「まさか、ここで」に終止符を 古文書で豪雨災害再現する気象学者

 今夏、大規模な土石流に襲われた現場は、303年前にも被害を受けていた。研究者は訴える。災害がない時期にこそ、地域の災害リスクに関心を――。

 福岡県南部にある耳納(みのう)連山のふもと、久留米市田主丸町竹野地区に土石流が押し寄せたのは7月10日午前9時半ごろ。千ノ尾川から大量の土砂や岩石、倒木などがあふれ出し、20棟近い住宅が全壊した。1人が亡くなり、5人が負傷。1階は壊れたが2階にいたことで助かった人もいた。

 竹野地区の自治会は、各地で豪雨災害が相次いだことを受け、2019年から防災学習会に取り組んでいた。講師に招いた九州大助教の西山浩司さん(55)は、最近の土石流災害の写真や最新のハザードマップに加えて、1720年7月26日の耳納連山の土石流災害を記録した古文書「壊山(くえやま)物語」の内容を詳しく説明してくれた。

 千ノ尾川の被害はこう書かれ…

この記事は有料記事です。残り1677文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment