【動画】「どうして日本人は政治の話をしないの?」SNSで寄せられた疑問を取材した=高橋大作撮影 皆さんの身近な困りごとや疑問をSNSで募集中。「#N4U」取材班が深掘りします。 日本人って、なぜ身近な人と政治の話をしないの? 今回の参院選に向けて、読者の困りごとや疑問を取材している朝日新聞「#ニュース4U」がSNSで様々な意見を募集すると、そんな「そもそも論」が寄せられた。 投稿したのは、東京都足立区のフリーデザイナーの女性(38)。政策や選挙について、自身も家族や友人らと話すことがないという。そのわけをLINEで尋ねてみると、「まず、考えたことがない人が大半で議論にならない。政治的議論が人間関係にも影響するように感じます」と返信があった。 「タブー視のリスク、高まった」 記者がそのとき思い出したのは、「政治的な発言をするな」「勉強不足」などとタレントが批判を浴びた一件。ローラさんが昨年12月、沖縄県の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設工事中止を求めるネット上の署名活動について、SNSで署名を呼びかけると批判が相次いだ。当時は発言を評価する人の中でも「テレビで干されないのか(活躍の場がなくならないか)」と心配する声もあった。 今回の参院選でも、俳優ら著名人が政治への思いや投票への呼びかけをSNSで発信したこと自体がネット上で話題になるほどだ。 「日本では、意見の違いが明白になることを恐れ、政治的な会話を避けている面があるのだろう」。横山智哉・立教大助教(社会心理学)はこう話す。「米国ではイデオロギー(政治思想)の違いを知る貴重な場として、会社などであえて政治の話をする」という。日本では以前からタブー視はされてきたが、2012年に民主党政権から自民党の安倍政権に代わった後、イデオロギーの差が顕著になり、政治的な会話がタブー視される「リスク」が高まったと指摘する。 フランスでは6歳が政治の話 投稿した女性とLINEでやりとりを続けると、「フランスでは政治について討論をした後でも、友人関係を続けられると聞いたことがあります」という。 そこで、記者の友人で、パリ近郊に住む会社員の武村智子さん(38)に話を聞いてみることにした。 「街のあちこちでみんなが政治について話しています。ランチや散歩に行った時、仕事帰りに寄るバーでも。特に選挙前は」 武村さんは15年近く前からワーキングホリデーなどで日仏を行き来していた。ベビーシッターのアルバイト先で6歳の男の子が大統領選の話を始めると、驚きの一言が飛び出した。「僕のパパはサルコジには投票しないよ」 武村さんは4年前、フランス人のロホン・セリスさん(34)とカップルになり、家庭でも政治について話す。サルコジ氏、オランド氏に続き、大統領になったマクロン氏の新党が17年の総選挙で躍進。その一方で中道左派の社会党が大幅に議席を減らした。…
5 ans Il y a