建材メーカー4社に1億円賠償命令 アスベスト訴訟の差し戻し審

 建設現場でアスベスト(石綿)を吸って健康被害を負った神奈川県の元作業員と遺族が建材メーカーに賠償を求めた訴訟で、差し戻し審の判決が31日、東京高裁(渡部勇次裁判長、谷口園恵裁判長代読)であった。判決は、13人の元作業員やその遺族に計約1億368万円を支払うよう、建材メーカー4社に命じた。 賠償が命じられたのは太平洋セメント(東京)、ニチアス(同)、エム・エム・ケイ(同)、エーアンドエーマテリアル(神奈川)。他2社への請求は、今回の訴訟の原告が従事した建設現場で建材が使われたことが証拠上、推認できないと判断し、棄却した。 最高裁が2021年、メーカーが警告表示を怠った違法性を認める判断を示し、原告ごとの個別事情を審理するよう高裁に差し戻していた。 同様に最高裁で賠償責任が認められた国は、基金の創設などにより、提訴した被害者以外の救済も進めているが、メーカー各社は原則、裁判で責任が確定した被害者のみに対応している。弁護団の田渕大輔弁護士は「時間稼ぎのために訴訟を続けるのは許されない段階だ。各社は判決を重く受け止め、全体での和解や救済に向け、大きな一歩を踏み出してほしい」と訴えた。 賠償が認められた古野正行さん(78)は判決後の会見で「こんなに長くかかるとは思っていなかった。この間にほとんどの方が亡くなった」と振り返った。(田中恭太)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

線路内で火花、運転見合わせ 再開後再び発煙 東急東横線

2023年5月31日 13時08分 31日午前8時25分ごろ、東急東横線の日吉駅(横浜市)の線路内で煙が出ているのが確認された。この影響で、東横線、目黒線、東急新横浜線の一部区間で運転を見合わせた。 東急電鉄によると、線路内で火花が出たという。その後、安全が確認されたため、午前11時5分ごろに全線で運転を再開した。 しかし、運転再開後まもなく、再び同じ場所から発煙。同日午後1時現在、東横線は武蔵小杉―菊名間で、目黒線は上りの奥沢―目黒間、下りの目黒―大岡山間、新横浜線は新横浜―日吉間で運転を見合わせている。再開のめどは立っていないという。東急電鉄が原因を調べている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

かっぱ寿司前社長に有罪判決 ライバルはま寿司の営業秘密を不正入手

 回転ずし大手「かっぱ寿司」を運営する「カッパ・クリエイト」(本社・横浜市)前社長の田辺公己被告(47)が、ライバル社「はま寿司」の営業秘密を不正に入手・利用したとして不正競争防止法違反の罪に問われた事件の判決公判が31日、東京地裁(平出喜一裁判官)であった。判決は「転職先で地位や評価を得たいという利欲的な動機で、酌量すべき点はない」として、田辺被告に懲役3年執行猶予4年と罰金200万円(求刑懲役4年罰金200万円)を言い渡した。 判決によると、田辺被告は2020年11月、はま寿司の親会社「ゼンショーホールディングス」からカッパ社に転職した。その前後の20年9~12月、はま寿司の食材の原価や仕入れ先に関するデータを持ち出して、カッパ社の商品部長(当時)に送信し、両社の原価を比較する資料を作成させた。 田辺被告は公判で起訴内容を認め、弁護側は「データの現実的な有用性は低かった」などとして執行猶予付きの判決を求めていた。 田辺被告とともに同罪で起訴された法人としてのカッパ社と商品部長だった大友英昭被告(43)は、分離された裁判で起訴内容を否認して争っている。(田中恭太)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

無許可犬用サプリ販売疑い 「人に効果」うたったか 看板犬で治験

大山稜2023年5月31日 13時40分 無許可で製造した医薬品を販売したなどとして、警視庁は31日、ペットショップ運営会社「ジャパン・メディア・システムズ」(東京都中央区)の社長の女(57)ら3人を医薬品医療機器法(無許可製造医薬品の販売など)の疑いで書類送検し、発表した。法人としての同社も同容疑で書類送検した。 同社は動物用と人間用のサプリメントを製造しており、同庁は、動物用と同じ原料で製造した医薬品を「人間に効果がある」とうたって販売していたとみている。同社は違法な販売を繰り返し、約9千万円の利益を得ていたと同庁はみている。 生活環境課によると、3人は2021年3月~22年12月ごろ、国の許可を得ずに製造した動物用や人間用の医薬品など計98点(約32万円)を、40~50代の女性7人にネットサイトを通じて販売したなどの疑いがある。いずれも容疑を認め、「いきなり取り締まりは受けないと思っていた」などと話しているという。 同社はネット販売のほか、東京・銀座でミニチュアダックスフント専門のペット用品店「銀座DAXDACHS」も運営。犬の白内障予防や人間の抗がん作用などをうたい、これらサプリを販売していた。 同課によると、無許可で製造したサプリは店の看板犬に試していた。利用者の健康被害は確認されていないという。(大山稜)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

Shoki Murakami pitches Tigers past Lions as interleague opens

Tokorozawa, Saitama Pref. – Hanshin Tigers rookie Shoki Murakami showed Pacific League hitters what he’s…

ポケモンカード1.2万枚盗んだ疑い、男逮捕 222万円相当 山梨

池田拓哉2023年5月31日 10時48分 トレーディングカード販売店に侵入してポケモンカード約1万2千枚を盗んだとして、山梨県警は30日、東京都大田区大森東1丁目の会社員の男(25)を窃盗の疑いで逮捕し、発表した。男は容疑を認めており、県外でも同様の被害があるとみて調べる方針という。 富士吉田署によると、男は8日午前1時ごろ、富士吉田市内のカードショップに入り口のガラス戸を割って侵入し、箱詰めなどにされたトレーディングカード約1万2千枚(販売価格計222万6300円)と現金1万9700円を盗んだ疑いがある。すべて人気アニメ「ポケットモンスター」のカードで、なかには1枚18万円のカードもあった。 男は「換金して金がほしかった」と供述しているという。自宅からは、ほかの店で盗んだとみられるカードも押収された。男は県外での関与もほのめかしており、署はほかの事件との関連も調べるという。(池田拓哉)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

生み育てる自由、奪われた… 原告の義姉が抱く強制不妊訴訟への思い

 旧優生保護法(1948~96年、旧法)の下で不妊手術を強いられたのは違憲だとして、宮城県の女性2人が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が6月1日、仙台高裁である。2019年5月の一審・仙台地裁判決は、不法行為から20年が過ぎると賠償請求権が消える「除斥期間」を理由に請求を棄却したが、除斥期間の適用を制限する高裁判決が相次いでおり、仙台高裁の判断が注目される。 「元気なうちに、みんなで良かったと言いたい」 知的障害のある60代の原告女性の義姉は、仙台高裁判決に期待を寄せる。 女性は15歳のとき、「不良な子孫の出生防止」を目的にした旧優生保護法に基づき、不妊手術を受けさせられたという。20代で縁談が持ち上がったこともあったが、子どもを産めないことが理由で破談になった。「違う人生があったのでは」 女性に代わり、声を上げた 義姉は女性の兄と結婚して約…この記事は有料記事です。残り1034文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

4姉妹で8手連弾 人生いろいろ、性格もいろいろ、再び音楽で一つに

【動画】8手連弾を披露する4姉妹=才本淳子撮影 ピアノの鍵盤の上を40本の指が行き来する――。定期的に演奏会を開くピアノ指導者の4姉妹が、8手連弾の演奏で聴衆を楽しませている。大人になってから別々の道を歩んできた4姉妹だが、育児などが一段落し、結集。京都で生まれ育った4人が奏でる音色は、姉妹で演奏できる喜びにあふれている。 「1、2、3ハイ」。週1回、4人そろっての練習日。長女の藤田慶子さん(71)の声がけで、息の合った演奏が始まった。 鍵盤は4人の指で大渋滞だが、不思議とぶつからない。ソロでは出せない音域や音量の迫力ある演奏で、聴衆を音楽の世界に引き込んでいく。姉妹が弾く「凱旋(がいせん)行進曲」は「元気になる」と好評だ。音には4人の個性が… 連弾は、お互いの音を聞きな…この記事は有料記事です。残り778文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

人間よトカゲに学べ マウントされても動じない 展示施設に熱い視線

 つぶらな瞳のトカゲ。ユーモラスな動きのカメレオン。つい見入って時を忘れてしまいそう。爬虫(はちゅう)類・両生類など約100種を集めた展示施設が奈良市にオープンして1カ月。親子連れら、多くの人で連日にぎわっている。 複合商業施設「ミ・ナーラ」内に4月末にオープンした「奈良いきものミュージアム」。入り口を抜けるとトカゲをなでたり、カメに小松菜をあげたりできるスペースが広がる。 約1千平方メートルのフロアは、動物の生態によって、「のそのそ」「ぷるぷる」「しとしと」など五つのエリアに分かれている。アート作品と組み合わせて展示され、水槽を額縁のように楽しめる仕掛けだ。 大阪府在住の松本しおりさんは子ども2人をつれてやってきた。「図鑑で見るだけだった動物に実際に会えて、子どもたちが喜んでいます」と話していた。 爬虫類は根強い人気だ。2012年、静岡県に爬虫類・両生類の動物園「iZoo(イズー)」が開園。爬虫類とふれあえるカフェも各地にオープンしている。奈良いきものミュージアムも多い日は1日2千人近い入場者があり、予想以上の反響だという。 人は爬虫類に何を求めるのだろう。 展示されているフトアゴヒゲトカゲは、別の個体が上から乗っかってきてもそしらぬ顔で、泰然自若とした様子だった。 八家侑太(はちやゆうた)店長が「イラッとした様子も見せないし、仲間はずれなどもしないんですよ」と教えてくれた。人間は彼らの姿に教わることがあるのかもしれない。 営業時間は午前10時~午後6時(最終入場同5時半)。大人1200円、小学生800円。(机美鈴)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

事故から12年後に里帰りした元町職員 未練断ち切った「けれど…」

 浦島太郎とはこういうことを言うのか――。12年ぶりに戻った古里の景色は一変していた。「ここまで変わってしまうのか……」。時を戻したいと思った。あの事故が悔しかった。 見慣れた建物は多くが取り壊されていた。更地には草が生い茂り、福島の沿岸地域「浜通り」特有の強い風に揺れていた。 自宅の天井や床は腐って抜け落ち、家族だんらんの時を過ごした空間の面影はなかった。台所は動物に荒らされていた。 東京電力福島第一原発がある福島県双葉町。ここで生まれ育った元町職員の桑原達治さん(59)は今年3月半ば、町を訪れた。 わが家は近く取り壊されることが決まっている。それまでに来られるのは最後かもしれない。町内への立ち入り制限が緩和され、コロナ禍が落ち着いた今、思い出の詰まったものを少しでも持ち帰りたかった。 自室には、先に一時帰宅した弟たちがまとめてくれた荷物が積み上がっていた。その一角に、マラソンや駅伝の大会を録画したVHSテープがあった。 桑原さんはかつて、長距離ランナーだった。地元の県立双葉高校で本格的に陸上を始めた。進学した専修大学では、1年生から3年連続で箱根駅伝も走った。 卒業後は地元に戻って町役場で働きながら、フルマラソンにも挑戦。「練習を兼ねて、町民への配達物を走って届けたこともありますよ」 手に取ったのは「福岡国際マラソン」と書かれた1本のテープ。2時間23分25秒の自己ベストを出したレースだ。練習で使っていたサングラスや、かつて日本の長距離界を引っ張った双子のランナー、宗茂・猛兄弟の著書とともにリュックにしまった。 人生をかけて打ち込んだ思い出を、手元に置いておきたかった。 役場の同僚たちと行った慰安旅行や、役場前で撮った集合写真も出てきた。目を細め、懐かしそうに眺める。「みんなでよく酒を飲んで、いろんな話をしました。あのときは楽しかったなあ」 ランニングシューズや大学時代のジャージー、地元で受け継がれてきた神楽で使っていた笛……。持ち帰りたいものはまだまだあったが、「きりがないんで」。未練を断ち切るように、自宅を後にした。「袋だたきにあうのでは」、父は県外避難をためらった 東日本大震災の4年前、脳内出血で倒れ、左半身が不自由に。2011年3月11日の震災発生時は、リハビリのため休職していた。 散歩から自宅に戻ったとき…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル