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息しちゃダメ!地球の「健康診断」は南極で、人の影響抑え大気観測

 息を止めて近づいて操作、すばやく逃げる! 観測でそんな場面がある。 2020年8月20日、大気観測を担当する白山栄さんが、大気サンプリングをする様子を撮影に行った。昭和基地では24時間、毎週、毎月……いろんな頻度、いろんな手法で大気や、空気中を浮遊する微粒子を観測している。この日は米国海洋大気庁(NOAA)に送る大気の採取。月2回、風速や風向きの良い時を狙って観測する。 白山さんはスーツケース大の箱を抱えて外に出てきた。基地中心部から吹く風はない、大丈夫だ。装置を広げて吸気スイッチオン。「離れます」とガラス容器に外気が通るのを待つ。白山さんは息を止めて近づき、小走りで戻る。しばらく待って、また息を止めて近づく。最初は下流側を閉じ、次に外気が満たされた容器の栓を閉めたのだ。その間、呼吸でさえ影響しないよう注意する。集めた大気は帰国後に米国へ送り、分析されるという。 大気はどこでも採取できる…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

そして彼女は馬になった 天職より転職、辞めたい新社会人へ贈る言葉

 玩具メーカー・キットウェルの広報担当として働く田中さん。 彼女はかつて幼稚園教諭として働いた経験がある。 幼児教育科がある専門学校を20歳で卒業後、認定こども園で5年間働いた。 目指したきっかけは、自らが保育園児だった時の担任の先生。 とても優しくて、「いつか私も先生みたいな人になりたい」と、4歳の時から思い続けていた。 いざ働き始めた初日、子どもたちから「先生」と呼ばれた時の感動は今も覚えている。 園児たちの笑顔から勇気をもらい、「生涯この仕事で生きてやる」と思った。 ところが、1~2カ月もすると登園する足取りが徐々に重くなった。 理由は園児でも、保護者でもない。 先輩教諭からの「新人いびり」という名の嫌がらせだった。 私物を隠されたり、配布するプリントをシュレッダーにかけられたり。 引き継ぎ事項すら、ちゃんと伝えてくれない。 中でも一番ショックだったの…この記事は有料会員記事です。残り1890文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

弁護士が2億円超を不正流用か 依頼人への賠償金など「ほぼ競馬に」

 熊本県弁護士会所属の弁護士が、成年後見人などとして管理していた口座から現金を引き出して不正流用した疑いがある問題で、県弁護士会は25日、平田秀規弁護士を業務上横領容疑で熊本地検に刑事告発したと発表した。調査により、被害は計11件、約2億4千万円にのぼる可能性があることが判明したという。 平田弁護士については、成年後見人として担当していた県内の被後見人2人の銀行口座から計約2930万円を引き出したほか、相続財産管理人として管理していた口座を解約し、約5300万円の所在が不明になっているとして、県弁護士会が調査。懲戒請求して今年2月に公表した。 県弁護士会はこの3件について、業務上横領容疑で3月30日に熊本地検に告発状を提出し、今月20日に受理されたという。 ほかにも平田弁護士に被害を受けた人がいないか情報提供を呼びかけたところ、集まった情報の中から新たに8件の不正流用の疑いが判明した。 弁護士業務専用の「預かり金口座」に入金された依頼人への損害賠償金を無断で引き出して、依頼人には支払わず私用に使った疑いなどがある。さまざまな形での不正流用がうかがわれ、被害総額は、刑事告発した3件と合わせた11件で計約2億4千万円にのぼる可能性があるとみている。 平田弁護士は調査に対して「…この記事は有料会員記事です。残り417文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

旦過市場火災1週間 残るがれき、続く立ち入り禁止にいらだつ店主も

 北九州市小倉北区の旦過市場で発生した火災は、26日で発生から1週間となる。被災を免れた多くの店が営業を再開するなか、焼失が激しかった付近は立ち入り禁止が続く。先の見えない状況に、被災店主らはいらだちを募らせている。焼け落ちた新旦過横丁。がれきは残されたままだ=2022年4月25日、北九州市小倉北区、藤脇正真撮影 火災後初の週末となった23日、南北約100メートルにわたる市場のアーケードは多くの買い物客でにぎわった。常連客の男性(72)は「活気が戻り安心した」。ただ、活気が戻ったのは、立ち入り禁止が解除されたエリアだけで、火災が激しかったエリアにはいまだに一般客は入れない。 「ガレキ部分の危険がありますので許可のない人は通れません!!」。アーケード北端付近には、25日も貼り紙つきの柵が立てられたままだった。市によると、がれきの倒壊の危険性などを確認するため、小倉北区が通行止めを続けている。 立ち入り禁止域内でも被災を免れ、一般客の通行が許されれば、営業再開が可能な店もある。そのため、市場に接する道路沿いに臨時の売り場を設け、営業を試みる店も出ている。飲食店を営む女性は「家賃だけかかって収入がない。どの状態になれば営業が再開できるのか」と困惑しながら、店に積もったすすを払った。 別の店では、片付けで出たご…この記事は有料会員記事です。残り888文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

北方領土方面に漂流の可能性も 知床の事故、海保がロシアに協力要請

 北海道斜里町の知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明となった事故で、海上保安庁は25日、ロシアが実効支配する北方領土の周辺でも行方不明者の捜索にあたる可能性があることを、ロシア側に伝えた。海保によると、潮の流れから北方領土方面に漂流する可能性があるためで、ロシア側も了承しているという。 今回の事故では、これまでに11人が見つかり、いずれも死亡が確認されている。このうち、24日午前に救助された10人は、知床岬周辺で発見。24日夜には子どもが1人見つかったが、場所は知床岬から東へ約14・5キロ離れた海上で、東方にある国後島に近づいていた。 海保によると、ロシア側とは国際条約に基づき、海難救助をめぐる協定を締結。「両国の海難救助機関は、できる限り必要な援助を与える」と定めている。 この協定に基づき、海保はす…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

住宅街にシカ出現、1頭捕獲も別にも? 警察が注意呼びかけ 埼玉

森下友貴2022年4月26日 5時30分 埼玉県深谷市の街中で20日以降、シカの目撃情報が相次ぎ、市や警察に通報が寄せられた。警戒と検索を続けた深谷署は24日夜、体長170センチほどのシカを上柴中央公園(同市上柴町西4丁目)で発見し、約20人がかりで捕獲した。市民や警察官にけが人は出ていないという。署は別のシカが街中に現れる可能性が否定できないとして、注意と情報提供を呼びかけている。 目撃情報が多かったのは同市幡羅町1丁目周辺。住宅街で近くに商業施設や病院があるため、市は防災無線で注意を呼びかけた。 一方、捕獲されたシカは雄で、衰弱していた。捕獲時に1本の角が折れたという。角のないシカの目撃情報もあり、署は捕獲したシカとは別の個体がいるとみて警戒を続けている。(森下友貴)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

安いファッションが抱える搾取の構造 日本も「他人事ではない」理由

 アパレル産業のあり方が問われる出来事が9年前、バングラデシュで起きた。先進国向けの衣料品を作る工場が集まったビル「ラナプラザ」が崩壊し、千人以上が亡くなった。誰かの犠牲の上に成り立つ安いファッション。事故後に渦巻いた疑問の声は、その構造を変えたのか。この国の人々を見つめてきた南出和余さんに聞いた。 ――縫製工場で働く女性たちの闘いを描いた映画「メイド・イン・バングラデシュ」が公開中です。字幕は、南出さんが教える学生たちが手がけたそうですね。 「2年余り前に神戸女学院大の学生から希望者を募り、2人1組で8~10分間ずつ英語の字幕を翻訳しました。現地へのスタディーツアーも実施し、女性たちが普段着ているサリーなども見てもらいました。現地の工場で作っているのは自分たちのためでなく、私たち先進国向けの商品だと体感してもらうためです」 「日本では衣料品はほぼ輸入に頼っており、バングラデシュは中国、ベトナムに次ぐ輸入先です。でも生産地と消費地は遠く離れ、自分たちの服を、誰が、どんな風に作っているか、消費者が意識する機会はほとんどない。生産者側も同じ。現地の工場で働く若者と話しても、どこでどう消費されるかにはあまり関心がありません。それを変えるきっかけになればという思いからでした。工場で働く人たちとも対等な人間同士として交流したことで、学生たちのイメージはいい方向に変わったようです」 ――身近に感じられるようになったんですね。日本もかつては国内で生産していたのに、なぜ輸入に頼るようになったのでしょう。 「アパレルは完全な機械化が難しく、人の手が必要とされる産業なのです。このため古くから、その時々の『安い労働力』に頼ることで成り立ってきた面がありました。例えば、明治時代に日本の繊維産業を支えたのは、地方から出てきた女性たちでした。現代ではグローバル経済の発展で、縫製工場がより人件費の安い国へと移動していきました」 「バングラデシュでは、1990年代に縫製業が国家の一大産業になり、2000年代に大量生産・大量消費型のファストファッションが世界的に流行すると、安い労働力を求めてグローバル企業が押し寄せました。今や中国に次ぐ規模の衣料品の輸出国です」縫製工場では、貧困層の女性が働いています。ラナプラザの事故後、縫製工場の労働環境は改善が進んでいますが、女性たちの職場を「奪う」状況も生み出した、といいます。 ――映画にも、縫製工場で働く女性たちが描かれていますね。 「バングラデシュでも、縫製工場は、長時間労働の割には賃金が低く、できれば『働きたくない場所』です。働くのは、他に選択肢のない貧困層の女性たちです」 「Tシャツ2~3枚分の額の…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

【速報中】3歳女児含む3人の身元を公表 死因は溺死 第1管区海保

【動画】捜索が続く知床半島沖=熊倉隆広撮影 北海道・知床半島西部沖を航行中の観光遊覧船から23日午後、「浸水している」との118番通報があった。これまでの経緯をまとめた。(最新の情報が一番上に表示されます)■■■4月25日の動き■■■21:003人の身元を公表 北海道斜里町の知床半島沖で乗客・乗員計26人の観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明になった事故で、第1管区海上保安本部(小樽市)は25日、死亡した11人のうち身元を確認できた3人の氏名などを発表した。 同保安本部によると、3人は、香川県丸亀市の河口洋介さん(40)、千葉県松戸市の橳島(ぬでしま)優さん(34)、東京都葛飾区の加藤七菜子さん(3)。いずれも死因は溺死(できし)という。17:00国交省、運航会社や地元漁協訪れ聞き取り調査 北海道・知床半島沖で観光船が行方不明となった事故をめぐり、国土交通省の運輸安全委員会は25日、事故原因を解明するため、船の運航会社「知床遊覧船」や地元漁協を訪れ、聞き取り調査を実施した。 調査後に記者団の取材に応じた大熊寛章・船舶事故調査官は、同社の社長にはまだ聞き取りをしていないことを明らかにした上で「救助や遺族対応が優先。状況をみて連絡をとる」と話した。26日以降、事故当時の気象や海の状態などの情報を集めるため、地元関係者にあたるという。11:20官房副長官が会見 「捜索、救助活動に全力尽くす」 磯崎仁彦官房副長官が記者会見で、これまでに発見された11人全員の死亡が確認されたと発表。残る15人の行方不明者について「捜索、救助活動に全力を尽くしていきたい」と述べた。 遊覧船を運航していた「知床遊覧船」に国土交通省が特別監査に入っているとして、当日の運航の判断などを確認中だと説明した。磯崎氏は「監査結果を踏まえて早急に再発防止策を取りまとめていきたい」と話した。 観光船「KAZUⅠ(カズワン)」は23日午後1時13分に救助を要請。磯崎氏は救助に向かった海上保安庁の航空機が現場海域に到着したのが午後4時半、巡視船は午後5時55分だったと説明した。「船艇については海上が非常に荒天であり、通常よりも時間がかかった」と述べた。09:30運輸安全委の事故調査官、現地で情報収集 国の運輸安全委員会の事故調査官が斜里町の現地対策本部で情報収集を始めた。午後には漁協関係者からヒアリングをする予定。08:30発見された子ども1人の死亡確認 26人の乗客乗員が乗った観客船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明になっている事故で、24日深夜に知床沖で発見された子どもの死亡が確認された。海上保安庁関係者が明らかにした。 24日までにほかに10人が見つかり、いずれも死亡が確認されている。海保や地元の漁協などが25日も捜索を続けている。【動画】観光船からの連絡が途絶えた知床半島沖では、捜索と救助が続いた05:45捜索2日目、12隻が出港 「昨日より波がない」 知床半島沖で乗客・乗員計26人が乗った観光船の行方が分からなくなってから3日目となった25日、北海道斜里町のウトロ漁港では午前5時45分ごろ、漁師ら約100人が漁船10隻と観光船2隻に乗り込み行方不明者の捜索に出港した。 事故当日や前日に比べて波が低くなっているとして、ウトロ漁業協同組合の深山和彦組合長(66)は「昨日より波がなくなって捜しやすい。早くみんなを捜してあげたいという思いで協力している」と話した。捜索範囲を前日より沖合に広げるという。【動画】観光船の捜索に向かう漁船団=藤原伸雄、日吉健吾撮影■■■4月24日の動き■■■23:10子ども1人を発見、意識ない状態 北海道の知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明になった事故で、第1管区海上保安本部は24日午後11時10分、子ども1人を発見した。意識がない状態という。事故後に見つかったのは計11人となり、子どもは初めて。 同本部が25日未明に発表した。発見したのは海上保安庁の巡視船で、知床半島先端部の知床岬灯台の東方向14・5キロの海域で発見したという。 カズワンには子ども2人を含む乗客24人、乗員2人の計26人が乗っていた。これまでに発見されていた10人(男性7人、女性3人)はいずれも死亡が確認されている。 カズワンは23日午後1時13分ごろ、知床半島西部沖を航行中に「浸水した」と通報があり、その後行方がわからなくなった。海上保安庁や航空自衛隊などが周辺海域を捜索し、24日早朝以降に知床岬周辺で計10人を発見。その後も捜索を続けていた。19:10乗客の家族が遺体安置の体育館へ 死亡が確認された乗客の遺体が安置されている斜里町の体育館には、ブルーシートで覆われた通路を経て、家族とみられる人たちが続々と入った。むせび泣き、同行者に背中をさすられながら入っていく人も見られた。 報道陣に対応した斜里町の北雅裕・副町長によると、この日は乗客の家族計32人が体育館を訪れた。家族側には、消息を絶った観光船の運航会社から連絡をとったという。着衣などの遺留物を番号順に並べ、心当たりがあれば遺体を確認してもらっているという。 北副町長は「全員が早く見つかることを願っている。ご家族の心を思うと1時間でも早く会わせてあげたいという気持ちでいっぱいだ」と話した。17:0010人の死亡を確認 第1管区海上保安本部によると、北海道斜里町の知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」と連絡がとれなくなった事故で、海上や岩場で発見された10人の死亡が確認された。 男性7人、女性3人で、24日朝以降、知床岬周辺などで見つかっていた。15:15新たに1人発見、計10人に 第1管区海上保安本部は、連絡がとれなくなった観光船「KAZUⅠ(カズワン)」を捜索している航空自衛隊のヘリコプターが、新たに1人を見つけたと発表した。容体は不明という。24日朝からの捜索で発見されたのは、これで計10人となった。【動画】北海道・斜里町のB&G海洋センターに到着した車両と浸水した観光船の捜索=藤原伸雄撮影14:00斉藤国土交通相が不明者の家族と面会 北海道斜里町ウトロ支所に設置された現地対策本部と、消息を絶った観光船の乗船場の視察を終えた斉藤鉄夫国土交通相が、ウトロ漁港で記者団の取材に応じた。対策本部では、観光船に乗船し、行方が分からなくなった人の家族と面会したことを明らかにし、「ご家族の方から今の気持ちをお聞きした。自分たちの気持ちに寄り添って対応してほしいという強いご要請があった。具体的な内容は控えるが、お気持ちに添って全力で対応していきたい」と話した。11:45発見は計9人に 連絡がとれなくなった観光船「KAZUⅠ(カズワン)」を捜索している第1管区海上保安本部(北海道小樽市)は、午前11時までに海上や岩場などで計9人を見つけたと発表した。 これまでの発表によると、このうち8人は意識がない状態という。 同本部によると、カズワンの船長は北海道斜里町の豊田徳幸さん(54)。周辺海域では、同本部や地元漁協などが捜索を続けている。10:20運輸安全委員会が調査官3人派遣へ 国の運輸安全委員会は24日、事故調査のために調査官3人を現地に派遣することを決めた。10:00鈴木知事「一刻も早い救助活動に全力を挙げる」 北海道は24日、災害対策連絡本部の初会議を開催した。道庁や海保、道警、自衛隊などの幹部約25人が参加し、これまでの経過や捜索救助態勢を確認した。 鈴木直道知事は24日から道の防災ヘリを派遣したことに触れ、「安否が不明となっている方の一刻も早い救助活動に全力を挙げて取り組んでいく」と語った。職員には「人命を最優先として、乗客、乗員はもとより、その家族の気持ちに寄り添った協力支援にあたってほしい」と指示した。 会議後に記者団の取材に応じた鈴木知事は、24日午前に斉藤鉄夫国土交通相と電話で会談したことを明かしたうえで、「原因究明を徹底してほしいとお願いし、再発防止をしっかりやっていかなきゃいけないということで大臣と認識の共有を図った」と語った。大型連休に入る前に観光事業者に安全の「再点検」を呼びかけていく考えも示した。10:00「10時間で20~40キロ流される」 海保が捜索範囲広げる【動画】観光遊覧船から「浸水した」と通報があった海域。海上保安庁の捜索が続いた=熊倉隆広撮影 報道陣の取材に応じた第1管区海上保安本部(北海道小樽市)の中村至宏(ゆきひろ)総務部長は、遭難海域とされた「カシュニの滝」沖付近から、範囲を広げて捜索をしていると説明した。中村部長は「一般論」と前置きした上で、潮の流れは時速2~4キロ程度と説明。10時間たてば、20~40キロ流される計算となるため、捜索範囲を広げているとした。 24日午前8時時点で、現場海域の波は高さ1メートル。波の陰に入ってしまうと、人を見つけるのは難しい高さだといい、入念な捜索が必要な状態だと説明した。記者会見する第1管区海上保安本部の中村至宏(ゆきひろ)総務部長(右)=2022年4月24日午前8時15分、北海道小樽市港町、松田昌也撮影10:00運航会社「知床遊覧船」に特別監査へ 国交省 国土交通省北海道運輸局は、観光船の運航会社「知床遊覧船」に、近く海上運送法に基づく特別監査に入る。安全管理規定を順守しているかどうかを確認したうえで、不備があれば行政指導を行う。 同局によると、同社は知床半島周辺の海で、昨年5月に海上の浮遊物との接触事故、6月には座礁事故を起こしている。同局は相次いで事故を起こしたことを重く見て、同年7月に輸送の安全確保に関する指導を行った。同社からは「安全確保を最優先する意識を定着させる」旨の改善報告書が提出されていたという。10:00新たに3人を発見 第1管区海上保安本部は、捜索中のヘリコプターが、知床岬付近の岩場や沿岸付近で新たに3人を発見したと発表した。3人とも意識はないという。行方不明者の捜索活動をするために海上保安庁の巡視船からヘリコプターでつり上げられる救助隊員=2022年4月24日午前8時45分、北海道の知床半島沖、朝日新聞社機から、井手さゆり撮影 ほかに24日の捜索で4人が見つかっており、これで発見されたのは計7人になった。08:45ヘリから救急車で搬送 航空自衛隊のヘリが北海道斜里町立の知床ウトロ学校(義務教育学校)のグラウンドに、砂ぼこりを巻き上げながら降り立った。グラウンドには救急車5台が待機。ヘリのプロペラの回転が止まると、救急隊員らがストレッチャーや青い目隠し柵を持って駆け寄り、ヘリで搬送された人を救急車1台に運び込んだ。救急車は間もなくサイレンを鳴らしながら出発。同様の作業が複数回繰り返されていた。自衛隊のヘリで救助された人が搬送された=2022年4月24日午前8時45分、北海道斜里町、日吉健吾撮影07:05「4人を発見」 海保発表 北海道・知床半島沖で、26人乗りの観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の行方が分からなくなっている事故で、海上保安庁は24日朝、知床岬先端で4人を発見したと発表した。4人は意識がない状態という。周辺海域では、第1管区海上保安本部(北海道小樽市)や地元漁協などが捜索を続けている。行方不明者の捜索活動をする自衛隊のヘリコプター=2022年4月24日午前8時20分、北海道の知床半島沖、朝日新聞社機から、井手さゆり撮影06:05見送りの漁民、「低い水温では危険」 北海道斜里町のウトロ漁港の岸壁では午前6時5分ごろ、捜索のため知床半島沖合の現場に出動する漁船を年配の漁民3人が不安な表情で見送った。「いまの低い水温では、もし海に落ちれば低体温症ですぐに危険な状態になる」「素人が救命胴衣のひもを結んでも、海中ではすぐほどけてしまうだろう」などと心配そうに話していた。06:00漁船、観光船が捜索のため次々に出航【動画】連絡が取れなくなった観光船の捜索に向かう漁船=日吉健吾撮影 観光船の行方が分からなくなってから一夜明けた24日、北海道斜里町のウトロ漁港には午前5時45分ごろ、漁業関係者や地元消防、観光業関係者とみられる人らが集合。漁協内での打ち合わせの後、午前6時前、漁船や小型観光船など約10隻に分乗し、続々と捜索へ出航した。上空では現場海域の方向へ飛ぶヘリコプターも見られた。連絡が取れなくなった観光船の捜索に向かう漁船=2022年4月24日午前6時、北海道斜里町、日吉健吾撮影01:20首相、熊本から急きょ東京へ 岸田文雄首相が首相官邸で記者団の取材に応じ、「現在まで現場周辺海域で捜索救助活動を行っているが、乗員・乗客の発見には至っていない。引き続き人命救助を最優先に、関係機関が全力を挙げて捜索救助活動を行っていく」と語った。また、斉藤鉄夫国土交通相を24日朝に現地へ派遣することを明らかにした。 首相は23日夜、事故の報告を受けて訪問先の熊本県から急きょ東京へ戻り、首相官邸で事故の報告を受けた。■■■4月23日の動き■■■22:05海保「最後の通報は午後2時17分ごろ」 北海道・知床半島西部沖で23日、乗員・乗客26人を乗せて「浸水した」と通報があった観光船について、第1管区海上保安本部は取材に対し、船側との最後のやり取りは同日午後2時17分ごろだったことを明らかにした。浸水したとの連絡は同日午後1時13分ごろだった。 同保安本部によると、午後2時17分ごろの連絡は「子ども2人、大人22人」などの乗員に関する内容だった。その前の段階の連絡では「船首が浸水」「エンジンが使えない」「カシュニ滝のすぐそば」などの内容だったという。 また、同保安本部は捜索は夜通し継続すると説明している。「知床遊覧船」の事務所は夜も会社関係者らが出入りしていた=2022年4月23日午後9時13分、北海道斜里町ウトロ19:40海保、自衛隊に災害派遣要請 第1管区海上保安本部は23日午後7時40分、航空自衛隊(第2航空団千歳救難隊)に災害派遣を要請し、受理された。18:00海保が現地対策本部を設置 第1管区海上保安本部は23日午後6時、網走海上保安署に現地対策本部を設置した。17:30「発見できていない」 海上保安庁によると、ヘリ1機が遭難場所に近いとみられる「カシュニの滝」周辺を捜索しているが、発見できていないという。海保によると、現地にはこのヘリを含めて、巡視船艇5隻、航空機2機を出動させている。ただ夜間になると、捜索が難しくなるという。浸水したとみられる観光船を捜索する海上保安庁の巡視船。奥は知床半島=2022年4月23日午後6時6分、朝日新聞社機から、井手さゆり撮影16:30海保の回転翼機が現場付近に 第1管区海上保安本部の回転翼機は23日午後4時半、118番通報のあった観光遊覧船が航行していた現場付近に到着、捜索を始めた。13:13海保が対策本部を設置 北海道・知床半島西部沖を航行中の観光遊覧船からの通報を受けて、第1管区海上保安本部は23日午後1時13分、対策本部を設置した。北海道・知床沖で浸水したとみられる観光遊覧船「KAZUⅠ(カズワン)」=知床遊覧船のウェブサイトから13:13「浸水している」と118番通報 第1管区海上保安本部によると、23日午後1時13分ごろ、北海道・知床半島西部沖を航行中の観光遊覧船から、「浸水している」との118番通報があった。船は北海道斜里町の「知床遊覧船」が運航する「KAZUⅠ(カズ ワン)」で、乗員・乗客は計26人。自力航行が出来る状況かどうかは不明という。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

白杖持つ女性、特急と接触して死亡 奈良・大和郡山の踏切

2022年4月25日 22時26分 25日午後6時15分ごろ、奈良県大和郡山市西岡町の近鉄橿原線の踏切(警報機、遮断機付き)で、同市内に住む女性(50)が橿原神宮前発京都行き特急(4両編成、乗客約50人)に接触する事故があった。女性は搬送された奈良市内の病院で死亡が確認された。 奈良県警郡山署によると、女性は白杖(はくじょう)を持っており、全盲であることを示す身体障害者手帳が現場で見つかった。付近の防犯カメラの映像では、女性が踏切内に歩いて入った後に手前の遮断機が下がり始め、奥にある遮断機の直前で手前に戻ろうとする様子が映っていた。署は、女性が奥の遮断機を手前の遮断機と勘違いし、引き返そうとして電車と接触したとみている。 列車の運転士は「人が踏切から軌道に入りかけているのが見え、ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話しているという。乗客にけがはなかった。 署によると、女性は今月21日、現場近くに引っ越してきたばかり。遮断機の手前両端には点字ブロックがあるが、防犯カメラの映像では踏んでいる様子は見られなかったという。現場の線路は複線で、両側の遮断機の間は約8メートル。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

遺体安置所、涙の連鎖 知床沖の観光船事故で7人の身元判明

 子ども1人が見つかったのは、知床岬灯台から東へ約14・5キロ離れた海域だった。第1管区海上保安本部(小樽市)によると、24日午後9時前、同夜から捜索に加わっていた北海道の漁業監視取締船「海王丸」が発見し、海上保安庁に通報した。 当時、現場海域は曇りで、南の風12メートルと荒れていた。近くの巡視船が救助に向かったが対応できず、より大型の巡視船が発見から約2時間後に救助した。意識はなく、ライフジャケットも着けていなかったという。同本部は25日午前、死亡を確認したと発表した。 遺体が安置されている斜里町の体育館には25日朝、入り口前に献花台が設けられた。午前6時ごろには24日夜に見つかった子どもの遺体も運び込まれた。 斜里町の北雅裕・副町長によ…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル