車で10分ほどの住宅街。ようやく水が出るようになった2月下旬、杉本祐一さん(45)はいつものようにお好み焼きを手際よく仕上げていた。被災地で働く工事業者らが通うようになり、客足は地震前の6割ほどに戻りつつある。 正月の地震では、幸い家族全員無事で自宅兼店舗も倒壊を免れたが、空調や業務用冷蔵庫など多くの店の設備が壊れた。損失は1千万円を優に超えるとみている。 店を開けられない状況で、直後から避難所での炊き出しボランティアに加わった。気になったのが、日に日に暗くなっていく避難者たちの表情だった。「早く日常に近づけて安心してもらいたい」。自分が店を開ければ、ほかの店も続くかもしれないと思った。 必要な設備をレンタルでそろ…この記事は有料記事です。残り724文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこどもと被災地東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

いつかバジルのように ドローンで見た緑の円形水槽が秘める可能性

西岡臣2024年3月17日 12時00分「南伊勢マリンバイオ」のスジアオノリ陸上養殖施設 お好み焼きや焼きそばでおなじみの「スジアオノリ」。ドローンを飛ばし、陸上養殖施設を上空からのぞくと、大小異なる水槽の円形がずらりと並ぶ。 南伊勢マリンバイオ(三重県南伊勢町)では、乾いた重さで年間約4・8トンを生産している。培養室でできた株を屋外の水槽に移し、成長に合わせて直径1メートル、同3メートル、同7メートルと徐々に広くしていく。培養室から出されて4週間ほどで長さ70センチほどに成長し、冷風乾燥の後、出荷される。 スジアオノリは近年、海水温の上昇や、海中の窒素やリンなど栄養塩の不足で全国的に生産量が減少傾向にある。そうした背景から、同社は2020年、環境分析などを手がける東海テクノ(同県四日市市)のグループ会社として設立された。7年ほど前、当時東海テクノの専務だった田中正広社長が新規事業としてスジアオノリの陸上養殖に可能性を感じたことが始まりだ。 事業を始めるにあたり、水温や栄養分などについて研究や実験を重ねた。夏場の高温に株が耐えられないなど失敗もあったが、試行錯誤の末に年間を通じて安定して生産できるようになった。こまやかな品質管理が強みで、「1次産業というより、食品メーカーに素材を提供する工場に近い」と田中社長は話す。 「色んな料理に使われるバジルのように、スジアオノリを身近な存在にしたい」。香りの良いスジアオノリを広げたいと意気込んでいる。(西岡臣)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

【動画】道警式「低体温症ラッピング」体験 山で遭難者を救うために

【動画】厳冬の雪山で北海道警式「低体温症ラッピング」を体験=原知恵子撮影 北海道の山岳遭難では、低体温症による死者が後を絶たない。一人でも多くの遭難者を救うため、道警の山岳遭難救助隊は現場で「低体温症ラッピング」を実践している。どんなものなのか。記者が厳冬期の雪山訓練で体験した。 2月中旬、ホワイトアウトとなった十勝岳連峰・三段山の標高1300メートル付近。訓練に要救助者役として加わった記者は、隊員から「あるもの」を複数渡された。 「あたたかい……」 正体は、アウトドア用品店などでもよく見かける、たためるタイプのウォーターボトル。中身はお湯だった。アウターを緩めて胸元にいれると、まるで湯たんぽを抱いているようだ。 次は促されるまま、雪上のフカフカの敷物に横になる。下からブルーシート(1枚)、エアマット(1枚)、テントマット(2枚)、エアマット(2枚)、寝袋(2枚)。上側の寝袋に入ってから、さらに上から寝袋をもう1枚掛けて……。 最後に、一番外側のブルーシートで全体がキャンディーのように包まれ、ラッピング完了。時間にして、わずか4分ほどだった。 「(冷気からの)隔離・保温・(お湯による)加温。これで、低体温症の悪化を防ぎます」(隊員) 吹雪のなか、ストレッチャーに載せられ、搬送が始まった。密閉された姿は、はた目には「棺に入ったミイラ」のようだろう。それでも、特に息苦しさはない。顔面部分はほどよく開けてくれていたからだ。じっとしていたが、冷えもない。 「衝撃の少なさ」にも驚いた。ソリのようにロープに引かれ、25度の急斜面も下っていたはずだが、大きな揺れはなかった。隊員らが慎重に動いてくれたのが一番だと思うが、保温用のマットや寝袋が「クッション」になっている側面もあったと思う。 道警によると、このラッピングは2011年に道警の山岳遭難救助アドバイザーに就任した国際山岳医の大城和恵さんと協力して考案した。搬送中に症状が改善する人もいるなど、低体温症の悪化を防ぐ措置として10年以上の実績があるという。 ラッピングに使用する資機材は、一般人でも入手可能かつ、登山の個人装備として汎用(はんよう)性が高いものばかり。地域や民間の団体の講習で実演することもあるほかYouTubeの道警公式チャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=WTjSI4ECeII)でも公開している。 訓練を通して、隊員が日々体力や技術、知識を磨いていることを実感し、感謝と尊敬の念がわいた。ただ、願わくば、お世話になることがないようにしたい。北海道では雪崩事故が相次ぎ、死者も出ている。山に入る人は準備、計画、トレーニング、天候の確認、撤退する勇気を徹底することが重要だ。(原知恵子)【動画】山岳救助隊、厳冬の雪山での雪洞訓練に同行=原知恵子撮影Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

Indo-pacifique : face à la menace chinoise, les pays de la région se réarment

Des soldats philippins hissent le drapeau national sur l’île de Mavulis, dans l’archipel des Batanes,…

被爆した叔母に聞きたくて さだまさしさんはカセットテープを回した

 長崎市出身のシンガー・ソングライターのさだまさしさんは、叔母から克明な被爆体験を何度も聞いてきました。原爆に遭った人たちの体験をつなぐ朝日新聞長崎版の連載「ナガサキノート」4千回での取材に「伝えきれることを伝えておかないと、死んでも死にきれない」と語ります。 原爆についてどう思うか、16歳で被爆した叔母に単刀直入に聞いたことがあります。 「恨む話じゃない」というようなことを言っていました。「戦争が悪いんだ」って。 現実に被爆した人がまわりか…この記事は有料記事です。残り1916文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

船が浸水、釣り客ら7人を助けた船長に感謝状 救助後5分で船は沈没

奄美通信員・神田和明2024年3月17日 9時17分 奄美海上保安部は12日、奄美大島(鹿児島県)の東方沖で沈没した遊漁船の乗客乗員7人を救助した遊漁船アルカトラズの山元雄二船長(57)=同県奄美市笠利町=に感謝状を贈った。山元船長は「全員が無事でよかった」と笑顔を見せた。 山元船長や海保によると、アルカトラズは2月、釣り客8人を乗せて同市笠利町の宇宿漁港を出港。午前10時半ごろ、別の遊漁船の船長から携帯電話で「浸水した」と連絡があった。 現場から約9キロと近くにいたため、すぐ救助に向かった。浸水したという船はこの日、釣り客6人を乗せて奄美市の小湊漁港を出港していた。 現場に着くと、すでに船は半分ほど沈んでいた。アルカトラズを横付けして、釣り客の協力で全員を救助した。船は救助後、5分ほどで沈んだという。救助された釣り客はぼうぜんとしていたが、船長を含めて全員にけがはなかった。 感謝状を受け取った山元船長は「操船しながらの救助活動だったので、1人で全員を助けることはできなかった。協力してくれた釣り客に感謝したい。これからも気を引き締めて海の仕事をやっていきたい」と話した。(奄美通信員・神田和明)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル