社会

3階の工事でガス管外れる ガスが充満、2階で引火か 新橋ビル爆発

長妻昭明2023年7月5日 14時05分 東京・新橋の雑居ビル2階の飲食店付近で爆発が起き、4人が重軽傷を負った火災で、ビル3階で爆発前に工事が行われ、その際にガス管が外れてガスが充満していた可能性があることが捜査関係者への取材で分かった。警視庁は工事をしていた内装業者から事情を聴き、業務上過失致傷などの疑いで調べている。 ビルは地上8階、地下1階で、爆発は3日午後3時10分ごろ起きた。捜査1課によると、4~5日に行った現場検証で、3階床下にあるガス管の接続部分が1カ所外れていたことが判明。内装業者が3日午前9時から午後1時半まで、床を平らにする工事をしていた。作業員の一人が警視庁に、「床に出ていたガス管のふたを触った」と話しているという。 2階の飲食店はガスを契約していなかった。重傷を負った飲食店の男性店長(52)は、「喫煙室でガス臭いと思いつつたばこを吸おうとしてライターをつけたら、ドカンと爆発した」と話しているといい、同課は充満したガスに引火したとみている。 警視庁などによると、店員の女性(53)や通行人の男性(53)も爆発の影響で重傷を負い、通行人の男性(75)が軽傷という。周辺の車5台も破損したという。(長妻昭明)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「ツケ払いOK」と思い込んだ 無銭飲食で起訴の被告に無罪判決

 キャバクラで「ツケ払い」を申し出て、店に了承されたと思い込んだ疑いがある――。無銭飲食をしたとして詐欺罪に問われた無職男性(69)について、東京高裁は5日、そう判断して男性を無罪とした一審・新潟地裁判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。 判決によると、男性は2021年9月、新潟市内のキャバクラで焼酎の水割りを飲むなどした。だが金がなくて支払いができず、駆けつけた警察官にサービス代を含めた代金計約2万円をだまし取ったとして現行犯逮捕された。所持金はほぼゼロで、預金残高も11円だったという。 男性は当初から「入店時にツケ払いを申し出た。特に返事がなく案内されたため、了承されたと考えた」と説明。一方、応対した店長は公判で「申し出は受けていない。初めて利用する客にツケ払いを許すことも一切ない」と証言した。 22年3月の地裁判決は、店長の証言を踏まえても、当日は店が混雑し、ホール担当者も少なく、店長がインカムをつけていたことなどから「男性の申し出を聞き逃した可能性が否定できない」と判断。詐欺の故意が認められないとした。 高裁も、店長は入店客の案内や注文、酒類の提供などを1人でこなしていた、と指摘。「聞き逃した可能性が『常識的に考えてあり得ない』とは言えない」と述べ、一審判決が不合理とは言えないとした。 検察側は、控訴審で改めて店長を証人として尋問することを求め、高裁も認めたが、本人が出廷しなかった。代わりにバックヤードにいた別の店員の尋問が行われたが、判決は「『店長が申し出を聞き逃すとは考えられない』という心証を抱かせる供述はなかった」とした。(田中恭太)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

苦渋の「失踪宣告」 救えなかった叔母、とっておいた青のブラウス

 記録的な大雨で河川が氾濫(はんらん)し、甚大な被害をもたらした熊本豪雨から3年。被災地ではいまも、行方がわからない人がいる。家族たちは区切ることのできない思いも抱えたまま、大切な人の帰りを待ち続けている。 熊本県芦北町の城文博さん(76)と妻の裕子さん(74)は4日、町の東のはずれにある球磨(くま)川沿いの住宅を訪れた。 建物に窓ガラスはなく、床板ははがれ、室内には濁流にのまれた跡がくっきりと残っている。 ここに、当時89歳だった叔母の幸恵(さちえ)さんが一人で暮らしていた。 2人はユリとコチョウランの花束を花瓶に生け、手を合わせた。「この家がここにある限り、会いにきますから」 幸恵さんや文博さんの家族は代々、この場所で暮らしてきた。年は離れていたが、幸恵さんは「姉のような存在」だった。文博さん夫妻に2人の男児が生まれ、弟の世話で裕子さんがてんてこまいしていると、幸恵さんが自分の勤め先の役場まで長男をおんぶしていって面倒をみてくれた。「球磨川が好き」誘われても残ったふるさと 文博さん家族が町の中心部に…この記事は有料記事です。残り916文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「インナー世間」の声など無用 三浦ゆえさんが語るミドルエイジの性

有料記事田中ゑれ奈 机美鈴2023年7月5日 11時30分 私自身が更年期まっただ中で、ミドルエイジの性には当事者意識があります。同時に、今の若い世代と違って私たちの頃は情報が少なく、女性が性の知識を得ることを阻む空気があった。そんな時代を経験した皆さんが今、どういう性行動をされているのか気になっています。 性にまつわる書籍を数多く手がけるライター・編集者の三浦ゆえさんは、40、50代の女性に「性のリアル」を聞くインタビューシリーズに取り組んでいます。体も心も、若い頃とは変わってくるミドルエイジ女性の性愛について、三浦さんに聞きました。 募集に応じてくれるのは基本的にセックスをしたい人。一番多いのは結婚を継続しつつ、マッチングアプリなどを使って出会いを見つけている人です。新しい相手としてみて、「こうしてほしい、してほしくない」を初めて言えたという方がとても多い。いま楽しめているなら良かったと思いつつ、この年齢までそれすら言えずにセックスしてきたんだと思うと、苦い思いもあります。 自分がセックスをしたいかどうかわからないとか本当は手をつないでお話しするだけでいいんです、という方もいます。でも、その気持ちを相手に伝えられているかというと、やはり難しそう。するかしないかをずっと自分で選択してこられなかった人たちが、今になって急に決めるのは大変だと思います。 セックスで快感を覚えたことが一度もないという話もたくさん聞きました。本当はやり方次第で何歳でもセックスはできるはずですが、「このまま女性として終わってしまうのか」という焦燥感が、言葉の端々に出ている方も多いです。メディアを通して「セックスはいいもの」というイメージを共有していて、気持ちよくなれないのは女として何か足りないからだと思い込まされている。本当は相手の乱暴な行為や、コミュニケーション不足が原因かもしれないのに。フルコースじゃないとセックスじゃない? モラハラやDVに苦しむ人も…この記事は有料記事です。残り2040文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

クマが木をガリガリ…銘木の里が悩む「クマハギ」、かっこよく活用

カンサイのカイシャ ここがオモロイ! 山林でクマが木の表皮をはぎ取ることがあります。はぎ取った痕は「クマハギ」と言われ、被害にあった木は、ほとんど値段がつきません。木は伐採されず、山が荒れる原因にもなります。そんな地元の問題を解決しようと、木にとことん向き合う木工所が京都にあります。 吉田真理(まこと)さん(47)は幼いころ、森に囲まれて暮らし、木は身近な存在だった。カブトムシの飼育に使うおがくずは、製材所でもらっていた。 地元は京都市右京区の山里で、銘木「北山杉」の産地だ。市の中心部からは車で約1時間かかる。「地元だったら、もっといい木があるのに」 兵庫県内の大学卒業後、京都市内のアパレル企業に就職。デパートへの新規出店に携わり、店ごとのコンセプトを踏まえて内装や調度品を考えた。棚などの材料にこだわろうとすると、発注先は「質のいい木の板がなかなか確保できない」という。 思い出したのは、地元の製材所にあった木材だ。「地元だったらもっといい木があるのに……」。もどかしさと共に、木工への興味が芽生えてきた。 転機は、勤め先の倒産だ。「新しいことを一から始めよう」と、2002年に長野県の技術専門校に入学し、1年かけて木工の基本技術を学んだ。 卒業を控え東京の家具製作所に就職しようと考えていたころ、母親が体調を崩したとの知らせが届く。面倒を見られるよう、故郷の近くで働くと決め、卒業した03年に実家に近いところで木工所を立ち上げて代表についた。 使う木材の8割が地元産。地元産の木のあたたかみを知ってもらうため、無垢(むく)材にこだわりテーブルなどの家具製作を受注してきた。 地元に密着して仕事をするうちに、仲間もできていた。漆作家の堤卓也さん(45)とは、「マイクロプラスチックを減らそう」と、一緒に木のストローを開発した。クマハギ、一体なぜ? 仲間の一人、林業の四辻誠悟さん(42)が約3年前、聞き慣れない言葉を口にした。「クマハギに困っている。被害にあった木で何か作れないか」 吉田さんは早速、クマハギが…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

俳優の広瀬アリスさんが出雲を案内 電子旅行雑誌の特集で観光地巡る

石川和彦2023年7月5日 11時34分 全国の観光地を紹介する電子旅行雑誌「旅色」(無料)で島根県出雲市が特集されることになり、案内役を務める俳優の広瀬アリスさん(28)=静岡県出身=が3、4両日、市内で撮影に臨んだ。 広瀬さんはまず日御碕神社を訪れ、国の重要文化財に指定されている楼門前を歩いたり、拝殿前のさい銭箱にお金を入れて手を合わせたり。カメラマンの指示や要望に「はい」と答え、笑顔を見せていた。2日間で5、6カ所の観光スポットなどを巡ったという。 発行元の「ブランジスタメディア」(本社・東京)によると、出雲特集は10月25日にネット上で公開予定。同社関西中国営業部長の升本光典さん(41)は「『旅色』で出雲を特集するのは3回目。出雲は人気がある。出会いの街であり、大人の心にマッチしている。今回も出雲の観光PRにつながれば」と話す。 「旅色」は2007年創刊。「大人の女性に上質な旅時間を届ける」とうたい、読者数は月間585万人超という。(石川和彦)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

点検員が水道メーター見ず、架空の値を報告 担当の4千件を調査

2023年7月5日 7時21分 神奈川県企業庁は4日、県営水道の平塚水道営業所管内で、水道メーターを点検員が確認せず、架空の値を報告し、それに基づいて料金を請求していたと発表した。 6月下旬、水道の使用量を疑問に思った大磯町の利用者から指摘があり、点検業務を委託している「宅配」(東京都文京区)が調査したところ、点検員(49)がメーターを目視せず、直近の使用量を参考に上乗せして報告していたと認めた。メーターは地下にあることが多いが、一戸建てなどで上に自家用車が駐車されていて、確認できなかったことが理由と話しているという。現在、この点検員が担当していた約4千件について調査中で、大磯町の事例のほか、4件について不正の疑いがあるという。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

不動産屋で飲んだコップ一杯の水道水 だから私は昭島に出店を決めた

 東京でおいしい水を求めて飲食店主らが集うエリアがある。都内の自治体で唯一、水道を深層地下水のみでまかなう昭島市だ。ミネラルウォーターと変わらぬ水道水というが、その味とは。 中出悠太郎さん(37)は当時、いい場所を探し求めていた。初めての自分の店を開きたい。JR中央線や青梅線沿いで、いいところはないか。 たまたま立ち寄った昭島市内の不動産屋で、コップ一杯の水を出された。 衝撃だった。口いっぱいに広がった「甘さとまろやかさ」。開業場所が決まった瞬間だった。パスタにもコーヒーにもビールにも 2年前に古民家を改装してオープンした「昭島パスタ工房」。中出さんはここで、昭島の水をつかって製麺したパスタをたっぷりのお湯でゆでる。パスタソースだけでなく、自家焙煎(ばいせん)の豆でいれるコーヒーにも水道水をつかう徹底ぶりだ。 いまや都内外から客が訪れ、予約だけで満席になる日もある。「水がいいおかげか、パスタソースが麺によくなじむ感覚があります」 千田恭弘さん(39)はJR昭島駅南口でクラフトビールをつくる。もちろん昭島の水を利用している。 脱サラして2018年に店を構える際、都内各地で出店場所を探した。以前から昭島に住んでおり、水の良さはわかっていた。 市内で化石が発見されたクジラの古名から、店名は「イサナブルーイング」。窒素ガスを使った、細かい泡とまろやかな口当たりが特徴のビールを醸造し、ビアバーも併設する。 ビールの風味は、水そのものの味よりも、醸造の仕方で大きく変わるが、「おいしいビールをつくる条件の一つは、水の良さで間違いない」と断言する。うまさの秘密、市に聞いてみると なぜ昭島の水はうまいと言えるのか。 市によると、水道水のもとに…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

遮断機下りない事案多発、ヒューズ損傷も 「ことでん」に改善指示 

 高松琴平電気鉄道(ことでん)長尾線の上福岡踏切(高松市上福岡町)で4月、遮断機や警報機が作動しないまま電車が踏切内に進入し、緊急停止する事案があったことがわかった。同社は過去2年半に同じような事案を4件起こしており、四国運輸局は重大事故につながりかねないとして同社に改善を指示した。 運輸局や同社によると、4月11日午後3時50分ごろ、長尾行きの下り電車が踏切に近づいた際、遮断機が下りず、警報機も鳴らなかった。電車の運転士は警笛を鳴らしながら急ブレーキをかけたが間に合わず、踏切内で停止した。踏切内に人や車などはおらず、けが人はなかった。 同社が調べたところ、近くの電柱の上に設置している踏切に電気を送るための変圧器のヒューズが破断していた。同社は全踏切275カ所のヒューズ454個をすべて交換した。 同社は2021年1月~22年4月にも同様の事案を4件起こしていた。事態を重く見た運輸局は、保安監査を実施。その結果、全踏切のヒューズについて、同社は21年度の検査ですべて「良」としていたが、4月の事案を受けて交換する前の時点で、少なくともヒューズ4個に損傷があった。メーカー推奨の耐用年数(10~15年)を大幅に超え、40年近く使用しているものが、上福岡踏切をはじめ約1割あった。ヒューズ自体を検査するよう想定したマニュアルもなかったことも判明した。 運輸局は同社に6月30日付で改善を指示し、今月末までに改善措置を報告するよう求めた。今後改善が進まず、再び違反行為があった場合は、改善命令を出す場合があるとしている。 同社の香川毅・踏切インシデント対策課長は「老朽化した踏切設備については、まず遮断機や制御機器を優先して更新しており、変圧器など周辺機器は後回しになった。コロナ禍もあって、更新が少しずつ後ろ倒しになっていた」と釈明した。 同社は、ヒューズは10年で交換する▽ヒューズの点検マニュアルを作る▽踏切の機器の回路を単純化して故障リスクを減らすため、踏切ごとに変えていた遮断機の下りる時間を一定にする、などの対策を決めたという。 同社の多田賢二・工務部長は「重く受け止め、二度とこうした事案を発生させないよう、職員全体が意識し、徹底して対策に取り組みたい」と話した。(福家司)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

忘れられない避難所の「にぎんめし」の味 地蔵さんに今年も供えた

 熊本豪雨から3年を前に、自宅が全壊した中神ゆみ子さん(73)は、熊本県球磨村渡の茶屋地区にある小さな地蔵に塩むすびを供えた。 「避難所でもらった塩味の『にぎんめし』の味が忘れられない」と、毎年供えている。 球磨川沿いに位置し、30軒ほどが立ち並んでいた茶屋地区のほとんどが被害に遭った。堤防拡張計画のため、集落は更地となり、JR肥薩線の線路も草に埋もれている。 「地蔵さん」とよばれる子安…この記事は有料記事です。残り292文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル