2019年の参院選広島選挙区をめぐる河井克行・元法相らによる買収事件で、公職選挙法違反(被買収)の疑いで告発され、東京地検が不起訴にした広島の地元議員ら100人のうち、35人が検察審査会に「起訴相当」と議決された。今後、東京地検が再捜査することになる。 100人の審査を申し立てた市民団体「『河井疑惑』をただす会」は28日、広島市内で記者会見を開いた。メンバーの山根岩男さん(70)は「市民の感覚で審査し、妥当な判断がされた」と評価した。その上で「まだ議席にしがみついている議員もいる。けじめを付けることが買収事件を防ぐことにつながる」と訴えた。 代理人の山田延廣(のぶひろ)弁護士は「民主主義の根幹を壊す重大な事件。お金で選挙が買われる風土や政治家の体質を改めなければいけない。国民にも政治家とカネの問題について、厳しい目をもってほしい」と述べた。 地元議員ら40人について審査を申し立てた「地方議会をただす会」の藤岡圭二さん(78)も「市民の目で見て正しい判断がされたと思う。選挙違反を許すべきではない。当然の結果だ」とした。「自らの判断で身を律することができない議員が議決を受けてけじめを付けるのか、みものだ」県議会議長「引っかき回された」 現職の広島県議10人が「起訴相当」となったことを受け、県議会の中本隆志議長は記者団に「重く受け止めるべきだ。再捜査の動向を注視していきたい」と述べた。政治不信がさらに深まったのではないかと問われ、「事件で広島県の政治は引っかき回された。我々も真摯(しんし)に反省をしながら今日まできている。一刻も早く前を向いて政治に取り組みたい」と答えた。 一方、県議会としての今後の対応については「我々が何をしようが、検察が起訴するかしないかで全てが決まる。結果をみて判断すれば十分だ」とした。(比嘉展玖)44人の地元政治家らの議決結果(議決書や判決などから)※カッコ内は当時の肩書、金額の単位は万円※★は現在も現職議員●起訴相当=地元政治家30人のほか、選挙スタッフと元国会議員秘書ら5人で計35人海徳裕志(広島市議)★50八軒幹夫(広島市議)★50藤田博之(広島市議)★70矢立孝彦(安芸太田町議)★20今田良治(広島市議)★50天満祥典(三原市長)150宮本新八(県議)★50児玉浩(県議)60木山徳和(広島市議)★30児玉光禎(広島市議)★30豊島岩白(広島市議)★50奥原信也(県議)★200三宅正明(広島市議)★50木戸経康(広島市議)★30谷口修(広島市議)★50伊藤昭善(広島市議)★50沖宗正明(広島市議)★50高山博州(県議)★30平本英司(県議)★30砂原克規(県議)★50石橋竜史(広島市議)★30渡辺典子(県議)★10岡崎哲夫(県議)★50胡子雅信(江田島市議)10佐藤一直(県議)★30藤田俊雄(廿日市市議)10杉原孝一郎(尾道市議)★30土井正純(呉市議)★30平本徹(県議)★30下原康充(県議)★50●不起訴不当=地元政治家9人のほか、選挙スタッフや後援会関係者ら37人で計46人宮本裕之(北広島町議)★20先川和幸(安芸高田市議)★20水戸真悟(安芸高田市議)10小坂真治(安芸太田町長)20繁政秀子(府中町議)30川上征矢(元県議)60門田峻徳(元県議)60森野貴雅(元広島市議)20青原敏治(安芸高田市議、後援会員)10●不起訴相当=地元政治家5人のほか、後援会関係者14人で計19人山下智之(県議)★30窪田泰久(県議)★30沖井純(県議)★30仁井田和之(廿日市市議)20坂本一彦(元東広島市議)30Source : 社会 - 朝日新聞デジタル
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