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「かわいい」から「金返せ」に 女子競輪1期生、ヤジは本気の裏返し

 「アイドルからアスリートへ」 発足から10年あまり。女子選手を競技場の「アイドル」的存在として扱うことをやめ、プロスポーツ選手としての「強さ」を全面的に打ち出すという、ガールズケイリンの「改革」。選手はどう受け止めるのか。 「アイドル扱いが嫌で嫌で、正直面倒くさかった」。ガールズケイリン1期生のひとり、大分支部の野口諭実可選手(30)は、駆け出しの頃をこう振り返る。 運動の経験といえば中学の水泳部と趣味のジョギング程度だったが、競輪好きの父に勧められて競輪学校へ入校した。 成績が悪ければクビになる厳しい世界で、なかなか上がらないタイムに焦りながら練習に明け暮れ、ようやくデビューすると、思いも寄らぬ仕事も待っていた。 競輪場の入り口で同期の女子…この記事は有料記事です。残り1005文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

アイドルからアスリートへ、10周年のガールズケイリンが目指す変化

 競輪のレースを主催する公益財団法人JKA(ジャパン・ケイリン・オートレース・ファンデーション)が、発足11周年の「ガールズケイリン」の改革に乗り出した。これまで女子選手は、華やかなユニホーム姿で競輪場での客の出迎えなど、「アイドル」的な仕事をこなしてきた。JKAはこれを改め、プロスポーツ選手であることを全面的に打ち出したPRを始めた。 改革は、ジェンダー平等に対応する企業責任などが重視される、近年の世情を受けたものだという。 1期生33人で始まったガールズケイリンの選手数は、現在175人(9日時点)。競技レベルも年々向上して、東京五輪では福岡支部の小林優香選手(28)が女子競輪選手として初めて自転車競技に出場。メダルは逃したが、スプリント予選では日本新記録をマークした。人気も高まり、2021年は年間のレース数が発足当初の206から1685にまで増え、約500億円を売り上げた。次のパリ五輪では、福岡支部の内野艶和選手(20)が中長距離での出場を狙う。 選手らからは、レース体系などを男子と同様にしてほしいと改善を望む声が出ていた。昨年には、経済産業相の諮問機関・産業構造審議会が、発足当初からのガールズケイリンのキャッチコピー「顔より太もも。」が、ジェンダーの観点から不適切ではないかと指摘。これも改革を後押しした。 今年から、ユニホームの基調の色を華やかさをアピールするピンクから、強さを強調する黒へと刷新。より見応えあるものにするため、年末開催の最上級レース「グランプリ」への出場権を賭けた、トーナメント方式でのレース数を増やす。競技用自転車の後輪も、女子専用だった推進力が増すディスク状のものから、男子と同様の仕様に変更した。これまでは強風時に後輪を変更する手間があったが、それも必要なくなった。昨年末から放映しているCMでも若者向けに、ラップの歌詞にのせて「スポーツ」を強くアピールする。 課題もある。男子の選手数は…この記事は有料記事です。残り167文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

旅館業法の改正案に「客が選ばれる」 元ハンセン病患者たちの不安

 旅館やホテルの運営に関わる旅館業法に定められた「宿泊拒否の原則禁止」を、緩和する方向で見直そうとする改正法案が、今月にも召集される国会で審議される見通しとなっている。新型コロナの大流行をきっかけとした動きだが、「社会的弱者を宿泊拒否する口実に使われかねない」と懸念する声が、ハンセン病の元患者や障害者たちから上がっている。背景にはそれぞれの実体験がある。 焦点となるのは旅館業法5条。業者は原則、宿泊を拒否してはいけないと定めた条文で、「伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められる」場合などを例外として挙げている。 厚生労働省によると、改正に向けた検討は、新型コロナの流行で従業員の罹患(りかん)を危惧する宿泊業界の声などをもとに始まった。検討会では、「マスク着用を拒否する客に対しても宿泊拒否できるようにしたい」という声や、5条は「客を選ぶ自由を剝奪(はくだつ)している」として改正や撤廃を求める声が業界からあがったという。 まとまった改正法案は、昨年10月に閣議決定された。宿泊拒否禁止の例外に、業者が求める医療機関の受診や体温の確認といった感染対策に正当な理由なく応じない場合を新たに盛り込んだ。また、理不尽な苦情や要求をする「カスタマーハラスメント」(カスハラ)への対応も念頭に、負担が過重な要求を客から繰り返された場合も例外に加えた。業者への制限を緩和し、宿泊拒否を可能とする裁量を広げる内容だ。 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会は11月、新型コロナのまん延防止やカスハラへの対応などの徹底を柱とするもので、「我々にとって極めて重要かつ大切な法案」として、早期審議・成立を求める声明を多田計介会長名で出した。 一方、法改正への懸念もある。日本弁護士連合会は、現行法のおかげで宿泊が必要な人に安全に夜を過ごす場所が提供され、人の移動の自由が守られていると評価し、宿泊拒否禁止の緩和に反対の立場を小林元治会長名で表明している。 国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」(熊本県合志市)入所者自治会副会長の太田明さん(79)は、ある事件を思い出す。2003年11月、恵楓園の入所者が県内のホテルに宿泊しようとした際、ハンセン病の元患者であることを理由に「他の客が嫌がる」と宿泊を拒まれた事件だ。 ハンセン病は、原因となる細…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

寄付が集まらず、費用は9分の1に 絵本制作のピンチを救った市職員

 大阪府貝塚市が、市のイメージキャラクター「つげさん」を使った絵本「ひげどこいったん?」を制作した。街の魅力を幼い頃から知ってもらおうと企画したが、資金集めは不調に。絵本作家に頼めなくなったピンチを救ったのは、市の職員だった。 「つげさん」は、市の伝統工芸品のつげぐしがモチーフ。立派な口ひげと帽子の角度にこだわりがあるおしゃれさん。ゆるキャラグランプリで13位に入ったこともある。 つげぐしでひげを入念に手入れするのが朝の日課のつげさんが、トレードマークのひげをなくし、ひげを捜して市内を巡る――というのが絵本のあらすじだ。 絵本の中でつげさんは、砂浜で知られる「二色の浜」やローカル鉄道の水間鉄道、厄よけ観音で知られる水間寺、江戸時代に望遠鏡を作った科学者にちなむ市立天文台「善兵衛ランド」を巡る。 費用は、ふるさと納税の仕組みを使った市のガバメントクラウドファンディング(GCF)でまかなうこととし、市のGCF利用第1弾として寄付を募った。 ところが、別のプロジェクト…この記事は有料記事です。残り631文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

1637段の階段を上って祝う新成人 高さ日本一のあべのハルカスで

2023年1月9日 15時12分 成人の日の9日、大阪市の日本一高いビル「あべのハルカス」で、新成人たちが階段で地上約300メートルの展望台を目指すイベントがあった。 参加した38人の中には振り袖姿の人も。みな、思い思いの「大人の抱負」を書いたたすきを胸に、展望台までの階段1637段を約50分かけて上りきった。 寒いのが苦手で、「冬はタイ移住」を目標に掲げたのは、岸和田市の高倉美穂さん(20)。ゴールすると、「達成感がやばい」と満面の笑みを浮かべた。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

過疎は終わった!中国山地からの宣言 集落の銀河系で循環型の暮らし

 コロナ禍で人口が密集した都会の脆弱(ぜいじゃく)さが浮き彫りになりました。団地で進む高齢化、空洞化も深刻な問題です。一方、「過疎」の発祥とされる中国地方で、これまでにない生き方が広がっているといいます。島根県に暮らす、「みんなでつくる中国山地百年会議」会長で「持続可能な地域社会総合研究所」所長の藤山浩さんに聞きました。 ふじやま・こう 1959年、島根県益田市生まれ。一橋大経済学部を卒業後、広島県の高校教諭などを経て、98年、島根県の中山間地域研究センターの研究員に。退職した2017年、益田市に一般社団法人「持続可能な地域社会総合研究所」を開設。著書に『田園回帰1%戦略』(農文協)、『「小さな拠点」をつくる』(同)ほか。100年間、毎年1冊刊行 ――2019年、中国地方に拠点を置く有志で雑誌「みんなでつくる中国山地」を刊行しました。「過疎は終わった!」と宣言し、100年間、毎年1冊、過疎地の動きを追う雑誌を刊行する長大な計画です。 過疎の集落でいま、人が抜けた跡に染み込むように、ちょっとずつこれまでとは違う生き方の選択肢が増えています。いくつもよりどころを持ち、渦と渦が共鳴して、より大きな渦になっている。 「持続可能な地域社会総合研究所」では、全市町村の人口分析をしています。その結果、僕が住んでいる中国地方では、山間や離島といった小規模自治体で人口の社会増が始まっていることが明らかになりました。たとえば岡山県の西粟倉村、新庄村、島根県の邑南町、広島県の北広島町などです。 これはすごいことが起きているぞ、と。この動きを可視化するメディアとしてはじめたのが、「みんなでつくる中国山地」の刊行です。過疎の「発祥」中国山地 ――なぜ、中国山地なんでしょうか。 元々、中国山地は人口流出が早くから始まっていました。「過疎」という言葉の発祥地とされています。江戸時代は木炭を使った「たたら製鉄」の中心地だったのが、明治期に入り、近代的な製鉄が始まったことで、産業が失われました。さらに、ガスの普及に伴って木炭の需要が減り、人口流出のきっかけとなりました。 早くから過疎が進んだ結果、地域内で、野球チームでいうレギュラーポジションが空いたんです。本当に人がいない。そうなると地域の人々の意識も変わっていく。誰か入らない限り、この野球は続かない、と外から人を受け入れるようになるわけですよ。過疎の終わりは、過疎の先行地域から始まるんです。後半では過密な都会が内包する危うさや、地域での持続可能な暮らしへの道筋を聞いています。 もう一つ、中国山地の大きな…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

京都でクマ出没相次ぐ 19年ぶりに狩猟解禁、でもハンター足りず

 ツキノワグマの狩猟が昨年11月から始まっている。京都府はこれまで「絶滅寸前種」に指定して狩猟を禁じてきたが、生息数が増えて住民がクマに襲われる被害も出てきたため、昨年度から解禁した。だが、20年にわたる禁止期間で、クマ専門のハンターもおらず捕獲頭数が伸び悩んでいる。今年度は目撃情報も増えており、冬眠期でも山でクマと遭遇する可能性があるとして、府は注意を呼びかけている。 「クマに襲われた!」。昨年10月末、福知山市の山間部に住む70代の男性方から119番通報が入った。男性は、自宅の庭の柿の木付近から物音がすることに気づき、外へ出たところ体長約70センチのクマに襲われ、顔や首に大けがを負った。クマはそのまま逃げたという。11月にも、伊根町で60代の男性がクマに襲われた。 福知山市には今年度、12月下旬までに100件以上の目撃情報が寄せられている。例年よりも件数が多いという。市は、目撃情報の多かった地域におりを設置。市の担当者は「目撃が最近増えてきている。えさとなる木の実などが残っていないか確認してほしい」と呼びかける。府によると、今年度は餌のドングリ類が「凶作」だったため、冬眠が明ける春には、餌を求めたクマが現れる可能性もあるという。 府は2002年、ツキノワグ…この記事は有料記事です。残り678文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

子どもに水かけてお祝い、髪の毛までぬれる子も 山間部に伝わる行事

榊原織和2023年1月9日 12時41分 お供え物を取りに来た子どもに水を浴びせて福の神の使者の来訪を祝う正月の伝統行事「とろへい」が7日夜、島根県飯南町頓原の張戸(はりど)集落であった。 とろへいは1年の最初の満月の夜に福の神が来て祝福を与えるという民俗信仰に基づく。かつては飯南町の各地で行われていたが、今では張戸集落のみ。幾度か途絶えるたびに住民が復活させてきた。なぜ「とろへい」という名なのかは分からないというが、中国地方の山間部に伝わる行事で、鳥取県日野町で「ほとほと」と呼ばれて行われていた。 参加したのは地元の小学校3年から高校1年までの11人。二手に分かれ、それぞれ4、5戸の家を回った。自分たちが来たことを知らせるため、「とろとろ、とろとろ」と大きな声を出して歩き、家の縁側にわらで作った馬の置物を置いて隠れる。住人はわら馬の近くにお供え物を置いて家の中に戻り、子どもたちがお供え物を取っていこうとすると水をかける。水にぬれた子どもは1年間、無病息災であるとされる。 子どもたちはぬれてもいいように、スキーウェア姿。住人がひしゃくやバケツで豪快に水をかけると、子どもたちは歓声を上げて逃げた。子どもたちを迎えた深石好美さん(68)は、「私が幼いときからやっていた行事。子どもは少なくなったが続けてほしい」。 家々を回った子どもたちは髪の毛がぬれるほど水をかぶった子も。初めて参加した頓原小3年の米原夕莉(ゆうり)さんは「水をかけられて楽しかった」。同小6年の景山果歩さんは「昔から伝わる伝統ですごくおもしろい」と話した。(榊原織和)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「元気に育て!」 子泣かし天狗が祈願 泣き叫ぶ子も泣かない子も

中川壮2023年1月9日 13時05分 愛媛県鬼北町の広見体育センターで8日、「子泣かし天狗(てんぐ)祭」があった。町内に住む2021年に生まれた子ども26人を天狗が抱き、神通力で幸せと健康を祈願するという新春行事で、今回で33回目。 地元の太鼓集団「魁(さきがけ)」が奏でるリズムの中、子どもを抱いた天狗が「元気に育て!」などと言って祈願。保護者は直径6尺(182センチ)の大太鼓をばちで1回打ち鳴らした。天狗に抱かれた際、泣き叫ぶ子もいれば、平気な顔をしている子もいた。 消防士の中田廉(れん)さん(29)と保育士の樹(いつき)さん(26)夫妻は、長男藍(らん)君と参加。夫妻とも1歳の時に天狗祭に参加し、廉さんの見事な泣きっぷりが町報の表紙を飾ったという。藍君はこの日、ほとんど泣かないばかりか、終わると天狗に「バイバイ」も。樹さんは「2代連続を狙ったが残念。このお祭りがずっと続いてほしい」と話していた。(中川壮)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

札幌市厚別区で乗用車が中央分離帯に衝突、男女2人が死亡

2023年1月9日 9時30分 8日午後7時45分ごろ、札幌市厚別区上野幌2条2丁目の道道交差点で「乗用車が中央分離帯にぶつかり、乗り上げている」と通行人から119番通報があった。乗っていた男女2人が、搬送先の病院で死亡が確認された。北海道警札幌厚別署によると、男性は70代、女性は30~40代くらいとみられるという。事故の目撃者はおらず、署が事故原因や男女の身元を調べている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル