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熱海で夫婦を救助、自宅で26時間超しのぐ 1階は埋没

2021年7月4日 16時03分 静岡県熱海市で起きた大規模な土石流で、現場では4日も警察や消防、自衛隊が捜索を続けている。 熱海市伊豆山の湯原珍江(よしえ)さん(75)が夫栄司さん(75)とともに、自宅から救出された。 珍江さんは前日の午前10時半ごろ、自宅3階で重機が通過しているような轟音(ごうおん)を聞いた。「大雨が降っているから、どこかへ出動しているのかしら?」。窓から外をのぞくと、自宅前に土石流が流れ込んできた。 約30分後、さらに大きな土砂の波が自宅を襲った。外にいた栄司さんに「土石流が来てるわよ!」と叫んだ。栄司さんは外階段を駆け上がり、間一髪で土砂をかわした。 「第2波」で地下1階、地上3階建ての1階部分は2メートルほどの土砂で完全に埋もれた。窓から外に出るのも危険が伴う。救助が来るまで待つことにした。ガスと水道は止まっていたが、3階は電気がついた。備蓄用のペットボトルの水やカップ麺などで26時間超をしのいだ。 「無事でいられてほっとした」と話した珍江さん。「伊豆山に住んで75年。こんな土石流が起きたのは初めて。信じられない」 栄司さんは「いつまた土砂が来てもおかしくないという恐怖がずっとあった。やっと安全な場所に戻ってこられた。本当にホッとしました」と語った。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

5日に中国や近畿で激しい雨の恐れ 気象台警戒呼びかけ

2021年7月4日 18時39分 大阪管区気象台によると、西日本に南下して停滞する寒冷前線の影響で、中国と近畿北部・中部では5日昼前まで、1時間に30ミリ以上の激しい雨になるおそれがある。同気象台は「警報級の大雨の可能性がある」とし、土砂災害や河川の増水などに警戒するよう呼びかけている。 5日午後6時までの24時間降水量の予想は、多い所で中国120ミリ、近畿100ミリ。その後も梅雨前線が11日まで西日本付近に停滞する見込みで、中国や近畿では雨が続くとみられる。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

飯田線、御殿場線、小湊鉄道で運転見合わせ続く

2021年7月4日 18時42分 国土交通省によると、4日午後4時現在、鉄道は大雨の影響により、JR東海と小湊鉄道の計3路線で運転を見合わせている。小湊鉄道では路盤の流出が確認されているという。 運転見合わせの路線は次の通り。 【JR東海】飯田線(大海―天竜峡)▽御殿場線(御殿場―沼津) 【小湊鉄道】小湊鉄道線(光風台―上総牛久、里見―上総中野)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

難民からファミリーヒストリーまで 彼女は撮り続ける

 テレビディレクターの金本麻理子さん(48)が新型コロナウイルスのパンデミックに直面したのは、昨年2月から滞在していたレバノンでだった。国民難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報告書で、とりわけ深刻な貧困状態にあると指摘された、シリア難民を取材するためだった。 レバノン政府が国境を封鎖すると、そのまま2カ月余り、カメラを回し続けた。 取材の成果は、昨年NHKで放送された「レバノンからのSOS」などの番組に結実した。2カ月分の生活費のために腎臓を売った青年、失意の焼身自殺。過酷すぎる現実の一方、子を養うためにしてきた売春から脱したある女性は、マスクを縫う新たな仕事のために縫製を教わりながら、「学ぶのは楽しい」と目を輝かせる。 取材には通訳を兼ねたコーディネーターの女性だけを伴い、自らカメラを担いで入る。最初の1週間で手当たり次第に100人ほどに会い、「主人公」を見つける。 日常のなにげない会話こそを撮りたいから、カメラを全く意識されなくなるまで、とにかく毎日通う。最終的にカメラが映し出すのは、ときに目の前でDVが起きるほど、自然体の姿だ。妹を殴る兄を映したら、今度は何が兄にそうさせたのか、背景に迫っていく。 こうしてカメラを手に様々な現場に入るようになって、22年になる。 小学生の頃から、女性が主人…この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。残り:2263文字/全文:2846文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

盛り土崩落で被害甚大化か 知事「開発行為の検証必要」

【動画】熱海市で発生した大規模土石流の発生現場付近=静岡県提供 活発な梅雨前線による大雨で土石流が発生した静岡県熱海市伊豆山(いずさん)では、4日も警察や消防、自衛隊による捜索が続き、新たに13人が救助された。県や市によると、被害が出た建物は少なくとも約130棟にのぼり、なお約20人の安否が確認できていないという。 県は4日、今回の土石流の最上流付近には「開発行為」による盛り土があり、これを含む土砂の崩落が「被害を甚大化したものと推定される」との見解を公表した。盛り土は約5万4千立方メートルと推定され、この盛り土も含め計約10万立方メートルがこの付近から崩落した可能性があるとしている。 川勝平太知事はこの日あった全国知事会で、「開発行為との因果関係は明確ではないが、検証の必要がある」と述べた。 県によると、土石流は同市伊…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:677文字/全文:1014文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「五輪やめろ」聖火リレーに液体発射の疑い、53歳逮捕

2021年7月4日 23時53分 東京五輪聖火リレーのランナーに水鉄砲で液体を発射したとして、茨城県警は4日夜、同県日立市東滑川町4丁目の無職高橋香代子容疑者(53)を威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕し、発表した。茨城県では、この日からリレーが始まったところだった。 水戸署によると、高橋容疑者は4日午後7時40分ごろ、水戸市千波町で「オリンピック反対。五輪やめろ」などと言いながら、県内のリレー1日目の最終走者の男性(77)に沿道から水鉄砲で液体を発射し、リレーを妨害した疑い。 男性や周囲の人にけがはなく、リレーは予定通り終わったという。液体の成分はわかっていない。 茨城県の聖火リレーは4、5日の2日間で、16市町の約36キロを179人のランナーがつなぐ。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

最上流部の盛り土ほぼ崩落 静岡県がドローン映像公開

植松敬2021年7月4日 21時25分【動画】熱海市で発生した大規模土石流の発生現場付近=静岡県提供 熱海市伊豆山の大規模土石流で、県は4日、土石流の最上流部にあった盛り土がほぼすべて崩落し、大量の盛り土が流れたことで被害が拡大したと推定されるとの見解を示した。川勝平太知事は記者会見で、専門家の意見を聴きながら検証し、盛り土ができた経緯や土石流との因果関係を調べる考えを示した。 県によると、2010年以降に国交省が測量したデータと県が2020年に取得したデータを比較した結果、開発行為による盛り土は約5万4千立方メートルと推定された。崩れた周辺斜面などを含めて、崩落量は計約10万立方メートルに及ぶ可能性があるという。 川勝知事は、大量の盛り土が崩落したことを重視。「やりようによっては大変危険をもたらすような山への手の加え方になる。県としてしっかり検証する」と述べた。 川勝知事は、この日の全国知事会の緊急広域災害対策本部会議で、「山を開発すると森林を伐採するので、保水力を奪うことになる。土石流は大雨が直接的な要因で開発行為との因果関係は明確ではないが、検証の必要がある」と述べた。(植松敬)斜面えぐられ土むき出し 県がドローン映像公開 県は4日、土石流が発生した現場付近の写真と上空からドローンで撮影した映像を公開した。映像からは山肌がアスファルトを巻き込んで広い範囲で崩落している様子がうかがえる。 3日夕に伊豆山地区で撮影した。現場近くには住居もあるが、山の斜面は深くえぐられ、茶色い土がむき出しになっている。周囲の木も巻き込んで崩落したとみられる。 県によると、土石流の発生した場所は幅100メートル、長さ100メートル、最大10メートル以上の深さで崩れている。現場は木がなく盛り土があったという。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

【4日の詳報】熱海で高齢夫婦を救出 自宅で26時間

【動画】熱海市伊豆山地区の土石流現場で本格捜索始まる=加藤諒、瀬戸口翼撮影 静岡県熱海市の伊豆山地区に大きな被害をもたらした土石流から一夜が明けた4日、複数の安否不明者がいるとみられる中、救助に向けた活動が続きました。一日の動きをまとめました。20:00新たに4人救助、2日間で救助者は計23人に 熱海市の斉藤栄市長が記者会見で、新たに4人を救助したと発表した。4日に救助された人は計13人となり、前日からの2日間での救助者は計23人。 一方、市は安否不明者の把握が困難だとして、「住民基本台帳ベースで確認できていない147人について、確認を進める」と説明している。18:00きょうの捜索終了 これまでに19人を救助 警察や消防、自衛隊などが、この日の救助活動を終えた。 土砂でふさがれた国道135号では、静岡県熱海土木事務所が、夜通しで土砂の撤去を続ける予定という。14:30母と連絡とれず安置所へ 熱海市下多賀の南熱海マリンホールには、遺体の安置所が設けられた。 訪れた静岡市の自営業男性(40)は伊豆山地区で一人暮らしをする母(69)と連絡がとれないという。 「土石流のニュースを見て母に電話をかけたがつながらず、LINEも『既読』がつかない。避難所をいくつか回ったが見つからなかった。最後に得られる情報はここだけなので来てみた。少しでもなにか分かることがあれば知りたい」とやつれた表情で話した。 案内されて遺体を確認したが、母はいなかったという。14:1526時間ぶりに高齢夫婦救助 熱海市伊豆山の湯原珍江(よしえ)さん(75)が夫栄司さん(75)とともに、自宅から救出された。 珍江さんは前日の午前10時半ごろ、自宅3階で重機が通過しているような轟音(ごうおん)を聞いた。「大雨が降っているから、どこかへ出動しているのかしら?」。窓から外をのぞくと、自宅前に土石流が流れ込んできた。 約30分後、さらに大きな土砂の波が自宅を襲った。外にいた栄司さんに「土石流が来てるわよ!」と叫んだ。栄司さんは外階段を駆け上がり、間一髪で土砂をかわした。 「第2波」で地下1階、地上3階建ての1階部分は2メートルほどの土砂で完全に埋もれた。窓から外に出るのも危険が伴う。救助が来るまで待つことにした。ガスと水道は止まっていたが、3階は電気がついた。備蓄用のペットボトルの水やカップ麺などで26時間超をしのいだ。 「無事でいられてほっとした」と話した珍江さん。「伊豆山に住んで75年。こんな土石流が起きたのは初めて。信じられない」 栄司さんは「いつまた土砂が来てもおかしくないという恐怖がずっとあった。やっと安全な場所に戻ってこられた。本当にホッとしました」と語った。13:50午前10時までに新たに9人救助 熱海市の斉藤栄市長は報道陣の取材に応じ、4日は午前10時までに新たに9人を救助したと明らかにした。4世帯以上の建物からそれぞれ救助され、うち高齢女性1人が重症。8人はけががないという。 市によると、市消防が午前9時過ぎに重症者を救助した。病院に搬送され、治療を受けている。ほかの8人も午前9時半ごろまでに助け出された。8人は高齢男性4人と高齢女性2人、成人女性2人という。 その後は雨がやや強まり、現場で小規模な崩落が起きたこともあり、救助活動は中断された。斉藤市長は「断続的な雨のため、捜索が思うにまかせないところもある」と話した。11:20熱海市「捜索を再開」 熱海市の広報担当者は、雨が強まった影響で一時停止していた伊豆山地区での警察や消防、自衛隊による安否不明者の捜索が午前10時18分に再開されたことを明らかにした。行方不明者の捜索をする消防関係者=2021年7月4日午後1時53分、静岡県熱海市伊豆山、瀬戸口翼撮影11:05首相「19人救助、建物被害130棟か」 首相官邸で大雨に関する関係閣僚会議を開き、対応を協議した。3日に静岡県熱海市伊豆山で起きた大規模な土石流について、菅義偉首相はこれまで19人を救助する一方、死者と負傷者はそれぞれ2人を確認し、建物被害は130棟に及ぶ可能性に言及。「安否不明の方も複数いる」と述べ、二次災害に注意したうえで救助活動や被災者支援にあたるよう閣僚らに指示した。 また首相は、梅雨前線が引き続き日本列島に停滞し、各地で大雨を降らせる可能性を指摘。「危険な場所に近づくことがないよう、気象情報や避難情報などに十分注意し、早め早めに命を守る行動をとっていただきたい」と国民に呼びかけた。静岡県熱海市で発生した土石流から一夜明け、関係閣僚会議に臨む菅義偉首相=2021年7月4日午前11時19分、首相官邸、北村玲奈撮影10:50「小さな崩壊の可能性」 副知事指摘 難波喬司・静岡副知事は熱海市役所で、土石流が発生した起点付近の4日朝の状況について、今後さらに大規模な崩壊につながるようなクラック(亀裂)は入っていないことを明らかにした。ただ、「小さな崩壊が起きるクラックは入っている」と述べ、小規模な崩壊の可能性を指摘した。 副知事は報道陣の取材に対し、小規模な崩壊について「50立方メートルか100立方メートルくらい」と説明。今後の雨が大規模な崩落に結びつく可能性については「1時間に20ミリか30ミリの雨」であれば、大規模な崩落に結びつく可能性は小さい、との見方を示した。土石流の起点となった斜面=静岡県提供10:45なじみ客の姿なく「心配しています」 熱海市網代で雑貨店を営む内田雅也さん(33)のもとに、近所の人が数人集まっていた。伊豆山地区で魚屋を営む親子のことを心配そうに話し合っていた。内田さんは「息子さんはいつも朝になると、店にたばこを買いに来てくれていたが、今日はまだ来ていない」と語った。 近所の住民たちの話では土砂災害発生前に、網代の得意先で魚を売った後に伊豆山地区の店に向かった息子の姿を見たのが最後だという。「親子ともに姿が見えず、心配しています」避難所となっている公民館に設けられた給水所には水を求める人たちが並んだ=2021年7月4日午前10時5分、静岡県熱海市伊豆山、瀬戸口翼撮影10:00住民「いったいいつ、元の状態に」 熱海市伊豆山の浜地区に住む池谷辰代さん(80)は、警視庁の職員が安否不明者の捜索のために道の泥をかき分けていく様子を、自宅近くで見守った。「土砂が減って少しほっとした」と、目を潤ませながら話した。 自宅は土石流による被害は免れた。当初は「なにがなんだかわからなかった」が、親戚や友人から「無事なのか」と電話をもらったり、なじみのそば屋やクリーニング店が泥にまみれているのを見たりするうちに、被災したという実感がわいた。自宅で過ごした深夜、涙があふれてきた。 「慣れ親しんだ街がめちゃくちゃになってしまったことが、何より悲しい。いったいいつ、元の状態に戻るんでしょうね」土砂が流れ込んだ道路では、泥土をかき出す作業が進められていた=2021年7月4日午前7時1分、静岡県熱海市、福留庸友撮影09:50現場に警報音、捜索停止 安否不明者の捜索が続く土石流の現場では、雨が降り続いている。午前9時50分ごろ、伊豆山地区に土砂災害の危険を知らせる「エリアメール」が熱海市から流れ、近くにいる人たちの携帯電話が一斉に鳴った。「伊豆山地区では、これまでの雨により土砂災害の危険性が高まっています。土砂災害に十分注意してください」という内容だった。土砂災害警戒の速報が出され、全力で退避する消防隊員ら=2021年7月4日午前9時49分、静岡県熱海市伊豆山、角野貴之撮影 捜索現場でも同じ頃、土砂災害の危険を知らせる警報が鳴り響き、「緊急退避」という号令と笛の音を受けて、消防隊員らが全力疾走で現場を離れた。 静岡県によると、雨が強まった影響で、午前9時50分現在、捜索の一切を一時停止した。土石流に見舞われた住宅で行方不明者の捜索をする消防隊員ら=2021年7月4日午前9時、静岡県熱海市、福留庸友撮影09:30被災のクリーニング店夫婦「とにかく無事でいて」 静岡県熱海市伊豆山浜でクリーニング店を営む、岡本政夫さん(69)と、妻・尚子さん(68)は4日午前9時半ごろ、警視庁による行方不明者の捜索を、不安そうに店の前で見守った。 3日の土石流で、1階の店内には泥が入り込み、物が散乱したり壁が壊れたりし、足を踏み入れられない状態になった。身動きがとれなくなり、3階の自宅で一夜を過ごした。 政夫さんは「まずはとにかく普通に歩ける町に戻ってほしい」。上流側で、20年来の友人の安否がわからなくなっている尚子さんは「全体でどれほどの被害があるのか、早く知りたい。友人にはとにかく無事でいてほしい」と話した。国道135号沿いには土石流に巻き込まれた自動車やバスがあった=2021年7月4日午後0時14分、静岡県熱海市伊豆山、瀬戸口翼撮影09:20町内会長「土砂が空を舞っていた」 熱海市伊豆山の浜地区の逢初橋近くには、流れ込んだ土砂が150センチほどの高さまでたまっていた。警視庁が朝から重機を使って行方不明者の捜索などを行い、近くの避難所に逃げた住民らは、不安げな様子で見守っていた。 同地区町内会長の千葉誠一さん(74)の自宅そばにも、泥が流れこんだ。3日、避難のため車を準備していたところ、「どかん」と破裂音のようなものが聞こえた。後ろを見ると「土砂が空を舞っていた」。直後、大木や岩をのみ込んだ濁流が目の前まで迫り、無我夢中で走って逃げた。数秒後に振り返ると、土砂が国道を寸断していた。「一瞬でも遅かったら命がなかったかも……」 警視庁の捜索活動中には、土砂災害の危険性を知らせるアラームが鳴り、捜索活動が一時中断する緊張感が続く。千葉さんの友人には、国道を寸断した土砂の先に避難している人もいる。「みんな無事だといいけど……」と声を振り絞った。泥が中に流れ込んだ店舗=2021年7月4日午後0時20分、静岡県熱海市伊豆山、瀬戸口翼撮影09:00ビル3階の男性を救助中 警視庁は熱海市伊豆山の下流付近で4日午前9時前に捜索を開始。逢初橋近くの5階建てビルの3階に取り残された男性一人の救助に当たっている。 警視庁の警察官は「大丈夫ですか」「いま救助しますから待っていてください」と大声で男性に呼びかけ、男性はベランダから身を乗り出して応じていた。 ビルは高さ約150センチの泥で囲われ、複数の重機で泥をかき出している。 逢初橋がかかる国道135号付近は、土石流で流されたバスや車などが泥に埋まったままの状態だ。08:50気象庁「厳重な警戒が必要」 東海と関東に記録的な大雨をもたらした梅雨前線は4日、日本海まで北上し、北陸や中国、九州北部で大雨となるところがある見通しとなっている。気象庁によると、5日にかけて日本海側では局地的に1時間50ミリ以上の非常に激しい雨が降る恐れも。これまでの大雨で土砂災害の危険度が高まっている東海を含め、厳重な警戒が必要という。 静岡県熱海市の観測点では、3日午前の土石流発生後も断続的に雨が続いている。熱海市を含む伊豆地方では、5日にかけて多いところで1時間雨量30~40ミリの激しい雨も予想されている。 関東でも降雨は続くとみられ、これまでの大雨で地盤が緩んでいるところがあり、気象庁は4日夕にかけて土砂災害に警戒を呼びかけている。07:50伊豆山地区、なお20人が行方不明 静岡県熱海市の土石流被害で、斉藤栄市長は4日朝の災害対策本部の会議後、伊豆山地区で被害にあった建物が約80棟と推計されると明らかにした。亡くなった人は女性2人で、なお約20人が行方不明だという。行方不明者とは別に、3日夜に救助された人は男性6人、女性4人の計10人いたという。 警察や消防、自衛隊の約700人が伊豆山地区で救助活動を続けている。4日午前6時現在、市内の約10カ所に約390人が避難している。仲道公民館に昨日から避難していたという森功一さん(80)。自宅3階にいたため難を逃れたが、1階は土砂に埋まった。「どうしようもない気持ち。トイレを流す水がなくて困っている。薬も不足している」=2021年7月4日午前7時57分、静岡県熱海市伊豆山、瀬戸口翼撮影07:30土石流現場、様子見に来る住民も 4日午前7時半、土石流のあった静岡県熱海市伊豆山の岸谷地区では、規制線が張られ、警察官や自衛隊員らが慌ただしく行き交っていた。 雲が低く垂れ込め、雨が本降りになるなか、規制線のところまで様子を見に訪れた住民もいた。 規制線の中に自宅がある田中公一さん(71)は、妻路子(みちこ)さん(70)と連絡が取れていない。「妻が埋まっているかもしれない。昨日から不安で落ち着かない。昨日も今朝も妻と連絡が取れない。無事だといいが……」と、自宅の方を心配そうに見つめていた。土砂に押し流された車=2021年7月4日午前6時54分、静岡県熱海市、加藤諒撮影07:00「72時間が大事」熱海市長が呼びかけ 静岡県熱海市役所では4日午前7時、県や市、消防や警察などの関係者が集まり、災害対策本部が始まった。斉藤栄市長は会議の冒頭で、「二次災害を防がねばならないが、昨日からの72時間が人命救助の一番大事な時間になる。情報収集、避難所の対応など救助活動のバックアップのためにも持ち場の仕事に全力を挙げてほしい」と呼びかけた。対策本部会議で話す熱海市の斉藤栄市長(中央)=2021年7月4日午前7時3分、市役所、藤牧幸一撮影06:00捜索・救助作業始まる 土石流発生から一夜明けた静岡県熱海市の現場では、4日午前6時、自衛隊、消防、警察による本格的な行方不明者の捜索と、救助作業が始まった。土砂崩れ現場で捜索活動に臨む自衛官=2021年7月4日午前6時8分、静岡県熱海市、加藤諒撮影05:30 JR東海によると、大雨の影響で運転を見合わせていた東海道新幹線の東京―新大阪間について、4日の始発から通常通り運転を再開する。 東海道新幹線は3日、小田原―熱海間で線路構造物を確認するため、東京―新大阪の全線で運転を見合わせていた。点検の結果、運行に支障がないと判断した。【動画】土石流の発生から一夜明けた静岡県熱海市の伊豆山地区=福留庸友撮影Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「五輪止めろ」聖火リレーに液体発射の疑い、53歳逮捕

2021年7月4日 23時53分 東京五輪聖火リレーのランナーに水鉄砲で液体を発射したとして、茨城県警は4日夜、同県日立市東滑川町4丁目の無職高橋香代子容疑者(53)を威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕し、発表した。茨城県では、この日からリレーが始まったところだった。 水戸署によると、高橋容疑者は4日午後7時40分ごろ、水戸市千波町で「オリンピック反対。五輪止めろ」などと言いながら、県内のリレー1日目の最終走者の男性(77)に沿道から水鉄砲で液体を発射し、リレーを妨害した疑い。 男性や周囲の人にけがはなく、リレーは予定通り終わったという。液体の成分はわかっていない。 茨城県の聖火リレーは4、5日の2日間で、16市町の約36キロを179人のランナーがつなぐ。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「早く帰りたい」住民に疲れ 避難所の「密」防ぐ工夫も

 大規模な土石流から一夜明けた4日、静岡県熱海市内に設けられた避難所には被災した伊豆山地区の人が身を寄せ、一様に疲れた表情を浮かべた。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための消毒液も置かれ、感染対策にも気を使いながらの避難生活が続いた。 4日午前の段階で約50人が避難していた市立熱海中学校では、島幸子さん(58)が一足先に同校に避難していた夫久生さん(58)と再会した。幸子さんは前夜、勤務先のホテルに泊まった。互いに電話でやりとりしていたが、「会って無事が確認できてほっとした」と笑顔を見せた。 ただ、避難所でも土砂災害の危険を知らせる「エリアメール」が何度も鳴った。「いつまでこんなことが続くんでしょう」と幸子さん。生まれも育ちも伊豆山という久生さんは「とにかく早く家に帰りたい。静かな町でこんなことが起きるなんて」と話した。 後藤光雄さん(75)は、足が悪い母てるこさん(99)と身を寄せた。杖をついて歩くてるこさんを自宅で介護する。前日は自衛隊に避難をうながされ、車で避難した。 避難所ではスティックパンやおかゆが配られ、4日には畳と仕切りも設けられた。だが、体育館とトイレは別の場所にあり、てるこさんが1人でトイレに行くたびに心配になる。ホテル泊も考えたが、ホテルまで歩くのが難しいためあきらめた。 市総合福祉センターに避難した三橋加代子さん(74)は「雨が降り続けていて怖い。早くやんで、家に帰れるようになってほしい」とこぼした。 土石流が起きた時は自宅にいた。ふと窓の外を見ると、電柱が揺れていて、外をのぞくと近くの道路を土砂が流れていたという。急いで高台にある知人宅へ行き、その後、地区の人の車で避難した。「自宅が無事なのかもわからず、休めない」 避難所での感染対策も重要だ。 市総合福祉センターでは各所に消毒液を用意し、希望者には不織布マスクも配った。「密」を防ぐため、室内には仕切りを置くなどして他の避難者と1メートルほどの間隔をとれるようになっている。 上野勝子さん(75)はマスクをつける間もなく自宅を飛び出した。避難所でマスクを受け取り、「対策がしっかりしていて、すごくありがたい」と話した。 市はこの日、約10カ所に点在していた避難所を市内のホテル1カ所に集約。避難者は午後から、市が手配したバスなどで移動を始めた。斉藤栄市長は4日の市対策本部会議の終了後、「避難者は非常に疲労がある」と説明。避難所を医師や保健師が巡回する対応をホテルでも続けるという。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル