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逃げる盗撮犯にタックルからの寝技、ラグビー経験者の高校生に感謝状

西晃奈2023年10月25日 12時09分 女性のスカート内を盗撮しようとした男をタックルで取り押さえたとして、大阪府警南署が今月20日、府内の男子高校生に感謝状を贈った。中学時代から続けているラグビーの技術が、盗撮容疑者の現行犯逮捕につながった。 府立大阪わかば高校3年の勝野龍乃助さん(17)は今月12日、アルバイト先のドン・キホーテ道頓堀店(大阪市中央区)で、周囲を見回しながら1階を歩き回る男に目をとめた。2階へ続く階段の上から注視していると、階段を上る若い女性の後ろに男がぴたりと付け、スマホをスカート内に差し込んだ。 勝野さんが声をかけると、男は「もうええから」と言い、店外へダッシュ。無意識に身体が動き、店の前で男にタックルし、暴れる男の頭を抱えて寝技に持ち込んだ。スマホ内の証拠を消させないよう、腕もつかんだ。 間もなく他の店員や警察官が駆けつけ、30代の男は性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで現行犯逮捕となった。 勝野さんは中学1年からラグビーを始め、今も地元のクラブで練習を続ける。寝技は柔道の授業で習っていた。将来の夢は警察官。感謝状を受け取り、「悲しい思いをする被害者が、これ以上出ないようにできたことがうれしい」と話した。 南署によると、管内の大阪市中央区南部では盗撮の被害が多発し、今年は10月19日までに65件検挙した。前年同期に比べて28件増えており、特定の商業施設や駅のエスカレーターでは、ほぼ毎日のように被害が出ているという。 高校生のお手柄に、南署の林源太副署長は「いま全国的に力を入れている、子どもと女性の犯罪被害防止に大きく貢献してくれた」と話した。(西晃奈)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【締め切り迫る】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

千葉駅周辺にイノシシ出現 警察官ら3人けが、タクシーと接触も

千葉駅周辺にイノシシが出現し、港付近で確保された=宮坂奈津撮影 25日午前0時10分ごろから午前5時15分ごろ、千葉市中央区の京成千葉中央駅付近とJR千葉駅西口でイノシシ一頭の目撃情報が十数件相次いだ。市内を移動したイノシシは午前9時ごろ、千葉港で確保された。 千葉中央署によると、体長は約1・5メートルの成獣とみられ、成人男性1人と、確保にあたった男性警察官2人が足を負傷したほか、タクシーとの接触事故が1件発生したという。 千葉港の埠頭(ふとう)付近で自ら海に入り、泳いでいるのを発見され、陸に上がったところを署員と地元の猟友会に確保された。 イノシシの目撃情報を受け、周辺の小学校などで午前8時ごろ、署員が子どもたちの登校を見守った。(田辺詩織、宮坂奈津)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

トラックの荷台が高架に引っかかり、鉄骨が道路に落下 新橋駅近く

 25日午前10時55分ごろ、東京都港区新橋2丁目の外堀通り上にかかるJRの高架付近で、「トラックが橋の高さ制限に引っかかり、荷物が落ちた」と目撃者から110番通報があった。警視庁愛宕署によると、走行中のトラックの荷台部分が高さ4メートルの制限がある高架に接触し、鉄骨のような廃材が道路上に落ちたという。けが人はなかった。 高架を走るJR線の運行にも支障はなかった。愛宕署はトラックを運転していた運送業の50代男性に話を聞き、原因を調べている。 現場はJR新橋―有楽町間にかかる高架で、JR新橋駅の西口広場近く。周辺は交通規制され、渋滞が発生した。(比嘉展玖)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

園児に「バカ」「ぐず」、暗いトイレに閉じ込め 横浜の認可保育園

 園児を暗いトイレに閉じ込めるなど不適切な保育があったとして、横浜市が市内の認可保育園を行政指導していたことがわかった。園は指導を受けて保護者を対象にした説明会を2回開催し、謝罪したという。 市によると、7月に情報提供があり、8月に立ち入り調査と関係者への聞き取りを実施。昨年度以降、50代の女性園長や保育士による不適切保育が5件あったと認定した。行政指導は今月12日付。園に対し今月中に改善計画書を提出するよう文書で求めたという。 不適切保育と認定したのは、電気がついていない大人用トイレに閉じ込めた▽「バカ」「うそつき」「ぐず」「泣き虫」などの暴言を吐いた▽保育士が介助せず、0歳児に自分でミルクを飲ませた▽寝付きが悪い園児に頭までタオルケットをかぶせた▽園児の前で園長が保育士を大声で叱責(しっせき)した――の5件。 この園は0~2歳児を対象にした乳児保育園で、3歳児から転園することが想定されている。園長は「新しい園に移ったときに困らないよう、しつけや生活習慣を身につけさせたいとの思いでやってしまった」と話しているという。(堅島敢太郎)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

あったのか? お城の本丸 発掘調査で豊田市史を覆す発見

 愛知県豊田市にある挙母(ころも)城(桜城)跡の発掘調査で本丸の一部とみられる遺構が見つかった。近くを流れる矢作川の度重なる洪水により、二の丸のみで本丸の工事は着手されなかったと市史に記され、本丸は存在しないと考えられてきた。今回はそれを覆す発見だという。 桜城は、江戸初期の1614年から3度、現在の豊田市元城町周辺に築かれた。2度目までは実質的に陣屋だった。だが3度目は、初代挙母藩主の内藤政苗(まさみつ)(1741~1802)が、幕府から4千両を与えられたことを受けて計画された本格的城郭だったとされる。 築城中に何度も洪水の被害を受け、本丸に着手しないまま2代藩主の学文(さとふみ)(1751~94)が工事を中止。高台になっている豊田市小坂本町周辺の童子山に1782年、新たな挙母城(七州(しちしゅう)城)が築かれ、桜城は廃城となったと、これまでは考えられてきた。 二の丸の遺構の一部は、挙母…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「火つけとうとき離れたらあかんよ」書道作品貼った消防車、街を走る

 真っ赤な消防車に白と黒の書道作品を貼ったら映えるだろうな――。高校生のそんな思いが実現した。兵庫県姫路市の飾磨消防署管内をいま、防火を呼びかける書道作品を貼り付けた緊急車両が走っている。 消防車の側面にマグネットで付けられた白いシートが1枚。 「私らとの約束 住警器 絶対つけてや」 墨書が鮮やかだ。 きっかけは今年6月に同署の森下真資・消防司令補(37)が同市立飾磨高校で開いた防火教室だった。全校生徒を前に体育館で消防士の立場から防火対策の大切さを説いた森下さん。強調したのが住警器(住宅用火災警報器)の設置だった。防火教室では、「みなさんから『住警器つけてや』とお願いしてほしい」と呼びかけた。 防火教室で森下さんの話を聞いた書道部の森本恵さん(3年)と島津友香さん(同)は、「なにかできることがないかな」と話し合った。思いついたのが「消防車の赤い車体を背景に書道があったら、絶対映える」(森本さん)というアイデアだった。 夏休みの間、2人で書く言葉を考えた。内容がすっと頭に入るように話し言葉を意識した。 「お宅んとこ たこ足配線 …Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

なぜ私はハンセン病療養所の「園歌」を追うのか 音楽の矛盾と権力性

 全国各地のハンセン病療養所には、それぞれ園歌がある。国の誤った政策で生涯、療養所に隔離された人たちにとって、園歌はどんな意味をもったのか。歌手の沢知恵さんは13カ所の国立療養所すべてを訪ね、入所者に歌ってもらい、楽譜や証言を集めてきた。歌が果たした役割とは、そして音楽の力とは。 ――なぜ、ハンセン病問題に関心を持ったのですか。 「キリスト教の牧師だった父は、学生の頃からハンセン病療養所で奉仕活動をしていました。私が生後6カ月になると、瀬戸内海の離島にある、大島青松園(高松市)に連れて行きました。もちろん記憶はありませんが、写真が残っています」 「私が高校生のとき、父は病気で亡くなりました。父の足跡を追い、1996年に青松園を訪ねました。約20年ぶりでしたが、『ともえちゃん、大きうなったなあ』と入所者の皆さんが大歓迎してくれました。入所者は子どもを持つことが許されず、赤ちゃんは珍しかったのでしょう。人が人を覚えてくれている。大きな愛を感じ、島に通うようになりました」 ――大島青松園では2001年から毎年、コンサートを開いてきましたね。 「コロナ禍で中断しましたが今年8月、島外からの人も交えて4年ぶりに公演しました。療養所がどんなところか、外の人に伝え、足を運んでもらうことが私の使命だと思っています」 ――ハンセン病療養所の園歌に関心を持ったきっかけは。 「青松園の教会で偶然、園歌…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

【そもそも解説】性別変更のルールとは? 手術要件が高いハードルに

 生まれた時の性別とは異なる性別で生きるトランスジェンダーの人たちが戸籍上の性別を変えるには、卵巣や精巣を切除して生殖能力を失う手術などを受けなければなりません。こうした法律上の手術要件が憲法に違反するかどうかについて、最高裁大法廷が25日に判断を示します。性別変更のルールや、当事者をとりまく実態を詳しく解説します。 Q 性別変更のルールはどうなっているのか。 A 「性同一性障害特例法」が2004年に施行されて、戸籍上の性別変更が可能になった。 2人以上の医師が性同一性障害と診断している人で、①18歳以上②現在結婚していない③未成年の子がいない④生殖腺(卵巣や精巣)がない、またはその機能を永続的に欠いている⑤変更する性別の性器に似た外観を備えている――という5要件をすべて満たしていれば、家庭裁判所が性別変更の申し立てを認める。 このうち、生殖能力の喪失を求める④の「生殖不能要件」と、体の外に現れている外性器の外観を変えることを求める⑤の「外観要件」を満たすためには、原則として性別適合手術が必要だ。④と⑤をあわせて「手術要件」と呼ばれる。LGBTの中でも少数派、人口の1%未満か Q 法律の名前にある「性同一性障害」とは? A 生まれた時の性別に強い違和感を抱く人たちに対する医学的な診断名だ。1980年に発行された米国精神医学会の診断の手引「DSM―Ⅲ」が、「Gender Identity Disorder」という診断名を採用し、性同一性障害と訳されて広がった。 日本精神神経学会の「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」は、生まれた時の性別に対する「不快感・嫌悪感」や、自認する性別への「強く持続的な同一感」などから、性自認を判定するよう求めている。 専門医は「ホルモン治療を始…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

トランスジェンダー「性別変更に手術」は違憲か 最高裁きょう判断

 トランスジェンダーが戸籍上の性別を変えるのに、生殖能力を失わせる手術などを必要とする「性同一性障害特例法」の要件は、憲法に違反するか――。最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は25日に判断を示す。最高裁は2019年、別の事案を4人の裁判官で審理した第二小法廷が要件を「合憲」と判断しているが、今回は裁判官15人全員で審理する大法廷に回付された。4年間の社会の変化を踏まえ、最高裁の判断は変わるのかが注目される。 大法廷が審理しているのは、出生時の性別は男性で、女性として社会生活を送るトランス女性が、手術なしでの性別変更を求めた家事審判だ。4年前は合憲 特例法は性別変更に五つの要件を定めており、そのうち「生殖腺がないか、その機能を永続的に欠く」(生殖不能要件)と「変更する性別の性器に似た外観を備えている」(外観要件)を満たすには、精巣・卵巣の摘出や陰茎切除などの手術が原則必要とされる。 申立人は手術を受けていないが、長年のホルモン投与で生殖能力が減退するなどし、要件を満たすと主張。手術の強制は幸福追求権を定めた憲法13条などに違反すると訴えている。家裁、高裁は認めなかったため、最高裁に特別抗告した。 最高裁は審理を大法廷に回付した上で、9月、公開の法廷で弁論を開いて代理人の主張を聞いた。また、プライバシーに配慮した状態で申立人本人の意見を聞くため、非公開の「審問」を別に開く異例の措置をとった。 生殖不能要件をめぐっては、最高裁の判断を前に、別の事案で「違憲」とする初めてとみられる司法判断が出た。静岡家裁浜松支部が今月11日、生殖不能要件は「違憲で無効」と判断。手術を受けていない申立人の、女性から男性への性別変更を認めている。 浜松支部の判断は他の裁判所の判断を拘束する効力はないが、最高裁が規定を違憲と判断すれば、全国の裁判所に与える影響は極めて大きい。当事者にとっては、手術なしの性別変更に大きく道が開かれることになる。(遠藤隆史)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【締め切り迫る】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

子どもと滑り台→大人が大けが、県に190万円賠償命令 名古屋地裁

 子どもと一緒に滑り台を滑った大人がけがをした法的な責任は誰にあるのか。この点が争われた訴訟の判決で、名古屋地裁は24日、大人が子どもと一緒に滑ることが常態化し、対象年齢の表示が目立つ場所になければ管理者にも責任があるとの判断を示した。その上で、問題となった滑り台を設置した愛知県に約190万円の賠償を命じた。 この滑り台は県営あいち健康の森公園(大府市)にある全長43メートルの「ロングスライダー2」。判決によると、原告の男性(当時33)は2017年10月、子どもを足の間に挟んで滑り出し、子どもを抱くために手すりをつかめない状態で加速したままカーブに突入。飛び出した足が周囲を覆う格子とネットとの間に挟まれ、足に大けがを負った。男性は構造上、安全性を欠いていたなどとして管理者の県に約1800万円の賠償を求めていた。 判決は、インターネット上で大人も使っているとの書き込みが多数存在し、子どもと一緒に滑る動画も公開されていたと指摘。その上で、県側は大人と子どもが一緒に滑ることを予測できたとし、大人に危険がある造りだったとして県の過失責任を認めた。 一方で、判決は滑り台の周囲には対象年齢は6~12歳で、手すりを必ず持って滑るよう求める注意書きもあったと指摘。男性にも問題があったとし、8割の過失相殺が相当と結論づけた。県は事故後、滑り台の入り口付近にも、対象年齢などを記した注意書きを設置した。(高橋俊成)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル