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リサイクル、地球の次は…あれを使ったゴミ回収、目指す

宇宙ゴミリサイクル目指す雪下真希子さん(47)  星たちがまたたく宇宙には、膨大な宇宙ゴミも漂う。そのリサイクルに挑戦する企業の共同創業者だ。「地球のリサイクルはやってきた。『じゃあ、次は宇宙で』というのが発端です」  宇宙ゴミとは地球の軌道上にある不要な人工物。役割を終えた人工衛星やロケットの破片などを指す。そのリサイクルを目指す「STARS(スターズ) Space(スペース) Service(サービス)」(SSS)は、昨年12月25日設立の静岡大発のベンチャー企業だ。  1971年創業の中部日本プラスチック(浜松市)を父から引き継いだ。インターンの留学生が、静岡大学工学部の能見公博教授の下で、地上と宇宙を結んで人や物を運ぶ「宇宙エレベーター」について学んでいた。会話の中で宇宙ゴミの存在を知り、能見教授を紹介してもらって、起業の話は一気に進んだ。  SSS社が目指すリサイクルの舞台は宇宙。ロケットで人工衛星を宇宙に運び、回収した宇宙ゴミを宇宙ステーションで修理したり、使える部品を再利用したりする。宇宙で作業が完結するため、コストの大幅削減が期待できる。  SSS社は現在、能見教授が中心となって進める宇宙エレベータープロジェクトに参加している。中部プラ社からは社員が出向して環境試験に加わるなど技術や知識を積み重ねている。本格的な事業開始には数十年かかると見込むが、「(宇宙ゴミ対策は)求められていること。困っていることを解決すればお金になる」。広大な宇宙にビジネスチャンスを見ている。(須田世紀) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

切れた電話、4時間後に部屋へ行くと…宿泊療養中に死亡

 神奈川県は12日未明、新型コロナウイルスの軽症・無症状者向けに県が設けている宿泊療養施設に入っていた、県内在住の50代の男性が死亡したと発表した。施設側が連絡しても電話に出ない状況が数時間続き、室内で心肺停止の状態で発見されたという。宿泊療養施設に入所中の患者が死亡したのは同県では初めて。県は「極めて異例」のケースだとし、宿泊療養施設での健康観察のあり方を検証する方針。  県によると、男性は8日に感染が確認され、9日から同県厚木市内の宿泊療養施設に入っていた。  男性は11日午前、頭痛や腰痛、倦怠(けんたい)感を訴えた。体温は37・8度だった。県の保健師との電話でのやりとりのなかで「寝ているので腰痛がある。体を動かしているとよくなる」などと話していたという。  同日午後3時ごろ、LINEを使った健康状態の報告がなかったことから、施設の看護師が午後4時ごろ~7時半ごろに計6回、室内の内線電話や男性の携帯電話に電話をかけたが、つながらなかったという。このうち午後4時ごろの電話に対しては応答したものの、男性はしゃべらず、電話は途中で切れたという。午後6時半以降の電話に対しては応答がなかった。  午後8時ごろ、施設の看護師が部屋に様子を見に行ったところ、男性は心肺停止の状態でベッドに仰向けに倒れていたという。男性は医療機関に緊急搬送されたが、午後9時ごろ死亡が確認された。  記者会見で県の担当者は「死亡原因を含めてまだ不明な点が多いが、(宿泊療養施設の)運営そのものに緊張感を持たないといけない」と話した。  午後4時ごろ、男性が一言も話さないまま電話が切れた後、約4時間の間、室内を確認しなかったことについては「結果論からすると適切かどうかは判断が分かれる。いままで電話に出ても答えないケースは他(の患者)にもあった」としつつ、「その時点で注意を払っておくことが必要」とした。再発防止策については「健康観察のあり方や基準をもう少し明確化しないといけない」とした。(岩本修弥) ■男性の死亡まで… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

寺に残された遺骨 祖国に返れぬ朝鮮人労働者たち

 ノーベル物理学賞に寄与した宇宙素粒子観測装置「スーパーカミオカンデ」がある岐阜県飛驒市の神岡鉱山。ここでも戦時中、亜鉛と硫酸の増産のため、朝鮮人が多数動員された。その遺骨が、周辺の寺に今も残っている。  神岡鉱山の朝鮮人動員は1940年に始まった。厚生省(当時)の資料では42~45年に神岡鉱山に連行された朝鮮人は1694人。鉱山に電源を供給する神岡水電にも、ダム建設の工夫(こうふ)として2千人以上が動員された。 拡大する金文奉ら、浅井田ダム建設の犠牲者をまつる慰霊灯籠(どうろう)の横に立つ下嶌義輔=2020年10月12日午後2時26分、岐阜県飛驒市神岡町、阿久沢悦子撮影  同県中津川市の下嶌義輔(しもじまよしすけ)(66)は15年前から、鉱山周辺の寺院に朝鮮人の遺骨を訪ね歩いている。元国鉄職員。労働組合の活動の一環で、在日朝鮮人の指紋押捺(おうなつ)拒否などを支援してきた。  下嶌は90年、名古屋市で開かれた集会で在野の研究者、金蓬洙(キムボンス)(故人)と出会い、神岡鉱山で働いていたと思われる朝鮮人34人の犠牲者リストを手にした。金が役場に残っていた戦時中の「埋火葬認許願綴(つづり)」から、名前と職業、生没年月日、死因、本籍地を書き写したものだった。  2005年、前年の日韓首脳会… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

神奈川県で新たに285人感染 過去最多を更新

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大分県、3日連続で感染者の最多更新 別府市で16人

 大分県と大分市は11日、新たに26人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日当たりの発表数では3日連続で最多を更新した。別府市の感染者が16人で、そのうち8人は繁華街のスナックやバーの経営者と従業員。県内の感染者は490人となった。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

コメディアンの小松政夫さん、肝細胞がんで死去 78歳

 「どーかひとつ」「あんたはエライ!」といった印象的な決めゼリフで人気を博したコメディアンの小松政夫(こまつ・まさお=本名松崎雅臣〈まつざき・まさおみ〉)さんが7日、肝細胞がんのため東京都内の病院で死去した。78歳だった。葬儀は近親者のみで営んだ。喪主は妻朋子さん。  福岡市生まれ。高校時代に芸能界に憧れ、1961年に上京。自動車セールスマンなどを経てコメディアンの植木等の付き人兼運転手に。映画評論家の淀川長治のものまねが評判となり、「シャボン玉ホリデー」(日テレ系)でデビューした。  70年代にバラエティー番組「笑って!笑って!!60分」(TBS系)と「みごろ!たべごろ!笑いごろ!!」(NET=現テレビ朝日=系)で喜劇役者の伊東四朗さんと共演した。エネルギッシュな動きと口調を持ち味に、一大ブームを巻き起こした「電線音頭」のほか、特異なキャラクターの「小松の親分さん」を演じ、「しらけ鳥音頭」などでお茶の間を楽しませた。  俳優としても活躍し、日テレ系「前略おふくろ様」「ハケンの品格」や、自身の故郷・福岡を舞台としたNHK連続テレビ小説「走らんか!」などに出演した。06~07年には自伝的小説「のぼせもんやけん」を発表し、後にNHKで「植木等とのぼせもん」としてドラマ化された際の原案となった。日本喜劇人協会の会長も務めた。  昨年、がんが見つかり入退院を繰り返し、先月14日から入院していたという。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

横田騒音、飛行差し止めは認めず 国の賠償確定 最高裁

 横田基地(東京都福生市など)の周辺住民1078人が夜間・早朝飛行の差し止めや騒音被害の過去分・将来分の賠償を国に求めた「第2次新横田基地公害訴訟」で、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)は住民側の上告を退けた。飛行差し止めを求める訴えを退け、過去分として約7億7千万円の賠償を国に命じた二審・東京高裁判決が確定した。9日付の決定。  11日に会見した原告団は「司法は抜本的な被害救済を怠った。住民に、再度の提訴の負担を負わせる不当な決定だ」と批判した。  2017年の東京地裁立川支部判決は、米軍には「日本の支配が及ばない」、自衛隊については「(行政処分の違法性を問う)行政訴訟で請求すべきで民事訴訟で求めるのは不適法」と飛行差し止めの求めを退けた。賠償については将来分は認めず、過去分は住宅防音工事の助成対象となる騒音レベルの地域に住む大半の原告について計約6億2千万円を支払うよう国に命じた。高裁は控訴審までの期間を加えて、その額を増やしていた。(阿部峻介) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ゲノム編集トマト販売へ 専門家会議「安全審査は不要」

 ゲノム編集技術を使って品種改良したトマトが11日、「ゲノム編集食品」として国に届け出され、受理された。ゲノム編集食品の安全性を担保するため昨年10月に届け出制度がつくられて以来、届け出があったのは初めて。  筑波大つくば機能植物イノベーション研究センターの江面(えづら)浩教授が取締役を務めるベンチャー企業サナテックシード(東京)が届け出た。今年のノーベル化学賞の授賞対象となった「CRISPR(クリスパー)/Cas9(キャスナイン)」というゲノム編集技術によって、ストレス軽減や血圧上昇を抑える効果があるとされる「GABA(ギャバ)」の蓄積量を通常の品種よりも約5倍高めたトマトを開発している。  この日午前、厚生労働省の専門家会議が開かれ、事前に提出されたデータから高GABAトマトの安全性審査は不要と判断され、同社が午後に厚労省を含む関係各省に届け出た。種を農家向けに販売する予定で、採種したり供給態勢を整えたりするため、収穫されたトマトが店頭に並ぶには早くても1年程度かかる見込みという。  ゲノム編集食品に関する届け出… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「男性の産休」新設へ 育休取得の働きかけも義務化方針

 男性の育児休業の取得を進めるため、厚生労働省は企業に対し、働き手に取得を個別に働きかけることを法律で義務づける方針を固めた。子どもが生後8週までなら、2週間前までの申請で取れる「男性産休」も新設する。取得を後押しする制度を整え、男性が休みたいと言いづらい職場の雰囲気を変える狙いがある。  育休は、子どもが原則1歳になるまで男女とも取得できるが、男性の育休取得率は2019年度で7・48%にとどまる。  18年度の厚労省の委託調査では、取得しなかった男性の2割が「職場が取得しづらい雰囲気だった」を理由に挙げた。今も企業には、育休を取れると働き手に知らせる努力義務はあるが、強制力がない。職場からの働きかけが「特になかった」と答えた男性が6割いた。  厚労省は今回、育休の対象となる働き手に、個別に育休取得を促すことを義務化する方針。口頭で働きかけたり、取得の意向を確認したりすることなどを想定している。違反して国の指導に応じなければ、企業名を公表する規定も設ける。個別周知すれば、女性も働き続ける人が増える可能性がある。  また通常の育休は取得の1カ月… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

表示より低濃度の除菌スプレー販売 7事業者に措置命令

 新型コロナウイルスの感染拡大で需要が高まった除菌スプレーをめぐり、実際より高い濃度をうたった製品を販売したとして、消費者庁は11日、景品表示法違反(優良誤認)で計7事業者に再発防止策などを求める措置命令を出したと発表した。  7事業者は、アイビューティー(岡山市)▽EVOLUTION(大阪市)▽Knets(福岡県大野城市)▽伝聞堂(堺市)▽ハームレス・スタイル(東京都目黒区)▽マインズワークス(大阪市)▽マグファイン(仙台市)。  7事業者は今年4月以降、次亜塩素酸水やアルコールの入った除菌スプレーを主に通販サイトで販売。消費者庁が濃度を測ったところ、次亜塩素酸水は5製品が容器などに表示した濃度の10~20%しかなく、「不検出」の水に近い製品も1製品あった。アルコールの1製品は濃度65%と表示しながら約50%しかなかった。  次亜塩素酸水はアルコールが品薄になった今春注目され、独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)が有効性を確かめる実験をした。新型コロナウイルスに対しては有効塩素濃度80ppm以上で表面をひたひたにぬらした場合に不活化できるとする結果をまとめた。今回、措置命令の対象になった6製品は多いものでも40ppmしかなかった。  次亜塩素酸水は紫外線で分解される特性があり、事業者の多くは消費者庁に対し、「出荷した段階では表示通りの濃度があった」と主張しているという。アルコール製品を含めた7製品はいずれも使用期限を明示していなかった。(兼田徳幸) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル