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叔父を車の下敷きに、保険金狙い事故偽装か 殺人容疑でおいを逮捕

 福岡県うきは市で今年4月、事故を装って叔父を殺害したとして、福岡県警は6日、住居不定、会社役員の松成英一郎容疑者(54)を殺人容疑で逮捕し、発表した。松成容疑者は約1500万円の保険金を受け取っており、県警は保険金目的とみている。認否は明らかにしていない。 発表によると、松成容疑者は4月1日午後8時過ぎ、うきは市内の駐車場で、叔父の運送会社員、西村一敏さん(当時64)=大分県日田市=の上半身などを軽乗用車で複数回ひき、殺害した疑いがある。 西村さんは翌2日午前6時45分ごろ、うつぶせで車の右前輪の下敷きとなった状態で死亡しているのが発見された。司法解剖の結果、2日午前2時ごろに外傷性ショックで死亡したとみられる。保険金目的、事故を偽装か 松成容疑者は西村さんが勤める運送会社の代表取締役で、日田市内で保険代理店も経営。西村さんは昨年6月に松成容疑者の勧めで生命保険に加入し、捜査関係者によると、死後、保険金約1500万円が松成容疑者に支払われていた。また1千万円以上の自動車保険にも加入しており、松成容疑者が受け取りの手続きを進めていたが、こちらは支払われていないという。 松成容疑者には借金があったといい、県警はこれらの保険金の受け取りについても、詐欺容疑などで調べている。 松成容疑者は通行人が遺体を見つけたすぐ後に現れ、会社役員の弟とともに西村さんの車を遺体の上から動かした。県警には逮捕前、「この時以外は現場に行っていない。事故死だと思っている」と説明していたという。県警は、松成容疑者が事故死を偽装しようとしたとみている。 県警は6日、うきは署に74人体制の捜査本部を設置した。 西村さんの遺体は、軽乗用車の前輪に肩付近を踏まれた状態で見つかった。発見した男性によると、車のボンネットは開き、バックランプが点灯。後輪にはブロックが置かれ、近くに懐中電灯や携帯電話が落ちていたという。不自然な状況、次々と このため、当初は車の不具合などにより西村さんが車体の下をのぞいた際、何らかの拍子に動き出した車にひかれた可能性もあるとみられた。現場の駐車場は大分県境に近い山間部の国道沿いにあり、周辺に民家や防犯カメラもなかった。 しかしその後、不自然な点が…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

関電旧経営陣、争う姿勢 金品受領訴訟で株主側「不正を徹底追及」

 関西電力の役員らが、関電の原発が立地する福井県高浜町の元助役(故人)側から多額の金品を受け取るなどした問題で、関電と株主が森詳介元会長ら旧経営陣6人に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が6日、大阪地裁であった。旧経営陣側は、請求を棄却するよう求める答弁書を提出し、争う姿勢を示した。 関電は、金品の受領を取締役会に報告しなかったことが取締役としての注意義務に違反する、と主張。東日本大震災後の電気料金値上げに伴いカットした役員報酬の一部を、退任後に嘱託報酬の形で補塡(ほてん)することを旧経営陣が決めたことも「法令や社内手続きに違反しないようにする義務」に違反したとしている。 一方、株主側は、旧経営陣の報告手続きだけではなく、金品受領そのものが違法であり、役員報酬の補塡自体が「利用者への詐欺的行為」と主張している。 これに対し、旧経営陣側は「(受け取った金品は)預かり保管していただけ」などと説明。役員報酬の補塡は「業務の正当な対価だった」と反論した。 この日の弁論で、株主の一人が意見陳述し「社会的な常識からかけ離れた思考回路で会社の経営方針が決められてきたことが問題だ」と訴えた。(森下裕介、松浦祥子、浪間新太)株主側弁護団「関電のストーリー崩すのが仕事」 この日の法廷では、別の訴訟で争っている関電側(現経営陣ら)と株主側がそろって原告席に並んだ。関電は旧経営陣を、株主側は現旧経営陣の責任を問う訴訟を起こしていたが、旧経営陣に損害賠償を求める部分では同じとみた大阪地裁が、一部を併合して審理すると決めたためだ。 口頭弁論の後、記者会見を開いた株主側弁護団の井戸謙一弁護士は、旧経営陣が金品を受け取ったこと自体の違法性を関電が追及していないことを問題視。「そのストーリーを崩すのが我々の仕事だと思っている」と述べ、関電の責任追及が甘いとの認識を示した。 金品受領や役員報酬を巡り、森元会長ら9人は会社法の収賄や特別背任などの容疑で市民団体から刑事告発されている。大阪地検特捜部が昨年10月に受理し、今年3月以降、元役員らを任意聴取するなど捜査を進めている。 市民団体は同日、大阪地検を訪れ、起訴するよう申し入れた。株主代表訴訟と市民団体の両方で代理人を務める河合弘之弁護士は「刑事でも民事でも不正を徹底的に追及し、関西電力をまともな会社にしたい」と語った。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

赤木雅子さん、首相に直筆手紙 財務省の公文書改ざん「再調査して」

森下裕介2021年10月6日 22時55分 学校法人森友学園(大阪市)の国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、改ざんに関与させられ自死した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻・雅子さん(50)が6日、岸田文雄首相に再調査を求める直筆の手紙を首相官邸宛てに郵送した。雅子さんの代理人弁護士が明らかにした。 財務省の公文書改ざん問題をめぐっては、同省が2018年6月、調査報告書を公表。改ざんを命じられた近財の職員に「反発」や「強い抵抗感」があったとしたが、本省からの改ざんの指示に関する詳細なやりとりは記されず、野党が再調査を繰り返し求めてきた。 雅子さんは手紙で、「夫は改ざんや書き換えをやるべきではないと本省に訴えています。それにどのように返事があったのかまだわかっていません」と指摘。岸田首相に対し「夫が正しいことをしたこと、それに対して財務省がどのような対応をしたのか調査してください」と求めた。(森下裕介)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

安田純平さんの名誉を毀損 「WiLL」の出版社に33万円賠償命令

村上友里2021年10月6日 20時32分 フリージャーナリストの安田純平さん(47)がシリアで武装勢力に拘束中、月刊誌「WiLL」の記事で人質ビジネスに加担していたかのように示されたとして、出版した「ワック株式会社」(東京)に330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が6日、東京地裁であった。五十嵐章裕裁判長は「安田さんの会見以外に取材した様子はなく社会的評価を低下させた」と名誉毀損(きそん)の成立を認め、同社に33万円の支払いを命じた。安田さん「妥当な判決だが・・・」 判決によると、ワック社は2018年に発行した「WiLL」の記事で、安田さんが15年から3年以上拘束されたことについて「中東でよく行われている人質ビジネスでは?と邪推してしまう」などと指摘。判決はこの記事が「身代金名目で金銭を得る側に安田さんが加担していたことを黙示的に示した」と説明し、安田さんの名誉を毀損したと認めた。 安田さんは「被告は真実性の説明すら放棄しており妥当な判決だが、賠償金額が低すぎるため誹謗(ひぼう)中傷に対する抑止効果が望めない点で残念と言わざるを得ない」とコメント。ワック社は「現段階ではコメントを控える」としている。(村上友里)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

桜夕食会の領収書「元秘書が複数年にわたり処分」、検察審査会が指摘

金子和史2021年10月6日 21時26分 安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」の前日にホテルで開いた夕食会をめぐり、東京第五検察審査会は、ホテルが発行した領収書を保存しなかったなどとする政治資金規正法違反容疑で元秘書ら2人を不起訴とした東京地検特捜部の処分について、「不起訴不当」と議決した。これを受け、地検は再捜査する。同法違反容疑で同じく不起訴だった安倍氏は「不起訴相当」とした。議決は9月15日付で、6日に公表した。 議決書は、安倍氏が代表を務める資金管理団体「晋和会」の会計責任者だった元秘書が「領収書を処分した」と指摘。ホテルから領収書を受け取りながら、廃棄していた実態が新たにわかった。 夕食会をめぐっては、特捜部はホテルとの契約状況から「安倍晋三後援会」が開催したと判断。一方でホテルが発行した領収書の宛名は「晋和会」となっていた。 特捜部は3月、①後援会の代表だった元公設第1秘書が領収書を保存する義務に反した②晋和会の会計責任者だった元秘書が領収書を後援会に送付する義務に反した――などとする同法違反容疑の告発について、いずれも不起訴処分とした。 これに対し議決書は、この領収書について「元秘書が複数年にわたって処分していた」と指摘。元公設第1秘書が夕食会の費用を収支報告書に記載しなかったなどの事情をふまえ、「元公設第1秘書は、元秘書らが領収書を適切に保存していない可能性を認識していたと考えられ、(元秘書との間に)共謀があったと疑われる」と説明。領収書が処分された経緯や共謀関係の「捜査が不十分だ」と結論付けた。 議決を受けた再捜査で、仮に地検が再び不起訴とした場合、検審の1度目の議決が「起訴相当」ではないため、強制起訴の可能性がある2度目の審査は行われない。 領収書をめぐっては、野党が安倍事務所に対し領収書や明細書の提出を求めたが、事務所は再発行が難しいなどと応じていない。 議決を受け、安倍氏は「当局の対応を静かに見守りたい」とのコメントを出した。(金子和史)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

崩落の水管橋、4本のつり材に破断を確認 連結部で腐食進んだか

下地毅、滝沢貴大2021年10月6日 21時30分 和歌山市の紀の川に架かる六十谷(むそた)水管橋が崩落し、市内約6万世帯で断水が続いている問題で、水管橋のアーチから水道管をつっている鋼管製の「つり材」4本が切れているのが見つかった。尾花正啓市長は6日の会見で「落橋の原因の一つと考えられる」と話した。 全長546メートルの六十谷水管橋には七つのアーチがあり、北側から四つ目のアーチ部分が崩落した。市が6日朝に橋の残った部分をドローンで撮影したところ、崩落部分の一つ北側のアーチで18本あるつり材のうち4本に破断が見つかった。 市によると、破断はいずれもつり材の部材の連結部で見つかった。連結部には鳥のフンのほか海水の塩分や雨水がたまりやすいため、腐食が進んだと考えられるという。 また、水を通しているときの水管の重さは1千数百トンに達するが、通水していない現在は、橋の残った部分が崩壊する恐れは低いとしている。 市は毎月、約40メートル離れた六十谷橋から目視で点検しているが、主に漏水を調べる目的だった。今年5月には水管橋の上を職員が歩いて点検したが、破断している部分は通路から高さ3・5メートルの位置にあり、気づかなかったという。尾花市長は「検査が甘かったと言わざるを得ない」と述べた。今後はドローンを導入したり検査の項目を増やしたりする考えを示した。 土木・建築工学が専門の神戸大学大学院の鍬田泰子准教授は「一カ所でもつり材が切断していれば、それによって設計時の荷重バランスが崩れる。ほかのつり材の破断にも影響し、衝撃的な崩壊につながると考えられる」と話す。 市は6日午前から県道の六十谷橋に水道管のうかい路をつくる仮復旧工事を始めた。8日中の完成をめざしている。(下地毅、滝沢貴大)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

母が出廷「娘を返して」、被告に懲役20年求刑 熊大研究員殺害

屋代良樹2021年10月6日 18時09分 熊本市で昨年9月、熊本大学の特定事業研究員の女性(当時35)を殺害したなどとして殺人と死体遺棄の罪に問われた住所不定、無職熊谷和洋被告(68)の裁判員裁判が6日、熊本地裁(平島正道裁判長)であり、検察側は懲役20年を求刑した。判決は8日に言い渡される。 起訴状によると、熊谷被告は昨年9月6日、当時住んでいた熊本市中央区本荘3丁目の自宅の集合住宅出入り口付近で、女性の首をひものようなもので絞めて殺害し、近くの側溝に遺体を遺棄したとされる。 検察側は論告で、首を絞められた遺体の状況から「強い殺意があった」と指摘。熊谷被告が被告人質問で「口をふさごうとした」と話したことについては「口やほおにひもでしめられた痕がなかった」と反論し、これまでの熊谷被告の供述についても「不合理で信用できない点が多く、真摯(しんし)な反省が認められない。犯行に至る経緯、動機に全く同情の余地はない」と述べた。 弁護側は起訴内容について「争わない」と改めて認め、「マスクを開発して(研究室に)寄付したいので、デザインを考えてほしい」といった被告のうそが発覚したことで女性から非難されたため、「黙らせるために無我夢中で犯行に及んだのであり、人の命を軽視したわけではない」と主張。謝罪と反省をしており、「とっさの犯行」で計画性がないとして、「懲役15年が相当」と述べた。 女性の母親も被害者参加制度を利用して出廷した。女性は熊谷被告からマスク開発などの話を持ちかけられていると、家族に伝えていたという。一人娘だったといい、「小さいころからアメリカでウイルスの研究がしたいと夢見て、研究員としての道を歩み始めたというのに。なぜ殺されなければならなかったのか」「娘はこれから親孝行すると言っていました。そんな娘を返してください。犯人には死刑を望みます」と語った。 熊谷被告は閉廷まで姿勢を変えず、目を閉じていた。最終陳述で「本当に申し訳ないです。これから償っていきたいと思います」と小さな声で話した。(屋代良樹)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「摂津市の判断甘かったのでは」 3歳男児死亡で大阪府が検証部会

野崎智也、山本逸生2021年10月6日 18時20分 大阪府摂津市で新村桜利斗(おりと)ちゃん(3)が全身やけどで死亡し、母親の交際相手の松原拓海(たくみ)容疑者(24)が殺人容疑で逮捕された事件を受け、市や府児童相談所の対応を検証する府の有識者部会の初会合が6日開かれた。虐待が疑われる情報がありながら市が踏み込んだ対応をとらなかったことについて、「判断が甘かったのでは」との意見で一致したという。 府の児童虐待事例等点検・検証専門部会は元家庭裁判所調査官や精神科医、弁護士ら5人の構成で、元児相職員の才村純・東京通信大教授(児童福祉)が部会長に互選された。 議事は非公開。会合終了後の府の説明によると、府と摂津市の担当者が事件の経緯を説明した。 市と児相は2019年3月の時点で桜利斗ちゃんの母親について中度のネグレクト(育児放棄)と評価し、市が支援を続けてきた。松原容疑者が今年5月に同居を始めた後、母親の知人らが虐待を懸念する情報を市に寄せたが、市と児相は母子が在宅のまま支援する方針を変えなかった。 会合後に取材に応じた才村部会長は「市の判断が甘かったのではないかというのが委員の共通した意見だった」とした上で、「リスク評価や情報共有のあり方について、具体的に提言していきたい」と話した。会合は今後4回程度開き、来年1月に報告書をまとめる。(野崎智也、山本逸生)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

滋賀で豚2頭死ぬ、豚熱か 1400頭殺処分へ 県で2019年以来

奥平真也2021年10月6日 18時30分 滋賀県は6日、同県近江八幡市の養豚場で飼育していた豚に、豚熱(CSF)の疑いがあると発表した。農林水産省が遺伝子解析をしており、豚熱と確定すれば、県はこの養豚場が飼育している約1400頭を殺処分する。 県によると、5日午前11時15分ごろ、養豚場から「子豚2頭が死に、他の豚もやせ、元気がない」と県家畜保健衛生所に連絡があった。県がこの2頭と周囲にいた10頭の計12頭を検査すると、死亡した2頭を含む11頭が陽性だった。 殺処分した場合、豚は養豚場の隣接地に埋める予定。8日までの3日間で県職員延べ約570人を動員する。滋賀県内の養豚場での豚熱発生は2019年2月に続いて2回目。(奥平真也)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

クワガタ名人が広げる昆虫食 「へぼ」食文化の岐阜に自販機お目見え

 食糧問題を解決する手段の一つとして注目される昆虫食。今月、岐阜市内にコオロギやバッタ、ゲンゴロウなどの昆虫食の自動販売機が登場した。設置した昆虫販売店経営、野平英一郎さん(57)は「岐阜の山間部では元々食べていた。自販機で身近に味わってもらい、地球環境などを考えるきっかけになれば」と話している。 野平さんは、岐阜市日野北6丁目で昆虫販売店「くわがた村」を営む。自ら採取したオオクワガタなどの昆虫を販売するほか、昆虫採集や飼い方のワークショップなどを開いている。 昆虫食を通して昆虫に関心を持ってもらおうと、長崎県佐世保市で昆虫食を生産する「はまる食品」の協力で店の前に自販機を設置した。同社によると、自販機の設置は国内で約20カ所目で、東海地方では初めてという。 コオロギやバッタ、イナゴの素揚げ、乾燥させたもの、コオロギのパウダーを10%練りこんだクッキーなど計10品を、いずれも千円(税込み)で販売。1袋には、昆虫の種類により10~20匹ほど(6~10グラム)が入っている。昆虫は主にタイなど東南アジアから冷凍で輸入し、国内で「日本人の舌に合うように」加工しているという。 1日にあった設置イベントには、ご当地タレントの2人が昆虫食を自販機から買い求め、試食した。素揚げのゲンゴロウを口にした塚本明里さん(31)は「硬めのエビフライの尻尾のよう。香ばしくておいしい」。宮木梨花さん(23)は「友だちと食べたら盛り上がりそう」と話した。 鹿児島県出身の野平さんは…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル