「ひめゆり」支えよう 沖縄のアーティストが有料ライブ

 コロナ禍で入館者が激減している「ひめゆり平和祈念資料館」(沖縄県糸満市)を支えようと、人気ロックバンド「モンゴル800(モンパチ)」のキヨサクさんら沖縄のアーティストが有料のオンラインライブを配信している。沖縄戦の戦没者を悼む「慰霊の日」(6月23日)にあわせた企画で、収益を寄付する考えだ。チケットの購入、視聴は6月30日まで。

 太平洋戦争末期の沖縄戦は約3カ月に及ぶ日米の地上戦で、20万人余りが犠牲となった。沖縄師範学校女子部と県立第一高等女学校の生徒らでつくる「ひめゆり学徒隊」は、看護要員として動員され、生徒だけで222人のうち123人が亡くなった。

 資料館は、元学徒や同窓生らがひめゆりの戦争体験を伝えようと、1989年に設立し、維持してきた。現在は戦後世代の学芸員らが担い手となり、今年は17年ぶりに展示をリニューアルした。運営は公的補助は受けずに入館料や寄付をあててきたが、長引くコロナ禍で入館者が2020年度で9割近く激減。開館以来最大の危機を迎えている。

 こうした状況を昨年9月にキヨサクさんがSNSで知り、チャリティーライブを企画。今年6月18日に資料館で収録し、「慰霊の日」の23日正午に配信を始めた。

 ライブは約1時間15分。キヨサクさんはウクレレを手に、モンパチの「あなたに」や2015年に発表した「himeyuri~ひめゆりの詩~」などを熱唱している。

 さらにスペシャルゲストとして、Kiroroの玉城千春さん、初代ネーネーズのメンバーで沖縄を代表する民謡歌手の古謝美佐子さんが参加して3人で計9曲を披露。3人は、沖縄戦をどう語り継いでいくかや、それぞれの「ひめゆり」への思いも語っている。

 キヨサクさんは今回のライブ配信について「『支援』の先に『もう一度”ひめゆり”を知り、考えて、想(おも)って欲しい』」「”過去”を”未来”に繫ぐ、そんな役割も果たせるような時間になれば幸いです。」とのメッセージを資料館に寄せた。ツイッターでも「コロナが落ち着いて、沖縄に遊びに来れるようになった際には是非、足を運んでみて下さい」と呼びかけている。

 チケットは3千円、5千円、7千円、1万円の4種類があり、視聴者が寄付額を選び購入できる。受け付けは30日午後9時までで、配信は同日午後11時59分まで。購入はStreaming+(https://eplus.jp/himeyuri-st/)で。(木村司、国吉美香)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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