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「私は今を精いっぱい生きます」亡き兄へ 妹からの手紙全文

 栃木県那須町で2017年3月、登山講習中だった県立大田原高校山岳部の生徒7人と男性教諭1人が雪崩に巻き込まれて死亡した事故から、27日で6年。亡くなった山岳部員、浅井譲さん(当時17)の妹、千鶴さんが兄への思いを手紙の形でつづった。全文は以下の通り。    ◇ お兄ちゃんへ あなたがあの日いなくなってから、早くも6年が過ぎました。私は当時11歳、今年の3月に誕生日を迎え17歳になりました。あなたが事故で命を失った年齢についに追いついてしまいました。 同じ年齢になってみるとあな…この記事は有料記事です。残り1054文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

雪の下、17歳で亡くなった兄へ 「同い年」になった妹からの手紙

 栃木県那須町で2017年3月、登山講習中だった県立大田原高校山岳部の生徒7人と男性教諭1人が雪崩に巻き込まれて死亡した事故から、27日で6年となる。同校2年だった兄、浅井譲さんを亡くした千鶴さんはこの3月、事故当時の譲さんと同じ17歳になった。「同じ年齢になって、わかったことがあります」。千鶴さんは今の思いを兄あての手紙の形でつづり、朝日新聞に寄せた。 栃木県那須塩原市にある自宅の譲さんの部屋に、一つの箱が残されている。中には、「妖怪ウォッチ」のシールや山岳部で登ったこともある富士山の写真。大切にしていたものが詰まった、さながら「宝箱」だ。 その中で一番多かったのが、封筒や手紙だった。 送り主は、事故当時小学5年だった千鶴さん。小学3年のころから、土日の夕飯の後などに家族に手紙を書いて渡していた。そんな一つひとつを譲さんはしまっていた。「私があげた手紙を大事にしてたんだな」 妹思いの兄だった。遊んでと…この記事は有料記事です。残り1278文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

食べ過ぎ注意の「痛風鍋」 常識外れの組み合わせが老舗を救う

 ぷるぷるとした具材で覆われ、その鍋の見た目は少しグロテスクだ。使うのは高級食材の白子にあん肝、そしてカキ。いずれもプリン体を多く含み、痛風のリスクが高まるとされるものばかり。一抹の不安を抱えながらも試してみたくなる常識外れの組み合わせは、老舗居酒屋を救った「珍鍋」でもあった。【動画】ふしぎと人気な痛風鍋=福岡龍一郎撮影 仙台市青葉区の居酒屋「地酒と宮城のうまいもん処 斎太郎」では3月中旬、千葉県の会社員、角田諒さん(22)と蛯原秀人さん(23)が湯気立つ鍋をつついていた。 盛り付けられた白子やあん肝を箸でつかみ、ビールや日本酒と一緒に流し込む。SNSで見かけて食べに来たという角田さんは、「臭みがあるかなと思ったけど、全然なくておいしい」。蛯原さんも「若いうちに食べられてよかった」と満足げだった。 「このまま痛風になりそう」という客の反応から、その名も「痛風鍋」。たらの白子とカキ、あん肝がいずれも100グラムずつ。春菊や白菜、豆腐を合わせ、カツオと煮干しのだし汁で煮込む。3月いっぱいまでの期間限定で1人前3300円(税込み)。「派手に送り出したい」常連客の頼みがきっかけ 親方の本郷修司さん(49)…この記事は有料記事です。残り1086文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

手がけた登山靴12万足以上、職人を志した大学3年の体験とこだわり

 2本の針を両手で繰って縫う姿は指揮者のようだった。 一般的な紳士靴の倍はある厚さ3ミリの皮革に、「シュル、シュル」と縫い目を引いていく。軽やかな作業に見えつつ、指の節が硬くなるなど手はボロボロだ。 登山靴は、軽くて手入れが簡単とされる化学繊維製の既製品が主流の中、本革のオーダーメイドにこだわるのが登山靴メーカーの「ゴロー」(東京都文京区)。冒険家の故・植村直己さんもゴローの登山靴を愛用していた。岸上純也さん(46)は5人しかいない職人のうちの一人として、登山靴を手がけてきた。靴作りは客との対話から 靴職人を志したのは「人の足…この記事は有料記事です。残り1316文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「きしゅくしゃをつづけて」 特別支援学校生の自立の場、廃止の危機

 琥珀(こはく)君(17)の自宅は栃木県最北部、福島県境にある。栃木県立那須特別支援学校高等部の2年生。那須塩原市にある学校は自宅から30キロ以上離れており、平日は校舎裏の寄宿舎で過ごす。 寄宿舎の日々は規則正しい。午前7時45分から朝食。夕食は午後5時30分から。ちゃんと食べているだろうか。中1で初めて入舎し、最初の1週間、琥珀君の母親(45)は時計を見ながら寂しさと心配で泣いていた。 ところが、金曜の夜に帰ってくると、開口一番、「楽しかったー」。寄宿舎の友達の話が始まる。こんなにしゃべる子だったかな。「早く月曜日にならないかなあ」。待ちわびるわが子の様子にも驚かされた。 栃木県教育委員会は特別支援学校にある寄宿舎を廃止すると決めました。障害のある子どもたちが親元を離れ、寝食をともにしながら、自立にむけて必要なことを学んできた場です。生徒も親も存続を願っています。なぜ、廃止するのでしょうか。現地で取材を続けてきた小野智美記者が伝えます。 当時の寄宿舎生26人の中で…この記事は有料記事です。残り990文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

三重の東名阪道で複数台が絡む事故 3人死亡、ほか1人意識不明

2023年3月27日 11時35分 27日午前2時20分ごろ、三重県亀山市の東名阪自動車道上り線亀山ジャンクション(JCT)近くで「トラックが軽自動車に追突する事故が起きた」と119番通報があった。三重県警などによると、上下線それぞれで計5台の車が絡む事故があり、8人が病院に搬送され、このうち3人の死亡が確認された。ほかに1人が意識不明の重体で、残る4人は意識はあるという。 県警によると、事故は先に上り線で起き、大型貨物車、中型貨物車、軽四貨物車の3台が衝突した。また、下り線では軽四乗用車と普通乗用車の2台が衝突した。中型貨物車を運転していた大阪市平野区の50代男性と、軽四乗用車に乗っていたいずれも愛知県豊田市の80代の男女の計3人が亡くなった。 下り線の事故は、上り線の事故でペットボトルなどの積み荷が散乱した影響とみられ、県警は事故原因などを詳しく調べている。 この事故の影響で、上り線の伊勢関インターチェンジ(IC)から亀山JCTの間と、下り線の鈴鹿ICから伊勢関ICの間が通行止めとなったが、上り線は午前11時15分に解除となった。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

プリントの誤り見て「これだめ」 ゴミ箱に捨てた教諭を暴言認定

堀越理菜2023年3月27日 11時17分 熊本市立学校で起きた体罰などを認定する今年度の第11回市体罰等審議会が22日開かれ、「暴言等」1件、「不適切な行為」1件を認定した。 市教委によると、「暴言等」は小学校の教諭によるもの。今年度の2学期、国語の授業中に、児童の学習シート(プリント)に書き誤りを見つけ、「これ、だめ」と言って破って丸め、ゴミ箱に捨てて、児童に精神的苦痛を与えた。市教委は、行為後すぐに担任を外した。教諭は、突発的にやってしまったと話し、反省しているという。この教諭は過去に、児童への不適切な行為で訓告を受けたことがあったという。 「不適切な行為」は、別の教職員によるもので、担任ではない子どもの人間関係に介入し、関係を悪化させたというものだった。(堀越理菜)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

94年前、ドイツの飛行船が降りてきた 振る舞ったカレーが運んだ縁

 茨城県土浦市は、カレーによる街おこしに取り組んで今年で20年目を迎える。特色あるカレー料理を提供する飲食店が多く、毎年秋にはカレーフェスティバルも開催される。カレーを味わいながら、そこに込められた思いを聞いた。カレーを食べに来る街にしたい JR常磐線土浦駅からバス通りを10分ほど歩くと、中華料理店「福来軒」がある。店の前にあるのぼりに「つちうら咖喱(カリー)物語」と書かれ、飛行船がデザインされていた。 名物はレンコンカレーラーメン(税込み800円)。地元名産のレンコンの唐揚げと、スパイシーなキーマカレーがのっている。カレー味のスープは、しっかりしたうまみを感じるが、しつこくない。藤沢一志社長(68)は「麺は自家製で、レンコンの粉末を練り込んであります」。 メニューには他にレンコンカレーつけ麺(同)やツェッペリンコロッケカレー(同)なども並ぶ。 つちうら咖喱物語は、土浦商工会議所に所属する飲食店など約40の事業者でつくる部会が、独自のカレーの開発と味のレベル向上をめざす取り組みの名前だ。これまで東京の人気カレー店のオーナーを講師に研修を開くなどしてきた。 部会長を務める藤沢さんは、カレーラーメンの開発には苦労したという。 「通常の黄色い麺はカレーの成分と反応して紫色になってしまう。材料を工夫し、変色しない麺を作り出しました」 開発中のメニューを持ち寄る試食会では、講師から「もっと見栄え良く」「味にパンチが足りない」など注文が相次いだ。一つずつ克服して、ようやく完成にこぎ着けた。 咖喱物語では、特産品のレンコンを使うことが唯一の条件で、あとは各店が工夫を凝らす。ジンギスカン店のスープカレーや和菓子店のカレーパイなどメニューは多様性に富んでいる。土浦商議所は、レトルトの土浦ツェッペリンカレー(税込み540円)を販売している。濃厚な味わいのカレーと、シャキシャキしたレンコンの歯ごたえが楽しめる。 藤沢さんは「年1回のカレーフェスだけでなく、普段から客がカレーを食べに来る街にするのが目標。土浦駅周辺などに、カレーを出す店をもっと増やしたい」と意気込む。歓迎式典の裏で ところで、なぜ土浦でカレーなのか。 市は2004年、「食」で街…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

今日もぽつんと公園で祈る すべての子供に幸あれ

 小学1年生の子供の公園遊びに1年間つきそってきた。 公園に来る子たちはだいたい鬼ごっこやかくれんぼなどの駆け回る系遊びが好きなのだが、うちの子は1年生時代の最初から最後まで活動的なグループには加わらず、いつも輪から外れて植え込みにもぐり、拾ってきた木の枝や何かのツルで工作する遊びに熱中している。 最初はその様子を見てなんだか不安になってきたので、他の子たちにまじって同じような遊びが出来るようあれやこれやと心を砕いてみたのだが、子は大人がどれだけお膳立てしても大勢の輪には入っていかなかった。 次第に、私は自分が正しいと…この記事は有料記事です。残り605文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 #KANSAI近畿の魅力を再発見する新企画。社会・経済から文化・スポーツまで、地元愛あふれるコンテンツをお届けします。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ひきこもりの子どもを救ったeスポーツ 高齢者は「人生を注ぎたい」

 高校1年生の男性(16)は中高一貫の進学校に入学した中1の時、悩みにぶつかった。 クラスでは、各小学校で学力優秀とされた仲間が集まって競いあった。ストレスがたまる中で課される大量の宿題や課題に思い悩んでいたところ、人付き合いにもつまずいた。 同じ年の冬ごろ、外に出ると息苦しく食事もできなくなり、家に引きこもった。 昨年の春ごろ、両親から相談を受けて自宅に来たNPO法人「高卒支援会」(東京)のスタッフから、こう勧められた。 「仲間とゲームしない?」 「ゲームは嫌いじゃないし……」。男性はなんとなく、フリースクールのeスポーツ部員になった。 東京・秋葉原のeスポーツ施設で、同じように不登校を経験したことのある中3~高2の8人と一緒に月10回ほど、練習している。 フリースクールに通っていくうちに、授業も受けられるようになった。 今でも、人がいるところで食事はできない。それでも、昨秋にはeスポーツ部の合宿に参加して友人が増えた。今はフリースクールをほとんど欠席していない。 別の高1の男性(16)も中1からひきこもっていたが、eスポーツ部に入って勉強と両立する。「プロになって生活したい」と技を極める考えだ。 「高卒支援会」の竹村聡志理事長(34)は、eスポーツの効果に期待している。「1人で遊ぶゲームと違い、チームで挑むことで協調性が生まれる。難しかった人とのコミュニケーションにも抵抗感がなくなるようだ」ゲーム初心者のお年寄りも夢中 雪が舞い降る秋田市内のビルの一室でも、熱気を帯びていた。 1月18日、最新のパソコンの前に並んだお年寄りたち5人が声を掛け合っていた。 「いま、どこのエリアにいますか」「やっつけるのは、あと1人か」。マウスとキーボードを素早く操っていた。 ここは、お年寄りがプロのeスポーツ選手をめざすチームの練習場所だ。 チーム名は「マタギスナイパーズ」。16人のメンバーの平均年齢は67歳だ。 市内在住の選手名「Mr.北さん」(73)は、こう語る。 「人生残り少ない。その時間を注ぎたい」 1級建築士として働いていた…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル