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劣化した司法に大規模事故は裁けない/添田孝史氏(科学ジャーナリスト)(ビデオニュース・ドットコム)

(C) ビデオニュース・ドットコム (↑画像をクリックすると動画が再生されます。) 判決の中身もさることながら、その理由があまりにもひどすぎる。 東京電力福島第一原発事故をめぐり、旧経営陣3人が業務上過失致死傷で強制起訴されていた裁判で、9月19日、東京地裁は3被告にいずれも無罪の判決を言い渡した。 確かに検察が二度までも不起訴処分とした事件だ。検察審査会の二度にわたる起訴相当議決によって強制起訴はされたものの、有罪に持ち込むことが容易ではないことは当初から予想されていた。また、企業が引き起こした事件の刑事責任を特定の個人に負わせるためには、多くの法的な壁が存在することも想像に難くない。 しかし、今回の判決は業務上過失致死傷の立証に必要とされる「予見可能性」と「結果回避可能性」の2要件のうち、予見可能性まで否定してしまった。そもそも今回検察審査会が強制起訴に至った理由は、最高クラスの権威が集まった政府の地震調査研究推進本部が2002年に策定した「巨大地震の長期評価」をもとに各電力会社が予想される津波水位を割り出したところ、福島第一原発においては+15.7メートルという数値が2008年3月の時点で既に出ていたという事実を重く受け止めた結果だった。 つまり、東京電力は実際に15.7メートルの津波が発生する危険性があることを2008年の時点で知っており、武藤被告を始めとする幹部たちもその後1年以内に、その事実を知らされていながら、対応を取らないまま2011年の3月11日を迎えたことがあの大惨事につながったというのが、検察審査会の議決の骨子だった。検察審査会は、今回のような大津波は十分に予見が可能だったし、対応するだけの十分な時間もあったと判断したわけだ。 ところが、今回の判決で裁判所は、実際に津波対策を取るための十分な時間がなかったという理由で「結果回避可能性」を否定したばかりか、地震調査研究推進本部の長期評価や東京電力が自らの子会社に作成させた15.7メートルという予想される津波水位も確定的なものではなかったので、本当にそのような高い津波が来ることが予見できたとまでは言えないという、驚くような判断を下してしまった。 この裁判の傍聴を続けてきた科学ジャーナリストの添田孝史氏は、原発の津波に対する脆弱性の問題は1990年代から指摘されてきた問題で、東電は一環してこれを先延ばしにすることで、ほとんど何も対応をせずにきたと指摘する。今回も2008年に15.7という数値が出てから東京電力は、あらためて土木学会に検討を依頼するなど、明らかな時間稼ぎをしていた。 女川原発を持つ東北電力や東海第二原発を持つ日本原子力発電のように同じ長期評価を受けて、然るべき対応を取った電力会社もあったことを考えると、これは東京電力に深く根付いた体質と言わねばならないと添田氏は語る。 それにしても東電はなぜ、防潮堤を15.7メートル超までかさ上げすることに、そこまで強く抵抗したのだろうか。添田氏は、防潮堤の工事の費用くらい東電にとってはなんでもないが、問題はその工事の期間中、福島第一原発の操業を止めなければならなくなることを東電は嫌がったのだろうと説明する。 15.7メートルの津波が来る可能性があり、現在の津波対策がそれに対応できていないのであれば、現状では福島第一は安全ではないことになる。地元では当然、その間は止めろという話になる。 ところが、当時の東電は2007年の新潟県中越沖で損傷を受けた柏崎刈羽原発が止まっていて業績が悪化していた。更にその上に福島第一を止めるということは、東電としては何としても避けたかったのだろうと、添田氏は言う。 強制起訴によってこの事件が刑事裁判に持ち込まれたことによって、公判の場で東電内部で何が起きていたのかが白日の下に晒され、3つの事故調を持ってしても全く表に出てこなかった多くの事実が明らかになった。 その意味で、判決は無罪であっても、強制起訴には大きな価値があったことは間違いない。しかし、日航機ジャンボ墜落事故やJR西の脱線事故など、大規模な事故が起きるたびに叫ばれる強制捜査権を持たない事故調査委員会の非力さと、個人を刑事訴追する以外に事実究明の手段がないという不条理な日本の法制度は、そろそろ解決されるべき時に来ているのではないだろうか。 技術がここまで発展した今日にあっても、いや技術が高度になればなるほど、残念ながらこれからも大規模な事故は繰り返されるだろう。その時に、原因究明が原因企業の善意の協力と、個人の刑事責任の追及に依存したままでは、再発防止はどうにもおぼつかない。 原発問題を長年取材し、当初からこの裁判を傍聴してきた科学ジャーナリストの添田氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が、東電刑事裁判が露わにした、そうでなくても劣化が著しい司法が、大規模事故や高度の技術的な問題を裁くことの限界などについて議論した。Source : 国内 - Yahoo!ニュース

台風17号、22日九州最接近(西日本新聞)

 大型で強い台風17号は21日、勢力を維持しながら東シナ海を北上した。22日に九州に最接近し、対馬海峡付近から日本海へ進む見通し。気象庁は土砂災害や河川の氾濫、低地の浸水への警戒を呼び掛けている。 気象庁によると、台風は21日午後6時現在、時速20キロで北へ進んだ。中心気圧は970ヘクトパスカル。最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートル。中心の南東側200キロ以内と北西側150キロ以内が風速25メートル以上の暴風域。 台風周辺の湿った空気が九州南部に流れ込んだ影響で、宮崎市付近では21日、レーダー解析で1時間に120ミリ以上の雨が降り、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を発表した。 22日夕までの24時間予想雨量は、宮崎400ミリ▽大分300ミリ▽長崎250ミリ▽佐賀、熊本、鹿児島200ミリ▽福岡150ミリ。最大風速(最大瞬間風速)は長崎30メートル(45メートル)▽福岡、佐賀、熊本、鹿児島県25メートル(35メートル)。 台風の接近に伴い、JR九州は鹿児島、宮崎両県内などで22日の在来線の一部運休や減便を決定。航空各社も九州発着の一部を欠航することを決めた。(御厨尚陽)西日本新聞社 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

小泉進次郎氏が大臣就任後初外遊でニューヨークへ(日刊スポーツ)

小泉進次郎環境相は21日、国連総会に合わせて開かれる環境関連の国際会議に出席するため、成田空港から米ニューヨークに向けて出発した。【写真】小泉進次郎衆院議員を見つめる滝川クリステル閣僚に就任後、初の外遊で、国連本部で開かれる気候行動サミットなどに出席するほか、各国の閣僚とも会談する予定。大臣就任の際に、環境政策におけるの海外での発信に意欲を示したが、この日も「環境分野で日本の存在感を発揮していければ」と話した。26日に帰国する。 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

乳房再建中断、3千人超 自主回収の影響、学会調査(共同通信)

 乳がん手術後の再建に使われる人工乳房が副作用の報告で自主回収になった影響で、再建前に使う拡張器を体内に入れたまま治療の中断を迫られている患者が3千人以上に上るとの調査結果を、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会が21日までにまとめた。 この人工乳房は、流通している中では国内で唯一の保険対象製品で、患者団体は早急に他社製品を保険適用するなどの打開策を求めている。 学会は8月上旬、乳房再建を行う医療機関に調査し、414施設から回答があった。再建前に皮膚を伸ばす拡張器を挿入する治療を受けている患者は3493人いた。 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

京アニ事件など巡り、実名報道を議論 マスコミ倫理懇

 新聞、放送、出版などの各社が参加するマスコミ倫理懇談会の第63回全国大会が19、20日に高知市で開かれた。メインテーマは「伝えるのは、何のため、誰のため」。犯罪被害者の実名報道や災害報道などについて、七つの分科会で議論した。  事件の実名・匿名報道についての分科会では、京都アニメーション放火事件の取材報道をめぐる葛藤などが報告された。事件報道に伴いネット上で起きる容疑者や被害者へのバッシングなどと、どう向き合うかも議論された。  曽我部真裕・京大大学院教授(憲法・情報法)は「『実名報道』原則の再構築に向けて」と題した基調講演で、「今日では、『書くことで人権を守り、民主主義を支えたい』とする報道側の実名報道原則の主張と、ネットを含め、生活を脅かされるなど深刻な二次被害を受ける『書かれる側』の認識には、大きなギャップがある」と話した。  報道側は「発表は実名とし、実… 980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

千葉県庁に「特殊栄養食品ステーション」開設

台風15号支援通信  千葉県と日本栄養士会などは、県庁内に「特殊栄養食品ステーション」を開設し、アレルギーに対応したミルクや子ども向けの食品、のみ込むのが難しい人向けのやわらかい食べ物などの配布希望を受け付けている。備蓄のある食品については原則、無料配送する。  希望する被災者は、県健康づくり支援課(電話043・223・2667)に相談する。受付時間は毎日午前9時~午後5時。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

否定しない認知症介護、演じて学ぼう 俳優がコツ伝授

 認知症の人と介護者を交互に演じるワークショップ(WS)を、俳優で介護福祉士の男性が全国各地で開いています。認知症の人の気持ちや、その言動を受け入れるコミュニケーションを疑似体験することで互いのストレスを減らし、よりよい介護につなげてもらうのが狙いです。  10日午後、香川県丸亀市で開かれたWS「演じて看(み)る!?」。老いや認知症をテーマにした劇団「OiBokkeShi(オイボッケシ)」を主宰する菅原直樹さん(36)=岡山県奈義町=の指示のもと、約40人の参加者が2人1組で認知症の人と介護者のやりとりを演じた。  まず、介護者が「ご飯の時間ですよ」と声をかける。認知症の人は「お姫様になりたい」などと見当違いのことを言い、介護者は「いいですね。では王子様を連れてきましょう」といった肯定の言葉を返していく。  菅原さんによると、認知症は時… 980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

参院会派名に異例の「ドット」 「立憲・国民.新緑風会・社民」(共同通信)

 立憲民主、国民民主、社民3党などは19日に最終合意した参院会派の名称にドットを使用した。名称は「立憲・国民.新緑風会・社民」。国民会派の「国民民主党・新緑風会」がまとまって合流することを明確にするため、立憲や社民との間にある「・」と区別し「.」とする異例の判断をした。三者が対等に合流すると強調する狙いだが、各党による妥協の産物でもあった。 関係者からは「紛らわしい上、有権者が誤植と勘違いしかねない」と戸惑う声も出ている。 立民、国民両党幹部によると、立民の枝野幸男代表と国民の玉木雄一郎代表らが19日に会談、最終的に枝野氏のアイデアで折り合った。 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

青嶋未来五段が渡辺正和五段に勝利 午後7時から本戦かけてもう一局/将棋・叡王戦予選(AbemaTIMES)

 将棋の叡王戦の段位別予選(五段戦)が9月21日に行われ、青嶋未来五段(24)が渡辺正和五段(33)を120手で下した。青嶋五段は、午後7時から本戦出場をかけてもう一局戦う。 叡王戦は、全棋士、女流棋士1人、アマチュア1人によるタイトル戦で、段位別予選、本戦トーナメントを勝ち抜いた2人が、挑戦者決定三番勝負を行う。挑戦者は、永瀬拓矢叡王(26)と七番勝負を行う。予選は四段、五段、六段、七段、八段、九段と、段位別で行われ、各段位によって本戦出場枠が異なる。 後手番だった青嶋五段は得意の四間飛車穴熊を採用。強固な守りをいかして攻め込むと、最終盤こそ際どい勝負になるものの、しっかりと自玉に詰みがないことを読み切り、渡辺玉を寄せ切った。 青嶋五段は黒沢怜生五段(27)と、午後7時から本戦出場をかけて対戦する。 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース

下村氏、同性婚も改憲議論の対象 自民、野党に参加促す(共同通信)

 自民党の下村博文選対委員長は21日、富山市で講演し、国会で議論する憲法改正の項目として、臨時国会開催要求に対する内閣の対応や同性婚を挙げた。停滞する衆参両院の憲法審査会の審議を活性化するため、立憲民主党など野党の参加を促すのが狙い。憲法9条への自衛隊明記など自民党の改憲案4項目に関し「文言が変わってもいい」と述べ、こだわらない考えも示した。 議論する項目として(1)憲法53条により議員が臨時国会開催を要求する際の開催期限を明記(2)同性同士で結婚できるよう24条の「両性の合意」を「両者の合意」と書き換え―を例示した。 【関連記事】 Source : 国内 - Yahoo!ニュース