社会

「やっと助けに来られた」一般募集のボランティア、珠洲市で初の活動

 能登半島地震の被害が大きい石川県珠洲市に3日、初めて県が一般募集した災害ボランティアが入った。能登半島では断水が続く地域も多く、活動できる人数は限られるが、輪島市も10日から受け入れる方針を示している。 この日、珠洲市で活動したのは県内外の男女14人。早朝に県が準備したバスで金沢市を発ち、4時間余りで現地に到着した。被災した住宅から、はがれた内壁や家具などを運び出し、災害ごみの仮置き場に搬入した。 岐阜県から参加した吉田和美さん(48)は「1カ月が経ち、やっと助けに来ることができてよかった」。金沢大学医学部の学生、安村大樹さん(35)は「珠洲の風景が好きで何度も通っていた。いま、自分にできることをしたかった」と話した。宿泊できる場所が不足しているため、日帰りでの活動となった。 能登半島の被災地での県が募るボランティアの受け入れは1月27日に七尾市、穴水町、志賀町の3市町で始まり、2月3日には中能登町でも約20人を受け入れた。 県は現地での宿泊施設やトイレなどの環境が整っていないため、個別でのボランティア活動を控えるよう呼びかけており、県のサイトの登録者の中から人数を絞って派遣している。担当者は「道路状況や断水もあり、増員にはもう少し時間が必要」と話す。(中山直樹、朝倉義統)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません能登半島地震1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

横断中の女性、はねられ死亡 運送会社員をひき逃げ容疑などで逮捕

板倉大地2024年2月3日 23時49分 3日午前10時20分ごろ、東京都板橋区仲町で、近くに住む無職半田しんさん(63)が歩行中に大型トラックにはねられた。半田さんは約1時間後、搬送先の病院で死亡が確認された。救護せずに逃げたとして警視庁は同日、トラックを運転していた運送会社員の倉内健汰容疑者(23)=前橋市三俣町3丁目=を道路交通法違反(ひき逃げ)などの容疑で逮捕し、発表した。 板橋署によると、倉内容疑者は「事故を起こした認識はなかった」と容疑を否認しているという。現場は信号付き交差点から十数メートル手前で、倉内容疑者が青信号で発進したところ、左側から横断してきた半田さんと衝突したとみられる。(板倉大地)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

能登半島地震「M7.3が13秒差で2度」 金沢大の教授が分析

 金沢大学(金沢市角間町)で3日、能登半島地震の調査や支援活動の報告会があった。 発生メカニズムについて報告した同大の平松良浩教授(地震学)によると、今回の地震の断層のズレは、震源から南西と北東の2方向に広がった。平松教授は「マグニチュード7・3の地震が13秒差で2度起きたとみることができる」とし、「活発な地震活動はまだ続いている」と指摘した。 また平松教授は、今回の地震のエネルギーが、2007年の地震の約11倍だったと分析。20年から23年末までの群発地震を足し合わせたエネルギーと比べても、約35倍の非常に大きな地震だったと説明した。 能登半島の外浦で最大4メートルの海岸隆起が観測されたことにも言及。港湾機能が失われたが、「この隆起によって津波の浸水が外浦で軽減された」との見方も示した。(朝倉義統)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません能登半島地震1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

反骨精神の「ドッコイ」 花男さんの北海道ライブツアー、12日から

石垣明真2024年2月3日 20時41分 北海道小樽市のミュージシャン「花男」さん(44)が道内を巡るライブツアー「ドッコイ生きてる雪の中ツアー2024」が、12日から始まる。札幌市での公演を皮切りに、浦河町や釧路市など計10市町で歌を披露する予定だ。 今年で11回目になるツアーでは、あえて厳しい冬の季節に道内を駆け回る。「雪で閉ざされる時期だが、それに負けない空気を作りたい」と花男さん。ツアー名の「ドッコイ」には、そんな反骨精神がこめられている。 一部のライブはネット配信を予定しているほか、歌手の「Chima」さんら、道内にゆかりのあるアーティストが参加する回もあるという。 ライブの情報は、X(旧ツイッター)のアカウント(@hanao_miyata)のほか、花男さんの公式ホームページなどでも確認できる。(石垣明真)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「馬好きが集まる場所に戻そう」 能登半島地震で被災の乗馬クラブ

 石川県珠洲市唐笠町にある奥能登唯一の乗馬クラブ「ストローク乗馬クラブはなむけ」代表の竹中健也さん(48)は、妻と娘の3人でクラブハウスに残り馬の世話を続けている。能登半島地震発生で、同市正院町にある自宅は全壊。一緒に住んでいた両親は倒壊した家屋から無事に逃れ、同県加賀市へ避難した。 クラブは、馬場に亀裂が入るなどはしたが、大きな被害はなく馬も無事だった。しかし、断水が続いており馬の飲み水は、山のわき水や雪解け水をくんでしのいでいる。 クラブでは、金沢競馬などで活躍したコスモドーム、レイズアスピリットなどのレースを引退した馬や飼育放棄された馬など5頭を飼育している。これまで会員制の乗馬や一般客向けのえさやり体験などで経営を支えてきたが、クラブへ続く道は山崩れなどで損傷し、来場者が戻る見通しは立っていない。 そんな中で、馬のファンや保護団体から義援金が集まり、東京都の支援団体からは干し草1トンが届けられた。竹中さんは「悲しいことが多いけど、人とのつながりで助けられている。馬好きたちが集まる場所に戻るよう、この里山で生きていきたい」と話した。(柴田悠貴)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません能登半島地震1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

腰まで迫る泥、薄暮に浮かぶ白い息 「1分1秒でも早く見つけたい」

 午後5時45分。山と空の境が分からなくなった頃、その日の捜索活動は打ち切られた。泥にまみれ、肩を上下させる消防隊員の吐く息が、投光器に白く浮かび上がった。 能登半島地震の発生から1カ月。石川県輪島市市ノ瀬町では、山頂から崩れ落ちた土砂に住宅が押し流され、男性1人と連絡が取れていない。雪や雨でぬかるんだ土砂は、捜索する消防隊員をひざや腰まで泥に沈め、作業をより難しくする。県内の安否不明者は15人。全国各地から集まった警察や消防による捜索が、今日も続く。 兵庫県警の小長谷龍椰(こながやたつや)さん(25)は、阪神大震災を経験して警察官になった父の背中を追い、警官に。「1分1秒でも早く、見つけてあげられたら。震災の時の恩返しをするためにも力になりたい」(関田航)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません能登半島地震1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ココイチ、すき家、日清…キッチンカー、被災地を走る 国もプッシュ

 能登半島地震の被災地へ大手外食や食品企業がキッチンカーを走らせ、温かい食事を無料で提供する動きが相次いでいる。避難所への派遣や受け入れをスムーズに行えるよう、自治体と企業のマッチングに政府が乗り出してもいる。 1月下旬、大手カレーチェーン「カレーハウスCoCo(ココ)壱(いち)番屋」のキッチンカーがやってきたのは、24人が避難する石川県七尾市の能登島地区コミュニティセンターだ。量や辛さの希望を社員が聞き取り、ご飯をよそった容器のふたの上に温かいレトルトパウチを載せて渡す。 受け取った人々は「ありがとう」と笑顔に。「お父さんの分は山盛りで」と頼む女性もいた。近くの避難所にいる人の分も合わせ、用意した110食をすべて渡し、この日の活動を終えた。 パウチに入ったまま渡すのは、あとで再加熱して食べることもできるからだ。かつてはルーをご飯にかけて提供したというが、東日本大震災や熊本地震などを経て、衛生面などからこの形に落ち着いたという。アレルギー持つ子 「これなら食べられる!」 カレーを提供した社員は普段…この記事は有料記事です。残り958文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません能登半島地震1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

輪島塗、復活への一歩 創業200年の老舗が商品の出荷再開

 石川県輪島市で輪島塗の製造販売を手がける老舗のが、在庫の出荷を本格的に再開し、伝統工芸品復活への一歩を踏み出している。7代目の桐本泰一さん(61)は「もう一度、輪島のものづくりを発信していきたい」と意気込む。 1月31日午後2時過ぎ。市内にある同店の工房で、桐本さんが段ボール箱を軽トラックに積み込んでいた。 「よし、完全出荷、再開」 満足そうに一言つぶやくと、スマートフォンで写真を撮り、市中心部の宅配業者の拠点へと急いだ。 この日は、日本橋三越本店(東京都中央区)にある直営店などに向け、約270個の漆器を出荷した。 創業200年以上の歴史を持つ同店は、3年前、現在の場所に工房を移転した。耐震設計されていたことが幸いし、建物の応急危険度判定は青の「調査済」。商品も散らばりこそしたが、壊れることなく無事だった。 被災後、商品の状態などを確認し、1月7日にオンライン販売を再開した。全国から応援メッセージとともに注文が相次いだという。宅配業者が事業者向けの配送を再開するまでは、急ぐ商品だけを、七尾市や金沢市まで片道2時間ほどかけて持ち込んでいた。 多くの販売店や職人が被災し、日本を代表する伝統工芸品の輪島塗は、存続が危ぶまれる。 「輪島キリモト」も、家を失った職人がおり、水道も復旧していないため、新たな商品の製造は再開できていない。 桐本さんは「僕は昭和世代の『よっしゃ頑張れば何とかなる』っていうタイプの人間だけど」と言い、こう続けた。 「今は力強く旗を振るのではなく、被災し一人一人の職人さんと相談し、いいものをつくろうという気持ちを絶やさないようにすることが大事だと思う」。長い道のりだが、少しずつ元に戻したいと考えている。(関田航)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ふつうに違和感、語感が違う「スタジオ感」 はやり言葉は嫌いなんだ

記者コラム「多事奏論」 編集委員(天草)・近藤康太郎 九州だけでなく、最近は東京でも読者相手に講演や文章塾を開く。最後の質問コーナーで追及されることがあり、剣呑(けんのん)である。先日は「東京を飛び出したのはいいが、いつまで九州にいるんですか。北海道とか孤島に行ったら?」「好きなことばかりして、なぜ朝日をクビにならない? わたしならクビにする」。答えに窮する質問は、政治家にならい、総合的に判断して論点をすり替える。 東京・町田の文章講座では、20代の女性が、読者の作文を読み上げるアシスタントをしてくれた。講座が終わり、感想を聞くと「ふつうにおもしろかったです」。邪気のない笑顔であった。 「あのさ、若い人はよく『ふつうに○○』っていうけど、あれ、どういう意味なのかなあ」 「期待していなかったけど、意外におもしろかったって意味です」。悪気のない笑顔であった。ふつうに傷ついた。 わが私塾で、人間離れした大食らいでカネのかかるギャル原(28)が、わたしの記事を読み「かなりおもしろかったです」と、よく感想を送ってくる。おそらく「か」にアクセントを置かず、語尾を上げて読むのだろう。あまり続くので「あのさ、語感が違うんじゃねえの? 可なり=非常にとまではいかないが、並一通りを越える程度であること」。 若者にとって「かなり」は「非常に」と同等かそれ以上。「とても、だとキモい」らしい。ギャル原の解説である。 語感が、違う…この記事は有料記事です。残り787文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

町長9日目で震度7襲った原発の町 防災訓練「機能せず、想定甘い」

被災首長に聞く ~能登半島地震から1カ月~ 能登半島地震で最大震度7を記録した石川県志賀町。県内で唯一、原発が立地する町で陣頭指揮にあたったのは、就任からわずか9日目の稲岡健太郎町長(46)だった。 ――前町長が汚職で辞任し、町議から町長に立候補し、初当選してまもなくの発災だった。 発災時は自宅にいて、子どもや親戚たち20人ぐらいで書き初めをしていたときだった。すぐに役場に出た。こんな大災害を経験するのは、どの首長も初めての経験だと思うので、そこに戸惑いは感じなかった。 ――目下の課題は。 まずは断水の解消、住まいの確保、そして事業者を含めたなりわいの再建。水道は、上水は着実に通水が進んでいるが、下水は調査段階。農業集落排水もあるので、復旧に向け、てこ入れに取りかかっている。 応急仮設住宅は200戸以上必要とみている。県と連携し、建設用地の確保を進めるが、候補地には観光地もあり、仮設を建てていいかという悩みもある。 ――事業再建では、能登最大の工業団地「能登中核工業団地」(32社、約1千人雇用)がある。 水を使う企業が多いので、全国から給水車に来てもらって対応したが、自助で対応しているところもある。企業が撤退にならないよう、対策を進める。 ――災害ごみの対応を行う専門チームの立ち上げをいち早く示した。 熊本地震で被災した益城町から助言があった。心配なのは、町全体の災害ごみ処理費を試算して頂いたら、町の年度予算(一般会計150億円前後)を超える約200億円と出た。財政面での支援を求めたい。記事後半では、町に立地する原発について聞きました。 ――トラブルが相次いだ北陸…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル