社会

首都圏4知事「引き締め」を確認 宣言終わらせるために

 新型コロナウイルスの感染拡大に対応する緊急事態宣言をめぐり、東京都、神奈川、千葉、埼玉の首都圏4都県の知事は23日、テレビ会議を開いた。宣言の期限となる3月7日までに宣言を終わらせることを目標に、4都県で連携して、外出自粛やテレワークなどの対策徹底を引き続き呼びかけていく方針を確認した。  会議では、4都県の新規感染者数は減少傾向にあるものの減少のペースが鈍化し、医療提供体制もなお逼迫(ひっぱく)した状況が続いていることを確認した。3月7日までに宣言を終わらせるために、基本的な感染対策を徹底していく共同メッセージを出した。  東京都の小池百合子知事は、関西3府県が宣言解除を政府に要請したことに触れ、「1都3県に対して緩みというか、皆さんの行動に様々な反応を示してしまうのではないか」との懸念を示した。(岡戸佑樹) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「判断しない」判断の理由とは?国と沖縄の元調停役語る

 国と沖縄県が5年以上、終わりの見えない争いを続けている。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設にかかわる行政手続きや法廷闘争だ。実は当初、国の委員会が混迷を予測し、話し合いを呼びかける異例の決定を出していた。「国と県、両方の姿勢を見て『これじゃまずい』と思った」。当時の委員長が朝日新聞の取材に対し、決定に至った経緯やその狙いを明かし、現状への歯がゆさを語った。  1、2月に2度、オンラインのインタビューに応じたのは、行政法の専門家で国地方係争処理委員会(係争委)の元委員長、小早川光郎・成蹊大法務研究科長。係争委は、地方分権改革の一環で設けられ、地方自治体に対する国の対応が違法かどうか判断する総務省の第三者機関で、小早川さんは制度設計にもかかわった。委員長だった2015年と16年に米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設問題を2件扱い、16年6月には国と県のどちらの主張が正しいか、判断しないという決定を出した。「異例の判断をした責任がある。求められれば説明したい」と取材に応じた理由を語った。 小早川光郎(こばやかわ・みつお)行政法の専門家。内閣府の地方分権改革有識者会議の座長代理を務める。国地方係争処理委員会の委員長は2012~18年に務めた。辺野古移設問題について出した2回の決定について「いずれも異例だった。そういうことをやった責任はある。求められれば一生懸命説明してみようという思いはあった」と今回取材に応じた理由を語っている。  移設計画を巡り、工事を進める国と阻止したい沖縄県の間では、裁判だけで15年以降9件あり、今月3日も県敗訴の判決が出た。「法的な白黒をつけようと次々やっている状態が続いていることは、進歩がないと感じます」。小早川さんはそう口にした。  16年6月の係争委は、いまの状況を予言するような判断を下していた。  《両者の立場が対立するこの論点について、議論を深めるための共通の基盤づくりが不十分。このままであれば、紛争は今後も継続する可能性が高い》  当時は、移設に反対する知事(故翁長雄志氏)が前知事が出した埋め立て承認を取り消したことを皮切りに、国と県による争いが始まっていた。国の対抗手段は違法だとして、県が係争委に審査を申し出た。  小早川さんは、地方自治法などを専門とする立場から、国と県は本来、最低限の信頼関係を持って、歩み寄れる点は歩み寄るべきだととらえてきた。だが、審査の中で、両者にその姿勢はみられなかったという。  「これじゃまずい。どっちが正しいかと言うことで、にっちもさっちもいかなくなるのではないか」。そう思い、決定文では、話し合いの必要性を強調した。  《普天間飛行場返還という共通目標の実現に向けて真摯(しんし)に協議することが、問題解決に向けて最善の道》  一方、係争委の限界も感じた、とも明かす。  15年に審理したのは、県の対応について、防衛省が行政不服審査法を使って国土交通相に不服を申し立てた手続きの是非。「この手続きは国民救済のためで、防衛省に資格はない」「『国』が『国』に判断を仰ぐのは公正ではない」などと専門家からも批判がでた手法だ。 「政府は汗をかいて説明するしか」  小早川さんによると、係争委内にも、国の手法を疑問視する意見があったという。ただ、係争委は国の一機関で、「(防衛省の申し立てを認めた)国交相と違う法解釈をもとに審査していいのか、という問題にぶち当たった」。結局、国交相の解釈に「疑問も生じる」と言及しつつ、一見して明らかに不合理だとまでは言うことができないとして、県の訴えを退けた。  一連の審理を通して、小早川さんは県の主張の背景にあるものを感じた。「沖縄は、全国で担うべき安全保障上の負担を集中的に負わされている。それは普天間から辺野古への移転では変わらないじゃないか、という気持ちは強く感じた」。さらに、琉球王国だった沖縄が日本の政治システムに組み込まれた明治初期の「琉球処分」以降の歴史の積み重ねも影響しているのではないか、と。…

松本人志さん殺害予告、ネット掲示板に 容疑の男再逮捕

 お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さん(57)とその家族に対する殺害予告をネット上の掲示板に書き込むなどしたとして、警視庁は23日、システムエンジニア相馬亘容疑者(25)=東京都三鷹市井の頭2丁目=を脅迫と威力業務妨害の疑いで再逮捕し、発表した。調べに対し容疑を認め、「実際に危害を加えるつもりはなかった」と供述しているという。  新宿署によると、相馬容疑者は1月24~31日に数回、ネット上の掲示板に松本さんとその家族を名指しして「トンカチで顔面グシャグシャにしてぶっ殺します」などと投稿して脅迫し、松本さんが所属する芸能事務所、吉本興業のタレント養成所「吉本アカデミーNSC」(東京都千代田区)のホームページなどに、同校に爆弾をしかけたと投稿して、警備を強化させるなどして同社の業務を妨害した疑いがある。  署は、別のタレントやミュージシャンへの殺害予告や、テレビ局への爆破予告などの投稿も複数確認しているといい、裏付けを進めている。  相馬容疑者は今月3日、お笑いコンビ「おぎやはぎ」への殺害予告をネット上に投稿した疑いで、警視庁に逮捕されていた。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

在宅勤務が増えた記者 娘が乱暴に 何のサイン?

 コロナ禍の影響で、心も体もスッキリしない日々が続きます。在宅勤務が増えて家にいる時間が長くなった分、親子の衝突が多くなっていませんか。子どもも環境の変化でストレスを感じているのかもしれません。(小若理恵、田中祐也)  「勉強しなさい」と言えば、昨春、小学1年生になった娘(7)は「でも」「だって」と口答え。母親である記者(43)に「おまえ」と言い、すぐに怒って蹴りやパンチを入れてくる。  記者は在宅勤務中心になり、家で一緒に過ごす時間が増えた。娘は乱暴な言葉遣いや反抗的な態度ばかりが目立つように。どうして?  「それはママの愛を確かめているサインだね」。名古屋市内で「産後の母親教室」を主宰する若子理愛子(りえこ)さん(43)が軽やかに笑う。中学1年の長男(12)と年長の次男(6)の母。保育士資格を持ち、1千組以上の親子と向き合ってきた。  《いい子じゃない自分も、ママは愛してくれるだろうか》。小さな反抗は、そんな心の表れだという。「成長の証拠。しっかり受け止めてあげて」と、若子さんは言う。  「ちゃんと目を見て聞いてあげ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

突然、木になった猫は… 障害負った画家、体験を絵本に

 好きなときに出かけ、好きなときに爪を研ぐ。自由気ままに暮らしていた猫が、ある日突然、1本の木になってしまう――。自転車事故で首から下に障害を負った画家の女性が、リハビリを経て、1冊の絵本を描き上げた。世界に1冊の手づくり絵本は「より多くの人に届けよう」という周囲の後押しを受け、クラウドファンディングを経て、今年1月に出版された。 拡大する「てがき絵本 まる」(はる書房)から  「てがき絵本 まる」(はる書房)は、ピンクの水玉模様の飼い猫「まる」が主人公。幸せに暮らしていたまるは、突然小さく細い木になってしまい、散歩に行くことも、好きな場所でひなたぼっこもできなくなる。しかし、あることに気付き、最後は「とってもしあわせ」になったまるの姿が描かれる。 ドクターヘリで緊急搬送、目が覚めると…  作者の今村裕子さん(55)=千葉市在住=は、2017年1月、趣味のロードバイクで事故に遭った。なじみのカフェに向かう途中、下り坂のきついカーブに差し掛かったところまでは覚えている。転倒した今村さんは、ドクターヘリで病院へ救急搬送され、目が覚めたときには、首から下の感覚がなくなっていた。  手足は全く動かず、コンクリートで固められているよう。一方で全身は熱くしびれ、熱湯の中にいるようだった。しかしこのときは、「リハビリをすればいつか治る」と思っていた。自転車仲間にも事故から復帰した人がいて、「自分もきっと動けるようになる」と思っていた。  動けるようになりたい一心で、きついリハビリに取り組んだ。しかし、数カ月が経っても、1人でご飯を食べることも、移動することもできない。仲間がスマホに送ってくれたツーリング中の写真を見て、「もし回復しても、もう自転車には乗れないんだ。山登りもできないし、いろんなことができなくなった」と、落ち込んだ。 絵なら描ける?  それでも、「何もできなくなってしまったけれど、何かしたい」と考え、「絵なら描けるんじゃないか」と思いついた。東京芸大で日本画を学び、絵画教室で絵を教えていた今村さん。元児童書編集者の指導を受けながら、一人一人が絵本をつくる「手づくり絵本の会」にも参加し、事故に遭うまでに5作の絵本を完成させていた。  スプーンを持つ練習で使ってい… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

下着や髪形「ブラック校則」 過度な制限、見直し求める

 合理的な理由がない指導や決まりで子どもを縛る「ブラック校則」について、福岡県弁護士会は22日、福岡市立中学校などを対象に調査してまとめた報告書と意見書を市教育委員会に提出した。多くの学校で過度な制限が見られたとして、生徒の声を反映した校則に見直すよう求めた。  県弁護士会は昨年、市に情報公開請求。市立中学校の69校と特別支援学校2校の生徒手帳や校則などが記された文書が開示された。  それをもとにまとめた報告書によると、市立中の57校で下着の色や柄に関する校則があった。違反した場合は「脱がせるよう指示する」「脱がせた後に保護者に連絡する」という指導を定めた学校もあった。  髪形については62校、標準服は全ての学校で校則があった。市内の中学生に行った聞き取り調査では「校則について意見すると『内申に響くぞ』と言われる」「校則のせいで学校に行くことがストレス」など精神的な苦痛を訴える子もいた。  校則に関するプロジェクトチーム座長の佐川民弁護士はこの日の記者会見で「明らかに行きすぎな校則があり、生徒の声を反映し、一緒に見直しを進めてほしい」と訴えた。市教委は取材に「すでに見直しを進めている学校もあるが、合理的な説明がつかない校則が残っている場合は改善するよう指導していきたい」としている。(横川結香) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

トランプ氏のアカウント凍結、ツイッター社の責任とは

 米国のトランプ前大統領の個人アカウントが米ツイッター社から永久凍結され、世界に驚きが走りました。ツイッターのようなプラットフォーム企業とはそもそもどんな存在なのでしょう。今回の措置は、「表現の自由」の観点から問題をはらんでいるのでしょうか。情報法が専門の成原慧(さとし)・九州大准教授が、いちから説明してくれました。  ――そもそも、プラットフォームとはどういう性格のものでしょう。新聞やテレビなどマスメディアとの違いを教えてください。  「プラットフォームは、人々の間の情報・サービス・商品のやり取りをつなぐ場です。ツイッターのように言論や情報をつなげる場もあれば、メルカリのように商品やサービスをつなげる場もあります。グーグルやアップルのアプリストアのようにアプリの開発者と利用者をつなげる場もあります」  「新聞社や放送局など伝統的なメディアでは、記者が自身で取材して記事を書いたり、論説を書いたりして、記者(会社)の責任として公表します。一方、ツイッターのようなプラットフォームの場合、情報を発信する主体は個々のユーザーでその責任も基本的に個々のユーザーが負います。ユーザーが情報を発信する場を提供するのがプラットフォームということです。自身のコンテンツを発信する伝統的なメディアに対し、他人の情報を発信する場を提供するのがプラットフォームなのです」  ――プラットフォームには三つの側面があると言われていますね。  「一つが、いまお話ししたよう… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

国民に会いに出向く海外王室 コロナ禍の皇室の課題は

 コロナ禍の中で、海外の王室はどう活動しているのか。関東学院大の君塚直隆教授(英国政治外交史)は「コロナ禍の状況下でも、発想を転換させた公務が目を引く」と話す。君塚教授に、海外王室の活動状況やコロナ禍の中の皇室の課題を聞いた。     ◇  海外の王室には、コロナ禍の中であっても、国民の前に姿を現すのが務めという意識が貫かれているように思う。  英エリザベス女王は昨年4月、異例のテレビ演説を行い、国民に対して「団結すれば克服できる」と呼びかけた。ユーチューブでも配信された動画は4分超で、医療従事者らの画像が交ぜられ、見せ方が工夫されている。多くの国民が見たと言われる動画で、「国民統合の象徴」を体現した。 拡大する英ロンドンのウェストミンスター寺院で2020年11月4日、無名戦士の埋葬100周年の式典に参列するエリザベス女王=ロイター  日本でも、新年一般参賀に代わ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「犬小屋が燃えている」 焼け跡から約30匹の死骸

 22日午前9時ごろ、宮城県大崎市古川北宮沢の犬の飼育施設で、「犬小屋が燃えている」と目撃者から110番通報があった。宮城県警古川署によると、この施設で働く女性2人がやけどを負ったほか、焼け跡から30匹程度の犬の死骸が見つかったという。  署によると、敷地内にある犬舎2棟のうち、平屋建ての1棟が全焼した。この施設ではトイプードルやチワワなど主に小型犬が飼育されており、焼け跡から死骸が相次いで見つかった。犬を助け出そうとした20代と30代の女性2人が煙を吸うなどの軽傷を負った。  犬舎内にはストーブが置かれていて、署はこのストーブが火元になった可能性があるとみている。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

冬の海で人が転落「まだ生きてる!」 漁師は船を出した

 海に転落した釣り人を救ったとして、第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)は19日、秋田県の漁師ら4人に感謝状を贈った。冬の荒波の中、自分たちで船を出して迅速に救助したことがたたえられた。  秋田県八峰町の岩場「チゴキ崎」で釣り人が転落したとの一報が消防に入ったのは、昨年12月7日の午前7時半ごろ。ちょうどその時、犬の散歩のため現場付近を通りかかったのが、漁師の千葉鉄雄さん(74)だった。  陸からでも、人影のような黒い点が沖合で波に合わせて浮き沈みするのが見えたという。「まだ生きてる!」。近くの岩館港に止めていた自らの小型一本釣り漁船「一星丸」を出すと決め、周りにいた漁協職員たちに声をかけた。  漁師の岡本義信さん(72)と、漁協職員の工藤篤さん(58)と本庄尚哉さん(56)、救急隊員2人の計6人を乗せ、船は沖へ向かった。波は大荒れで、船内にも海水が入ってくるほど。魚をすくうためのタモ網の柄を釣り人の男性めがけて伸ばしてつかんでもらい、船を操縦する千葉さん以外の5人でなんとか引き上げた。  男性は救急搬送されたがけがはなく、その日の夕方には漁協にお礼に来たという。千葉さんは「もう少し流されていたら、行かれなかった。助けられてよかった」と話した。  秋田海上保安部によると、男性… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちらSource : 社会 - 朝日新聞デジタル