「うまみが凝縮」特別なコビレゴンドウ 町とクジラ肉の深い付き合い

 太地町の人たちにとって特別なクジラがある。

 コビレゴンドウだ。

 漁師たちは、とれると漁期のはじめにお神酒などをくれた地元の人におすそわけに向かう。

 「とれたら町の人が喜んでくれるし、とれんかったら『ないの』と言われるし」とある漁師は言う。

 太地の追い込み漁で対象になっているクジラやイルカの半分は、「ゴンドウクジラ」と呼ばれる種だ。くちばしのような「吻(ふん)」がなく、ずんぐりした頭をしている。

 太地で古式捕鯨が栄えた江戸時代、漁師たちは数百人で船団を組んで大型のセミクジラやザトウクジラをとっていた。大型クジラの回遊が減った江戸末期ごろには、「副業」として小型のゴンドウクジラを突きとるようになったという。

 ハナゴンドウにカズハゴンドウ。この町との縁が深いゴンドウクジラだが、町の人たちが「ゴンド」と言うとそれは1種類、コビレゴンドウを指す。

 ゴンドが特別なのは、脂がの…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment