そば打ち最高位、高1が最年少合格 父と一緒に難関突破 豊後高田流

 西日本有数のソバ産地として知られる大分県豊後高田市で4月22~23日、豊後高田流そば打ち段位認定会があり、最高位の4段に市内在住で中津南高校1年の安藤智彰さん(15)が合格した。4段では最年少の合格者で、父親の会社員正宏さん(52)とともに難関の実技試験を突破し、笑顔がはじけた。 段位は初段から4段まであり、認定会では段によって使うそば粉の量や制限時間、審査基準が異なる。初段は「家族に」、2段は「知人に」、3段は「お客に」振る舞える腕前とされ、4段は「達人と公言できる」レベル。4段は1・5キロの粉を40分以内で打ち、片付けまで終えることが求められ、今回は県内外から8人が挑んだ。 昨年の認定会では時間オーバーで苦杯をなめた智彰さん。場数を踏み、「工程の間の無駄な動きをなくす」ことを意識したという。小学4年のころ、豊後高田そば道場での親子そば打ち体験に参加したのがきっかけで、楽しさにはまった。今後も趣味でそば打ちを続け、各地のさかんな所の腕利きと知り合いたいという智彰さん。3回目の挑戦となった父の正宏さんは「子どもから『水が多いんじゃない?』とダメ出しされることもある。そば打ちで親子のコミュニケーションが深まります」と話した。 道場の師範で「そば打ち名人」として有名な高橋邦弘さん(78)=杵築市=が審査委員長を務め「水回しが勝負だと思う。ほんのわずかな1振り、2振りで違ってくる。これからも研鑽(けんさん)して下さい」と講評した。 認定会は2012年に始まり、4段は今回合格した6人を含め21人となった。(貞松慎二郎)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

5割超が高齢者の地で 震度6強の揺れと強い雨、避難指示に住民は

 震度6強の揺れが襲った石川県珠洲(すず)市では6日から強い雨となった。地震で緩んだ地盤が崩れて土砂災害の危険があるとして市は同日、1630人に避難指示を出した。高齢者が多いへき地で住民はどう対応したのか。 能登半島の先端にある珠洲市は人口1万2795人(4月末時点)。65歳以上の割合が52・8%(昨年10月1日時点)と県内の自治体で最も高い。 市は6日午後5時すぎ、崖崩れや土石流が起きる恐れがある「土砂災害警戒区域」の約740世帯1630人に避難指示を発令した。だが、7日朝までに20カ所ある避難所を使ったのは最も多い時で計80人。地震で自宅が被害に遭った住民が多かったとみられる。 259世帯が対象の大谷地区で避難したのは2人だった。 「もっと指示が早ければね」。夫と2人暮らしの角和永さん(78)はそう振り返った。大雨で裏山の岩が崩れた経験があり、危険を感じたら徒歩5分ほどの避難所に逃げることにしている。 だが、避難指示は夕方で、家を出るのは夜になりそうだった。辺りに街灯は少なく懐中電灯が必要。出歩く方が危険と判断して避難を諦めた。 同じ地区の男性(71)も徒歩3分の避難所に向かわなかった。自宅のそばに斜面はあるが「角度もなだらか。今まで崩れると感じたことがない」。近くの40代女性は「地震が続いて慣れてしまった。避難指示と言われても、どれほどの人が従うのか」と話した。 一方、119世帯が対象の日置地区で、大野富美子さんは80代の母を連れて避難した。 自宅は山を削った土地にある。体調が悪い母は「自宅で過ごしたい」と訴えた。当初は「家に被害はないし、大丈夫かな」と思ったが、県外の親戚に「絶対に逃げた方がいい」と勧められ、避難を決めた。 市は防災無線などで避難指示を周知したが、戸別に働きかけたり、車で送迎したりはしていない。泉谷満寿裕(ますひろ)市長は6日の発令に際し、高齢者の避難は「隣近所や地域の皆さんにご協力いただけると思う」としていた。7日、避難者の少なさについて「(他人に)迷惑をかけたくないという遠慮がちな地域性があるのでは」と述べた。 災害時の避難に詳しい岐阜大の小山真紀准教授は「避難所以外に上階への移動といった安全確保策もある」と指摘。その上で、自宅がハザードマップ上で危ない場所にないかを把握し、土砂災害に備えた行動計画を作っておくといった点について、「平時から住民が認識するよう自治体などが促す必要がある」と話す。(小島弘之、岡純太郎、菅原普)能登地方 8日午前まで雨 最大震度6強の地震があった石川県能登地方では7日午後7時までに、震度1以上の地震を78回観測した。気象庁は6日午後9時すぎ、同県珠洲市と能登町に大雨警報を出した。雨による目立った被害は確認されていないが、大きな揺れへの警戒とともに、土砂災害への注意を呼びかけている。 珠洲市は6日夕、約740世帯1630人に避難指示を出したが、7日午後には避難所を14カ所に減らした。今回の地震では珠洲市で1人が亡くなり、32人が負傷。能登町と富山県高岡市でも1人ずつが負傷している。気象庁によると、能登地方では8日午前中まで雨となる見通しだ。(樫村伸哉)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

東京の上野で強盗、貴金属奪って逃走 周辺で似た事件相次ぐ

成沢解語2023年5月7日 22時23分 7日午後6時45分ごろ、東京都台東区上野5丁目の貴金属店の店員から「強盗に入られた」と110番通報があった。何者か1人がバールのようなものを持って押し入り、貴金属類数十点を奪って逃走。店員にけがはなかった。警視庁上野署は強盗事件として捜査を始めた。 署によると、押し入ったのは男とみられ、フルフェースのヘルメットを着用。無言でショーケースをバールのようなもので割り、持っていた袋に貴金属類を入れて1分弱で店外に出て、バイクで逃げたという。当時は午後7時の閉店準備で、店内には店員は1人しかいなかったという。 現場はJR御徒町駅の近く。付近では3月や4月にも似た手口の強盗事件があったという。(成沢解語)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

広島・尾道で約5千人に避難指示 大雨で御調川に氾濫の危険性

 広島県尾道市は7日午後9時13分、大雨で洪水の危険性が高まったとして、市内を流れる御調(みつぎ)川周辺の浸水想定区域に暮らす2164世帯4918人に避難指示を出した。市によると、午後8時20分ごろに御調川が氾濫(はんらん)危険水位を超えたという。(西本秀)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

遺骨の帰りを待ちわびて アイヌ女性が義叔父の慰霊で沖縄へ

 「あなたの兄は元気で92歳まで長生きしましたよ」 今年2月、札幌市に住む多原良子さん(72)は、沖縄県糸満市の壕(ごう)の入り口で、1945年3月に25歳で戦死した義理の叔父、多原春雄さんに呼びかけた。亡くなった春雄さんの母親や兄夫婦の写真も掲げ、語りかける。良子さんの子ども、順也さん(51)亜希子さん(46)も共に手を合わせた。 続けてカムイ(神)に感謝するアイヌの所作も行った。 「安らかにお眠り下さい。そして一日も早く北海道に帰ってこられますように」 アイヌの祖母をもつ良子さんの、慰霊の旅の一場面だ。 沖縄の壕を訪れた最初のきっかけは日章旗だった。「兄貴頑張レ」と春雄さんの寄せ書きが残る旗が届いたのは2015年。春雄さんの兄の順一さんの中国出征時のもので、戦後70年以上経ってから、米国の団体から札幌市に住む良子さん夫妻に返還された。 更に21年、春雄さんの母が…この記事は有料記事です。残り903文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

戴冠式参列の秋篠宮ご夫妻が帰国 英王室の配慮、親善深める好機に

多田晃子2023年5月7日 21時00分 チャールズ国王の戴冠(たいかん)式に参列するため英国を訪れていた秋篠宮ご夫妻は7日夜、政府専用機で帰国した。ご夫妻にとって初となった戴冠式への参列は、皇室と英王室の親交を重ねる機会になった。また、皇位継承順位第1位の皇嗣として天皇陛下を支える秋篠宮さまにとって、世界各地の王族などが集まる大舞台で、国際親善を深める好機ともなった。 ご夫妻は今回、天皇陛下が差し向ける「差遣(さけん)」として、陛下に代わって出席。6日にウェストミンスター寺院での戴冠式に参列した後、秋篠宮さまは報道陣に「とても荘厳で喜びに満ちたいいお式だった」と話した。戴冠式の席次はブロックの最前列で、側近は「皇室と英国王室の長い交流の歴史から、英国側がプロトコル(国際儀礼)上の配慮をしてくれたのでは」と話す。 戴冠式に先立つレセプションでは国王に祝意を伝え、欧州やアジア、中東、アフリカなど約20カ国の出席者とも交流した。側近は、ご夫妻がこれほど短期間に多くの王族らと接したのは初めてとし、「交流を深められたことで、次の段階に生かしていかれるのでは」と話した。(多田晃子)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

5割超が高齢者の地で 震度6強の揺れと強い雨、避難指示に住民は

 震度6強の揺れが襲った石川県珠洲(すず)市では6日から強い雨となった。地震で緩んだ地盤が崩れて土砂災害の危険があるとして市は同日、1630人に避難指示を出した。高齢者が多いへき地で住民はどう対応したのか。 能登半島の先端にある珠洲市は人口1万2795人(4月末時点)。65歳以上の割合が52・8%(昨年10月1日時点)と県内の自治体で最も高い。 市は6日午後5時すぎ、崖崩れや土石流が起きる恐れがある「土砂災害警戒区域」の約740世帯1630人に避難指示を発令した。だが、7日朝までに20カ所ある避難所を使ったのは最も多い時で計80人。地震で自宅が被害に遭った住民が多かったとみられる。 259世帯が対象の大谷地区で避難したのは2人だった。 「もっと指示が早ければね」。夫と2人暮らしの角和永さん(78)はそう振り返った。大雨で裏山の岩が崩れた経験があり、危険を感じたら徒歩5分ほどの避難所に逃げることにしている。 だが、避難指示は夕方で、家を出るのは夜になりそうだった。辺りに街灯は少なく懐中電灯が必要。出歩く方が危険と判断して避難を諦めた。 同じ地区の男性(71)も徒歩3分の避難所に向かわなかった。自宅のそばに斜面はあるが「角度もなだらか。今まで崩れると感じたことがない」。近くの40代女性は「地震が続いて慣れてしまった。避難指示と言われても、どれほどの人が従うのか」と話した。 一方、119世帯が対象の日置地区で、大野富美子さんは80代の母を連れて避難した。 自宅は山を削った土地にある。体調が悪い母は「自宅で過ごしたい」と訴えた。当初は「家に被害はないし、大丈夫かな」と思ったが、県外の親戚に「絶対に逃げた方がいい」と勧められ、避難を決めた。 市は防災無線などで避難指示を周知したが、戸別に働きかけたり、車で送迎したりはしていない。泉谷満寿裕(ますひろ)市長は6日の発令に際し、高齢者の避難は「隣近所や地域の皆さんにご協力いただけると思う」としていた。7日、避難者の少なさについて「(他人に)迷惑をかけたくないという遠慮がちな地域性があるのでは」と述べた。 災害時の避難に詳しい岐阜大の小山真紀准教授は「避難所以外に上階への移動といった安全確保策もある」と指摘。その上で、自宅がハザードマップ上で危ない場所にないかを把握し、土砂災害に備えた行動計画を作っておくといった点について、「平時から住民が認識するよう自治体などが促す必要がある」と話す。(小島弘之、岡純太郎、菅原普)能登地方 8日午前まで雨 最大震度6強の地震があった石川県能登地方では7日午後7時までに、震度1以上の地震を78回観測した。気象庁は6日午後9時すぎ、同県珠洲市と能登町に大雨警報を出した。雨による目立った被害は確認されていないが、大きな揺れへの警戒とともに、土砂災害への注意を呼びかけている。 珠洲市は6日夕、約740世帯1630人に避難指示を出したが、7日午後には避難所を14カ所に減らした。今回の地震では珠洲市で1人が亡くなり、32人が負傷。能登町と富山県高岡市でも1人ずつが負傷している。気象庁によると、能登地方では8日午前中まで雨となる見通しだ。(樫村伸哉)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「裏にヤクザ」闇バイトに縛られた少女 真の被害者は私じゃなかった

 法改正により18、19歳が成人になってから4月で1年。新制度で「成人の非行少女」の立ち直りは、どうなっているのか。ユウカの「居場所探し」を追います。 たった1通のダイレクトメッセージ(DM)で、こんなことになるとは思っていなかった。 特殊詐欺グループの現金を受け取る「受け子」を引き受けたら、抜け出せなくなった。 ユウカ(仮名、19)は顔も名前も知らない指示役に脅され、苦しんだ。逮捕されても、自分のことを「被害者」だと感じていた。 広島県東広島市の女子少年院「貴船原少女苑」で新しい教育を受け、本当の被害者の存在を知るまでは。彼氏のため特殊詐欺に加担したユウカ。指示役に利用されたという「被害者意識」が変わるきっかけは、女子少年院で見たある動画でした。今春に仮退院したユウカが大人として歩む道とは。記事の後半でお伝えします。 「ツイッターで『闇バイト』…この記事は有料記事です。残り1813文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

両親探し見つけたなきがら 語って逝った友…伝え続ける原動力に

 広島への原爆投下の後の「黒い雨」を経験したという迫田勲さんは、85歳になって「被爆体験証言者」として踏み出した。これまでは証言者が話した内容をそのまま語り継ぐ「伝承者」として活動してきたが、今月からは自分自身の体験を伝える。突き動かすのは、ある親友の死だ。 広島平和文化センターから委嘱される「証言者」は平和記念資料館などで体験を語っている。迫田さんは今年度、その一員に加わった。爆心地から20キロ近く離れた旧安佐町(現・広島市安佐北区)の山間部の集落で育った。 1945年は国民学校の1年生だった。8月6日、屋外で作業をしていると、南の山が光った。やがて、爆音とともに風が吹いた。麦わら帽子が飛んだ人もいたという。 その日、雨が降った。迫田さ…この記事は有料記事です。残り1104文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「ごめん」が言えない夫たち 妻をうつ状態にしないために必要なこと

 定年退職は男性にとっては「ロマン」でも、女性は「フマン」を抱いている――。キャリアコンサルタントでシニアライフアドバイザーの原沢修一さん(72)=埼玉県=の言葉です。夫婦関係を円滑にするためのヒントを聞きました。 ――定年を機に右往左往する男性と、ぎくしゃくしがちな夫婦関係を見つめてきました。 夫の定年を機に、うつ状態になった2人の女性を知っています。1人は外出しようとする度、夫から「どこへいくんだ」「おれの夕飯は」と質問攻めに遭っていました。もう1人は「時計が遅れている」「トイレの紙がない」と夫から延々ダメ出しをされました。でも、夫は自分では何もしないのです。 そうした言動が女性たちを「亭主在宅ストレス症候群」に追い込むのだと思います。特にサラリーマンと専業主婦の世帯の場合、夫が定年で在宅することは、妻の心に雑音をもたらします。 ――男性はなぜそのような言動に及ぶのでしょうか。 外で働いてきた男性たちは、家事や育児の大変さを理解せず、妻を長く下に見てきたと思います。 特に象徴的なのは「ありがとう」「ごめんなさい」を妻や家族に素直に言えないことです。上司には抵抗なく謝罪できても、妻にはプライドが許さないのです。 男性は「見え・意地・プライド・嫉妬」の「心の4大生活習慣病」を患いがち。シニア男性はこの病のために何かを犠牲にしていないか、よくよく考えてみましょう。 ――どうすればよいのでしょうか。 私は妻とは良い距離感を保ち、食器洗い、洗面所とお風呂の掃除は毎日しています。トイレットペーパーの交換など、「名もなき家事」は気付いたらなるべくやっています。 人生100年時代、夫婦関係を定年後もサステイナブルなものにしていくには関係性のリフォームが必要です。 定年退職は社会だけでなく家庭からも居場所をなくす危機になりかねません。必要なのは男性の自覚と変革です。(聞き手・机美鈴)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル