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地震に備え、自衛隊や海保参加し防災訓練 北海道花咲港

大野正美2021年9月7日 21時00分 千島海溝沿いの巨大地震で津波被害が懸念される北海道根室市の花咲港で7日、自衛隊の掃海艇やヘリコプター、海上保安庁の巡視艇などが参加する大規模な防災訓練が行われた。 津波の高さが最大18メートルになると道が想定する巨大地震に備え、毎年実施してきた。新型コロナの緊急事態宣言下の今年も、感染防止に配慮した救助活動などを探る目的から、国や北海道、市などが実施を決めた。 訓練では、自衛隊ヘリが空輸したオートバイで隊員が被災状況の調査に出たり、市建設協会が提供した重機を使って倒壊家屋から被災者を救助したりした。 また、災害時に公共機関に燃料を緊急輸送する態勢をとる根釧地方石油業協同組合根室支部(魚谷直世支部長)からも、タンクローリー8台が参加した。(大野正美)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

秋元司議員の保釈、東京地裁が許可 保証金1億円は納付済み

三浦淳2021年9月7日 17時44分 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐり、収賄と組織犯罪処罰法違反(証人買収)の罪で懲役4年などの実刑判決を受けた衆院議員・秋元司被告(49)について、東京地裁は7日午後、保釈を認める決定を出した。1億円の保釈保証金は納付されたという。 東京地検は決定を不服として抗告したが、高裁が抗告を棄却すれば秋元被告は保釈される。 東京地裁は7日午前、秋元被告に懲役4年、追徴金約760万円(求刑懲役5年、追徴金約760万円)の実刑判決を言い渡した。秋元議員は判決前に保釈されていたが、実刑判決を受けたことでその効力はなくなった。弁護側が判決後に改めて保釈を地裁に請求していた。 保釈保証金1億円のうち、今年6月の保釈時に納めた保証金8千万円を使い回せるため、秋元議員は今回新たに2千万円を納付したという。 秋元議員は2019年12月に収賄容疑で逮捕され、20年2月に3千万円の保証金で保釈されたが、贈賄側に報酬を示して裁判でうその証言をさせようとしたとして、20年8月に再び逮捕。保証金3千万円が没取されたが、今年6月に新たに保証金8千万円を納付して保釈されていた。(三浦淳)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

土砂にのまれた妻子と従業員 「なぜ俺だけ助かった」社長の後悔

 椎葉村で昨年9月に起きた土砂災害で、崩れた土砂にのまれた建設会社長の相生秀樹さん(71)は一緒にいた妻子と従業員2人を失った。「何でおれだけ助かったっちゃろか。それが情けなくて……」。自責や後悔の念に押しつぶされそうになりながら、今も被災現場のそばで暮らしている。 土砂災害から1年となった6日、現場には献花台が設けられ、4人の捜索にあたった消防団員や村内外の建設業者らが次々と訪れた。相生さんは朝、被災現場から数百メートル離れた対岸の仮設社屋前で黙禱(もくとう)をささげ、「これからもみんなと共に頑張っていきたい」と従業員に語りかけた。 昨年9月6日夜、「過去最強クラス」とも言われた台風10号が九州の西側を北上。周辺地域での豪雨被害に備え、椎葉村下福良の十根(とね)川右岸にある「相生(あいおい)組」の社屋兼自宅で、妻勝子さん(当時68)、長男泰孝さん(同39)、ベトナム人技能実習生のグエン・ヒュー・トアンさん(同22)、チャン・コン・ロンさん(同23)と待機していた。真っ暗になった視界 「ああ、死ぬんだ」 早めに夕食を済ませてテレビを見ていたら、食器を洗う勝子さんに「はよ風呂に入って」と促された。事務所にいた泰孝さん、実習生2人を残し、浴室に向かった。 ほどなく「ドーン」という音…この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。残り:1217文字/全文:1770文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「検察庁」看板に黄色い塗料、容疑の男を逮捕 検察に不満か

2021年9月7日 18時19分 7日午後3時ごろ、東京地検などが入る東京・霞が関の中央合同庁舎6号館の警備員から「正面玄関近くに塗料をかけた男を確保した」と110番通報があった。 「検察庁」と書かれた石看板に塗料がかけられており、警視庁は関与を認めた60代くらいの男を器物損壊容疑で現行犯逮捕した。容疑を認めているという。警視庁は検察に不満を持っていたとみて調べている。 丸の内署によると、男は同日午後2時50分ごろ、東京都千代田区霞が関1丁目にある庁舎の正面玄関近くの石看板に黄色の塗料を振りかけ、損壊した疑いがある。庁舎の警備員が取り押さえ、駆けつけた警察官に引き渡したという。塗料は水性ではない可能性が高いといい、署が成分を調べている。 現場は皇居の桜田門から南東に約300メートルの霞が関の官庁街。法務省の「赤れんが棟」や東京地高裁に隣接し、近くには警視庁本部や日比谷公園もある。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

京王線の踏切で新聞配達員?はねられ死亡

2021年9月7日 12時42分 7日午前0時半ごろ、東京都府中市片町1丁目の京王線府中―分倍河原間の踏切で、下り電車と70代くらいの男性が接触した。男性は頭を打つなどして死亡した。現場には、男性が乗っていたとみられる新聞を積んだ原付きバイクがあり、警視庁は亡くなったのは新聞配達員の可能性もあるとみて身元の確認を進めている。 府中署によると、現場は遮断機のある踏切。通りかかった人や電車の運転士が、男性が踏切内で転倒したバイクを起こそうとする様子を目撃していたといい、署は事故とみている。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「雨なのに…」声聞いた40分後 留学直前、絶たれた21歳の夢

 世界で活躍するジャーナリストになる――。そんな夢を抱き、米国留学を2日後に控えていた上智大4年の小林順子さん(当時21)が25年前の9月9日、東京都葛飾区の自宅で殺害された。警視庁は、重要未解決事件の一つとして捜査を続けている。母親は「事件がなければどんな人生を送っていたか。想像するだけでつらい」と嘆く。 中学から英語が得意で、高校は専門コースのある学校に進んだ。猛勉強で第1志望の上智大に現役合格し、授業やサークルで英語力に磨きをかけた。学内の交換留学制度の選考を突破し、1996年9月から米シアトル大に留学することが決まっていた。国際的なジャーナリストになるという夢も見つけていた。 出発まで2週間に迫った8月末、順子さんは荷造りに追われていた。衣類や勉強道具、尊敬するジャーナリスト筑紫哲也さんの本、中島みゆきさんのカセットテープ、即席みそ汁……。出し入れを繰り返し、段ボール3箱にまとめた。 母幸子さん(75)はその数日後、玄関で順子さんの髪を切った。美容学校を出た幸子さんがずっと続けてきたことだった。娘の旅立ちを前に、この日は緩くパーマをあてた。 外ではしっかり者のイメージを持たれていた。サークルでは中心的な存在で、後輩への面倒見もよかったと聞いていた。ただ、家では違った。大学生になっても幸子さんに「髪を結んで」とねだる甘えん坊だった。留学を楽しみにする姿を見ながら、「ちょっとは大人になって帰ってくるかしら」と考えていた。幸せの絶頂、家族の食卓で 出発4日前の9月7日夜。父…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:603文字/全文:1258文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

大津・小1死亡、17歳兄の観護措置を2週間延長 大津家裁

鈴木洋和2021年9月7日 14時47分 小学1年生の妹(当時6)を大津市内の自宅で蹴るなどして死なせたとして、兄で無職の少年(17)が逮捕された事件で、大津家裁は2日、傷害致死の非行内容で送致された少年の観護措置について、2週間延長することを決めた。期間は9月21日まで。(鈴木洋和)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「葬式ごっこ」おもちゃ燃やした男児 きっかけはある女性職員の退職

 親からの虐待、ネグレクト、経済的困窮――。様々な理由で、実の家族と暮らせなくなった子どもたちがいる。そういう子どもを守り育てる場所も、私たちの生活のすぐ隣にある。その一つ、愛媛県松山市内にある児童養護施設の現場を取材した。恐竜の手足をバラバラにして… 子どもたちが生活する施設の一角に、ボードゲームやぬいぐるみ、パズルやビーズが並ぶカラフルな部屋がある。入り口には「セラピー室」の看板。臨床心理士の女性職員(28)には、ここで見た忘れられない光景がある。 今年4月。小学5年の男の子がやってきて、普段は見向きもしない部屋の奥に向かった。砂が入った木箱に小さなおもちゃや人形を置き、自由に遊ぶことを通して行う心理療法「箱庭療法」のための部屋だ。 男の子は、棚からミニチュアの火山を取り出し、箱庭に置いた。おもちゃの恐竜を手にすると、臨床心理士の目の前でおもむろに恐竜の手足をバラバラに分解し、火口に投げ込み始めた。 「この恐竜は死んだの」。「葬式」なのだと、ぽつりと話した。 男の子は、母親からの身体的…この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。残り:1378文字/全文:1836文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

秋元議員に懲役4年の実刑判決 IR汚職・証人買収

 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐり、収賄と組織犯罪処罰法違反(証人買収)の罪に問われた衆院議員の秋元司被告(49)に対し、東京地裁は7日午前、懲役4年、追徴金約760万円(求刑懲役5年、追徴金約760万円)の実刑判決を言い渡した。丹羽敏彦裁判長は「特定の企業と癒着し職務の公正を損なった」と述べ、秋元議員の無罪主張を退けた。 判決によると、秋元議員はIR担当の内閣府副大臣だった2017~18年、IR事業の参入を目指す中国企業側から現金や旅費など計約760万円の賄賂を受領。保釈中の20年6~7月には、捜査段階で賄賂の提供を認めた贈賄側に、公判でうその証言をするよう報酬を示して働きかけた。 判決は、300万円の現金供与があったとされる議員会館での贈賄側との面会について、「客観証拠から贈賄側の証言は十分に信用できる」と判断し賄賂の授受を認めた。証人買収も「秋元議員が主導した」と認定した。 また、収賄罪の共犯に問われ秋元議員と一緒に審理が行われていた元政策秘書の豊嶋晃弘被告(42)に対しても、懲役2年執行猶予4年(求刑懲役2年)の有罪判決を言い渡した。 検察側は論告などで、秋元議員がIR関連法案の進捗(しんちょく)状況などを贈賄側に伝えたと指摘。証人買収では、買収資金の一部を自ら用意して事件を主導したと主張した。 一方、秋元議員側は「事件はフィクションだ」と全面無罪を主張した。議員会館で300万円を受け取ったとされる17年9月の贈賄側との面会は、スケジュール表やスマートフォンのアプリの記録から「議員会館に行っていない」と反論。旅費なども「支払いは秘書に任せていた」と関与を否定し、証人買収も「うそを言うように依頼していない」と述べていた。 秋元議員は衆院東京15区選出の3期目。東京地検特捜部に収賄容疑で逮捕された19年12月に自民党を離党し、現職の国会議員のまま公判を受けた。現職国会議員の逮捕は約10年ぶりだった。 判決前の朝日新聞の取材には…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:52文字/全文:895文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

リヤカーに野菜を積んで60年 「おめさん待ってる」がうれしくて

 リヤカーに野菜や果物を載せた「振り売り」の女性たちが、商店街の雁木(がんぎ)を行き交う。新潟市南区の旧白根市中心部にはそんな風景がいまも残っている。 8月のある日。朝8時半、中ノ口川にかかる凧見橋(たこみばし)。青い洋傘をくくりつけたリヤカーを押して、佐久間京子さん(81)がやってきた。対岸の西白根地区で農家を営む。この日は枝豆やトマト、キュウリにナスなど12種類の野菜を積み込んだ。気温はすでに30度。歩くだけで汗が噴き出す。 橋を渡った先でインターホンを鳴らすと、なじみの客が財布を手に出てきた。「スーパーが近くにあるけど、味も生きも違うんだて」。自転車や車で佐久間さんを追いかけてくる人も。「この人はお客がついてるから、下に行くまでにのうなるんだ」。坂道を下り、商店街に出るころにはキュウリが売り切れた。いつの間にか、橋を渡るのが楽しくなった 振り売りを始めた頃、川には木造の橋がかかっていた。21歳で結婚すると、夫の妹から「豆を売りに行ってくれるかね」と頼まれた。恥ずかしくてうつむいたまま、一輪車を押して歩いた。「しょーして(恥ずかしくて)ねえ。橋の上に来ると汗が止まらなかった」 子育てをしながら夫と農業を…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:288文字/全文:805文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル