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女子高校生にみだらな行為した疑い 札幌市児相職員を逮捕

2021年9月15日 22時30分 女子高校生にみだらな行為をしたとして、北海道警札幌東署は15日、札幌市児童相談所職員の藤森柊(しゅう)容疑者(24)=札幌市東区=を北海道青少年健全育成条例違反(淫行)の疑いで逮捕し、発表した。藤森容疑者は上司に付き添われて署に自首したという。 署によると、藤森容疑者は8月25~27日、SNSで知り合った高校生の女子生徒(16)が18歳未満と知りながら、生徒宅で2回にわたりみだらな行為をした疑いがある。容疑を認めているという。 児相によると、藤森容疑者は児童や家庭の相談に乗ったり、家庭環境の調査をしたりする業務を担当していた。11日に自らの行為について上司に打ち明けたという。 札幌市の山本健晴・児童相談所担当局長は「児童相談所は率先して児童の健全育成に全力を挙げなければならないにもかかわらず、信頼を大きく裏切る事件を引き起こしたことは痛恨の極み」との談話を出した。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「事前にハンマー購入、事件後に着替え」女性殺害容疑の大学生が供述

会員記事大村久、榎本瑞希2021年9月15日 22時52分 佐賀県鳥栖市で起きた女性殺害事件で、殺人容疑で逮捕された長崎大学4年の山口鴻志(こうし)容疑者(25)が「事件後に服を着替えた」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。目撃者を気にした可能性がある。「福岡市内で中古のハンマーを購入した」と供述していることも新たにわかった。 捜査関係者によると、山口容疑者は事件当日の10日、宿泊先の福岡市からタクシーで鳥栖市へ向かった。事件後、再び福岡市へ向かう途中、着ていた服を着替えたという。着替えた服は鳥栖市外の場所に置いたと供述。佐賀県警が供述通りの場所で発見し、押収した。 また山口容疑者は事件当日、鳥栖市へ向かう前に福岡市内で中古のハンマーを購入したと供述。逮捕時、「ハンマーで(被害者を)複数回殴った」と供述し、実際にリュックの中にハンマーを所持していた。県警は購入、所持していたハンマーが凶器に使われた可能性があるとみて、鑑定を進めている。被害者の大塚千種さん(79)は頭部を複数骨折していたという。 事件前日の9日午後9時40分ごろには、山口容疑者の住む長崎市のマンションでぼや騒ぎがあったことも判明した。4階の山口容疑者の部屋は当時鍵がかかっており、ベッドなどが燃えた跡があったという。長崎県警は放火の疑いもあるとみて調べている。 佐賀県警によると、山口容疑者は、ぼや騒ぎがあった9日のうちにJRなどで福岡市に移動して宿泊。翌10日、タクシーで鳥栖市に向かい、同日午後1時ごろ、大塚さんの頭部を鈍器で複数回殴り、殺害した疑いがある。 山口容疑者はその後再び福岡市に戻り、その後大分市に移動したとみられるが、詳しい足取りはわかっていない。13日昼になり、大分中央署に自首した。 逮捕時、山口容疑者の所持金は1万円に満たなかったという。(大村久、榎本瑞希)■土日の解剖 可能か照会せず…この記事は会員記事です。残り353文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

診断書がなく障害年金申請できず 国の対応「違法」 高裁金沢支部

平川仁2021年9月15日 20時00分 診断書がないことを理由に障害年金の申請を認めなかったのは違法だとして、身体障害のある藤田菊雄さん(78)=石川県宝達志水町=が国に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が15日、名古屋高裁金沢支部であった。蓮井俊治裁判長は、国の対応を「違法」と判断。請求を棄却した一審・金沢地裁判決を変更し、約27年間分の年金相当額を賠償するよう国に命じた。 控訴審判決によると、藤田さんは生後まもなく右手指を失った。1988年11月ごろ、身体障害者手帳を持参し、社会保険事務所で障害年金を申請しようとしたが、窓口担当者から「手帳は関係ありません」などと言われ、申請書類を渡してもらえなかった。当時の国民年金法施行規則には「(申請時は)初診日を明らかにできる書類を添付すべき」と定められていた。 一審判決は「初診日を明らかにできる診断書などを持参できなかった原告に対して申請書類を渡さなかったとしても、直ちに法令違反とはいえない」とした。 これに対し、蓮井裁判長は、手帳を見れば遅くとも11歳までに障害を負ったことなどは分かったと指摘。診断書がなくても、申請書類や手帳などがあれば、手続きはできたとし「誤った法令の解釈に基づいて申請を妨げ、国家賠償法上違法だ」と判断した。 訴訟で国側は、2015年の厚生労働省通知までは、診断書などがなければ申請は受け付けられなかったとし、窓口担当者の対応は適切だったと主張していた。藤田さんのように診断書がなく、申請が認められなかったケースはほかにもあるとみられ、控訴審判決が影響する可能性がある。 判決後、取材に応じた藤田さんは時折涙をぬぐいながら「感無量です」と繰り返した。同じように窓口で追い返された人たちがいるとして「福祉の窓口には、もっと温情があるべきだ」と語った。 厚労省の担当者は取材に「主張が認められず、厳しい判決。上告について関係省庁と協議し、適切に対処する」と話した。(平川仁)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「だまされていませんか?」「ちゃうわ」 ATM前、説得の行方は

大阪府警泉佐野署で感謝状を受け取る狭間富博さん=2021年8月30日、大阪府泉佐野市 8月の月曜の昼下がり。大阪府泉佐野市の商業施設のATMで、会社員の狭間(はざま)富博さん(49)は現金をおろしていた。 隣のATMでは、高齢の男性が誰かと電話しながら画面を操作していた。会話の内容は聞き取れなかったが、どうやら手続きがスムーズに進んでいないらしい。 見回すと、順番待ちをしていた人たちが、「おじいさん、大丈夫かな」といった表情を浮かべて男性の後ろ姿を見ていた。 高齢者、電話、ATM……。ニュースでよく報じられる特殊詐欺だろうか。考えを巡らせていると、男性の後ろに並んでいた女性と目が合った。よし、声をかけてみよう。 「すみません、だまされていませんか」スマホで話す男性(写真はイメージ) 肩をつついて問いかけると、男性は振り向いて電話を中断し、不機嫌そうに答えた。 「ちゃうわ。お金をもらう方や」 違和感を覚えた狭間さんは電話を代わるよう頼み、スマートフォンを受け取った。 画面には「070」で始まる番号。電話口の男は大手銀行の「お客様サポート」を名乗り、「詐欺じゃないかとよく間違えられるんです」と愛想良く説明した。 狭間さんは、やはり詐欺だと確信し、「本当なら銀行の固定電話からかけ直してくれませんか」と求めた。すると、電話は切れた。 ほっとしたのもつかの間、今度は「もうちょっとでお金がもらえたのに、何してくれんねん」と男性が詰め寄ってきた。さらに、警察署に電話をかけ、「隣の人に邪魔されて金を受け取れませんでした」と訴えた。大阪府警泉佐野署=大阪府泉佐野市上町2丁目 ところが、電話口の警察官も、繰り返し詐欺だと男性に説得したようだった。男性は次第にうなだれ、最終的には「そうなんですか」と事態を受け入れた様子だった。 まもなく、警察官が到着した。狭間さんは状況を説明して、その場を去った。 府警によると、男性が受けた電話は特殊詐欺の一種で、「還付金詐欺」と呼ばれる手口の典型例。犯行グループが高齢者宅に電話をかけ、納めた税金や保険料の一部が戻ってくるとうそを言ってATMに誘導し、巧妙な話術でだまして大金を送金させるものだ。 男性は「医療費が9万9千円戻る」と持ちかけられ、信じ込んでいたという。JR高槻駅のATM前で、通行人に特殊詐欺への注意を促す高槻署員=2020年11月9日、大阪府高槻市、茶井祐輝撮影 数日後――。 仕事が休みだった狭間さんに、職場の上司から電話がかかってきた。 狭間さんが渡した名刺を頼りに、男性が菓子折りを持って、助けてもらったお礼を言いに来たという。狭間さんは「わかってもらえて良かった」と一安心した。 泉佐野署の林秀樹署長は8月30日、被害を防いだ狭間さんに感謝状を贈った。感謝状を受け取った狭間富博さん(中央)。右は大阪府警泉佐野署の林秀樹署長、左は遠藤彰副署長=2021年8月30日、大阪府泉佐野市、茶井祐輝撮影 狭間さんは、大手家電量販店の「白モノ」担当のベテラン販売員。「見ず知らずの人に話しかけるのは慣れています。通報されたときは『ちゃうちゃう』と焦りましたけど」と苦笑いを浮かべて振り返り、「今後も同じような場面に遭遇したら、じゃんじゃん声をかけていきたいです」と話した。(茶井祐輝)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

コロナ対策の持続化給付金 不支給取り消しを 全国89事業者が提訴

村上友里2021年9月15日 20時00分 新型コロナウイルス対策の持続化給付金をめぐり、要件を満たすのに不支給の決定を受けたとして、全国の個人事業主や中小企業の89事業者が15日、国に決定取り消しや不支給となった給付額相当の計約9千万円の損害賠償を求める訴えを、東京地裁に起こした。 持続化給付金は、事業に継続性があり、前年同月比で売り上げが半減した場合に支給される。訴状によると、原告は昨年9月以降、税理士を通じて確定申告書などの必要書類を提出したが、理由も明かされないまま不支給となったという。原告「お金より不公平さ訴えたい」 申請手続きの中では、振り込みが分かる通帳の写しなどの追加提出を求められたが、収入を現金で受け取っている事業者は用意できなかった。原告側は「追加資料は本来必要ない。要件を満たすのに不支給決定をしたのは法の適用を誤っており違法」と訴えている。 原告側は、給付金事業の事務局が同月に交代したのを機に不支給決定が急増したとも指摘。それまでは原告と同じ取引先から収入を得ている事業者が支給決定を受けた場合もあるといい、法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると主張している。 原告の一人で提訴後に会見した飲食店経営の山田晃靖さん(36)=愛知県=は100万円を申請したが、認められなかった。山田さんは「必要な書類をそろえたのにどうして不支給なのか理由も分からない。お金よりも不公平さを訴えたい」と強調。「国の要請に従って真面目に営業を自粛し、売り上げは赤字になった。国にはきちんと補塡(ほてん)してほしい」と求めた。弁護団は「不正受給は許されないが、支給されるべき人が支給されないのはより許されない」と語った。 中小企業庁は「訴状が届いていないのでコメントは控える」とした。(村上友里)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

だんじりから転換 百舌鳥八幡宮の歴史彩るふとん太鼓の魅力を後世に

冊子を手にする藤木博則さん、工藤俊之・名誉宮司、柴原博一さん(左から)。マスクは撮影時のみ外してもらいました=堺市北区、井石栄司撮影 世界遺産の百舌鳥(もず)・古市古墳群(大阪府)の大山古墳(伝仁徳天皇陵、堺市)そばに位置する堺市北区の「百舌鳥八幡宮」と八幡宮の祭り「ふとん太鼓」を紹介した冊子「伝承 堺 百舌鳥八幡宮月見祭」が完成した。18、19日に予定されていた祭りはコロナ禍で中止となったが、執筆した氏子らは「この機会に神社や祭り、地域のことを知ってもらえれば」と話す。境内には樹齢800年とされるクスノキもあり、歴史を感じさせる=堺市北区、井石栄司撮影 大山古墳の南東に位置する八幡宮は540年ごろの創建とされ、平安時代は石清水八幡宮(京都府八幡市)の別宮として栄えた。亀山天皇の皇孫がお参りするなど皇室の信仰を集めただけでなく、室町時代は大内義弘、江戸時代は幕府の大坂城代ら、武家も信仰した。2010年の祭り。「ベーラ、ベーラ、ベラ、ショ、ショイ」のかけ声と共に練る百舌鳥赤畑町のふとん太鼓 百舌鳥八幡宮の祭りは、月見祭と呼ばれ、300年の伝統がある。旧暦8月15日の中秋の名月にあわせて毎年9月ごろに開催。見せ場は地元9町の氏子が担いで練り歩くふとん太鼓だ。ふとん太鼓は、台座の上部に朱色のふとんを逆ピラミッド状に5段積み上げているのが特徴。彫刻が施されている部分には高価な黒檀(こくたん)や紫檀(したん)を用い、堅い材質で彫るのに手がかかるが、合戦や神話などの歴史的場面をきめ細かに彫ってある。2004年の祭り。勇壮に境内を練り歩くふとん太鼓 重さは2トンほどあり、それぞれの町の氏子が交代要員も含めて100~500人程度で町自慢のふとん太鼓を担ぎ、華を競う。その様子を見ようと、延べ十数万人が詰めかける祭りだが、昨年と今年はコロナ禍で中止となった。2002年の祭り。境内を勇壮に練り歩くふとん太鼓お値段は「1億数千万円」記事後半では朝日新聞社のデータベースに残る1960年代、70年代の祭りの写真を織り交ぜながら、八幡宮やふとん太鼓の歴史、百舌鳥の地名の由来、ふとん太鼓のお値段などを紹介します。 冊子を作ることになったのは…この記事は会員記事です。残り1068文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「通算5年」で雇い止め 安定した仕事と思っていたが…

 3月下旬、横浜地裁川崎支部の第1号法廷。原告の男性(当時40)は席に座ると、目をつぶって胸の高鳴りを抑えた。この1週間、不安と緊張で眠りが浅い。 裁判長から告げられた判決は、「請求をいずれも棄却する」。 男性は冷静になるよう自らに言い聞かせて、直後の記者会見で宣言した。「納得できない。控訴してたたかっていきたい」 裁判の相手は、大手運送会社の日本通運。かつての勤め先だ。 男性はもともと父親が経営する建築系の会社で働いていたが、経営破綻(はたん)し、ITベンチャーなどを転々としていた。登録した派遣会社に「派遣先で社員になれる可能性がある」と勧められ、2012年に事務職で派遣されたのが日通の支店だった。翌年から日通に直接雇われ、1年間の契約社員になった。「やっと安定した仕事につけた」と喜んだ。 その後も契約の更新を重ねて…この記事は有料会員記事です。残り951文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

24年後に子どもが消える村 あえて大量採用、生き残り戦略の成否は

 地方で進む人口減少への危機感から、政府は「地方創生」を看板政策に掲げた。それから7年、東京一極集中の是正を目指し、多額の予算を費やしたが、地方から首都圏への流出はやまない。「日本社会の縮図」とも言える「先進地」で課題を考えた。若者が流出、最寄りのスーパーは車で1時間 紀伊半島の急峻(きゅうしゅん)な山々に囲まれた奈良県上北山村は、面積の97%を山地が占める。村の学校は小中学校が一つだけ。路線バスは1日往復1本で、高校に進む子は、親元を離れて寮や下宿に入らざるを得ない。 「わかっていたけど、寂しかった」。民宿経営の小谷雅美さん(46)は、昨年春に約100キロ離れた生駒市の高校へ長男を送り出した時を思い出した。 村を離れた若者のほとんどは戻ってこない。村には役場くらいしか安定した働き口がないからだ。 人口は現在約480人。基幹産業の林業が衰退し、平成の30年間で半減した。6年前の村の見立てよりも100人ほど下回った。 中でも若い世代の減少が深刻だ。国立社会保障・人口問題研究所の予測では、村の人口は2045年に122人まで減り、全国で唯一、19歳以下の人口がゼロになる見通しとなった。 地域の衰退も進む。多様な生鮮食料品を扱う店は村に3軒しかなく、店主はみな高齢に。最寄りのスーパーは村外にあり、車で1時間以上かかる。コロナ禍で地域の行事もほぼなくなった。 地域社会を維持するには若者を村に残すか、移住してもらう必要がある。そこで村は、6年前に閉鎖した温泉宿泊施設の再生を決めた。当てにしたのが、政府の「地方創生」だった。改修費約6億3千万円の多くを国の交付金でまかない、昨年6月に開業した。 スタッフ11人は20~50…この記事は有料会員記事です。残り1306文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

映画「復活の日」を南極で見た、どちらが危険?隔絶された別世界

 「緑、見えた?」「見えたような……気がする」 2020年2月、南極の夏の白夜も終わり、太陽が沈む季節になると、日没を狙ってカメラを構える数人の隊員たちと私。こんな光景が何日も繰り返された。 夕日が沈みかけ、最後の陽光が地平線に消える瞬間、緑に光る「グリーンフラッシュ」を狙う。目で見えてもカメラがとらえる光や色は違うので、うまく撮れない。国内でも見られる現象だが、空気がすんだ南極は見られる条件もいい。9月25日 南極記者サロン南極の自然、地球の過去から現在、未来を探る観測について聞いてみたいことはありませんか?オンラインイベント「南極のこと、いろいろ聞いちゃおう!」で南極スペシャリストと極地記者が皆様の質問に答えます。生出演して質問したいお子さまも募集します。25日(土)午後2時から、参加無料。お申し込みはサイト(https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11005556別ウインドウで開きます)またはQRコードから。 寒さだけではなく、太陽が出ている時間や高さの変化で季節のうつろいを鮮烈に感じる。一日一日、冬に向かっているのがわかる。 そんな折、「南極で最高気温18・3度」とニュースがネットに流れた。友人から「すごいね」、東京本社社会部からは「昭和基地は? 温暖化で何か書くことない?」とメールが来た。私の返事は「いえ、ここでは特に何も」。 というのも2月6日、南米南…この記事は会員記事です。残り921文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

池袋暴走、飯塚幸三被告が控訴見送りの意向 禁錮5年の実刑確定へ

新屋絵理2021年9月15日 12時38分 東京・池袋で2019年4月、暴走した乗用車で母子が死亡するなどした事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三被告(90)が禁錮5年の実刑とした東京地裁判決を受け入れ、控訴しない意向を関係者に伝えたことがわかった。 飯塚被告と15日に面会した加害者家族を支援するNPO法人の理事長によると、被告は「遺族や被害者に申し訳ない」「判決を受け入れ、罪をつぐないたい」と話したという。控訴期限は16日で、検察側は控訴しないとみられるため、実刑判決が確定する見通しとなった。 2日の東京地裁判決は、ブレーキとアクセルのペダルの踏み間違えはなかったとする飯塚被告の主張を否定し、「アクセルを最大限踏み込み続けた。ブレーキは踏んでいない」と認定した。車が暴走したとの主張も「異常をうかがわせる事情は一切ない」と退けた。禁錮刑と懲役刑の違いは? そのうえで「ペダルの的確な操作は、年齢にかかわらず等しく求められる最も基本的な注意義務。過失は重大だ」と述べ、執行猶予の付かない実刑判決を導いた。過失を認めない飯塚被告については「事故に真摯(しんし)に向き合っていない」と批判した。 飯塚被告は逮捕されずに在宅のまま起訴されたため、判決が確定した段階で刑務所に収容される。刑事訴訟法では、70歳以上の被告に実刑判決が確定した場合、刑の執行で著しく健康を害する際などに執行を停止できるとの規定もある。ただ、法曹関係者によると「年齢だけで執行停止になるケースは少なく、健康状態を考慮する」という。 禁錮刑は、懲役刑と違って刑務作業の義務がない。検察統計によると、16~20年に確定した禁錮判決は1万5231件。このうち執行猶予がつかずに実刑となったのは286件(1・9%)で、禁錮3年超の実刑は27件(0・2%)だった。(新屋絵理)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル