ニュース

言えなかった性暴力被害 「1人じゃない」背中押されたフラワーデモ

 性暴力に抗議するフラワーデモが静岡県内で始まって2年半余りが過ぎた。新型コロナウイルスの影響で街頭に立てないときはオンラインで開催しながら活動を続けてきた。埋もれてしまう被害者の声を多くの人に届けるだけでなく、被害者の背中も押している。(玉木祥子) 県内のデモは、静岡市内や県東部で開かれてきた。同市内で始まったのは2019年7月。静岡大学の白井千晶教授(家族社会学)が呼びかけた。ほぼ毎月、助産師や議員、NPO法人関係者などの有志が中心になって、声を上げてきた。 デモは19年4月、東京都で始まり、各地に広がった。きっかけは同年3月に相次いだ性暴力に関する裁判での4件の無罪判決だった。このうち2件が静岡地裁と同地裁浜松支部の判決だ。白井教授は「県内で出た判決もあり、黙っていられない」とデモを始めた。「安心して話せる場、駆け込める場が必要」 3月11日夜にオンラインで…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「なんでできないの」黒板蹴る小1担任、やっと交代 学校の対応遅れ

福岡龍一郎2022年4月4日 8時36分 【宮城】仙台市立小学校の昨年度の1年生の担任教諭が、不適切な指導を繰り返し、教室で授業を受けられなくなる児童が複数出ていたことがわかった。学校から報告を受けた市教委も対応せず、外部からの指摘で今年2月、初めて担任が交代した。 3月29日、保護者会で学校が経緯を説明し、謝罪した。関係者によると昨年4月以降、1年生担任の教諭が算数が分からない児童にいらだち、黒板を蹴った▽教壇にペンを強く置き、ペンが飛んで児童の目に当たりそうになった▽忘れ物をした児童に「なんでできないの」と大声で怒鳴った▽児童を席に座らせようと肩を押さえ、尻もちをつかせるなどしたという。 昨年6月ごろから、教諭におびえた複数の児童が別室での登校を始めた。市教委によると、同9月に学校が「厳しい指導を見た児童が別室登校になっている」と報告。だが、その後も教諭の指導は続いた。 今年2月、外部から市教委に情報提供があり、これを受け担任が交代した。市の担当者は「学校の報告では『厳しい指導』とあり、不適切な指導だと把握できず、対応が遅れた。学校との連携が不十分だった」と話す。今後、教諭への研修を実施し、児童にはスクールカウンセラーによる支援を行うという。(福岡龍一郎)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

戦火追われる若者100人「日本留学を」 日本語学校タッグ、CFも

 国内の日本語学校の有志が「ウクライナ学生支援会」をつくり、戦火が続くウクライナから若者100人を留学生として受け入れるプロジェクトを始めた。滞在費や渡航費などはクラウドファンディング(CF)でまかなう計画で、協力を呼びかけている。 支援会の中心は、大阪市阿倍野区の専門学校で日本語学校を併設する清風情報工科学院だ。これまでに首都圏や関西、静岡、熊本など20以上の日本語学校が参加を表明している。 計画では、短期滞在ビザで日本に入国した若者に各校で日本語を学んでもらう。20代中心で、大学生や大卒者らを想定している。年数十万円の学費は全額~半額を学校側が負担し、滞在費や渡航費などもCFで集めた資金で援助する。 支援会代表で清風情報工科学院校長の平岡憲人さん(55)によると、日本語を話せない留学生でも、食品加工を中心に単純作業のアルバイトなら就労が可能だという。 日本政府はウクライナからの短期滞在者に対し、国内で1年間働ける「特定活動」の在留資格への切り替えを認める方針を示している。支援会は、将来的に日本で働き、暮らしていきたいと思う留学生を受け入れていきたいと考えている。 支援会は3月22日、オンライン会議システムを使った若者らの面接を始めた。4月1日までに7人を面接し、6人を日本語学校で受け入れることが内定した。問い合わせも200件ほど来ているという。 「街が攻撃され、人が死んでいます。早く安全な場所に行きたい」 3月22日に面接したウクラ…この記事は有料会員記事です。残り953文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

津波犠牲の園児遺族、漫画で伝えるあの日の教訓「つらいからこそ」

 東日本大震災で犠牲となった宮城県石巻市・私立日和幼稚園の園児の遺族らでつくる「日和幼稚園遺族有志の会」が、子ども向けの防災冊子を作った。当時の状況や経緯を、わかりやすく漫画で紹介している。 冊子「命を守るために」は、大津波警報の中、高台にある幼稚園から園児を乗せたバスが海に近い住宅地に下りて津波に巻き込まれたことを、四コマ漫画風の絵と、漢字にルビをふった文章で説明。津波火災で焼けたバスと変わり果てた姿の子供たちが見つかったのは、園からわずか300メートルの場所だったことも、盛り込んだ。 バスに乗っていた長女の愛梨ちゃん(当時6)を亡くした佐藤美香さん(47)らが、イラストレーターで防災士のアベナオミさん=多賀城市=に漫画を依頼。幼稚園周辺を一緒に歩き、互いに意見を出し合いながら作った。 背表紙には、「もしもの時の…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

初の「ヒグマ注意報」 被害増加受け対策強化 被害なくても駆除可能

 北海道に春が届き、ヒグマが動き出した。3月31日に札幌市の山中で、ヒグマの冬眠用の巣穴を調査していた専門家2人が襲われ、負傷した。この事故を含め昨年度のヒグマによる人身被害は過去最多。北海道はヒグマ対策を改定し、被害ゼロを目標に掲げ、北の大地に君臨する動物界の王者との共生をめざす。 「ヒグマに襲われ、けがをした」 札幌市西区山の手の三角山で3月31日午後2時半ごろ、市職員から119番通報があった。ヒグマの巣穴があるという情報があり、市環境共生担当課職員と、市が調査を委託したNPO法人職員ら計5人が探していた。 市によると、巣穴をのぞき込んだNPO男性職員が、中にいたヒグマに頭をかまれた。助けようとした別のNPO男性職員も右腕をかまれた。いずれも命に別条はない。ヒグマは斜面を下って逃げた。 翌日、市職員らがハンターに…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

日光の「マス釣りの聖地」 釣り客回復も、続く悩みとは?

 栃木県日光市の中禅寺湖で1日、今季の岸釣りが解禁された。豊富な魚種が人気の「マス釣りの聖地」だが、2011年に起きた東京電力福島第一原発事故の影は晴れていない。 気温が零下だった午前5時。地元漁協による打ち上げ花火を合図に、釣り人たちが暗い中で一斉にさおを振り始めた。 埼玉県行田市から来た会社員の河辺祐也さん(47)は、2日前に現地入りして車中泊しながら解禁の瞬間を待った。国内ではここにしか生息しない大型魚レイクトラウトを、疑似餌のルアーで狙うためだ。解禁日に通うのは3年目という。「中禅寺湖はマス釣り愛好家の憧れの場所なんです」。この日朝、近隣の駐車場は県外ナンバーの車で埋まり、湖畔には釣り人たちが切れ目なく並んだ。 中禅寺湖には、もともと魚は生息していなかったとされる。明治時代以降に欧米人らがさまざまなマス類を放流。避暑に集まった外交官らが釣りを楽しみ、一帯はルアー釣りやフライフィッシングといった西洋式釣りの国内の発祥地となった。レイクトラウトのほか、ブラウントラウトやヒメマス、ニジマスなど多くの魚が釣り人を引きつけてきた。 中禅寺湖は、福島第一原発から直線距離で約160キロ離れた場所にある。原発事故の際、放射性物質が降り注いだ。持ち出し禁止がもたらした影響 12年には、ニジマスやヒメ…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ハイヒール「野良犬と呼ばれ」 トミーズ「1億借金」 吉本の伝説

 「野良犬って呼ばれてたな」。ハイヒールのモモコはそう話す。今年創立40周年のNSC1期生。入った当初、師匠がいない自分たちは吉本芸人の中で異色の存在だった。 4月3日、吉本の創業110周年を祝う特別公演「伝説の一日」の出番後、報道陣の取材に応じた。 ハイヒールは、今年芸歴40年になる。いまや知らない人はいない漫才コンビだが、駆け出しのころは今とは大きく違っていた。 入学したのは1982年、芸能界と一般社会の距離が遠かった。芸人になるには覚悟が必要だった。■父、やすしに直談判…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

初めて目にした12色の光沢 ぺんてるクレヨンがくれた沖縄の空

 街の文房具売り場が「祝入園・入学」の文字に飾られてカラフルな鉛筆やノートでいっぱいになると、横浜市の清水茂美さん(67)は、感謝の気持ちとともに思い出すことがある。 60年ほど前。まだ米国統治下に置かれていた沖縄の宮古島から、さらに船で渡った伊良部(いらぶ)島に暮らしていた。離島のそのまた離島には子どもが多く、通っていた佐良浜(さらはま)小学校は1クラスに50人以上もいた。 家には水道も通っていない。集落の数少ない雑貨屋は、物を買うと、当時発行されていた英字紙「モーニング・スター」で包むのだった。遊び場の原っぱには沖縄戦の機銃弾が無造作に転がり、事故を恐れた大人から「石でたたいたらいかんよ」とよく注意された。そんな貧しい時代だった。 あれは図工の授業だったと思う。ある日、クレヨンのセットが本土の企業から児童一人ひとりに贈られた。のちの「ぺんてる」だ。箱のふたをあけた途端、薄いパラフィン紙の美しさに目を奪われた。その下には、初めて見る光沢が12本並んでいた。 島では絵の具もまだ売られていなかった。級友たちが飛び込む紺碧(こんぺき)の海も、お昼休みに裏山で食べた紫の桑の実も、断崖にへばりつく赤瓦の家並みも。周りはあふれんばかりに色に満ちていたけれど、子どもたちにはそれを表現するすべがなかった。 このクレヨンで何を描こうか――。 思いついたのは、空だった…この記事は有料会員記事です。残り429文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

古川禎久法務大臣がコロナ感染 ポーランド訪問取りやめ療養中

 法務省は3日、古川禎久法相が新型コロナウイルスに感染したと発表した。 3月31日に同居家族の感染が判明し、濃厚接触者となった古川氏は全ての公務を中止していた。3日午前に抗原検査を受けたところ、陽性が判明。現在は在宅療養中で、発熱などの症状はないという。公務復帰は4月中旬になる見込み。 古川氏はウクライナから逃れた人たちの受け入れに向けて1日から予定していたポーランド訪問も取りやめ、林芳正外相が代わりに派遣されている。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

人気のボートを買ってみたら詐欺だった 消えた「仲介者」その手口

 ネット上で、個人間で中古船の売買が出来るサイトを通じて、購入希望者が船の代金や手付金名目で現金をだまし取られる被害が関東、中部、四国、九州などで相次いでいることが、関係者や警察への取材でわかった。福岡県警などが詐欺事件として捜査している。 福岡県の男性(38)は昨年12月中旬、趣味の魚釣りに使う船を探していたところ、このサイト上に人気のフィッシングボートが380万円で出品されているのを見つけた。相場は800万~900万円するもので格安だった。すぐに記載された連絡先に電話をすると、「仲介者」を名乗る男が出た。 「なんでこんなに安いんですか?」。こう尋ねると、男は「所有者は年末なので、仕事でお金が必要なんですよ」と答えた。 男の説明によると、所有者は…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル