ニュース

「アスリート画像で稼げる」 無断掲載容疑で書類送検

土舘聡一2021年7月15日 12時18分 テレビで放送された女性競技者の映像の静止画をアダルトサイトに無許可で載せたとして、警視庁は、いずれもウェブサイト運営業で、東京都と千葉県に住む30~50代の男3人を著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで15日、書類送検したと発表した。 東京五輪・パラリンピックに向け、同庁は5月からこうした事件の摘発を続けており、個人では5人目。同庁は「悪質な行為は積極的に取り締まる」としている。 保安課によると、3人は2018年2月~20年7月、テレビ番組で放送された女性競技者の映像から切り取られた静止画にわいせつな文言を添え、自ら運営するアダルトサイトに無許可で掲載。テレビ局の権利を侵害した疑いがある。ウェブ上で得た画像を転用していたという。 いずれも容疑を認めており、動機について「生活費を稼ぐためだった」「女性アスリートの画像を投稿すれば稼げると思った」「ネタになりやすいと考えた」などと話しているという。 競技者の画像を性的に利用する行為をめぐっては、日本オリンピック委員会(JOC)が昨年11月に抗議声明を出し、公式サイトに通報窓口を設置した。窓口に寄せられた情報は警視庁に提供しており、同庁が違法行為がないか捜査している。(土舘聡一)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「顧客にイベント見せようと」夢の島でヘリ低空飛行容疑

大山稜2021年7月15日 12時36分 許可を得ずにヘリコプターで超低空飛行をしたとして、警視庁は15日、東京都江戸川区の船舶販売会社役員の男(64)を航空法(最低安全高度)違反の疑いで書類送検し、発表した。男は容疑を認め、「顧客にスポーツカーの展覧イベントを近くで見せようとした」などと供述しているという。都内で低空飛行した航空機の摘発は初めて。 東京湾岸署によると、男は1月16日正午ごろ、東京都江東区夢の島3丁目にある船舶の係留施設「東京夢の島マリーナ」の上空をヘリで飛んだ際、地上から50メートル以下の低空で飛行した疑いがある。施設の職員と目撃者から「ヘリが危険を感じるくらいの高度で飛んでいる」と通報があった。 ヘリは船舶販売会社の所有で、男はこの日、顧客サービスとして都内の上空を飛んでいた。スポーツカーの展覧イベントを間近で見せるために高度を下げたという。 航空法施行規則では、地上150メートルを下回る高度で航空機を飛ばす場合は国の許可が必要と定めている。現場周辺には東京五輪・パラリンピックの競技施設が集中しており、署は「危険なので、今後も低空飛行を目撃したら通報をお願いしたい」と呼びかけている。(大山稜)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

無観客の五輪、警察庁長官「警備に大きな変更ない」

2021年7月15日 13時34分 警察庁の松本光弘長官は15日の定例会見で、東京五輪の首都圏などでの競技が無観客で行われることについて、「警察が行う警備、交通などの対策の内容は著しく変わるわけではなく、実施体制に大きな変更はない」と述べた。 松本長官は、選手や要人、会場などの安全の確保やサイバー攻撃の対策などに万全を期し、テロ対策をはじめとする諸対策を徹底する考えを強調した。 また、棚橋泰文国家公安委員長もこの日の会見で「安全、円滑な大会の実現と市民生活、経済活動を両立するには国民の皆様の協力が不可欠だ」と述べ、警備や交通対策への理解を求めた。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

妻か夫が名字を我慢、なぜ 菊間千乃さん×牧野紗弥さん

 今年、雑誌「VERY」誌上で夫婦別姓を選ぶことを公表して注目を集めたモデルの牧野紗弥さんと、弁護士で元フジテレビアナウンサーの菊間千乃さん。選択的夫婦別姓を望む2人が、夫婦の名字をめぐる社会の意識や空気について語りました。――菊間さんも牧野さんも、「別姓の話は飲み友達やママ友とはしづらい」と話されていました。なんでこんなに名字の問題って話題にしにくいんでしょうか。 菊間 なんででしょうね。 牧野 日本では、自分の思いに気づいて言葉をあてはめて発言するという「言語化」の教育を受けていないということはあるかもしれません。 それをしないとどこですれ違っているかもわからなくて意見のすりあわせもできないと思いますが……。 菊間 言語化は大事だけどすごく難しいから、なんかちょっと置いといてということになるんでしょうね。――今の日本では法律婚をした場合、夫の名字か妻の名字を選びます。そういう意味では、すでに二つの選択があってある意味「平等」だという意見もあります。 牧野 いま、厚生労働省の調べでは、日本では法律婚をしているカップルの96%が、女性のほうが名字を変えていますよね。 これは当たり前じゃないのに当たり前ととらえてしまいがちな現状があります。それぞれの夫婦が自分たちらしくアレンジするにはどうすればいいか、考えることが大事だと思います。 菊間 96%の女性が氏(名字)を変えているけれども、その裏を見ると4%の男性も氏を変えているわけですよね。 つまり日本の法律婚をしているあらゆる夫婦のどちらか一人が、氏を変えているわけですよ。 何とも思わずに「いいよ」と変えている人ももちろんいるかもしれない。でも、名前なしで私が私ですっていうことを相手に伝えるのってすごく大変です。それだけ名前には大きな力があり、アイデンティティーそのもの。その「人格的利益」を夫婦のどちらかが失わなきゃいけない。 それをどちらが失うの?というのを、全ての日本中の夫婦が選んでやっているわけですよ。 ということはつまり、96%ということじゃなくて、私は100%っていうことだと思う。――女性の方が名字を変えている割合が仮に96%でなくて50%だとしても、合計が「100%」であることに変わりはないということでしょうか。 菊間 はい。絶対にどちらかがどちらかに寄せるわけだから、夫婦の仲が平等じゃなくなりますよね。記事の後半では、対談の全編動画もご覧になれます。 寄せられた方が「寄せてくれ…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

介護疲れ「妻をあやめました」 病身82歳への実刑判決

 長男夫婦や孫も一緒に暮らす3階建ての一軒家。82歳の男が選んだのは、自ら介護していた79歳の妻の殺害だった。 「妻をあやめました」。事件は、被告の男からの110番通報で発覚した。被告の裁判員裁判は今年5月、東京地裁で始まった。起訴内容によると、2020年12月2日午前7時ごろ、東京都内の自宅ベッドで、妻の首を絞めて窒息死させたとされる。車いすに座って出廷した被告は、殺人の罪を認めた。 弁護人「命を奪って、どうしようと思ったのですか」 被告「私も一緒に天国へ行って、2人が病気から解放されればいい。そんな気持ちがありました」 42年連れ添った妻を殺害するまでに、なにがあったのか。検察の冒頭陳述や証拠として採用された捜査資料などから振り返る。 大学を卒業した被告は、信用金庫の職員として勤め、60歳で定年退職した。妻とは1979年に結婚。2014年ごろに長男夫婦と同居を始め、8歳と6歳の小学生の孫とともに3世代計6人で生活した。家族の関係は良好だった。 妻は19年から、全身の皮膚や内臓が硬くなる難病「全身性強皮症」で入退院を繰り返すようになった。翌20年の秋に肺炎が悪化して入院したが、自宅療養を望んですぐに退院した。 要介護認定は2番目に重い区分で、自宅には連日、介護スタッフと看護師が訪れた。午前9時に介護スタッフ、10時に看護師、午後3時に再び介護スタッフ、最後は5時に看護師が来た。 弁護人「介護スタッフや看護師がいないのは何時間ぐらいですか」 被告「日中はけっこう来ていただいたけど、夜遅くになると、こっちで見るしかありませんでした」 弁護人「トイレはベッド周りで済ませられましたか」 被告「それが、しなかったんです」 弁護人「なぜですか」 被告「部屋でにおいがするのがいやだっていうことで……」 療養中もリハビリに取り組むなど前向きだった妻はベッド脇のポータブルトイレの使用を嫌がったため、被告は毎夜、歩行器を使う妻を支えながら約5メートル先のトイレまで連れて行った。長年連れ添った妻を介護していた被告ですが、自らも視力を失うなど、体調が思わしくありませんでした。法廷ではどんなやりとりがあり、裁判員はどのような判断を示したのでしょうか。 さらに一晩に10回、異変が…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

上半期の警察官・職員の懲戒、過去最少 コロナ禍影響か

2021年7月15日 10時30分 今年上半期(1~6月)に懲戒処分を受けた全国の警察官と警察職員は81人で、昨年の同時期から33人減った。警察庁が15日発表した。18人が逮捕されたが、処分者、逮捕者ともに統計が残る2000年以降では最も少なかった。 警察庁は「コロナ禍で外出する機会が減ったことが影響した可能性はある」としている。 処分の種別では免職が8人(昨年上半期から9人減)、停職が24人(同1人減)、減給が32人(同21人減)、戒告が17人(同2人減)。処分の理由は、盗撮や強制わいせつ、セクハラなどの「異性関係」が昨年から半減して21人。「窃盗・詐欺・横領等」は11人減の13人、「交通事故・違反」は5人減の11人だった。 逮捕の容疑は「わいせつ関係」が6人、飲酒運転などの「交通関係」が4人などだった。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

学術会議問題とは何か 任命拒否された加藤陽子氏が語る

編集委員・塩倉裕2021年7月15日 5時00分 なぜ任命拒否は行われたのか――。日本学術会議の会員候補6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題をめぐり、6人のうちの1人で歴史学者の加藤陽子・東京大学教授が朝日新聞社のインタビューに応じた。加藤さんは、任命拒否した理由を説明しようとせず、批判されても見直しに応じない現政権の姿勢を批判した。 日本学術会議は理学・工学や人文・社会など幅広い科学者が集う組織で、政府に政策提言する役割を担ってきた。菅首相は2020年秋、会議が新会員候補として推薦した候補者105人のうち6人を除外して任命する異例の決定をした。除外されたのは加藤さんのほか、宇野重規・東京大教授(政治思想史)、芦名定道・京都大教授(宗教学)、岡田正則・早稲田大教授(行政法学)、小沢隆一・東京慈恵会医科大教授(憲法学)、松宮孝明・立命館大教授(刑事法学)。 問題は国会などで大きく取り上げられたが、菅首相は任命拒否の理由について「人事に関することで、お答えは差し控える」などとして具体的に説明していない。6人は拒否の理由や経緯が記録された文書の開示を政府に請求したが、政府は6月、不開示とする決定を通知した。 加藤さんは自身が任命拒否された理由について今回、「私が国民の前で(行政の問題点を)説明できる人間だったことが、不都合だったのではないか」と推測した。 除外されたのは、なぜ「6人」だったのか。この人数について加藤さんは、政権側の「シグナル」である可能性を指摘している。(編集委員・塩倉裕)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

虐待の痛みを知るホクト 迷子の柴犬に差し伸べられた手

 柴犬「ホクト」と出会ったのは昨年12月、寒い日の夜だった。 日付が変わるころ、仕事を終えた儀同しょうこさん(42)は、東京都東村山市で車を走らせていた。 すると突然、目の前を何かが横切った。 急ブレーキをかけながら、しっぽのようなものが一瞬見えた。 車を止めて外に出ると、犬がいた。ボロボロの見た目でやせ細っていた。 飼い主が探しているかもしれない。 そう思って警察に連絡し、動物病院へ連れて行くことにした。 警察が飼い主を見つけてくれたが、動物病院で治療中であることを伝えると一方的に電話を切られた。 それから連絡がとれなくなり、3カ月後に儀同さんが引き取ることが決まった。 名前は聞けなかったため、ホクトと名付けた。 前の飼い主と暮らしたいのか、自分と暮らしたいのか、気持ちはわからない。 でも、ホクト自身の願いがかなうといいな、という思いから北斗七星にちなんで命名した。心を開いてくれた瞬間 ホクトは人間に近づこうとしなかった。 長い柄のほうきを手にすると、急におびえた。 物を落とした時のガチャンという音を聞いただけで、ガタガタと震え出した。 なでようとするといつもビクビクして、どう甘えていいか分からないように見えた。 もしかしたら、虐待されていたのかもしれない。 そう思ったから、近づく時や触る時は必ず、先に声をかけるようにした。 「怒らないからね」「これから首輪をつけて散歩に行くよ」といった具合で。 1カ月半ほど経ったころ、初めてホクトの方から行動してくれたことがあった。 散歩の途中、脚を拭いてあげたタオルをしまおうと背を向けていた時のこと。 前脚でチョイチョイと、背中をたたいてきた。 やっと信頼してもらえたんだ。そう思えた忘れられない瞬間だ。6月の「事件」、迷子に 6月22日の朝、自宅周辺を散歩中に「事件」が起こった。 通りすがった男性が突然「お…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

川で姉妹を二分 国の線引きに再び「ノー」 黒い雨訴訟

会員記事戸田和敬、松尾葉奈、岡田将平2021年7月15日 6時45分 国の線引きに再び司法がノーを突きつけた。「黒い雨に遭った人は被爆者だ」と認めた14日の広島高裁判決。原爆投下から76年、法廷での戦いを強いられてきた原告らは早期の政治決着を願った。 「長い間、自分たちの証言が真実だと訴えてきた。もうこれで終わりにしたい」。原告の1人、広島市中区の前田千賀さん(79)が向き合ってきたのは、川を隔てて姉妹を二分した国の不合理さだ。 あの日、前田さんは母と妹の3人で、爆心地から19・9キロの水内村(現・広島市佐伯区湯来町)の自宅にいた。四つ上の姉は自宅近くの川を渡ったところにいた。突然の爆風に驚いた母は、幼い娘2人を連れて庭へ逃げた。焼け焦げた紙切れなどに続き、空から降ってきたのが黒い雨だった。水を引いている裏山、米や芋などを育てる田畑――。雨は一帯に降り注いだ。 前田さんが黒い雨の影響を意識し始めたのは、還暦を記念した中学校の同窓会がきっかけだった。100人ほどいた名簿には25人近い同窓生の名前がなかった。「こんなに亡くなるものか」。自身も中学生のとき、原因不明の鼻血に悩まされていた。そのとき、頭をよぎったのが父の活動だった。川で線引き、姉だけが援護対象に 1976年に国が示した「線…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:1186文字/全文:1707文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「黒い雨に遭った人は被爆者」広島高裁、疾病要件も外す

戸田和敬、米田優人2021年7月14日 19時36分 広島への原爆投下後、放射性物質を含む「黒い雨」を浴びたとして、住民ら84人が被爆者と認めるよう求めた訴訟の控訴審判決が14日、広島高裁であった。西井和徒裁判長は「黒い雨に遭った人は、被爆者にあたる」として、84人全員への被爆者健康手帳の交付を命じた昨年7月の一審・広島地裁判決を支持。国から手帳の交付事務を任されている広島県と広島市の控訴を棄却した。 広島の黒い雨を巡り、高裁が判断するのは初めて。 黒い雨が降った一部の区域では、特例として被爆者と認める仕組みはあるが、原告らはこの区域から外れていた。広島市などは、区域の6倍の範囲で降ったと推定。この範囲で雨を浴びた人は今も約1万3千人いるとみる。一審判決は、黒い雨に遭い、がんなどの疾病にかかれば被爆者にあたるとしたが、高裁判決では疾病の要件がなく、より幅広く被爆者と認められた。新たな申請者が出ることも予想され、国の援護行政のあり方が問われそうだ。 西井裁判長はまず、被爆者援護法の根底には、国が特殊な戦争被害を救済するという国家補償的配慮があり、幅広く救う趣旨に沿って定められたと確認。原爆の放射能による健康被害を否定できなければ被爆者にあたるとし、放射能の影響を受けた「科学的な合理性」が必要だとする被告側の主張を退けた。 また、たとえ黒い雨を浴びていなくても、空気中の放射性物質を吸ったり、汚染された水や野菜を飲食したりする「内部被曝(ひばく)」によって健康被害を受ける可能性があったと指摘。広島に原爆が投下された後、黒い雨に遭った人は被爆者にあたるとした。 そのうえで、黒い雨が降った範囲について、国の援護対象区域から外れていても、黒い雨が降らなかったとするのは相当ではないとし、実際の降雨地域はより広いと認定。住民らは、証言などをふまえ、雨の降り始めからやむまでの間、いずれかの時点で降雨地域にいたと認められると判断し、県と市が住民らの手帳申請を却下したのは違法だと結論づけた。 国は一審判決後、検討会を設け、援護対象区域の拡大を視野に検証を進めている。厚生労働省は「国側の主張が認められなかったと認識している。今後の対応については関係省庁、広島県及び広島市と協議して対応して参りたい」とした。(戸田和敬、米田優人)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル