ボサノバ創始者ジョビン没後30年 舞台裏追った映画日本初上映

 ボサノバの創始者で、20世紀を代表する作曲家アントニオ・カルロス・ジョビンが亡くなって30年を迎える今年、レコーディングの秘話を描いたドキュメンタリー映画「エリス&トム」が、日本で初上映される。8日に始まった「ブラジル映画祭2024」での上映となる。 「エリス&トム」は、1974年、米ロサンゼルスに住んでいた天才的音楽家ジョビンの元に歌手エリス・レジーナが訪れ、アルバムを収録する舞台裏を追ったものだ。対立したり緊張感が生まれたりする中、しだいに調和し、「三月の水」など、優れた音楽が生まれていく。半世紀にわたって表に出ることのなかった未公開の映像をまとめた作品だ。 映画祭では、奴隷労働の実態を暴く実話に基づいた映画など計6本が上映される。■行方知れずの息子を探した末…この記事は有料記事です。残り509文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

死亡した次男を放火と殺人の疑いで書類送検 秋田県親子3人死亡火災

室矢英樹2024年3月8日 19時07分 秋田県由利本荘市で昨年10月、無職の斎藤真一さん(当時66)方から出火し、真一さん、会社員の長男孝彦さん(同38)ら親子3人の遺体が見つかった事件で、県警は8日、無職の次男俊輔容疑者(同35)を殺人と現住建造物等放火の疑いで容疑者死亡のまま書類送検したと発表した。 県警によると、俊輔容疑者は昨年10月9日ごろ、自宅とその周辺で、同居する真一さんと孝彦さんの頭部を金づちで殴打して殺害し、自宅2階の自室周辺に放火した疑いがある。 真一さん、孝彦さんの遺体は自宅に隣接する空き家1階の廊下に折り重なるように倒れていた。2人の死因はいずれも頭部損傷で、骨が折れ、出血していた。敷地内の車庫から金づち(長さ約36センチ)が見つかり、DNA型鑑定の結果、金づちのヘッド部分に付着していた血と毛髪が真一さん、孝彦さんのものと一致した。 関係者らの証言に加え、出火当日に第三者が真一さん宅に立ち入った形跡がないことから、県警は俊輔容疑者による犯行と判断した。自宅1階の壁からも血痕が見つかったが、殺害現場は特定できなかったという。 俊輔容疑者の遺体は出火元の自室で見つかった。死因は首の動脈を切ったことによる失血死。遺体近くにカッターナイフとライターがあり、付近の床から灯油成分が検出された。俊輔容疑者が自殺した可能性があるとみられるという。(室矢英樹)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

高校生が防災ハンドブック 身近に感じる情報とコンパクトさに力点

 通っている学校がある大阪府岸和田市内の城下町のために、高校生2人組が防災ハンドブックを作った。わかりやすく伝えるため、具体的な備えにつながる情報をコンパクトにまとめた。まちを歩いて気づいた視点だけでなく、作成中に発生した能登半島地震をふまえた要素も盛り込んだ。 「防災ハンドブック 岸城町ver.」を作成したのは大阪府立岸和田高校2年の江川結彩(ゆい)さんと渡辺明日香さん。小崎智子教諭がサポートした。学校がある地元の岸城町南部町会から昨年6月、地域防災への協力を求める依頼が学校にあり、探究学習で防災に取り組んでいた2人が協力することになった。 2人は町会が220世帯に実施した防災意識アンケートの段階から参加した。58%の回答者のうち、8割近くが市の総合防災マップなどを読んでいたが、飲料水の備蓄がある世帯は6割、避難用バッグの用意がある世帯は4割。このギャップに着目した。 市の総合防災マップは洪水や土砂災害、液状化の想定などが盛り込まれ、ページ数は約60ページも。さらに、これとは別に、100ページを超える避難所などのマニュアルもある。 「分厚くて読むだけで大変」と江川さん。「うちの家でも読んだ後、どこにしまったかわからなくなっていた。文字が小さくて情報量も多く、ギャップを生む要因と考えた」と渡辺さん。身近に感じる情報とコンパクトさに力点を置いた。 「自分ごと」ととらえてもら…この記事は有料記事です。残り929文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこどもと被災地東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

介護に来た女性の胸触った疑い、80歳男逮捕「肩もんだだけ」と否認

鈴木春香2024年3月8日 15時39分 自宅に来た介護スタッフの女性の胸を触ったとして、兵庫県警は7日、介護サービスを利用する伊丹市内の無職の男(80)を不同意わいせつ容疑で逮捕し、発表した。「肩などをもんだが胸は触っていない」と容疑を否認しているという。 伊丹署によると、男は5日午後0時50分ごろ、男の介護を終えて書類を書いていた30代の女性介護スタッフの隣に来て、首元から服の中に手を入れて胸を触った疑いがある。女性が翌日に署へ通報した。女性は以前からこの男の介護を担当していたという。(鈴木春香)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

アマゾン担当配達員 長崎でストライキ開始 就業継続求め

 ネット通販大手「アマゾン」の荷物を担当する長崎県内の配達員らが、契約先の運送会社間のトラブルをうけて失職する可能性があるとして、8日朝から就業継続を求めてストライキを行った。アマゾンジャパンは「配送に遅延はなく、お客様には予定通りお届けできております」としている。 ストに参加した配達員は約20人。配達員らは8日午前9時すぎ、長崎市の県勤労福祉会館に集まって就業継続を訴えた。ふだん配達を担当している地域の世帯に、ストへの理解を求めるビラを配ったりもした。配達員らが加入する労働組合の東京ユニオンは、代わりに配送を引き受ける可能性がある運送会社や県トラック協会に、スト破りにつながる協力はしないよう要請した。 配達員らは個人事業主として、アマゾンの荷物を請け負う運送会社(横浜市)の下請けである運送会社(埼玉県川口市)と契約。長崎市と長崎県諫早市の拠点で配送を担っている。 両社間のトラブルをきっかけに、横浜市の会社が川口市の会社に4月8日で契約を終了すると通告。配達員らも仕事を失う可能性が高まった。 契約先の運送会社自体が契約を解除される立場のため、今回、横浜市の会社に自分たちと直接契約をするか、別の下請け会社と契約できるよう便宜を図ることを求めて団体交渉を申し入れたが、「法的に団体交渉に応じる義務はない」と拒否された。 このため同様の要求を掲げてストを通告したが、期限の3月7日までに要望に応じないという趣旨の回答があったという。 30代の配達員は、「配達個数も当初の倍近くに増えるなど(労働条件が)厳しくなっても、事故もなく必死に働いてきた。なぜ自分たちが突然切られるのか、全く意味がわからない」などと話した。 平地が少なく斜面に住宅などが立ち並ぶ長崎市内では、配達先そばに車を止められず、荷物を抱え坂道や階段を上り下りするなど苦労が多いうえ、ガソリンの小売価格も高い。処遇改善を求める配達員らは東京ユニオンに加入。2022年9月に東京ユニオンアマゾン配達員組合長崎支部を結成した。 横浜市の運送会社は朝日新聞の取材に対して、「今後の諸手続き等の中で明らかにする予定ですので、本件の詳細に関するコメントや個別のご質問に対するご回答は差し控えさせていただきます。配送に特段の遅延はなく、お客様には予定通りお届けできております」とのコメントを寄せた。(寿柳聡)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

離れがたきふるさと、移転へ 「下流のため」ダムで半世紀揺れた山里

 半世紀以上、住民を翻弄(ほんろう)した国のダム事業が、工事開始に向けて進んでいる。下流の安全のため、苦渋の決断をした住民たちはいま、寂しさや不安を抱えながら、離れがたき山里での日々を送っている。(岡田将平)「新しい家に」かなえられなかった妻の願い 佐賀県神埼市の北部。福岡県境の脊振山から流れてきた城原(じょうばる)川が、別の川と合流する開けた場所に、岩屋、政所(まんどころ)という二つの集落がある。100人ほどが暮らし、周囲に田畑が広がる。 国は2030年度の完成をめざし、集落の下流の谷に、堤の高さが60メートルの城原川ダムを建設する予定だ。事業費は約485億円。通常時は水をためない穴あき(流水型)ダムだが、上流の50世帯約120人の土地が建設用地となり、地元住民の団体・城原川ダム建設対策協議会は1月、国と移転に向けた補償基準協定に調印した。 2月23日、今後の補償に向けた進め方の説明のため、住民たちは同市脊振町の市脊振交流センターに集まった。調印で「一区切り」は迎えたものの、7月以降、個別に補償の協議が進む予定で、協議会会長の真島修さん(86)は「今からがまだ大変」と話した。住民代表として国と向き合ってきた真島さんは歴史を思い起こした。 「政治に翻弄されてきた」 国がダム建設のための予備調査に着手したのは1971年。地域は賛成と反対に割れ、家が隣同士でも話ができない、という状態になった。 しかし97年、旧建設省(現国土交通省)が全国のダム事業を見直し、城原川ダムは一時「凍結」の対象になった。05年には当時の古川康知事が「穴あき」での建設を提案し、09年には民主党政権によって城原川ダムなどが再び見直しの対象に。そして16年にはまた一転して事業継続の方針が決まった。 もともとは三つに分かれてい…この記事は有料記事です。残り3366文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「ひとごと」から「プレーヤー」に 「復興の地」で26歳が描く夢

 多くの企業が入居する、大熊町の交流拠点「大熊インキュベーションセンター(OIC)」で働く広川誠さん(26)は、昨年11月から、この町で初めての一人暮らしを始めた。 震災があった13年前は、中学生だった。震災はどこか遠い出来事で「ひとごとに近い感覚だった」と振り返る。大学生になり、会津地方に旅行したが、そこが福島県だったという認識すら、薄かった。 転機は2021年の夏。生まれ育った神奈川県で、派遣社員として勤めていた広川さんは、SNSで、原発事故の被害を受けた浜通り地方の今を見る国際交流イベントの広告を目にした。 「震災から10年。今、どう…この記事は有料記事です。残り468文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこどもと被災地東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

マイナカードとりあげ売春させようとした疑い 歌舞伎町のホスト逮捕

 東京都新宿区歌舞伎町のホストクラブの女性客からマイナンバーカードなどを取り上げるなどして困惑させ、売春させようとしたとして、警視庁はホストの森源太容疑者(20)=東京都杉並区=を売春防止法違反(困惑等による売春未遂)の疑いで逮捕し、8日に発表した。「身に覚えがない」と容疑を否認しているという。「身に覚えない」容疑を否認 保安課によると、森容疑者は昨年12月~今年1月、客の女性(21)に「売掛金の支払いが終わるまで預かる」と言ってマイナンバーカードと健康保険証を取り上げるなどして困惑させ、同区の大久保公園周辺で売春目的の客待ちをさせようとした疑いがある。 森容疑者は「club GENTLY Tokyo」という店で愛咲抱擁(あいさきほうよう)の名で働いていた。女性は昨年10月、高級シャンパン「エンジェル」(同店での販売価格約78万円)を注文するよう言われ、約50万円の売掛金ができたという。返済のため11月ごろから森容疑者の紹介で性風俗店で働き、12月ごろから大久保公園周辺で売春目的の客待ちを始めたという。「ホスト言うな」 LINEで警察対策を指示 森容疑者は女性にLINEで「大久保公園は私服警官がいるからしっかり見分けるように!」「LINEとか常に消しとくこと」「ホスト行ってることも言わない」などと指示していた。 今年1月、保安課が女性を売春防止法違反(客待ち)の疑いで現行犯逮捕し、事件が発覚した。 警視庁が大久保公園周辺で今年、売春防止法違反(客待ち)の疑いで逮捕した女性は今回の女性も含めて10人。客待ちの理由にホストクラブを挙げた女性もいたという。(御船紗子)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「お酒おいても売れなかった」 お堅い相手に42年の地下食堂閉店

 正午のチャイムが鳴ると次々と客が入ってきた。 「いらっしゃーい。今日は何しましょー」 「玉子丼とミニそば。ネギとかす、大で」。常連客だろうか着席する前に歩きながら注文した。 テーブル席や壁際のカウンター席を合わせた約30席はみるみるうちに埋まっていく。 店の電話が鳴る。出前の注文が入った。 「かつ丼ときつねそば。はいありがとう」 厨房(ちゅうぼう)では店主の見沢篤規さん(51)が五つのコンロの面倒をみながら、湯がいたうどんの湯切りをしている。 ここは、和歌山県庁の地下1階にある定食屋「信濃屋」だ。 県の記録によると、信濃屋は1982年10月に県庁内の別の場所で営業が始まった。当初はカウンターだけで、うどんとそばの店だった。大阪市の製粉会社で働いていた篤規さんの父、資規(もとみ)さん(86)が「脱サラ」して始めた。家族経営で、2010年度から現在の場所だという。 しかし、3月末でその歴史に幕を下ろすことになった。何でも対応「カレーうどんにご飯をかけて」 42年近く「お堅い仕事」の…この記事は有料記事です。残り855文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「なべ部こそ地方創生の場」 若者とお年寄りが夕食でゆるくつながる

 大学生や社会人、地元のお年寄りなどさまざまな人が一緒に夕食を囲むひとときが月に一度、鳥取市用瀬(もちがせ)町の一軒家に訪れる。通称「なべ部」。見ず知らずの人や世代が違う人同士が交流を深め、過疎化が進む地域のにぎわいづくりに一役買う場になっている。 国道53号から細い生活道路に折れた住宅街にある一軒家「もちがせ週末住人の家」。2月の週末の夜、大学生や地元住民ら18人が集まっていた。食卓には鹿肉のトマト煮込み、野菜と豚肉のマヨネーズ炒め、市販のルーを使わないシチューなど、大学生の手による作りたての料理が並ぶ。簡単な自己紹介の後、おなかをすかせた若者たちが争うようにご飯をよそい始めた。 なべ部が開かれる週末住人の家は元々、民泊施設だった。現在も建物の管理を続ける鳥取県大山町の企画会社「週末住人」共同代表の岩田直樹さんが、鳥取環境大(鳥取市)の学生だった2017年に開業。その際、地元住民との親睦の場として考えたのが夕食を囲む場だった。 現在、なべ部は後輩に当たる鳥取環境大3年の南本大偉(だい)さん(21)を中心に学生が運営。日程調整やSNSによる開催告知、会計も担う。食材は地元スーパーなどから調達し、メニューは料理好きの学生が考える。参加費(社会人千円、学生500円)を払えば誰でも歓迎される自由な「宴会」だ。 「ここではよそ者と思わず受け入れてくれる」と話すのは、三重県出身で鳥取環境大3年の堀友貴人(ゆきと)さん(21)。毎回シェフ役になり、作った料理を食べてもらう喜びを感じているという。普段はあまり接点がない他大学の学生や社会人とのおしゃべりで盛り上がる。「コミュニケーションの取り方など、ここでの経験が生きる」と就活にも役立てるつもりだ。 早稲田大3年の馬屋原瑠美さん(21)は笑いの輪に加わりながらカニ鍋をおいしそうに味わっていた。広島県出身。まちづくりに関心があり、大学院進学を目指している。知人の紹介で昨年11月に初参加、楽しさが忘れられず休みを利用して、再訪した。「縁もゆかりもない私が用瀬の人と出会った。まさにこれが地方創生の場でしょう?」 用瀬町は山陰と山陽を結ぶ街道の宿場があった交通の要衝。人口は合併前の昭和30年代に6500人近くあったが、現在は半減。市内に5カ所ある過疎地域の一つだ。 この日は地元住民3人が参加。松本典征(のりゆき)さん(85)は通りに若者の姿がないことが寂しく、交流を求めて毎回顔を出しているという。「いろんな人と話していろんな収穫がある。若い人が集まってくれるのは地元にとって刺激になる」。なべ部をきっかけに地元のカフェを訪れたり、祭りに参加したりする若者もいるという。 「こういう場を自分の町にも作りたい」。鳥取県境と接する兵庫県新温泉町の会社員、脇本充さん(44)も古里の過疎化と高齢化が気がかりで、なべ部の常連になった。この夜も顔なじみの学生たちとにぎやかに談笑した。ここで知り合いになった若者たちが新温泉町に足を運ぶようになれば活気づくと考えている。 自治体側もなべ部の活動を好意的に捉えている。鳥取市用瀬町総合支所の太田潤一支所長は昨年6月に参加した。「(地域住民と関わる)関係人口の増加などと堅苦しく考えなくても、ゆるい輪が広がっている。これが用瀬ファンにつながれば」と見守っている。年末にも別の支所職員2人が参加したという。(清野貴幸)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル