社会

胃の中に砂は残っていたのか 2017年の白浜妻殺害、4日に判決

 和歌山県白浜町の海岸で2017年、水難事故に見せかけて妻を殺害したとして、殺人の罪に問われた男の控訴審判決が4日午後、大阪高裁で言い渡される。 争点は、司法解剖の時点では見つからなかった「海中の砂」が、妻の胃の中に残っていたと推認できるかどうかだ。 起訴された野田孝史被告(34)は17年7月、一緒にシュノーケリングに来ていた妻(当時28)の身体を押さえつけて溺れさせて殺害したとされる。 目撃証言や自白などの直接的な証拠はなく、野田被告は「私は殺していません」と無罪を主張した。だが、一審・和歌山地裁の裁判員裁判の判決は懲役19年(求刑懲役20年)だった。 一審判決が重視したのは、妻…この記事は有料記事です。残り725文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

震災遺構の壁、塗ります ペンキ屋ボランティア集団、福島・双葉町へ

 各地のペンキ屋が集い、ボランティアでペンキ塗りに取り組む「塗魂(とうこん)ペインターズ」が、9日から11日まで、福島県双葉町で活動する。ペンキを塗るのは、東日本大震災の遺構として保存される小学校の校舎。町の再生に役に立ちたいと、およそ200人の職人が集まる。 ペインターズは、2009年秋に結成された。いっしょにビジネスをしようと集まったことをきっかけに、ボランティアへと方向転換した。 これまで、幼稚園や学校、役所、公園などで180回をこえるボランティアをしてきた。「色がはげ落ちた壁や遊具などを塗り替えたいけれどお金がない」というSOSに、交通費や宿泊代も自腹で応えてきた。いま、全国に255社の会員がいる。 中でもこだわってきたのが、大地震や水害などに襲われた地域でのボランティアだ。 壊れたり流されたりした建物はガレキと化し、白黒の世界が広がる。そこに赤、青、黄色といった色を加えると、どんなに心が豊かになるだろう。そんな思いを込めて活動してきた。 今回ペンキを塗る双葉南小学校では地震後、多くの児童が荷物を置いたまま校庭に避難。その後、東京電力福島第一原発の事故で町内全域に避難指示が出された。 2022年に一部地域で避難指示が解かれ、住民の帰還が始まった。東北にいるペインターズの会員たちは、双葉町で何かできないか、町と話をしてきた。昨年、町議会は、同小を震災の遺構として活用させることを決めた。みんな、小学校を次の世代に残す力になろうぜ! ボランティアでは、震災後、手をつけられていない校舎の外壁や天井などのペンキ塗りをする予定。双葉町教育委員会の吉津雄一郎係長は「全国からペンキ塗りのプロたちが来ていただけるなんて、ただただ、ありがたい」と話す。 前橋市でペンキ屋を経営するペインターズの会長、宮嶋祐介さんは「わたしたちが塗る幸せのペンキで、町の再生スタートをお手伝いします」と話している。(編集委員・中島隆)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

火葬追いつかず八方塞がりに 広域連携進め、死者の尊厳守る備えを

 2011年、東京でも春の訪れは遅かった。 4月14日、葛飾区の四ツ木斎場で、宮城県から運ばれた震災の身元不明遺体の火葬が始まった。県職員の武者光明(59)が上京し、3日間立ち会った。 「石巻○○番」などと場所と数字を付された棺が、ガラガラと炉に入れられ、次々焼かれてゆく。初日は約百体。武者は手を合わせ続けた。「見送るのが俺でいいんだろうか」と自問しながら。 斎場のサクラがちょうど満開だった。つらい、さびしい葬送に心が折れそうだった武者にとって、それが救いになった。 県庁で遺体対応を担った部署の課長補佐。発災以来、棺や火葬場の確保に走り回った。職場でも左手首にずっと数珠をしていた。 八方塞がりになったのは3月下旬。県外で火葬された犠牲者2559体、骨になって帰郷 各地の安置所で、遺体の動き…この記事は有料記事です。残り1627文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

平安絵巻さながら 太宰府天満宮で「曲水の宴」 復活して60回目

渡辺純子2024年3月3日 17時30分 宮中行事を再現する「曲水の宴」が3日、福岡県太宰府市の太宰府天満宮であった。上流から流された杯が届く間に、和歌を詠むという優雅な会。十二単(ひとえ)などの平安装束を着た13人が、ゆらゆら流れる杯を見つつ、短冊に和歌をしたためた。 菅原道真公をしのんで1963年に復活し、コロナ禍での中止を挟んで60回目。歌を詠む役はアイドルグループHKT48の元メンバー運上(うんじょう)弘菜(ひろな)さんや、ライオンズクラブ会長ら地元の名士が務めた。服部誠太郎知事も衣冠束帯姿で参加した。 この日は未明に零下まで冷え込む真冬並みの寒さ。朝は雪もちらついたというが、宴が始まるころには薄日が差した。飯塚市から来た女性(52)は「みやびで平安絵巻みたい。一般枠があれば参加したい」と話した。(渡辺純子)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

利尻山で雪崩 4人が巻き込まれ40代女性死亡 バックカントリー中

石垣明真 奈良山雅俊 長谷川潤2024年3月3日 19時00分 3日午後0時40分ごろ、北海道利尻富士町の利尻山(1721メートル)で「雪崩に巻き込まれた」と、男性から110番通報があった。北海道警によると、男女4人が巻き込まれ、数時間後に救助が完了したが、40代の女性が死亡し、20代の男性が足の骨を折る重傷だという。 道警によると、雪崩が発生したのは利尻山東側の標高約400メートル地点。4人を含む団体は、自然の中を滑走するバックカントリー(BC)スキー・スノーボードのツアー中だったとみられる。登山計画書が事前に提出されており、10人の客と3人のガイドの計13人で、午前8時半ごろに入山する予定が記されていたという。 札幌管区気象台によると、低気圧が発達しながら通過した影響で、利尻島付近は2日から3日午前中にかけて風雪が強まり、一時、暴風雪警報や波浪警報、雪崩注意報などが出ていた。 地元関係者によると、利尻島は2日に暴風雪に見舞われ、利尻山にも新雪が積もった。3日の山頂は雲がかかっていたが、天気は悪くなく、道路の雪は解けている状態だったという。(石垣明真、奈良山雅俊、長谷川潤)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「ゆず」と郷土芸能団体などが交流 「わっかフェス」に向け合同練習

有料記事橋本幸雄 岩田正洋2024年3月3日 20時30分 未来を担う若者やアーティストと一緒に、郷土や伝統芸能の魅力を発信し、地域を盛り上げるイベント「わっかフェス」(三菱商事、朝日新聞社、AAB秋田朝日放送主催、秋田県など後援)の出演団体が3日、秋田県大仙市の協和市民センターで交流会と合同練習を行った。共演する「ゆず」の2人も駆けつけ、24日の本番に向けて気持ちを高め合った。 この日は出演する東京学芸大学和太鼓サークル・結の学生のほか、秋田の郷土芸能「花輪ばやし」「土崎港ばやし」「毛馬内の盆踊」の関係者、なまはげ太鼓を披露するゲストアーティスト「Akita和太鼓パフォーマンスユニット音打屋―OTODAYA―」のメンバーが参加した。 交流会では、ゆずの北川悠仁さんと岩沢厚治さんが見守るなか、それぞれが10分弱にわたり演奏や踊りを披露。土崎港ばやしは太鼓をメインに三味線や笛、鉦(かね)を打ち鳴らし、楽しげな祭りの様子を繰り広げた。当初は演奏者もゆずの2人もやや緊張気味だったが、徐々に打ち解けたのか、北川さんや岩沢さんが手拍子をしながら聴く場面もあった。 毛馬内の盆踊では、登場した三つの大きな太鼓に北川さんが思わず「すごいね」と感嘆。岩沢さんも盆踊りの手ぶりをまねながら聴き入った。なまはげ太鼓は、メンバーがなまはげの面をかぶった勇壮な姿で迫力ある演奏を披露した。「わっかフェス」観覧者を募集「わっかフェス」の会場での観覧者を募集しています。秋田市のあきた芸術劇場ミルハスで、3月24日午後2時開演。無料。ウェブページ(https://que.digital.asahi.com/question/11012967)から応募してください。5日締め切り。抽選結果はメールで連絡します。問い合わせは朝日新聞「わっかフェス」事務局(wakkafes@asahi.com)へ ゆずの2人はなまはげの面を…この記事は有料記事です。残り994文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

車内で倒れている大人1人子ども4人を発見、死亡確認 長野・安曇野

2024年3月3日 21時54分 3日午前11時半ごろ、長野県安曇野市内に止められた軽ワゴン車内で、同県内に住む40代男性と10歳未満の女の子3人、男の子1人の計5人が倒れているのが見つかり、捜していた親族が119番通報した。5人はその後、死亡が確認された。県警によると、5人は親族とみられ、安曇野署が詳しい状況と死因を調べている。 署によると、軽ワゴン車は市街地から離れた安曇野市明科東川手の建物の敷地内に止められていた。この建物は、死亡した男性の関係者が所有しているという。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

100歳の百合子さま、脳梗塞の疑いと誤嚥性肺炎で入院

多田晃子2024年3月3日 22時30分 宮内庁は3日、100歳の三笠宮妃百合子さまが同日午後に聖路加国際病院(東京都中央区)を受診したところ、脳梗塞(こうそく)の疑いと誤嚥(ごえん)性肺炎と診断されたため、そのまま入院したと発表した。現在、症状は落ち着いており、会話もしているという。 同庁によると、百合子さまは2日午後に気分が優れず、軽度の脱水症状があったため、3日午後に同病院で主治医の診察と検査を受けたところ、軽い脳梗塞で右の手足が少し動かしづらいほか、誤嚥性肺炎と診断されたという。現在は症状が落ち着いているが、たんが多く出るため、一般病棟ではなく集中治療室にいるという。 3日は食事を取らないよう指示があったため、点滴を受けたという。退院時期などは未定という。(多田晃子)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

センバツ出場の日本航空石川高、避難先を東京に変更 資材高騰背景に

 能登半島地震で被災し、山梨県に一時避難する予定だった日本航空高校石川と日本航空大学校石川(石川県輪島市)が4月から、東京都青梅市の明星学苑青梅校に避難先を変更することになった。4月初旬までに仮設寄宿舎を整備し、生徒・学生約1千人が対面で授業を受ける。 同高と大学校を運営する日本航空学園(山梨県甲斐市)と、明星学苑(東京都日野市)が3日発表した。期間は1~3年、建物は無償で 日本航空学園によると、当初、能登キャンパスの被災を受けて、系列校のある山梨キャンパスに仮設校舎や寄宿舎を整備し、4月から生徒、学生を移す方針だった。だが、資材高騰などで仮校舎建設に予想以上の資金が必要となり計画が難航。東京都の仲介で、明星学苑と協議し、青梅校の土地と建物を無償で使うことで合意した。期間は1年から3年を想定している。 高校の全生徒と、大学校の大半の学生が青梅で学び、大学校の一部学科の学生は山梨と北海道のキャンパスに一時避難させる。18日開幕の選抜高校野球大会に出場する野球部などの生徒が山梨で練習を続けていたが、高校の部活動は今後も引き続き石川県の大会に出場する予定だ。 青梅校は広さ80ヘクタール。青梅市の誘致で明星大学青梅校が1992年に開設され、本館、図書館、体育館のほか、陸上競技場、野球場を備える。ピーク時には2千人を超える学生がいたが、2015年に日野校にキャンパスが集約され、通学する学生はいないという。 航空学園の担当者は「建物をそのまま使えるのはありがたい。敷地内の仮寄宿舎は700人分以上は整備したい」と話した。(米沢信義)「当たり前の日常の大切さ知った」 山梨で高校、大学校の卒業式 能登半島地震で被災した日本…この記事は有料記事です。残り465文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません能登半島地震1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

被災者への貸付金、滞納すでに57億円超 震災13年の今も余裕なく

有料記事平川仁 本山秀樹2024年3月3日 21時10分 東日本大震災の被災者の生活を立て直すために市町村が貸し付ける「災害援護資金」が今春から返済の期限を迎えだす。ただ、震災から13年経っても生活に余裕のない被災者は多く、返済期間になったのに滞納している額は9都県で57億円を超えている。 家族4人で暮らす仙台市内のアパートの壁にある隙間。ティッシュで塞いでも、部屋は冷え込む。「今を生きるのに精いっぱいですよ」。大型トラック運転手の40代男性は言う。 2011年の震災で自宅に大きな被害はなかったものの、日雇いのアルバイトが激減し、貯金が底をついた。地震で家具が壊れ、通勤で使う車の故障も重なった。 頼ったのが災害援護資金だ。返済期間は13年だが、初めの6年は支払いが猶予される。男性は12年2月に150万円を借りた。連帯保証人はおらず、利率は年1・5%。月1万円の余裕もなく 市から督促状が届いたのは18年。半年で約11万円の返済を求める内容だったが、重くのしかかった。男性の月収は18万円で、妻のパート代が月5万~8万円。家賃5万円に小学生と中学生の子ども2人の教育費、震災後に発症したリウマチとヘルニアの治療費を払うと、1万円も残らない。 男性は同年5月、仙台弁護士…この記事は有料記事です。残り2812文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル