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LINE、中国に情報漏れうる実態 識者「重大事案だ」

 無料通信アプリ「LINE(ライン)」利用者の個人情報に、中国の関連会社からアクセス可能だったことがわかった。東日本大震災をきっかけに開発され、爆発的に利用者が広がったサービスは、今や自治体も活用する公共基盤。厳格な管理が求められる個人情報をめぐり、危うい実態の一端が明らかになった。  LINE側の説明では、同社の中国・上海にある関連会社に所属する中国人技術者4人が、少なくとも日本国内に個人情報が含まれるデータベースに計32回、接続していたという。どんなデータにアクセスしていたかは「確認中」だとした。  友人や知人とおしゃべりをする「トーク」機能をはじめ、音楽配信や決済、政府や自治体の手続きなど、社会のあらゆるサービスに浸透するLINEは「社会インフラ」そのものだ。国民の7割が使い、そこでは膨大なプライバシー情報がやり取りされている。  今回発覚した情報管理の現状に… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「この子、良い子なんだからね」避難所で撮ったぬくもり

 東日本大震災から10年がたちました。発生直後から現地で取材したフォトグラファーたちは何を思い、ファインダー越しに被災地をどう見つめていたのか。「あの日の写真」を振り返ります。 拡大する避難所での炊き出しで、配給のパンを受け取り涙を流す女性=2011年3月16日午後、岩手県釜石市、川村直子撮影  3月11日の地震発生時、私は船の中にいた。1週間の休みをもらい、三宅島へ。2000年の噴火が鎮まった後、帰島したものの元の生活に戻れない人々を訪ねた帰りだった。  11日中に東京に着くはずだった船は、津波の影響で航路を変更。翌12日、東京・竹芝埠頭(ふとう)に接岸した。そのまま歩いて築地の本社へ行き、すぐに車で東北へ向かった。  岩手県釜石市に入ったのは13日朝。崩れた建物や屋根の上にある車、火災による焦げ跡……。地震と津波の激しさを物語る光景の中を、住民らが行き交っていた。  家族の安否が分からないまま、… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

虐待疑い、近所から通報8回 「自ら転倒」78歳父の死

 虐待を受けているのでは、と近隣住人が疑っていた高齢男性が昨夏、亡くなった。生前、警察や自治体は通報を受け、本人や家族から繰り返し事情を聴いていた。数カ月後、遺体の傷痕から暴行死の疑いが強まり、警察は一転、介護を担っていた息子を傷害致死の疑いで逮捕した。救うことはできなかったのか。  死亡したのは大阪府高槻市の植村三朗さん(当時78)。妻(80)と長男の清程(きよのり)被告(49)=傷害致死罪で起訴=の3人(いずれも無職)で、マンションの一室で暮らしていた。  府警捜査1課によると、昨年7月21日午後7時ごろ、三朗さんが床にひざを立てた状態でベッドの上に顔を突っ伏し、息をしていないのを清程被告が見つけ、妻が110番通報した。病院に運ばれたが、翌22日に死亡が確認された。複数の骨折やあざの痕が見つかったが、司法解剖で死因は特定できなかったという。  三朗さんは2018年に脳梗塞(こうそく)を患い、半身がまひしていた。リハビリを続け、自力で歩けるようになったものの、よく転んでいたとされる。介護は妻と清程被告が担い、2人は三朗さんのけがについて、「転倒による傷」と捜査員に説明していたという。  府警は事件性を見極めるため、専門医に負傷箇所の精密検査を頼んだ。強い衝撃で筋肉の組織が損傷する筋挫滅(きんざめつ)が尻の右側に確認され、背中側の肋骨(ろっこつ)の多発骨折と相まって出血性ショックが起きたことが、主な死因として考えられるとの分析結果を得た。  さらに、複数の医師に見解を求め、筋挫滅は自分で転倒しただけではできないことを確認した。強い外力を加えられるのは清程被告以外にいない、と府警は判断し、今年2月、傷害致死容疑での逮捕に踏み切った。  清程被告は「やっていません」と否認したが、大阪地検は3月に同罪で起訴した。起訴状によると、昨年7月上旬から同月21日までの間、自宅などで三朗さんの頭や体に強い打撃を与えたり圧迫したりする暴行を加え、筋挫滅や多発肋骨骨折などの傷害を負わせ、同22日、出血性ショック、急性腎不全、左肺気胸により死亡させた、としている。 本人は処罰化求めず、事件化見送り  一家をめぐっては昨年5月から7月にかけて、複数の近隣住人から「怒鳴り声や大きな物音がする」などと虐待を疑う110番通報が寄せられ、高槻署員が8回、自宅で事情を聴いていた。  府警人身安全対策室によると、… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

殺人事件の遺体写真が流出、警部補が送信か 京都府警

 京都府警が捜査した殺人事件をめぐり、被害女性の遺体の写真が外部に流出していたことが、捜査関係者への取材でわかった。府警は、下京署の男性警部補が流出に関わったとみて、地方公務員法違反容疑での立件も視野に、経緯を詳しく調べている。  捜査関係者によると、流出した写真は昨年10月、京都市下京区の住宅で、刺殺された女性(当時24)のもの。捜査の証拠写真を接写したとみられる画像だといい、警部補の知人女性が所持していた。女性は府警の職員ではなく、事件とも無関係だという。  この女性が警部補とのトラブルを府警に相談した際、警部補から遺体の画像が送られてきたと申告。女性が持っていた画像を府警が確認し、流出が明らかになった。この女性のほかに画像が広まった形跡は確認されていないという。  警部補は殺人事件の捜査本部が置かれていた下京署の刑事課に所属していたが、事件の捜査には関わっていなかった。画像について、府警の聴取に「別の警察官から送ってもらった」と話しているという。  この殺人事件では、東京都葛飾区の無職男性(20)が昨年12月、殺人などの罪で起訴された。現在、裁判員裁判に向けて、争点や証拠を絞り込む手続きが進んでいる。 警察庁から各都道府県警に通達  警察官が捜査資料を外部に持ち… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

LINEの個人情報管理に不備 中国の委託先が接続可能

 無料通信アプリ「LINE」が、中国にある関連会社にシステム開発を委託するなどし、中国人技術者らが日本のサーバーにある利用者の個人情報にアクセスできる状態にしていたことがわかった。LINEはプライバシーポリシーでそうした状況を十分説明しておらず、対応に不備があったと判断。政府の個人情報保護委員会に報告する一方、近く調査のための第三者委員会を立ち上げ、運用の見直しに着手する。  LINEの親会社Zホールディングスの中谷昇常務執行役員は「プライバシーとそれを守るセキュリティーが第一であり、情報の取り扱いについてわかりやすく説明していくことが非常に重要であり、データの国外移転に関わることはより積極的な対策が必要であると認識しております。皆様に不安や心配をおかけし、誠に申し訳ございません」とコメントした。  個人情報保護法は、外国への個人情報の移転や外国からのアクセスに制限をつけ、必要な場合は利用者の同意を得るよう定めている。LINEの規約は「お客様のお住まいの国や地域と同等の個人データ保護法制を持たない第三国にパーソナルデータを移転することがある」などとしているが、昨年6月に成立した改正個人情報保護法(2年以内に施行)に関し、個人情報保護委員会は、原則として移転先の国名などを明記するよう求めている。  急速に普及したLINEは、国や自治体の新型コロナの通知アプリに使われるなど社会インフラとしての性格を強めている。このため同社は、規約の説明は不十分だったとして「正確、詳細な表現の検討を始める」(舛田淳・取締役最高戦略マーケティング責任者)としている。(編集委員・峯村健司、大部俊哉) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

駐車場で2人はねられ死亡 東京・町田の商業施設

 16日午前11時50分ごろ、東京都町田市木曽西2丁目のショッピングモール「ショッピングセンター305」の地下駐車場で、いずれも同市下小山田町の無職、石川道子さん(73)と夫の敬男さん(79)に乗用車がぶつかった。2人は搬送先の病院で間もなく死亡が確認された。  警視庁町田署は、車を運転していた同市図師町、無職大竹宇良子容疑者(71)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕した。駐車のために前進と後退を繰り返していて、後退中に車の後ろを歩いていた2人をひいたとみられる。調べに対し、「アクセルとブレーキを踏み間違えた」などと供述しているという。  現場はJR横浜線古淵駅から北西に約1・5キロ。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

涙ながらに「見下す意識あった」 ホームレス襲撃裁判

 岐阜市で昨年3月、路上生活をしていた渡辺哲哉さん(当時81)が襲われ死亡した事件で、傷害致死の罪に問われた元少年2人(ともに20歳)の第3回公判が15日、岐阜地裁(出口博章裁判長)であった。当時会社員だった元少年の被告人質問などがあり、「(ホームレスだった)被害者を見下したり、馬鹿にしたりするような考え方があった」と涙ながらに語った。  元少年は黒いスーツに身を包み、終始、か細く消え入りそうな声で弁護人や検察官の質問に答えた。  元少年は、高校での野球の成績を評価され、卒業後、野球部のある会社に就職した。高校野球のつながりで、もう1人の被告など複数の友人と仲を深めていった。高校まで野球漬けで「高校時代は遊ぶのを我慢していたが、友達と遊ぶことが楽しいと思うようになった。ただ、社会人なので遊べないことがあると、『ノリが悪い』と言われたりした。もう遊んでもらえなくなったりするのかなと思い、何とか時間をつくって遊ぶようにしていた」と振り返った。  友人らとは事件前、渡辺さんたちの住む岐阜市の河渡橋に計4回足を運んだ。投石行為について、「みんなと橋に行くうちに、からかったりするのが楽しくなっていった」と加わるようになった。  事件当日の3月25日未明、元少年は、もう1人の被告のスマートフォンの通話アプリの合図で投石を開始。逃げる渡辺さんや友人女性の行く手を阻み、ライトで照らしたり、投石を続けたりした。  1キロほど追いかけ、渡辺さんが鉄の棒をふりかざしたため、とっさに近くにあった土の塊を投げた。ソフトボールぐらいの大きさで、湿っていて少し重い土の塊は顔面に命中し、渡辺さんは倒れたという。元少年は救急車を呼ぶこともなく、もう1人の被告と逃走。約1カ月後に警察が自宅に来るまで、自ら警察署に出向くことはなかった。  検察官の「なぜホームレスの人に投石したのか」との問いに、元少年は「嫌がらせをして楽しむためだった」。また「被害者を見下す考え方をしていたので、嫌がらせや投石をした。弱い者いじめをしていた。からかうことに夢中になり、何の落ち度もない被害者を死なせてしまい、申し訳ありませんでした」と述べた。  一方で元少年は、亡くなった被害者たちへは「迷惑をかけた」という表現を使った。同様に「家族にも迷惑をかけた。信頼を取り戻したい」と語った。  起訴状などによると、2人は無職の元少年(20)=傷害致死の非行内容で少年院送致=と共謀し、昨年3月25日午前1時半ごろ、岐阜市の河渡橋で、路上生活をしていた渡辺さんらへ投石を開始。逃げる渡辺さんを約1キロにわたって追いかけながら、石を複数回投げつけた。土の塊を投げた際、渡辺さんの顔面に命中し、後ろへ転倒。渡辺さんは後頭部を路面に打ち付け、脳挫傷などにより死亡したとされる。11日の初公判で、2人は起訴内容を認めた。(松山紫乃) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「大人になっても…」 沈没船で救われた児童らの決意

 香川県坂出市沖で昨年11月に沈没した旅客船に修学旅行で乗っていた坂出市立川津小学校の児童が16日、卒業式を迎えた。6年生52人が元気に卒業証書を受け取り、保護者や教職員らが門出を祝った。船から児童らを救助した漁師たちもメッセージを寄せた。  「卒業生入場」  午前9時半、ピンク色の紙で手作りした桜の花を壁一面に飾った体育館に、児童らが拍手で迎えられた。  児童らは事故当時、沈没した船から海に飛び込み、励まし合いながら助けを待ち、駆けつけた地元の漁師らに救助された。  式では白川豊浩校長(59)が卒業証書を手渡した後、「まさかの出来事を経験したが、他人のことを思い、助け合ったことで奇跡を起こした。中学校に上がっても相手を思いやることを忘れないでください」とはなむけの言葉を贈った。  保護者代表の村上千春さん(4… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

野球推薦、けがで退学「死にたかった」 ホームレス襲撃

 岐阜市で昨年3月、路上生活をしていた渡辺哲哉さん(当時81)が襲われ死亡した事件で、傷害致死の罪に問われた元少年2人(ともに20歳)の第4回公判が16日、岐阜地裁(出口博章裁判長)であった。2被告のうち、無職の元少年の被告人質問などがあり、「渡辺さんが追いかけてくるスリルや恐怖感を味わっていた」と述べた。  無職の元少年は、野球推薦で大学に進学したが、けがの影響もあり、大学1年の夏に退学した。事件時はアルバイトも辞めていた。  昨年3月上旬、もう1人の被告らと行った愛知県の心霊スポット近くの公園でホームレスの人を見かけた。岐阜市の河渡橋の下にもホームレスがいたことを思い出し、その日のうちに友人らと河渡橋に行き、渡辺さんや一緒に暮らす友人女性に投石した。その後も複数回、友人らと投石などを繰り返した。  同月25日午前1時半ごろ、元少年は友人4人と河渡橋を訪れた。証拠品として提出されているスマートフォンの通話アプリの音声記録によると、元少年はもう1人の被告に投石の合図を送った。元少年は「自分は合図をしただけで、石は投げていない。投げる振りをした」と主張。「『投げない』と言っても仲間に納得してもらえないと思った」。渡辺さんらを追いかける過程では、石を2回、渡辺さんの2~3メートル手前に投げたという。  元少年は「当時、死にたいと思っていて、それ以外どうでもよかった」と説明。  もう1人の被告の弁護人から「死にたいことと、河渡橋に繰り返し行くことはつながらない」と指摘されると、「河渡橋に行くこともどうでもよかった。消極的だったわけではないが、具体的なことは何も考えていなかった」と述べた。  裁判員から河渡橋に繰り返し行った理由を問われると、「楽しいというより、投石で渡辺さんに鉄の棒を持って追いかけられたり、石を投げ返されたりする恐怖心を味わっていた。心霊スポットより恐怖心が味わえたので何度も行った」と説明。渡辺さんや友人女性に謝罪の言葉は述べた一方で、「自分の今後についてもどうでもいい」と話した。  起訴状などによると、2人は無職の元少年(20)=傷害致死の非行内容で少年院送致=と共謀し、昨年3月25日午前1時半ごろ、岐阜市の河渡橋で、路上生活をしていた渡辺さんらに投石を開始。逃げる渡辺さんらを約1キロにわたって追いかけ、石を複数回投げつけた。土の塊を投げた際、渡辺さんの顔面に命中し、後ろへ転倒。渡辺さんは後頭部を路面に打ち付け、脳挫傷などにより死亡したとされる。11日の初公判では、被告の2人は起訴内容を認めた。(松山紫乃) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

消防署員の自殺「パワハラが原因」 両親が消防組合提訴

 山口県宇部市の宇部中央消防署員だった松永拓也さん(当時27)が自殺したのはパワハラが原因だとして、両親が16日、署を管轄する宇部・山陽小野田消防組合を相手に、慰謝料など1億円余を求める国家賠償請求訴訟を山口地裁宇部支部に起こした。  訴状によると、松永さんは2019年1月に自宅で自殺し、職場でのパワハラや金銭問題を指摘する遺書を残していた。両親は、松永さんが長時間叱責(しっせき)されたり、報告を無視されたり、必要のない報告を求められたりするパワハラを受け、「多大な精神的苦痛を感じていた」と主張。消防組合はパワハラ行為に対し適切に対処しなかったと訴えている。  松永さんの父哲也さん(64)は16日、記者会見し「消防側からは一度も謝罪がない。自分たちが何をやり、何が悪かったのか自覚してほしい。このままでは子どもが浮かばれない」と述べた。  消防組合は今年1月、松永さんが自殺した当時の副署長のパワハラを認め、減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にしていた。組合の管理者の篠崎圭二・宇部市長は「訴状が手元に届いておりませんので、コメントは差し控えさせていただきます」としている。(山崎毅朗) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル