誰かの100円を「たこ焼き」にする先生 3年目の忘れがたい出来事
平日の午後だけ営業する大阪府高槻市のたこ焼き店「100円たこ焼き」。 午後3時半から3時間ほどの営業時間は、小学生を中心ににぎわっている。 人気の理由は、4個入りで税込み100円という破格の値段だけではない。 店に置いてある「チケット」を使えば、高校生までは無料で食べることができるのだ。 「子どもにたこ焼きをおごりたい」という誰かがチケットを購入し、店に置いておく。 すると、子どもたちが1日1枚そのチケットを使ってたこ焼きを食べられる仕組みだ。 来店する子どものほとんどがチケットを利用し、1日で60枚以上使われたこともある。 チケットを購入するのは、直接来店するお客さんだけではない。 メディアプラットフォーム「note」を通じて集まったサポーターが240人ほどいる。 会ったこともない子どもにたこ焼きをおごろうと、100円、300円、1千円のいずれかを毎月払ってくれる人たちだ。ひとりで訪ねてきた男の子が 店を切り盛りするのは川人佑太さん(36)。 午前中は通信制高校の非常勤講師として働き、午後にたこ焼きを焼く。 開業は2021年4月。3年目に入ったが、経営は決して楽ではない。 店の家賃や材料の仕入れといった支出に対して、収入は100円ずつの売り上げとサポーター収入くらいだ。 試しに自分の時給を計算したら、最低賃金より1ケタ低くてビックリした。 そんな店に6月1日、男の子が訪ねてきた。 月1回ほどのペースでふらっ…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル