「こんな思い、僕で最後に」池袋暴走から1年、現場で涙

 東京・池袋で昨年4月に高齢者の車が暴走して12人が死傷した事故で、遺族の松永拓也さん(33)が19日、現場を訪れた。「こんな思い、僕で最後にしたい。活動を続けるから見守っててね」。発生から1年となったこの日、「天国の最愛の妻子」に改めて誓った。

拡大する妻と子を亡くした事故現場を訪れ手を合わせる松永拓也さん=2020年4月19日午後0時22分、東京都豊島区、内田光撮影

 妻の真菜さん(当時31)、長女の莉子(りこ)ちゃん(同3)が事故に巻き込まれた交差点には、色とりどりの花々やぬいぐるみが手向けられていた。午後0時20分すぎ、松永さんは胸の前でそっと手を合わせた。「1年前のこの時刻に2人の命がなくなったことがすごく現実的に感じられた」。涙が止まらなかった。

拡大する松永さんの妻子が事故で亡くなった場所を訪れ、花を手向けたり手を合わせたりする人たち=2020年4月19日正午、東京都豊島区、内田光撮影

 19日に日付が替わった瞬間から様々な感情が押し寄せた。「どうにもならないとわかっているし、考えないようにしていたけど……。そばにいてほしかったな、とか考えて逃れられなくなって」。うまく自分をコントロールできず、寝付けなかったという。

事故防止に取り組む「原点」に立って

 あの日。警察官からの一報で病院に向かった。30代女性と3歳ぐらいの女児が心肺停止――。スマートフォンで読んだニュースに、全身が震えるのがわかった。名前を呼びかけ、握りしめた2人の手は、傷だらけで冷たくなっていた。「いっそのこと自分も死んだ方がまし」と思った。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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