「ため息が出るほどの男社会」神奈川県警に公安委員が異例の「苦言」

村上潤治

 「必要以上の秘密主義。落胆のため息が出るほどの男社会」。神奈川県警の定例署長会議が4日、県警本部(横浜市中区)で開かれ、冒頭で県公安委員の岡田優子氏(元横浜市教育長)が組織のあり方に苦言を呈し、「いま変わらなければ組織の発展はない」と話した。公安委員会委員の訓示でこうした指摘は異例という。

 岡田氏は「公安委員になり神奈川県警はぜひ女性の活躍できる場であってほしいと願いながら、組織のありようを見てきた」とあいさつ。現在、神奈川県警の女性警察官は約11%、警察官10人の1人以上が女性であり、警部以上に占める女性警察官の割合は1・6%と指摘し、「女性のロールモデルが非常に少ない。なぜ神奈川では女性幹部が育たなかったのか、育てなかったのか、ぜひ考えていただきたい」と呼びかけた。

 交番などの施設整備も遅れているといい、「トイレや更衣室、『いまどき』と驚く。職場の環境整備を急いでほしいが、なぜか、どの部署も反応が悪い」と指摘。「自分たちの仲間のことなのに。もっと真剣に考えて」と訴えた。

 「県民の半分が女性、被害者の多くが女性。県民の安全を守るための対応方針を決める立場に女性がいないのは実におかしい」「長い時間をかけて培われてきた組織ルールは何もしなければ変わらず、変わらなければ信頼は育たない」と述べた。

 会議は直江利克・本部長や本部の各部長、54署長ら幹部職員137人が参加した。女性は運転免許本部長、栄署長、装備課長ら3人だった。(村上潤治)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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