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スリランカ人女性の遺族、入管庁長官にビデオ開示求める

 名古屋出入国在留管理局の施設に収容中のスリランカ人ウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が死亡した問題で、来日中の遺族が16日、東京・霞が関の法務省で、出入国在留管理庁(入管庁)の佐々木聖子長官と面会した。収容当時の様子を撮影したビデオ映像の開示を改めて求めたが、入管庁は「現時点ではお示しできない」と拒んだという。 入管庁はウィシュマさん死亡の経緯についての最終報告を作成中。妹のワヨミさん(28)とポールニマさん(27)は「姉が(3月に)亡くなって4カ月たったのに、どのように亡くなったかがまだわからない。詳しく調べて、最終報告に全部載せてほしい」と語った。 佐々木長官との面会に先立ち、2人は入管庁のヒアリングに応じた。ウィシュマさんが来日後、スリランカの家族とどのように連絡をとっていたかを把握したいとして入管庁から協力を求められ、当時の状況を説明したという。 最終報告の公表の時期について遺族側が佐々木長官らに尋ねると「全力で準備しているが、いつになるかは回答できない」との答えだったという。ウィシュマさんが交際男性から暴力(DV)を受けたと訴えたことや、施設収容中の容体や病院での診療についても尋ねたが、入管庁は「最終報告に向け調査している」との答えを繰り返したという。(編集委員・北野隆一)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

最後のジブリ博覧会、愛知で17日から 初公開の展示も

 「風の谷のナウシカ」や「となりのトトロ」など、スタジオジブリの歴代作品のキャラクターなどを展示する「ジブリの大博覧会~ジブリパーク、開園まであと1年。~」が、17日から名古屋市の愛知県美術館で始まる。9月23日まで。 大博覧会は、6年前から新たな展示を加えながら全国11カ所を巡回。愛知では2015年以来で、展示面積は約5倍になる。 「天空の城ラピュタ」をはじめ歴代作品の空飛ぶ機械を集めた展示や、来年秋に開業するジブリパーク(同県長久手市)に整備される「ハウルの城」の模型などが愛知初公開となる。一部の展示物はジブリパークでも見られる予定だ。 16日に会場で取材に応じたスタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫氏は、今回の見どころについて「6年前の大博覧会の展示に匹敵する量がさらに見ることができる」と話した。 観覧料は一般1900円、高校・大学生1500円、小中学生1千円。すべて前売りで、オンライン(Boo―Wooチケット)やローソン、ミニストップでの購入時に入場する日時を指定する。問い合わせはハローダイヤル(050・5542・8600)へ。(岡本智) 「ジブリの大博覧会~ジブリパーク、開園まであと1年。~」の開催を前に、スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫氏が16日、記者団の取材に応じた。主なやりとりは以下の通り。 ――全国を巡回して今回が集大成。どのような思いで開会式に臨んだか。 初開催から5年くらい経つと…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:605文字/全文:1225文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

みえない復旧 鉄道ファン愛したJR肥薩線が存続の危機

会員記事藤原慎一、松本真弥2021年7月16日 21時00分 熊本県と鹿児島県を結ぶJR肥薩線が、存続の危機に瀕(ひん)している。昨年7月の記録的豪雨で深刻な被害を受け、復旧の見通しが立っていないからだ。国も地元も運転再開を望むが、コロナ禍による業績悪化に加え、相次ぐ災害がJR九州に重くのしかかる。 球磨(くま)川に沿って敷かれたレールは、ひしゃげたまま茶色くさびていた。明治期の建造で、国の近代化産業遺産群にも指定された橋梁(きょうりょう)は流され、崩れた橋脚だけが残る。 通勤や通学の足であると同時に、観光列車「SL人吉」が走り鉄道ファンにも親しまれてきた肥薩線。1年前の豪雨で駅舎や橋、線路など約450カ所が被災した。総延長124・2キロの7割近い八代(熊本)―吉松(鹿児島)の86・8キロで、運休が続く。 「決まった時間に聞こえるSLの汽笛は生活の一部だったのさ。静かになってしまって涙が出るよ」。球磨村の中心部に立つ一勝地(いっしょうち)駅。人も列車も来ないホームで、橋詰兵士郎さん(79)がつぶやいた。 橋詰さんは村役場を退職後の2019年7月、JR九州から一勝地駅の名誉駅長を委嘱されたが、わずか1年で豪雨に見舞われた。 川沿いの駅舎が軒並み被害を受けるなか、1914年建造の一勝地駅は浸水を免れた。だが周辺の線路は断ち切られ、レールの上に草が伸びる。「もう一度、汽笛を聞いて観光客とふれあいたい」。地域に愛される鉄路の復旧を願う。 思いは、熊本県や沿線の自治体も変わらない。 「JR九州に一日も早い復旧…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:701文字/全文:1338文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

二人っきりの写真スタジオ 「大胆なポーズできた」

【動画】縄文文化のすごさとは プロのカメラマンに撮ってもらうのではなく、自らリモコンでシャッターを切る「セルフ写真館」の出店が相次いでいる。リラックスして撮影できると、若者の人気を集めているが、「自撮り」や「プリクラ」とどう違うのだろうか。若者たちを引き付ける理由を探った。 4月に開業した大阪市西区北堀江の「NOVE STUDIO」。雑居ビルの一室にあるスタジオには三脚に固定された一眼レフや照明、撮影した写真を確認するモニターのほか、花やサングラスなどの小道具も用意されている。受け付けを終えれば、利用者のみで自由に撮影ができる。 利用料金は10分3千円からで、撮影したデータから3枚を選ぶ。ただ、千円の追加料金を払えば、撮った写真データを全て受け取れるため、ほとんどの人が追加料金を払う。利用者の約7割は20代だ。 カップルで訪れた益田響輝(ひびき)さん(20)は、箱に座ってサングラスをかけたり、ぬいぐるみを抱いたりと、次々とポーズを変えながら手元のリモコンでシャッターを切った。「いろいろ撮っていくうちに緊張がほぐれて、他の人がいたら出来ないような大胆なポーズができた」と満足げに話した。 結婚式の招待状に貼る切手用…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:699文字/全文:1202文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

日本郵便、元常務ら処分 通報者保護で「不適切な行為」

 日本郵便の郵便局長が内部通報者らを「絶対に潰す」などと脅していた問題で、同社は16日、通報者保護をめぐって不適切な行為があったことを認め、担当幹部らの処分を発表した。 当時コンプライアンス担当だった元常務が通報者を推測できる情報を漏らしたとして、報酬を一部返納してもらう。 日本郵便は通報者捜しやパワハラをした郵便局長らは処分していたが、通報制度を担う幹部らの処分は今回が初めて。 日本郵便の志摩俊臣常務はこの日の会見で、「通報者の特定やパワハラ被害にあった社員におわびし、未然に防げなかった点を反省している」と述べた。 元常務については、「役員在職中なら報酬30%減額4カ月に相当」などと指摘している。元常務は役員を退任し期間雇用社員となっており、報酬の一部を自主的に返してもらうという。 ほかに九州支社人事部長2人…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:571文字/全文:936文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

森友記録「ずさんな管理」 二審も不開示は違法と認める

 学校法人森友学園(大阪市)の国有地売却問題で、実際には保管していた公文書を「存在しない」として開示しなかったのは違法だとして、大学教授が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が16日、大阪高裁であった。石原雅也裁判長は財務省の文書管理について「極めてずさん」と批判。33万円の支払いを命じた一審・大阪地裁判決を支持し、控訴を棄却した。 訴えていたのは、神戸学院大教授の上脇博之(ひろし)氏。控訴審では、上脇氏が開示を求めた文書のうち、国側と学園側、政治家関係者らの面会を記録した「応接録」を、国がどう保管していたかが焦点となった。 高裁は国側に対し、国会審議で応接録の存在が取り上げられた直後の2019年2月時点の廃棄状況などを明らかにするよう求めたが、国は「いずれも不明」と回答していた。石原裁判長は「ずさんな文書管理の結果、違法に不開示とされた文書の数などが明らかにされなかった」と述べた。 ただ、すでに文書が開示されていることなどを踏まえ、賠償額の増額を求めた上脇氏側の主張は退けた。 一審判決は、応接録の一部を廃棄し、残っていた文書もいったん「不開示」とした国の姿勢について「意図的で違法行為にあたるのは明らかだ」と指摘。国会審議で質問される材料を極力減らそうとして、応接録を廃棄したという理由は不適切で「情報公開法の目的に反し、意図的に不開示にしたことは相当に悪質だ」と批判していた。 上脇氏は判決後の会見で「高裁が、国のずさんな文書管理を認めた意義は大きい。法令に基づいて情報を公開しなければならない国にとって、屈辱的な判決のはずだ」と述べた。また、「最高裁の判断を仰ぎたい」として上告する意向を示した。 森友学園への国有地売却に関…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:218文字/全文:946文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

炭酸ガス死亡事故、2人書類送検 業務上過失致死傷容疑

2021年7月16日 13時50分 名古屋市中区錦3丁目のホテル名古屋ガーデンパレスの立体駐車場で、消火装置から二酸化炭素(炭酸ガス)が放出され作業員が死亡した事故で、愛知県警は16日、消火装置を誤って起動させたなどとして、工事業者の現場責任者の男性(31)と元上司の男性(49)を業務上過失致死傷の疑いで書類送検し、発表した。2人は容疑を認めているという。 捜査1課によると昨年12月22日に駐車場の最上階で作業員3人が改修工事をしていた際、地下1階にいた現場責任者が、消火装置の設定を確認しようとして誤って起動ボタンを押した。炭酸ガスが充満し、作業員の玉田謙さん(当時51)=岐阜市=を二酸化炭素中毒で死亡させたほか、別の2人にも骨が折れるなどのけがを負わせた疑いがある。 また県警は、メンテナンスの担当課長だった元上司が、現場責任者に消火装置の誤操作を防ぐ指導を怠ったと判断した。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

東京・三鷹の「幻のワサビ」DNAが伝える意外なルーツ

湧き水が出る崖のそばにわずかに残るワサビ。希少な在来種とわかった=東京都三鷹市大沢2丁目 東京都三鷹市の古民家保全地域で栽培されているワサビが、希少な在来種であることがDNA鑑定で明らかになった。このワサビ、江戸後期に三重県の伊勢から持ち込まれ、江戸前ずしブームで栽培が広がったとの言い伝えも残る。遺伝子情報をたどると、さらなるルーツも見えてきた。都心の近くで奇跡的に生き残った「幻のワサビ」。地域の宝を守る取り組みも始まっている。(井上恵一朗)「幻のワサビ」のルーツは意外なところに。後半では、「日本の固有種」であるワサビの歴史と、危機が迫っている近年の現状にを紹介します 三鷹市の大沢地区。野川沿いにそびえる国分寺崖線からわき水が出る一角の約800平方メートルで、ワサビが栽培されている。 言い伝えによると、200年ほど前の文政年間、伊勢出身の箕輪政右衛門が始めたワサビ田だ。仕官目的で上京したが、江戸は当時、登場間もない握りずしがブーム。ワサビの需要が高まっていた。大沢の豊かなわき水に着目し、故郷近くの五十鈴川に生えていたワサビの移植を思いついたとされる。江戸後期の都市部の風俗などを説明した「守貞謾稿」(喜田川守貞著)にある握りずしの説明。「刺身及びコハダ等には飯の上肉の下に山葵(わさび)を入る」とある=国立国会図書館提供 「今で言う、ベンチャービジネスでしょう」と市生涯学習課の下原裕司学芸員(56)は語る。明治期に箕輪家に送られたワサビを注文するはがきの一部。宛名の宮吉は2代目当主=東京都三鷹市提供 主産地のワサビと比べて根茎が小さいが、出荷先の神田や築地市場で「味がよい」と評判を得た。周辺の市街化が進んでわき水が減ってしまい、昭和後期には生産されなくなった。三鷹市大沢地区に残るワサビの根。小さめなのが特徴という 放置されていたワサビに再び光があたるのは、市が箕輪家から古民家を寄贈され、整備を始めてからだ。 2018年の一般公開に向けて史的な価値を調査する一方、「江戸東京野菜」ともいえるワサビの復活にボランティアらと取り組んできた。その過程で、「ワサビ博士」で知られる岐阜大学の山根京子准教授(49)にDNA鑑定を依頼した。 栽培植物起源学が専門の山根准教授は05年から、全国300カ所以上でワサビ属植物の分析をしてきた。現存するのは、「だるま」など根茎が太くて栽培向けの3品種に由来するものが大半で、かつて各地の中山間地にあった野生と栽培の中間的な「在来種」はほぼ姿を消してしまったとわかってきていた。 「三鷹も、またいつものだろうと期待していなかったが、調べたら全く違って驚いた」■伊勢神宮の供え物?…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ハッカーも五輪はお祭り? 日本、情報共有に残る不安

有料会員記事編集委員・須藤龍也 斉藤佑介、塩谷耕吾、編集委員・吉田伸八2021年7月16日 14時00分 東京五輪の開幕まで1週間。「国家イベント」でもある五輪は、過去の大会でハッカーによるサイバー攻撃の格好の標的になってきた。東京大会をめぐっても、攻撃の「準備段階」ともとれる予兆があった。備えは大丈夫なのか。 東京大会を狙ったサイバー攻撃の兆候はすでにあった。複数の政府関係者によると、英国側から2019年秋、「ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)が五輪のシステムに『サイバー偵察』を仕掛けている」という情報が日本政府にもたらされた。 サイバー偵察とは、ネットを駆使した情報収集行為を指すとみられた。ロシア軍の情報機関が、サイバー攻撃の準備を仕掛けていたとも受け取れる。 政府関係者によれば、情報提供をきっかけに内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が中心となって大会組織委員会などの関係団体やスポンサー企業などを調べたという。「実際は『アトス』のシステムが狙われたようだ。日本側で攻撃を受けた事実は確認できなかった」 アトスは、国際オリンピック…この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。残り:1455文字/全文:1884文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

特殊詐欺で80代女性が1億円超被害 示談金名目で

2021年7月16日 11時11分 長崎県警諫早署の発表によると、2020年6月から11月にかけ、長崎県諫早市の80歳代の無職女性が「全国防犯協会」を名乗るグループに1億円以上をだましとられた。 グループは、NPO法人会長が女性の名を使って東日本大震災関連で放射能除去装置を購入した、などとうそをついた。その上で「これは(違法な)名義貸しで、あなたも逮捕され、刑事処分を受ける。早期解決には示談金として2500万円から8千万円が必要だ」などと言って、女性の自宅近くの路上で数回にわたって現金を受け取ったという。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル