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退去拒み他の受験生は別室に 鼻出しマスクの40代男性

 大学入学共通テストの受験生が鼻を出したままマスクを着用し続け、監督者の注意に従わなかったため成績が無効になる事態が16日に起きた。関係者によると受験生は40代男性で、試験会場からの退去を拒み、他の受験生は別室に移動して試験を受けたという。  大学入試センターによると、この受験生は16日、東京都内の会場で地理歴史・公民、国語、外国語を受験。複数の監督者からマスクで鼻まで覆うように6回にわたり注意を受けたが指示に従わず、不正行為と認定され、成績が無効になった。  文部科学省の説明では、不正行為と認定されて別室への移動を求められた後も、「これが自分の正しいマスクの着用である」「不正行為の指示はおかしい」などと退去に応じず、他の受験生は英語(リスニング)の開始前に別室に移ることを余儀なくされた。  関係者によると、男性はその後、大学内のトイレから出てこなかったため、通報を受けて駆けつけた警察官が連れて行った。  同じ会場で受験した男性(18)は朝日新聞の取材に「(監督者が)休憩時間のたびに注意をして、言い争いになっている状態だった。ずっとそれが目に入って、気が散ってしまった。鼻までマスクで覆うのは相当苦しかったけど、それがルールなら仕方ないと思う」と話した。  文科省は18日、鼻と口の両方を確実に覆うのが正しいマスクの着用法であり、受験生にも事前に周知していたとして、「監督者の対応は適切なものであったと考えています」とするコメントを発表した。  センターは新型コロナウイルスの感染防止策として「受験上の注意」などで、昼食時を除き常時マスクを正しく着用するよう受験生に求めている。明らかに激しいせきをしている場合など他の受験生に迷惑がかかると監督者が判断した場合は、別室に移動させたり追試験にまわってもらったりするとも明記されている。  共通テストは、大学入試センター試験に代わり今回が初めての実施。1月30、31日にコロナ禍で授業が遅れた生徒などが対象となる第2日程が予定されている。(宮崎亮、阿部朋美、鎌田悠) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

N国の立花孝志党首が無罪主張 区議脅迫の罪、初公判で

 NHKから国民を守る党(N国、現NHKから自国民を守る党)を離党した地方議員を脅したり、NHKの受信契約者の情報を不正入手したりしたとして、脅迫や不正競争防止法違反などの罪に問われた前参院議員でN国党首の立花孝志被告(53)の初公判が18日、東京地裁であった。立花党首は「政治活動であり正当な業務行為だ」などと無罪を主張した。  検察側は冒頭陳述などで、立花党首が、N国を離党した東京都の中央区議について「徹底的にこいつの人生、潰しにいきます」などと述べた動画をネットに公開して脅迫したと指摘。さらに、不正に入手した契約者情報に加工を加えて動画で公開するなどしてNHKの業務を妨害したとした。  弁護側は「全て正当な言論活動、表現活動などで違法性はない」と反論した。(根津弥) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

コロナ禍中の個人の感情を表現 シモンズ初共作のプラダ

 プラダの2021年秋冬メンズコレクションは、モデルが歩く無観客のショー形式でデジタル発信された。ミウッチャ・プラダに加えて、人気デザイナー、ラフ・シモンズが共に手掛ける初めてのメンズシーズンだ。  テーマは「POSSIBLE FEELINGS(生まれ得る感情の意)」。世界的なコロナ禍の中で、服を通じて人間の個人的な感情や感性などをどう表せるかを模索したという。  今回の作品全体に通底しているのは、身体やその感覚への意識だ。たとえば、幾何学模様のジャカードニットのボディースーツや、ほとんどのモデルにはかせた、レギンスのようにぴったりと脚に密着する極細パンツ。きれいな色のもこもことした太い畝(うね)のウールコート。服が肌に触れる触感や生地の表面の質感、色彩が、人の感情を呼び起こすとの提案だろう。  シングルやダブルブレストのコートは、ドロップショルダーのストレートなシルエットで、身体と服の間の空間を想像させる。時折、ボディースーツを着たモデルがダイナミックに踊る映像が差し込まれ、テーマがより強調された。ビッグサイズのボンバージャケットと極細パンツの組み合わせは、ラフ・シモンズの作風を思い起こさせた。  ショーの後には、世界中の学生たちからの質問コーナーが設けられ、2人のデザイナーが丁寧に応えていた。  今回の会場は世界的な建築家レム・コールハースと、コールハースが率いる建築研究機関AMOによって考案されたスペースで、1部屋ずつ大理石や石膏(せっこう)、フェイクファーなどを思わせる壁紙で覆われていた。この空間設計について聞かれたミウッチャ・プラダは「現在、少なくとも私自身、隔離された状態で生活しているので、泡の中にいるような、そんな感覚と一致している。屋内でも屋外でもなく、自然でもない、感情や感性、官能性に満ちた、タフで抽象的な空間だ」と話した。  不安定な社会が続く中でのファッションデザインの方向性を問われたラフ・シモンズは「デザイナーとして、どのような時も服が持ち得るあらゆる意味を表現したい。今回は、物語性よりも、感情が重要と感じた。快適さや保護、美などを考慮しながら、触覚の可能性や服が与えることができる、身体的感覚を探った。現実世界や現在の孤立状態に生きる一人一人のなかで生まれ得る感情を表すために、色彩を並べ、柔らかさとハードさを共存させることなどに取り組んだ」と答えた。  2人の協働についてはミウッチャ・プラダが「協働の良い点は、意見交換をすることで、自分の意見を変えられる可能性があること。だから、決めた」などと語った。(編集委員・高橋牧子) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

家を出た娘に「死ぬのは自由」 母に言わせる社会の弱さ

 ふと、母親(65)は、長女(37)が幼かったころを思いだす。  「かわいかったよお。幼稚園のお遊戯なんてね、あの子がいつも一番! 私、アホやな。でもね、かわいくて、かわいくてしょうがなかったよ」  いまは関東地方に住んでいる長女から携帯メールが送られてくる。  「勝手に親ぶんな」  「邪魔なんじゃ。はよ死ねよ」  「あなたはもう親ではありません」  読みおえて母親は現実に引きもどされる。携帯の画面につぶやく。  「死ぬのも生きるのもあんたの自由。お好きにどうぞ。関わりたくありません」 異なる親子の言い分    ■      県内で暮らす母親は、長女を生んで1年後に離婚。以来、シングルマザーとして長女を育ててきた。  長女は、大学を卒業後いったん実家に帰り、自殺未遂と家出を繰り返した。5年前の32歳のときに家を飛びだしてそれっきりだ。  長女の言い分――  私が幼稚園のころから、母親は… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら…

山口県で88人感染確認 うち68人は病院で集団感染か

 山口県と下関市は18日、県内で新たに88人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。うち68人は宇部市の病院で発生したクラスター(感染者集団)関連という。1日あたりの県内の感染発表数では、16日の37人を大きく上回り最多。県内で感染が確認された人は延べ921人になった。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

残念な「お上任せ」改善を 再び緊急事態、見えたもの

 政府は昨年4月に続き、新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言を出した。都道府県知事の要請を受けた対応には「後手後手」との批判も強まる。予期されていた「2度目」を考える。 大東文化大学教授・中島一敏さん  1966年生まれ。専門は感染症学。世界保健機関や国立感染症研究所で、国内外の感染症対応に携わる。  私たちがこれから、新型コロナウイルスと長く付き合っていくことになるのは間違いありません。  国民全体の6~7割が抗体を持つ集団免疫が年内に成立するのは難しいでしょう。予防効果があるワクチン接種も、まだ長期的な効果や他人へ感染させない効果については分かっていない。その効果が見えてくるのに半年はかかると思います。ワクチンは「感染力低下」と「重症化予防」の掛け算で効果を考えるべきで、重症化をある程度抑えられればこの病気の見え方は変わってくるでしょう。しかし私たちがその答えを得るにはまだ時間がかかります。 再びの緊急事態宣言から見えてきたものとは――。大阪大学教授の大竹文雄さん、前千葉県知事の堂本暁子さんにもお話をうかがいました。  この「長期戦」を勝ち抜くには… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

LINE使った性的少数者の悩み相談 2年で500件超

 札幌市のNPO法人が、無料通信アプリ「LINE(ライン)」のメッセージを使い、セクシュアルマイノリティー(性的少数者)からの悩み相談を行っている。電話での相談も行っていたが、ラインを活用したところ件数は約2年間で500件を超え、特にそれまで少なかった若い人からの相談が増えたという。  相談を手がけているのは、札幌市のNPO法人「北海道レインボー・リソースセンターL-Port」だ。2018年11月から、月に1回相談日を指定し、午後7時から10時までラインのメッセージを通じて、セクシュアルマイノリティーや自分の性に疑問を持つ人からの相談を受けてきた。  相談回数はこれまでに27回を数え、合計522件の相談があり、そのうち9割が10~20代からだったという。相談内容は「心身の性が一致しない」「同性を好きになった」など、性自認や恋愛に関するものが多かった。  NPO法人の代表は「電話相談では40~50代が圧倒的だったが、ラインだと若者にとって相談するハードルがぐっと下がる。他人に聞かれず、どこにいても相談できるのも利点だ」と分析する。  相談を希望する場合は、NPO法人のホームページ(https://www.l-port.org/)にアクセスする。QRコードを読み取って「にじいろtalk-talk」のラインアカウントを友達追加すると、相談することができる。  一方、相談者からは「対応時間を延ばしてほしい」という声があり、今後は相談日を月2日に拡大していきたいという。ただ、現状では相談員が足りないため、一定の研修を受けて新たに相談員になってくれる人を募集中だ。募集の詳細もホームページに掲載している。(川村さくら) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

東京、新たに1204人が感染 6日連続で1千人超

 東京都は18日、新型コロナウイルスの感染者を新たに1204人確認したと発表した。6日連続で1千人を上回った。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO〈エクモ〉)を使用」とする都基準の重症者数は、前日から5人増えて143人だった。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

震災で亡くした教え子、忘れない 我が子の名前に残す

 犠牲者の名簿に龍馬の名前があった――1995年1月17日の夜、甲府市の小学校教諭だった跡部浩一(あとべこういち)さん(58)は、担任をしている6年の児童からの電話で教え子の死を知らされた。全力で駆け抜けた命があったことを忘れまいと、名前の一部をその年に生まれた我が子に使った。阪神・淡路大震災が起きた日は特別な一日となった。  亡くなったのは、兵庫県西宮市の小学6年生だった新井本(にいもと)龍馬君(当時11)。跡部さんが甲府市立北新小に赴任し、担任となった4年2組で1学期に学級委員長を務めた児童だった。5年生になる前の93年、西宮へ引っ越していった。  26年前のあの日は、卒業式や中学受験の対応などに追われる慌ただしい一日だった。  夜、6年の児童が自宅に電話をかけてきた。4年生のときに龍馬君と同級生だった子どもで、「ニュースで見た」とかつての級友の死を伝えてきた。  龍馬君は少年野球をしていて、いつもメジャーリーグ「アスレチックス」の野球帽をかぶった男の子だった。  「龍馬が死ぬわけない… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

コロナ禍、職も家も失い西成へ 夢中でかき込んだカレー

 新型コロナウイルスの影響で仕事と家を失い、路頭をさまよった男性がいる。生きるために仕事を探し、たどり着いた街で生活困窮者の支援団体に救われ、新たな住まいで年を越すことができた。ただ、再びの緊急事態宣言で先を見通せず、不安を募らせている。  「家がある状態で年を越せて良かった」。今月10日、大阪市西成区にあるアパートの4畳半の個室で男性(37)はほっとした表情を見せた。そして、人生で初めて住む場所を失い、どん底を経験した、あの日々のことを振り返った。  昨年11月20日、勤務先の大阪市内の太陽光パネル設置会社から突然、解雇通告を受けた。非正規採用で郊外の現場までマイカーで同僚を運ぶのが仕事だった。住み込みのため、会社の寮を出ることになった。  昨春までは月に20日近く仕事があったが、コロナ禍で夏ごろから工事が減り、数日しか呼ばれなくなった。車の諸経費込みで給料は1日1万4千円。働いた日数に応じて支給されたが、約4万円の家賃に携帯電話代、ガソリン代などを支払えば手元にはほとんど残らない。ついに工事が途絶え、雇い主から「これ以上仕事をさせられない」と告げられ、途方に暮れた。  和歌山県内で生まれ、両親は2歳の時に離婚。姉は父親に、男性は母親に引き取られ、再婚相手の2番目の父親は17歳の時に他界した。高校卒業後に料理人になろうと大阪へ出たが、先輩から包丁を投げつけられるなどの暴力を受けた。朝早くから夜遅くまで働いて時給400円ほどでは生活できず、25歳で夢をあきらめ、以降は職を転々とし、主に現場作業員をした。  解雇を告げられた日の夜、以前勤めた造船会社の上司の言葉を思い出した。「俺は西成でコツコツ働いて親方になった。あそこなら何かしらの仕事がある。困ったときに行けばいい」 牛丼店でお茶だけ飲み…  所持金は5千円。携帯電話は料金不払いで使えず、残された車に少量の給油をし、西成に向かった。  「一刻も早く生活費を稼がない… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル