「ありえないミス」業界もに広がる驚き 固定直前に橋桁落下か 静岡

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三井新 矢島大輔 井上昇

 未明の工事現場に地響きのような音がとどろいた。静岡市清水区の国道1号静清バイパス工事で6日に作業員2人が死亡した橋桁の落下事故。当時は、橋脚の上で橋桁(63メートル)をスライドさせて固定させる作業中で、国土交通省などが事故が起きた状況を詳しく調べている。

 工事を施工する共同企業体(JV)の一員、名村造船所(本社・大阪市)や国交省静岡国道事務所によると、今回の工事は、①現場近くで橋桁を組み立てる②橋桁を橋脚の上に移動させる③橋脚に固定する、という手順だった。

 事故が起きたのは③の固定直前で、橋脚の「支承」と呼ばれる部分に橋桁を移動させる作業中だ。同社は詳細な原因は「調査中」としながら、橋桁の移動中に事故が起きたことを認め、「橋桁を動かす準備をしたり、正常に動いているか確認したりするため、橋桁の上に人が乗る可能性もある」とした。

 橋工事を手がける東海地方の業者によれば、今回の手法は一般的に工期が長く、費用もかかるが、手狭な現場でも対応できるという。ただ、「橋桁に人を乗せて移動させるのは危険で、基本的には乗せない」とした。

 大手ゼネコンの幹部も「ありえないミスだ」と驚く。事故が起きた工法について「珍しいものではなく、難易度は決して高くない。現場で何があったのかわからないが、信じられない」と話す。

死亡の作業員は「兄貴肌」

 今回の事故を受け、国交省は…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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