残留日本兵らも眠る墓地に花を供え 子孫には「ご苦労されましたね」

有料記事ジャカルタ=半田尚子 多田晃子2023年6月20日 17時30分 インドネシアを訪問中の天皇、皇后両陛下は20日、首都ジャカルタにあるカリバタ英雄墓地を訪れた。同国政府が国のために尽力したと認めた政治家や軍人、文官ら約1万人が、性別や宗教に関係なく埋葬されている。太平洋戦争後もインドネシアに残り、オランダとの独立戦争に加わった28人の残留日本兵も眠る。 墓地に到着した両陛下は赤色のじゅうたんを歩き、英霊碑へ。黙禱(もくとう)を捧げた後、日本の国旗に合わせて白や赤の花で作られた花輪を供えた。その後、記帳室へ移り、天皇陛下が「徳仁」と記帳をした。前夜に子孫と対面 両陛下は前夜、宿泊先で残留…この記事は有料記事です。残り201文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

掘った土砂は東京ドーム2個分 豪雨で氾濫した川の改良工事が大詰め

 2018年の西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町などで、高梁川と支流の小田川の合流地点を下流に付け替える国の事業が大詰めを迎えている。5年前は高梁川が増水し、流れ込みが悪化した小田川の水位が上がって各地で越水した。工事の進捗(しんちょく)率は8割を超え、今年度末には完成する見通しだ。 西日本豪雨では高梁川の増水によって、支流の小田川の流れ込みが阻まれて水位が上がる「バックウォーター現象」が発生した。小田川やその支流の堤防計8カ所が決壊。周辺の約5500戸が全半壊するなどの被害が出た。 そのため付け替え工事では、高梁川の約4・6キロ下流で小田川が合流するようバイパス(迂回(うかい)路)を造ってつなげる。合流地点を下流にすることで、二つの川の高低差を広げて氾濫(はんらん)の危険性を減らす狙いがある。 工事は19年6月に着工。現在の合流地点の近くにある柳井原貯水池(倉敷市船穂町)を小田川のバイパスとして使い、流れをスムーズにして川幅約200メートルで高梁川に流し込む。現在の合流地点には堤防を設け、高梁川への流れを締め切る。総事業費は約474億円。 一番の難工事は、小田川と貯…この記事は有料記事です。残り425文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

袴田さん再審、10月まで三者協議日程 検察は依然、立証方針示さず

本間久志2023年6月20日 19時06分 1966年に静岡県で一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(87)の裁判をやり直す再審公判に向けた検察側、弁護側、裁判所による第3回の三者協議が20日、静岡地裁であり、協議の期日が10月まで追加された。 弁護団によると、既に決まっていた7月19日の第4回の後、新たに9月12、27日、10月27日と、7回まで期日が指定された。 弁護団事務局長の小川秀世弁護士は「裁判所がどのような証拠を調べるかを決めるのに時間を要するとしている」と説明。弁護団は速やかな公判開始を求めており、「必要がなければ期日を取り消してもよく、10月以降しか公判ができないということではない」との認識を示した。検察側は、7月10日までに決めるとしている立証方針を、この日も示さなかったという。(本間久志)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

新任教諭、4月に残業100時間 「教育実習と想像以上のギャップ」

有料記事高嶋将之 上野創2023年6月20日 16時00分 公立学校に配属された新任教諭が、1年以内に辞めてしまう――。そんな事例が増えている。今年4月に新卒で採用された教諭は業務量の多さに苦しみ、抱いていたイメージとのギャップを訴える。一部の学校ではサポート態勢に不備がある実態もあるようだ。 「睡眠時間が少なく、子どもたちと接する時の余裕がなくなることがつらい」 関東地方の公立小学校に4月から勤務する20代の男性教諭はそう話す。 学級担任を持っている。始業…この記事は有料記事です。残り943文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ヒグマが立ち上がったら、どれぐらいのサイズ感?パネルで一目瞭然

 立ち上がった時のヒグマはどれぐらいの大きさなのか――。北海道でヒグマ目撃情報が相次ぐなか、北国博物館(名寄市)が実寸大パネルを展示して注意を促している。 博物館の壁には、4種類のシルエットが貼りつけてある。 ▽独り立ち直後の若グマ(1.8m、体重80~120キロ)▽一般的なサイズのメス成獣(2m、同80~150キロ)▽一般的なサイズのオス成獣(2.3m、120~150キロ)▽最大級のオス成獣(3m、400キロ)。その大きさは、いずれも実物に近い。 学芸員の金田卓浩館長によると、市街地に出没するヒグマは「若グマ」と「メス」とされている。4区分の中では小さい方にあたるが、博物館スタッフに前に立ってもらうと、大きさは一目瞭然だ。 北海道北部に位置する名寄市は、中心部をのぞくほぼ全域でヒグマに遭遇する可能性があるという。5月には、西へ車で30分ほどの朱鞠内湖畔で釣り人が襲われて死亡した。 ミニ企画展「ヒグマ」は、こうした情勢を踏まえて企画したという。金田館長は「ヒグマの大きさを体感することで、注意や警戒につながれば」と話している。(原知恵子)    □《ヒグマによる人身事故にあわないために》①事前に出没情報を収集し、危険な場所は避ける②クマ鈴、ホイッスルなどを使って音を発することで、人間の存在に気づかせ、ヒグマがその場から離れるようにする③複数人で行動する。④周囲の様子に気を配り、足跡やフンを発見したり、ヤブの中からゴソゴソと音が聞こえたり、動物の死体やその臭いを発見したら、その場を離れる《ヒグマに出会ってしまったら》①絶対に走って逃げない。背中を見せて逃げると、ヒグマは追いかけようとする②人間同士が静かに集まる。集まることで攻撃されにくくなる③ヒグマ撃退スプレーをいつでも噴射できるよう準備する④ヒグマをみながらゆっくり後ずさりして離れる。~北国博物館 ミニ企画展「ヒグマ」から~Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

繰り返された激震、熊本城で火薬庫の爆発も 「地震少ない」は誤解?

 江戸時代から明治にかけて熊本県内では大地震の多発期が6回あった――。こんな年表が、熊本大学永青文庫研究センターの稲葉継陽(つぐはる)センター長ら熊本の研究者によってまとめられた。熊大が今春出した「細川家文書 災害史料編」(吉川弘文館)にも収録された。 年表は「肥後熊本震災史年表」。個々の地震はこれまでも知られていたが、「発生に一定の規則性がある」と分析しているのが特徴だ。年表では後述の別表のように、熊本県内で地震が多発した時期を六つに分けている。地震は1度では済まず、数年間隔で3度ほど繰り返し、そのセットが数十年ごとに襲ってくる、と捉えている。 ①の期間内の1625(寛永…この記事は有料記事です。残り1681文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

寝る時も「鉄道への愛を」 ローカル線の抱き枕、山口の企業が販売

大藤道矢2023年6月20日 12時18分 JR宇部線・小野田線の車両をあしらった抱き枕を、山口県宇部市のデザイン設計会社「西(さい)と合同会社」が販売している。ローカル線への郷土愛を込め、全国に誇れる土産品にしたいと企画した。 宇部線・小野田線を走っている105系と123系の車両をモチーフにした「現行色」の濃い黄色と、旧塗装の白色の2種類があり、二つの線のすべての駅名を英語表記で入れた。また、細部まで描写した貨物列車の抱き枕も作った。 JR西日本とJR貨物の承諾を得て、昨年12月から販売をスタートした。「エヴァンゲリオンの映画にも登場した車両で、鉄道ファンだけでなく、多くの人にローカル線を知ってもらえるきっかけにしたい」とデザインを担当した同社の東恭一さん(47)。「旅の思い出として、また訪ねたいと思ってもらえる一助になればうれしい」とも話している。 抱き枕は、宇部線・小野田線の車両がデザインされている2種類が7700円(100センチ×40センチ)で、貨物列車は1万1千円(150センチ×50センチ)。山口市阿知須の鉄道模型店「スモールワールド」で販売中。宇部市と山陽小野田市のふるさと納税の返礼品にも採用されている。(大藤道矢)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「見えない不安」が生んだ差別と敵意 先崎彰容さんが語るコロナ禍

有料記事聞き手 シニアエディター・尾沢智史2023年6月20日 12時30分 コロナ禍は、日本社会にどんな影響を残したのでしょうか。思想史家の先崎彰容さんは、「日本全体が監禁されたような」3年間だったと総括します。人々が孤立し、つながりを失ったとき何が起きたのか。壊れた社会を立て直すには何が必要なのかを考えてもらいました。 コロナ禍の3年間、日本全体が宗教勧誘のような、監禁状態に覆われたと思います。 日本列島全体が一つの密室状態になり、閉じ込められた私たちに、メディアが毎日、感染者の数字を伝え、同じ映像を繰り返し見せた。宗教を勧誘する時、密室に隔離して教義を繰り返し説くのに似ています。そういう逃げ場がない状態に個人が追い込まれてしまった。 その結果、起きたのは個人の…この記事は有料記事です。残り991文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

老人ホームで首しめた疑い、91歳夫を逮捕「天国で再婚」 妻は死亡

宮脇稜平2023年6月20日 12時43分 入居する老人ホームで妻(92)の首を絞めて殺害しようとしたとして、警視庁は無職の男(91)=東京都羽村市栄町2丁目=を殺人未遂容疑で逮捕し、20日発表した。妻は死亡し、男は「高齢なので体の身動きがとれなくなり、妻を先に天国に送り、自分も死んで天国で再婚したいと思った」と供述しているという。 福生署によると、逮捕容疑は18日午後、同市栄町2丁目の老人ホーム「SOMPOケア そんぽの家 羽村」の一室で、妻の首を絞めて殺害しようとしたというもの。男は容疑を認め、「電気コードを使った」と話しているという。 同署によると、2人は昨年3月に入所し、同じ1室で暮らしていた。今月18日午後10時過ぎまでに、妻の呼吸や体の動きがないことを施設のセンサーが感知。介護職員が駆けつけ、ベッドの上で妻を発見し、間もなく死亡が確認された。男は室内におり、けがなどはなかったという。 施設を運営する「SOMPOケア」(東京都品川区)は取材に、2人についてのトラブルは把握していないと答えた。(宮脇稜平)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

許可あり、現金賭けず…でも注意必要 増えるアミューズメントカジノ

 現金を賭けずにポーカーなどで遊べる「アミューズメントカジノ店」が増えている。風俗営業法上、ゲームセンターと同じような許可を得ている店がほとんどだが、5月には大阪で賭博場を開いた疑いで2店が摘発された。「グレーな店も多い」との指摘もあり、警察が注意を呼びかけている。 今月8日夜、大阪市内の歓楽街にあるアミューズメントカジノ約20店舗に府警が立ち入り検査に入った。警察官が配るチラシを見た店の関係者は驚いた。「多くの店がグレーかクロになってしまうのでは……」 チラシには、賭博や風俗営業法違反となり得る行為が列挙されていた。 「ゲームの勝敗や大会の順位に応じて、参加者が賞金などの得失を争う」「店内のトーナメント大会で、旅行券やゲーム機などを提供する」 この関係者によると、ポーカー大会の上位入賞者に店の割引券やポイントを配っている店は多い。数十万円を超える賞金を出す大会を開く店もあるという。 「店の競争が激しくなり、集客のために賞品を提供し、その価値もどんどん上がっている状態だった。今後は見直さざるを得ないだろう」 府警が立ち入り検査をしたきっかけは、二つのポーカー店を5月に摘発したことだった。経営者ら計10人を賭博開帳図利の疑いで逮捕。その中には「ポーカーの健全な普及」をめざすNPO法人「日本ポーカー協会」の理事(55)=当時=が含まれていた。さらに、客計11人も単純賭博容疑で逮捕された。 府警によると、店ではまず、客が1円当たり1~3点分のチップと現金を交換する。店は客がポーカーで獲得したチップに応じ、「ポーカー業界への支援」としてポーカー協会の銀行口座に現金を送金。さらに協会理事が手数料を差し引いた上で、「競技者への支援」の名目で客に現金を振り込んでいたという。「利用客も注意しなければ、摘発対象となる恐れ」 2店は風営法でゲームセンタ…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル