「あと5点上がるなら…」過熱する中学受験、親が自分を保つには

 夏休みも終わり、中学受験に向けて勉強している子どもたちは、模試などが本格化する季節を迎えます。子どもや保護者は、どんな心持ちで受験に向かえばいいのでしょうか。中学受験をテーマにした作品で知られる3人の作家に聞くシリーズの3回目は、佐野倫子さん。東京都港区在住の母親の目線で描かれた中学受験の小説「御三家ウォーズ」の作者です。都心で過熱する中学受験の実情と、それに挑む母の心構えを聞きました。

受験ってかわいそう?

 ――「御三家ウォーズ」は「東京カレンダーWEB」で2019~20年に連載され、中学受験に関心がある層の注目を集めていました。受験をテーマに書こうと思ったきっかけは。

 11年前、出産を機に、夫の職場にも近い東京都港区に引っ越しました。

 そうしたら、周囲の受験への関心が非常に高くて。当時はうちの子も小さく、小学校受験の話で周囲が盛り上がっていました。いろいろ調べ、様々な人の話を聞くなかで、多くのエピソードが集まってきました。

 私自身、小学校受験も中学校受験も経験していたのですが、経験しなかった親御さんから「受験ってかわいそうだよね」というニュアンスで聞かれることが多かったんです。

 ただ、私は一概にはそうとも…

この記事は有料記事です。残り3863文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment