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千葉市は延期を要請 18、19日開催予定のスーパーソニック

 千葉市のZOZOマリンスタジアムで18、19日に開催が予定されている大規模音楽イベント「スーパーソニック」について、千葉市の神谷俊一市長は2日の定例会見で、主催者に開催延期を求めていることを明らかにした。市はスタジアムを所有し、同イベントを後援している。 神谷市長は、仮に会場使用の拒否にまで踏み込めば、主催者側に億単位の補償金を支払うことになるとし、「市民の理解が得られない」と語った。一方、開催する場合は後援を取り消し、入場者を5千人以下にするよう求めるという。 神谷市長は「事業継続が必要という音楽業界や主催者の考えも痛いほど分かる。(新型コロナウイルスの)感染状況が悪化、長期化する中で基準の見直しが必要」と指摘した。 この日は千葉県の熊谷俊人知事も定例会見で、同イベントで入場者数を減らすよう主催者側に要望したことを明らかにした。「医療が逼迫(ひっぱく)する中での開催というのは非常に厳しいものがある」と語った。 主催者側への要請内容が中止や延期でないことについては「(県はコロナ対応の)特措法の権限を持つ自治体であり、我々が延期を求めれば一定の意味合いを持つことになる。その場合の営業補償などの側面を考えたときに、できる限り人数を減らす、感染対策の徹底など、現在の県の立場で許されるギリギリの線で主催者と協議している」と説明した。 千葉県には緊急事態宣言が出ており、県はイベントの参加人数を「5千人以下かつ収容率50%以下」にするよう求めている。 例年延べ数万人以上が訪れる「サマーソニック」から今年、名称を改めた「スーパーソニック」は、テクノポップユニット「Perfume(パフューム)」ら国内の人気アーティストのほか海外のミュージシャンの参加も予定されている。大阪府でも18、19日に予定されていたが、中止が決まっている。(小木雄太、真田香菜子)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

飛び出す恐竜、たたずむカニ…これ焼き物? 土に命吹き込む熟練の技

 今にも飛びかかってきそうな恐竜、目が合えばサッと隠れそうなカニ、大きく口を開けて親鳥から餌をもらうひな鳥――。緻密(ちみつ)に再現されたうろこも羽毛も、すべて焼き物だ。これらは熊本県八代市坂本町に工房をもつ陶芸家、上村慶次郎さん(51)の作品。土に命を吹き込み、生き生きとした姿をつくりあげている。 陶芸を始めたのは約20年前。それまでは、イラストレーターやパン屋などを経験してきた。大工だったころに工事現場で粘土を見つけ、「これで何か作れるんじゃないか」と興味を持った。作家の書籍を見て連絡先を調べ、そのまま弟子入り。茶わんや皿、つぼなどの制作に取り組んできた。 立体的な生き物の作品は、陶芸を始めたころから試してきた。針金で骨格を作り、粘土で肉付けする方法を試したが、乾燥すると縮む粘土と針金の相性が悪く、割れてしまった。試行錯誤を繰り返し、粘土だけで細かく造形する技術を身につけた。 その粘土は、上村さん自身が掘ったものだ。車にスコップなどを積み、運転中に工事現場を見つけると、粘土をもらえないか交渉するという。模様をつける道具は、網や拾ったサンゴのかけら、植物など様々だ。 子どもの頃から観察すること…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:325文字/全文:834文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

食べよし 来よし 愛ある言葉を使ってみよし

 5月に亡くなった歌舞伎俳優の片岡秀太郎さん。忘れられない思い出があると関東生まれの同僚は言う。 10年ほど前、取材で楽屋を訪ねたときのこと。「おいしいから食べよし~」。上方歌舞伎を代表する女形はやわらかく言い、ドーナツを勧めてくれた。気づかいもさることながら、ホントに「よし」と言うんだと感じ入ったと。 私もライターの島﨑今日子さんに「さあ、食べよし」と勧められたことがある。島﨑さんは京都生まれ。子どものころ大阪市内に引っ越した。近所の子と遊んでいて「こっちに来よし」と言うと、「きよしは散髪屋のおっちゃん!」と返ってきたそうな。さすが大阪の子やな~。 食べよし、来よし、起きよし。この「よし」って、いったい何?記事の最後では料理研究家・大原千鶴さんおすすめの「食べよし」もご紹介しています 動詞連用形につける助詞で…この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。残り:1219文字/全文:1558文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

母子死亡の池袋暴走事故、被告に禁錮5年の実刑判決

新屋絵理2021年9月2日 14時04分 東京・池袋で2019年4月、暴走した乗用車で母子が死亡するなどした事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三被告(90)に対し、東京地裁は2日、禁錮5年の実刑判決を言い渡した。 判決は、事故原因について「ブレーキと間違えてアクセルを踏み込んだ過失が(被告に)ある」と認定した。この日は一般傍聴席22席に対し、563人が傍聴券を求めて並んだ。 事故では、横断歩道を自転車で渡っていた松永真菜さん(当時31)と長女莉子ちゃん(同3)が亡くなり、9人が重軽傷を負った。 検察は事故から約10カ月後の20年2月、ブレーキとアクセルの踏み間違いで事故を起こしたとして飯塚被告を在宅のまま起訴した。 飯塚被告は昨年10月に始まった公判で、「アクセルを踏み続けたことはないと記憶している。車に何らかの異常が生じ暴走した」と無罪を主張。今年6月の公判では、真菜さんの夫の拓也さん(35)から「主張に無理があるとは思わないか」と直接質問され、「暴走状態になった車を止められなかったことは悔やんでいる」と答えた。 検察側は論告で、事故後の検査で電気系統の不具合を示す痕跡は確認できず正常に機能していたことなどをふまえ、「初歩的な操作に対する注意義務に違反した過失は大きい」と指摘。法定刑の上限にあたる禁錮7年を求刑していた。(新屋絵理)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

高齢者がATMで電話…「詐欺かも」大学生が通報し防ぐ

林知聡2021年9月2日 10時03分 還付金詐欺の被害を未然に防いだとして、大学生の石塚桃子さん(20)に神奈川県警藤沢署から感謝状が贈られた。 7月8日、JR辻堂駅近くのATMコーナーで、女性(85)が携帯電話で話しながら操作していた。不審に思った石塚さんは「電話を切ったほうがいいですよ」と声をかけたが、女性が通話をとめなかったため近くの交番に通報した。署員が女性から事情を聴くと、還付金詐欺であることが判明し、被害を免れた。 署によると、女性には藤沢市役所を名乗る者から「医療費の還付金が約2万3千円ほどある」と電話があり、その後、女性が利用している金融機関名を名乗る者から無人のATMに行くよう指示され、操作を誘導されていたという。 石塚さんは、特殊詐欺の被害が多発していることは知っていたというが、「まさか目の前で起きるとは思わなかった。身近なところで起きているのだと実感した」。声をかけるのをためらったが、ATMコーナーにある注意喚起のポスターに背中を押されたという。 藤沢署管内では7月末までに18件の還付金詐欺が確認された。被害額は約1800万円に上り県内でワースト1位。一方で、金融機関職員の機転などにより被害を抑止したケースが42件あった。(林知聡)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

白ナンバー車の飲酒検知器検査、来年4月から義務化 死傷事故受け

2021年9月2日 10時36分 警察庁は2日、道路交通法施行規則の改正案をまとめ、発表した。自社製品の配送などで「白ナンバー」の車を一定の台数以上使う事業者に対し、アルコール検知器による酒気帯びの確認を義務づける内容を盛り込んだ。施行は来年4月1日で、対象の事業者は検知器を備える必要がある。今月3日から10月2日まで、一般から意見を募る。 今回の改正は、千葉県八街市で6月、飲酒運転の白ナンバーのトラックが児童5人を死傷させた事故を受け、政府が進める飲酒運転対策の一環。 対象となるのは、ドライバーへの安全教育を担う安全運転管理者を選任した事業者で、今年3月時点で全国に約34万ある。現状では、酒気を帯びているか確認する方法は具体的に定められていない。改正案では、運転前後のドライバーに対し、呼気に含まれるアルコールを検知する機器による酒気帯びの有無の確認▽確認した内容の記録▽記録の1年間保存――などを新たに盛り込んだ。 業務で車を5台以上使うといった事業者は安全運転管理者を選任する義務があるが、怠っている事業者も一定数あるとみられる。警察は、車庫証明の業務と連携するなどして、そうした事業者をなくす取り組みを進める。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

始業式、玄関から動けず…不登校のSOS コロナ禍、子どもの心は

 長期化するコロナ禍で、ストレスを抱え込む子どもが増えている。夏休み明けとなる8月28、29日に大阪府の元教員らが企画した電話相談には、2学期の登校に悩む子どもや家族の悩みが寄せられた。元教員らは「コロナの影響が、昨年以上に深く子どもたちの心に及んでいる」と危機感を抱く。(加藤あず佐)「コロナがうつる」友達から遠ざけられ……家族にも言えない 29日午後、NPO法人「おおさか教育相談研究所」の元教員ら7人が、大阪市内の相談室で電話に耳を傾けていた。 「しんどいよね。よく我慢したね」。元中学教員の女性(72)が、相づちをうちながら語りかける。相談は中学生から。家族に医療従事者がいることを理由に、「コロナがうつる」と友達に遠ざけられるのだと、沈んだ声で打ち明けた。1学期は登校したが、友達の言葉を思い出し、夏休み明けから学校に足が向かないという。 家族には言えないと言葉を詰まらせる生徒に、元教員は「誰でもしんどいとき、休みたくなるやん? 休んでもいいんだよ」と諭した。その瞬間、生徒の声が少し明るくなった。 元中学教員の男性(75)は、中学生の母親からの相談を受けた。25日から2学期が始まったが、「クラブも友達も勉強も全てが面白くない」と話し、学校を休んでいる。オンライン学習も拒否し、机の前でパジャマのまま、ぼーっとしているという。 感染対策のため、クラブ活動は停止となり、給食でも友達と話せない。そんな様々な制限が、生徒の心を不安定にさせていると元教員はみた。「両親はいつも味方だということを伝え、家では心が休まる雰囲気をつくってあげてください」とアドバイスした。 28、29日の2日間では、子どもや家族、教員らから27件の相談が寄せられた。 「鼻炎をコロナと冷やかされて学校に行きにくくなり、始業式の日は玄関に立ったまま動けなかった」という小学生の母親は、「『死にたい』とも話していて、どう対応したら良いか分からない」と打ち明けた。子どもだけではなく、家庭に介入する難しさに悩む小学校教員からの相談も寄せられました。相談員を務めた元教員は「昨年より心が弱っている人が多いと感じた」と言います。記事後半では、臨床心理士からのアドバイスや、相談先を紹介します。 ある小学校教員は、7月以降…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「車に異常」 池袋暴走事故、無罪主張の飯塚被告にきょう判決

新屋絵理2021年9月2日 7時00分 東京・池袋で2019年4月、乗用車が暴走して母子が死亡するなどした事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三被告(90)に対する判決が2日午後、東京地裁で言い渡される。暴走の原因は車の不具合だったとして無罪を訴える飯塚被告の過失について、どう判断されるのかが注目される。 昨年10月に始まった公判の争点は、事故の原因がブレーキとアクセルの踏み間違いなのか、車の異常かだ。 飯塚被告は初公判で「車に異常が生じて暴走した」と無罪を主張。最終意見陳述で「被害者や遺族の気持ちを考えると心苦しい。しかし踏み間違えた記憶は全くない」と訴えた。 これに対し検察側は、事故後の検査で電気系統の不具合を示す痕跡は確認できず正常に機能していたことなどから、事故原因はペダルの踏み間違いだと指摘。飯塚被告が事故当時に運転したハイブリッド車「プリウス」を生産したトヨタ側も、公判や会見で「車両に異常や技術的な問題は認められなかった」と説明しており、検察側は法定刑の上限にあたる禁錮7年を求刑した。 事故では松永真菜さん(当時31)と長女の莉子ちゃん(同3)が亡くなり、9人が重軽傷を負った。 真菜さんの夫の拓也さん(35)は事故後、交通事故被害者の遺族らでつくる一般社団法人「関東交通犯罪遺族の会(あいの会)」に所属し、被害者側が裁判の傍聴時に会社を特別に休める制度の新設を政府に求める活動などをしてきた。 今年8月に更新した自身のブログでは、判決前に飯塚被告に伝えたいこととして、「一審の判決が出たら何も生み出さない無益な争い、やめませんか」と書き込んだ。「私にこの先何年も人を恨み続ける道を歩ませないで欲しい。2人の愛してくれた、私らしい私でいさせて欲しい」とも訴えた。(新屋絵理)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「紫の人!」の声に「僕?」 夜の追跡劇、生きた3年間の自転車通学

追跡劇の現場となったあべのハルカス(奥)周辺の街並み=8月31日午後7時26分、大阪市阿倍野区、華野優気撮影 体中に汗がまとわりつくような、蒸し暑い夜だった。事件は日本一高いビルとして知られる「あべのハルカス」(地上300メートル、大阪市阿倍野区)近くの路上で起きた。 7月20日午後11時前。帰宅途中の女性(27)が駐輪場から出て自転車をこぎ始めようとした瞬間、前かごから現金約3万8千円が入った肩掛けバッグを奪われた。 「ひったくりや!」 10メートルほど離れた場所で折りたたみ自転車にまたがり、信号待ちをしていた会社員の児玉礼善(らいぜん)さん(18)=大阪市東住吉区=が、女性の悲鳴に振り返ると、自転車の男が目の前を猛スピードで走り去っていった。 「そこの紫の人、捕まえて!」 再び女性の叫び声。児玉さんは周囲を見回したが、紫色の服を着ているのは自分だけ。まさか、「指名」されたのか――。 「しゃあない、取り返さないと」 反射的にペダルに足をかけ、小さな車輪を回しながら、男の背中を追いかけた。追跡劇の現場となったあべのハルカス(奥)周辺の街並み=8月31日午後7時23分、大阪市阿倍野区、華野優気撮影 あべのハルカスの足元に広がる市街地を、男は大通りから路地へと逃げていく。どれぐらい追いかけただろうか。児玉さんは男が左折のために減速したタイミングを見はからって追いつき、進路を塞いだ。すぐに自転車を乗り捨てて男に駆け寄り、抵抗を制しながらバッグを取り返した。 「何でこんなことしたんですか」 汗だくの児玉さんが息を切らして問いかけると、男は「金がいるんや」と答え、諦めたように座り込んだ。児玉さんは男の自転車に鍵をかけ、再び逃げないようにした。 その様子を見ていた通行人が110番通報し、男は駆けつけた大阪府警阿倍野署員に引き渡された。児玉さんはその後、阿倍野署で被害女性から謝意を伝えられた。    ◇阿倍野署から感謝状を贈られた児玉礼善さん=2021年8月31日午前10時33分、大阪市阿倍野区、華野優気撮影 阿倍野署の井上光浩署長は8月31日、児玉さんに感謝状を贈った。署によると、追跡は約10分間で約1・5キロに及んだとみられる。男は大阪市西成区内の無職の40代で、窃盗容疑で逮捕された。調べに対し、ひったくりをしたことを認めたという。 児玉さんは今春に高校を卒業したばかりで、現在は運送会社で警備員として働いている。取材に「高校時代はボードゲームを楽しむ『インドア競技部』で、スポーツ経験はありません。でも、片道40分の自転車通学で培った脚力が生きたのかも。とにかく、無我夢中でした」とはにかんだ様子で話した。(華野優気)井上光浩・阿倍野署長から感謝状を受け取る児玉礼善さん=2021年8月31日午前10時31分、大阪市阿倍野区、華野優気撮影Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

航空券買えるポイントはふるさと納税の返礼品? 大阪府と自治体対立

 関西空港のある大阪府の泉佐野、泉南、田尻の3市町と、府の間でふるさと納税をめぐって争いが生じている。返礼品として、地元の格安航空会社(LCC)「ピーチ・アビエーション」の航空券を買えるポイントを認めるか否か。両者の言い分は真っ向から対立している。 ふるさと納税は、出身地や応援したい地域に寄付ができる制度で、税額控除のほか、返礼品を受け取ることができる。返礼品は寄付への対価ではなくお礼の品という扱いだ。 3市町は7月、関西空港を拠点とするピーチ社の航空券が買えるピーチポイントを共通の返礼品として認められるよう府に要望した。しかし、府は「ふるさと納税の趣旨に反するような返礼品として、ポイントやマイルなどの金銭類似性が高いものは送付しない」として、これを認めなかった。判断の根拠としたのは、総務省の通知だ。 府の決定を不服として、泉佐野市の幹部は8月27日、大阪府庁を訪れ、府に質問書を提出。「ふるさと納税の趣旨に反している」とする理由と根拠を求めた。 3市町を代表して会見した泉佐野市の八島弘之副市長は、「航空需要がコロナで激減する中で、終息後に関空を活性化するための一つのツールだ。地域の活性化につながる」と訴えた。 泉佐野市では、過度な返礼品…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:685文字/全文:1216文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル