「こぎゃんところで死にたくなか」 熊本豪雨犠牲の母の言葉

 球磨(くま)川が氾濫(はんらん)した2020年7月の記録的豪雨で、流域最多の25人が犠牲になった熊本県球磨村で7日、追悼式が営まれた。母親の淋(そそぎ)サナエさん(当時84)を亡くした長女の東さゆりさん(63)が遺族代表としてあいさつした。

 追悼式では冒頭、出席者全員で黙禱(もくとう)を捧げた。松谷浩一村長、蒲島郁夫知事が式辞を述べた後、遺族代表として、東さんがあいさつに立った。

 2年前のあのとき、東さんは山間部の大瀬集落の自宅に、父と兄と愛犬は球磨川沿いの淋集落の実家に、そして母サナエさんは特別養護老人ホーム「千寿園」にいた。

 大瀬集落は山からの濁流で孤立。携帯電話の電波が届かなくなり、東さんは家族と連絡がつかず、不安な時間を過ごしていた。たまたま近所の人の車のカーナビのテレビが映った。そこには水に浸(つ)かった千寿園が映し出されていた。

 電波が届く場所を求めて夫は山に登り、東さんは球磨川沿いまで下ったが、届いたのは母が亡くなったとの知らせだった。

 東さんと両親は11年にも増…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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